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AC通信 NO.546

2015/06/19

[AC通信:No.546 Andy Chang (2015/06/18)
[AC論説] No.546 囲碁と将棋

PASEAは天元に一石を投じるようなものだと言ったらキョトンとし
ていた。ある台湾の政治家にPASEA構想を話した時のことである。

天元とは碁盤の中央にある黒い星のことである。天元に一石を投じ
るのは無駄石を置くようなものだが、終盤になるとこの一石が重要
な役目を果たすという意味だ。ところが彼は囲碁を知らない、もち
ろん天元も知らない人だった。

●PASEA構想の説明

そこで改めて説明した。中国の侵略は囲碁に似た領土の奪い合いで
ある。アジア諸国は単独で強大になった中国に対抗できないから、
アジア諸国が連合して中国の横暴な侵略を防ぐべきである。東南ア
ジア平和連盟(PASEA)とは諸国連合で中国の覇権侵略を防ぐことだ。

台湾は第一列島線の中央に位置し、台湾が中国に併呑されたら第一
列島線は突破される。ところが台湾の国民党政権は中国接近を進め
ているので、台湾人の独立運動でこれを防ぐのが大切である。台湾
独立は日米とアジア諸国の援助が大切だ。だからこそ、今は政権を
持たなくても台湾人のリーダーがアジア諸国の連合、PASEAを提案
すべきである。、「天元に一石」とはこのことだ。

残念ながら私の説得は相手にされなかった。彼の考えは政権を取る、
選挙に勝つことだけだった。台湾の政治家は囲碁のような大局観が
なく世界情勢やアジア情勢に関心を持ち、諸国の援助を利用する能
力がない。そのくせ中国の動向に神経をとがらせ、国民党政権の中
国接近をストップさせる手段がない。つまり台湾人の政治運動は常
に被動的である。

●世界の不穏はオバマの責任

オバマが就任して以来、世界各地で紛争が起きるようになった。オ
バマが国防部の反対を押し切ってイラク撤退、アフガン撤退を始め
ると中東ではタリバン、アルカイーダ、ISISが進出し、数万の難民
がトルコに押し寄せた。続いてクリミア併合とウクライナの紛争、
東南アジアでは南沙、西沙諸島で中国の岩礁埋め立てが進んで米国
は遅まきながら危機感を覚えるようになった。

米国の無為無策で南シナ海がキナ臭くなってきた。シャングリラ対
話でアシュトン・カーター国防長官が中国に岩礁埋め立ての即時中
止を要求したが、中国は強気な発言で反発した。だから米国はフィ
リッピンとクラーク基地の再開を協議し、シンガポールに駆逐艦を
常駐させ、日本はフィリッピン海軍と合同演習をし、インド海軍は
南シナ海に軍艦を派遣した。アジア情勢はかなり緊張している。

●紛争が囲碁から将棋になった

情勢がキナ臭くなって小競り合いになる可能性も出てくると、領土
分捕りは囲碁ではなく将棋に似てきた。囲碁では人一つの石が同等
だが、将棋は駒の種類が違う。同じように諸国連盟を作っても諸国
の軍事力は同じではないから将棋に似て、飛車や角行、桂馬など、
違った国の軍事能力と任務が出てくる。

米国の第7艦隊が飛車とすれば日本の海自は角行の役目を取らなけ
ればならない。フィリッピンやベトナムは桂馬だろう。台湾みたい
な弱小国は歩と同じだ。ここで大切なのは日本の集団的自衛権の行
使である。日本では海自の軍事行動に反対する人もいるが、の本が
攻撃されたら反撃する能力を持つことが重要である。南シナ海の自
由航行はアジアでもっとも重要であり、毎日800隻以上の商船が往
来している。中国が岩礁を埋め立てて軍事基地を作り、貿易商船の
往来を阻止すれば日本の首を絞めることになる。

平和は双方の合意がなければ得られない。中国の夢とは世界の覇権
国となって領土拡張を進めることだ。日本や米国が平和を主張して
も相手の強引な領土拡張をストップすることはできない。中国の覇
権拡張をストップさせるためには一戦も辞さないという覚悟が必要、
戦争はしたくないが、避けられない場合は戦うことを覚悟し早急に
準備すべきである。

●台湾の国際的地位を見直せ

再び台湾問題に戻って、台湾が第一列島線の中央に位置していから
には、米国が台湾の基地を利用できるようにすべきである。アジア
の地図を見るとわかるが、台湾はアジア・パシフィックの中央、正
にアジアの天元である。

米国は中華民国と断交したが外交と商業は継続している。米国は中
華民国を認めず、「Taiwan=台湾統治当局」として認めている。つま
り「一つの中国」とは中華人民共和国のことだが、台湾は中国の一
部ではない。それなら台湾統治当局から基地の借用を交渉すること
ができるのではないか。現に米国はすでに台北にAmerican Institute 
on Taiwan という名義で大使館を建設中である。大使館は99年租借
となっている。これが可能なら基地の租借も可能のはずだ。

ベトナム戦争の時は米、国が台湾の基地を借用していた。台中郊外
に大きな米国の空軍基地があり、高雄に海軍基地を置いていた。こ
の二つの基地を再借用すればアジアピボットに重要な軍事基地とな
り、同時に台湾の独立にも大きな助けとなる。来年の選挙では民進
党の蔡英文が当選する見込みがあり、その時が来れば米国が台湾当
局に基地の租借を申し入れることができる。

台湾は列島線の中央にある、つまり台湾はアジア・パシフィックの
「天元」である。米国は真剣にこの政策変更を考慮すべき、そして
PASEAを推進すべきである。

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