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AC通信 No,540

2015/05/01

[AC通信:No.540 Andy Chang (2015/04/30)
[AC論説] No.540 平和条約を悪用する台湾人グループ

4月28日はサンフランシスコ平和条約(SFPT)が発効した日、日本が正式に主権を取り戻した日である。終戦から1952年までの7年間、日本はOccupied Japanと呼ばれていたが、この日から戦争状態が正式に終結し、日本が主権を取り戻した日(第1条)である。占領が終わり占領軍はこの日から90日以内に解散したのであった。

ところが台湾にはSFPTを悪用して、占領軍が今も存在し、主要占領国の米国が今日も台湾の占領権を持っていると主張し、台湾は米国の占領下にあると言うグループがいる。あと二つのグループはもっと悪質で、SFPTの発効後も日本天皇が台湾の主権を放棄していない、それを米国が占領している、「日属米占」と主張する。

日本はSFPT第2条で台湾澎湖の主権を放棄したが帰属を明らかにしなかった。それを米国が占領権を持つ、または天皇は主権を放棄しなかったが米国が勝手に占領権を持つと言うのだ。

●SFPTウソの元祖

この主張を最初に主張し始めたのはRichard Hartzell(何瑞元)で、彼に賛成して米国を告訴したのは林志昇のグループだった。林志昇は米国法廷で告訴して二度も敗訴した。その後で彼らは日本天皇が台湾の主権を放棄していないと主張し始めた。

独立主張ならわかるが米国のパスポートを取りたい、或いは日本天皇が主権を握っているから日本人になりたいと言うのは独立精神に反する行為である。

2013年、Hartzell(何瑞元)と林志昇は仲違いした。更に林志昇の台湾民政府(Taiwan Civil Government:TCG)から追い出されたグループがTaiwan Gevernment in USA:TGUSA)を設立した。このTGUSAグループは2014年4月に米国の国務省副次官のDaniel Russel氏が講演でStrongly support Taiwan Autonomyと述べたのを利用して2014年7月にTaiwan Autonomy(台湾自治政府)と名義変更した。米国は台湾自治を支持する、それは俺たちだと言うのである。

●平和条約と台湾

この二つのグループの「根拠」とは何瑞元が「発見した」と言われるSFPT第23条に「主要占領国」アメリカと書かれていた、それだけである。SFPTの条文に主要占領国(Principal Occupying Power)と書かれていたのはこの第23条一カ所のみである。彼らはSFPT第4条にも連合軍(Allied Power)と書いてある、連合軍とは主要占領軍米国のことで、米国は占領権を持ち、SFPTが発効した今でも解散していないで占領状態が続いているというのだ。日本人が聞いたら何と思うだろう。

SFPTは連合国と日本が取り結んだ平和条約である。この条約で台湾澎湖が提起されているのは第2条bのみ、この条項で日本は台湾澎湖の主権を放棄した。何瑞元と林志昇は第23条に米国が主要占領国であると書いてある、「米国は台湾の占領国で、SFPTが発効した後も台湾の占領権を持っている」と主張しているのだ。SFPTとは日本と連合国の条約で台湾とは関係がない。

SFPTの23条には「この条約は各国の政府が承認しなければならない。各国が条約を承認したあと、承認書を主要占領国米国に寄託する」と書いてあり台湾とは関係がない。SFPTの第2条bにおいてのみ台湾澎湖が明記してある。米国が主要占領国であると書いてあっても台湾とは何の関係もない。

米軍が占領軍として台湾に駐屯した記録はない。台湾に駐屯した占領軍は蒋介石の軍隊である。マッカーサーの占領軍第一号命令に蒋介石に台湾における日本軍の降伏を受け入れろとあっただけだ。

蒋介石軍が主要占領国・米国の命令で台湾に駐屯したから米軍と同じというなら、蒋介石軍が米国の占領軍として認めることになる。

●林志昇が米国で起こした訴訟とは

林志昇は米国の地方法廷と高等法院で、米国は台湾の占領権を持つから「台湾人に米国籍を与えろ、米国のパスポートを発行しろ」と二度も米国を告訴した。米国から主権を回復する告訴でなく米国籍を取りたいから告訴したのである。

この告訴が二度とも敗訴になった後、林志昇(発見者は何瑞元と言われる)はSFPT-2bで日本は台湾澎湖の主権を放棄したが、日本天皇は放棄していない。だから日本国が明治憲法を回復すれば台湾は天の領土だから日本国籍を取得できると主張し出し、数百人の追従者が居る。

日本はSFPT-2bで台湾の主権を放棄したが、明治憲法では日本天皇は放棄していないと言う理屈は通らないが、このウソを信じるバカも居る。SFPT第2条bによれば日本は台湾の主権をクレームできるはずがない。

●第3の詐欺師グループ

ところが更に第三グループが出現したのだから呆れる。このグループは何瑞元を「国際法の権威」として崇め、「台湾の地位は日属米占である」と言い触らす台湾地位正常化促進会」と名乗るグループである。彼らは「日本が明治憲法を復帰させれば台湾は自然と日本の領土を回復できる」と宣伝している。日本人は賛成するだろうか。

日本がSFPT-2bで台湾の主権を放棄したことは48カ国が承認したことである。たとえ日本が明治憲法を復帰させても台湾の主権を取り戻すと言えばSFPTに背くことになり各国が承認しない。こんなバカな主張でも台湾では信者を集めることが出来るのだ。

結論として、台湾民政府(TCG)、米国台湾政府(TGUSA)、それに台湾地位正常化促進会、この三グループは台湾独立を阻む行動、台湾人を騙すことをしているのである。

台湾人が台湾独立に努力するのは賛成である。だがSFPTを曲解したウソで信者(愚民)を集めるのは絶対不可、心ある台湾人は認めないし世界諸国も認めない。私はこの三つのグループの主張を聞くたびにムカムカする。

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