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AC通信 No.528

2015/02/02

[AC通信:No.528 Andy Chang (2015/02/01)
[AC論説] No.528 ウソで台湾独立はできない

リンカーンは「一時的に全ての人を騙すことは出来るし、少数の人
をいつまでも騙し続けることも出来る。しかし全ての人をいつまで
も騙し続けることは出来ない」と言った。

私の台湾の友人はみんな独立願望がある。しかし一部の人が台湾民
政府(TCG)や米国台湾政府(TGUSA)と呼ぶ組織を作り、米国は台
湾の占領権を持つとか、台湾は日本天皇の神聖不可分の領土で現在
は米国が占領しているという主張はウソであり、こんな主張で台湾
人を騙すことは出来ない。

台湾には200以上の政治団体があるというが、大部分が反中華民国、
反国民党の団体である。いろいろ違う方法や主張、違った行動様式
もある。しかし、台湾はアメリカまたは日本天皇の領土であるとか、
サンフランシスコ平和条約(SFPT)が発効したあともアメリカは台
湾の占領権を維持しているという主張はウソである。台湾独立をす
るためにアメリカが台湾の占領権を持つ必要はない。

アメリカは一度も台湾の占領権があると主張したことはない。アメ
リカに頼るのは依頼心の表れで、アメリカが助けてくれるとは限ら
ない。米国が占領権を持っている、米国の傘の下で台湾政府を組織
すれば中華民国は反対できないと主張するのは子供騙しである。米
国も台湾民政府(TCG)や米国台湾政府(TGUSA)を支持を表明した
ことはない。ウソで独立はできない。

この二つのグループの宣伝文にはいつもアレルギー反応が起きる。
なぜなら彼はいつも冒頭にサンフランシスコ条約の第23条により、
米国は台湾の主権を握っていると書くからだ。

もう一つの宣伝では台湾関係法(TRA)第2条で米国は中華民国の存
在を拒否した、だからアメリカはわれわれの組織を認めたと言う。
SFPT23条、またはTRA第2条にはそんなことは書いていない。条約
を勝手に解釈して人々を騙しているのだ。

一部の台湾人を騙せても全ての台湾人、アメリカ人、世界中の人を
騙すことは出来ない。ウソを混ぜて台湾独立を主張しても真実でな
ければウソがバレて終わりである。

●サンフランシスコ平和条約

TGUSAやTCGは常に「SFPT第23条に米国が主要占領国であると書い
てある。米国は台湾の主要占領国で、今でも占領権を持っている」
と主張する。この主張には三つのウソがある。

(1)SFPTは連合国と日本の間の条約で、台湾と交わした条約では
ない。台湾は第2条bで日本が放棄しただけであり、米国が台湾の
主権を持つという根拠はない。米国は台湾を占領したことがない。

(2)SFPTは連合国と日本の戦争状態を終え、日本占領を解散した
条約である(第1条)。占領軍はSFPTが1952年に発効した90日後に
日本占領を解散した。占領が台湾にも及び今も米国が占領権を持つ
と言う主張はウソ。

(3)SFPT第23条には「本条約の署名国は、本国で批准されたあ
と、批准書を“主要占領国アメリカ”に委託する」と書いてある。
「主要占領国」と言う名詞はこの条約の中で一箇所のみだが、米国
が今でも日本の占領権を有している事実はなく、ましてや台湾の占
領権はどこにも書いてない。第23条の条文を勝手に歪曲して解釈し
たのは林志昇と何瑞元(リチャード・ハーゼル)で、TCGとTGUSA
という二つの組織がこのウソを使っている。

こんなウソはSFPTの条文を読めばすぐにわかる。自分で条文を読ま
ず簡単に信じてはいけない。ある人はSFPT第23条には書いていな
くても「解釈によれば」米国が占領権を持つと言う。書いて無いこ
とを勝手に「解釈」しても無いものは無い、ウソはウソである。

●台湾は「天皇の神聖不可分領土」と言うウソ

この主張は林志昇が提唱したもので「台湾は日本の植民地ではなく、
日本の領土である。“戦争法に拠れば”戦争による領土の占領は不可
であるから、たとえ日本国がSFPTで台湾澎湖の主権を放棄しても天
皇には神聖不可分の領土主権がある」と言うのである。

日本政府が領土を放棄しても天皇は放棄していないという理屈は正
当性がない。しかし一部の台湾人はこれを信じて毎年の天皇誕生日
にグループで日本に旅行し、宮城で天皇の誕生日を祝っている。い
くら宮城参拝をしても林志昇理論の正当性は認められない。

林志昇理論に正当性があるなら日本法廷か国際法廷に提訴すればよ
い。提訴しないのは正当性がないことを彼自身がよく知っているか
らであろう。ウソに騙されて自費で宮城参拝を続けている人たちは
可哀想と言う他はない。戦争法、国際法と権威ぶって使用しても「ど
の国際法の第何条」と明記したことはない。

●台湾関係法の曲解

台湾関係法とはアメリカが台湾の中華民国と断交したあと、台湾の
住民と政経関係を継続するため米国国会が通した法律である。つま
り米国は中華民国を認めないが、台湾の住民と政経関係を続けるた
め現在の統治当局、中華民国の名を棄ててタイワンと呼ぶことにし
たのである。TRAの条文では米国は中華民国を認めないから統治当
局をタイワンとしただけで、米国が中華民国に台湾統治を委託した
証拠にはならない。

数日前、台灣民主國台灣自決黨秘書長?桂英と名乗る人から次のよ
うなメールを送ってきた。

「台湾関係法の内容によると1979年1月1日より米国は中華民国を
承認しなくなった。これは米国はこの日以前は台湾統治を中華民国
に委託していた証拠として十分である。国連憲章第12条の国際委託
制度と台湾関係法の二つで中華民国が(米国より)台湾統治を委託
されたことが証明できる。」

TRAに書いていないが、TRAと国連憲章第12条と組み合わせるとこ
んなウソが出来上がるのである。台灣民主國台灣自決黨秘書長?桂
英と言う人は知らないが、彼の理論が正しいなら米国が台湾統治を
中華民国に委託した事実があったことになる。

詐欺師の手口とは誰でも知っている真実をたくさん並べ、その中に
こっそりウソを混ぜて人を騙すのである。

●米国台湾政府(TGUSA)の疑問

独立運動をするのに米国が占領権を持つと主張する必要はない。
SFPTやTRAを根拠にして独立の正当性を主張しなくても中華民国が
亡命政権であることは皆が知っている。米国の支持があると言うウ
ソを並べる必要はどこにもない。私は米国台湾政府(Taiwan 
Government in USA)と言う名称に大きな疑問を持っている。

(1)、米国台湾政府(TGUSA)とは米国国内で組織した台湾政府、
ということだろうが、「米国における台湾政府」と「台湾における中
華民国」とは同じような亡命政府ではないか。
(2)、もしもTGUSAが台湾で組織した台湾政府なら中華民国当局の
登記はしていないはずだが、TGUSAが台湾で米国の名を冠する組織
を作ったことに米国が同意した文書を提示できるか。口頭でアメリ
カが同意したと言っても証拠にならない。
(3)、去年7月、TGUSAが台湾、南投で台湾省政府ビルに侵入して
庭にTGUSAと米国の旗を掲げたことについて、米国国務院の台湾協
調室主任Christopher BeedeはTGUSAの駐ワシントン代表林徳興を呼
びつけて米国国旗を掲げたことに抗議し、米国政府はTGUSAの行動
を支持しないと述べた。
(4)、台湾で米国台湾政府を名乗るのはイラクでイスラム国を名乗
る組織とどこが違うのか。

TCGやTGUSAが政府を組織し、総理、副総理、X部長、XX州長などを
任命したのは「独立ごっこ」であり、南投の省政府ビルを占拠した
のは「戦争ごっこ」である。いくらやっても中華民国を打倒するこ
とにならない。独立運動は米国に依頼する必要はないし、天皇の
名前を出す必要もない。革命は戦争ごっこではないのである。

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