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AC通信 NO.503

2014/06/29

[AC通信:No.503 Andy Chang (2014/06/29)
[AC論説] No.503 イラク動乱から見るアジアの安全保障

イラク動乱でアメリカは兵力を派遣しないことで一致している。バ
グダッドの陥落を目前に見ながらアメリカ国内ではイラク援助と放
棄の論争が盛んだが、両者に一致していることはオバマの責任論、
つまりイラク国防が不完全なのに米軍が撤退を強行したことで今日
のイラク軍の脆ろさが露呈した。オバマとマリキの関係は悪く、今
になってもオバマはマリキの退陣を求めている。

米国国内では兵力投入に反対の声が高い。オバマはこの時期になっ
ても空爆の決断さえ渋っているし、オバマはイラクが自力で防衛し
なければならない述べ、武器提供はするが戦闘には参加しないこと
を明らかにしている。

アメリカのイラクに対する弱気な援助をみると、アジアで問題が起
きてもアメリカは武力行使を避けて武器提供だけで済ませる意図が
わかる。日米安保、台湾の安保、中国の南シナ海侵略などに対して
もアメリカは口先だけで実際には何も出来ない、やらないのではな
いか。アメリカが頼りにならないなら自力防衛が先決だ。

●アジアに於ける米軍の分布

ウィキペディアによると、アジアに於ける米軍の分布は:
日本:5万人、陸軍、海軍、海兵隊、空軍
韓国:2万8千人
泰国266人、オーストラリア78人、シンガポール172人
キルギスタン1649人、英領インド洋528人。
米国内の基地では、ハワイ5万人、アラスカ2万人、グアム5千人。

これをみると日本に主力を置いていることがわかる。日本防衛は堅
固だが台湾は放置状態。南シナ海における中国の勝手な占領は日本
から派遣する第7艦隊のみで、中国の横暴な進出を防ぐには不足で
ある。韓国の防衛は主に38度線の北朝鮮対応である。

最近はシンガポールに軍艦寄港、オーストラリアに2500人駐留、そ
してフィリッピンのスービックベイ基地の再開を目指しているが、
まだ発展中。

●日米安保と尖閣諸島

米軍の主力は日本にあるが中国やロシアの軍事行動を防ぐには日本
の自力防衛が大切である。例えば中国が監視船や大量の漁船を動員
して尖閣諸島に押し寄せた場合、海保だけでは対応できないが、米
軍は動かないかもしれない。海自が出動して漁船を追い払うことが
出来るかどうかは日本が集団的自主防衛権を持つかに関わってくる。
日本軍は迅速な対応能力を持つべきである。

もし中国人が魚釣島に上陸すれば日本は海保だけでは対応できない。
中国の監視船や漁船が故意に衝突を仕掛けても日本は抑止できない。
漁船を逮捕することも出来ないだろう。米国は恐らく口頭で中国に
抗議するとか、軍艦を派遣して監視するぐらいで、相手が軍事行動
をとっても軍事衝突を避けるだろう。米国は頼りにならない。集団
的自衛権、憲法改正は焦眉の問題である。

●台湾防衛はイラクみたいなもの

米国が中国と国交を結び、中華民国と断交したあと、米国会は台湾
関係法を創った。これによると(1)米国は台湾の将来は平和的手
段によって決定されることを期待する。(2)平和的手段以外の試み
は米国の重大関心事である。(3)米国は台湾に防衛的な武器を供給
する、などと書かれている。

台湾の将来が平和的に決定されること、つまり現状維持と平和的解
決が米国の主張である。だから中国の経済侵略や中華民国(馬英九)
の中国接近を止めることはできない。

更に厳重な問題は台湾に防衛的武器を提供することで、台湾の中国
人スパイによって米国の提供した武器や防衛計画が中国側に盗まれ
る事態が起きることである。米国の機密が中国に漏れるなら台湾防
衛は辞めろという主張もある。

また、馬英九政権の中国接近で現在の台湾軍の防衛力は情けないほ
ど低下し、中国の攻撃に無力なこと。このような事態はイラク軍の
脆弱さと同様、米国が武器を提供しても無益である。これを改善す
るには台湾人の愛国心と本土意識の高揚が大切で、政治や軍事が台
湾人に掌握されなければ中国の侵略は防ぐことが出来ない。

つまり台湾人政権の樹立が肝要だが現状では米国の支持を得られな
い。米国は台湾関係法で「台湾統治当局=中華民国」つまり台湾の
安全を維持するつもりが逆にシナ人の売国行為を支持する矛盾があ
る。このため中国の侵略を促進し、台湾は「現状維持=慢性衰弱死」
を遂げる。

●南シナ海とシャングリラ会議

米国のアジア・ピボット宣言はどれほどの効力を発揮するのか。最
近のオバマ4国訪問は早速、中国のベトナム海域で石油掘削開始と、
フィリッピン海域の埋め立て工事で対抗した。

5月末にシンガポールのシャングリラ・ホテルで開催された第13回
アジア安全保障会議では安倍首相と米国防長官・ヘーゲルが連携講
演で南シナ海に於ける中国の覇権行動を国際社会が共同で対処する
潮流が出来上がった。阿部首相の主張した「法の支配」は国際協力
で中国の主張する二国間交渉に反対の合意がなされたのである。ア
ジアの安全保障は米国に頼るのではなく、アジア諸国連携で「法に
よる解決」を宣言したのである。この新発展はアジアの諸国連合に
近い、つまり私のPASEA構想と同じである。

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