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AC通信 No.491

2014/03/24

[AC通信:No.491]Andy Chang (2014/03/23)
[AC論説] No.491 東亜領土問題の解決策

前号(AC通信No.490)「未解決領土と中国の覇権阻止」について、
ハノイ在住のR氏から「竹島、尖閣、北方領土は100%日本領土です」
とのコメントがあった。もちろんその通りです。私の記事の中で、
日本領土の部分と帰属未定の領土と一緒にしたことお詫びします。
周知のことだから領土問題を論じる際に一緒にしてしまったのです。

東亜の領土問題を詳しく書けば、
(1)SFPTで帰属未解決となった領土は台湾澎湖、南沙、西沙群島。
(2)ロシアが終戦直後に勝手に武力で占領した北方四島
(3)日本領だが韓国が占領して実効支配している竹島
(4)日本領だが中国が無法な領有権を主張している尖閣諸島。

以上をまとめて「東亜領土問題」と呼ぶことにしたい。この問題を
解決するには、ロシアと韓国に占領した領土の返還を求めること、
台湾の独立、中国の尖閣領有主張を阻止する、そして南沙と西沙の
所属を決めることである。

北方四島については日本とロシアが二国間で何度も協議したが解決
に至っていない。竹島問題は韓国が協議に応じないし、国際法廷で
解決することにも同意しない。つまり、領土問題は二国間協議でも、
国際法廷でも解決できないから、アメリカを主体としたSFPTの署名
国と関連諸国全体が共同で解決するべきだと私は主張する。

私がPASEAを提案して三年たったが、どのようにすべきかを考える
と困難がたくさんある。台湾人は国がないから政府単位で行動する
事はできない。民間で出来る事は署名運動だけである。東亜聯盟は
多国間政府の交渉ですべきだが、アメリカは現状維持とか曖昧政策
などで実行しない。

もしもアジア平和聯盟が出来ればアメリカは主催国として参加また
は聯盟を作ってからアメリカの参与を要求してもよい。聯盟を作る
には日本の首相が音頭を取るのが望ましい。国がない台湾人は署名
運動でアメリカの参与を促すことしか出来ない。

●アメリカの責任

第二次世界大戦を終結させるため、アメリカを含む47カ国は日本と
サンフランシスコ平和条約に署名した。この条約は当時のアメリカ
が決定権を握っていた。だがアメリカは条約に未解決な部分を残し、
それが現在の係争の原因となっているのである。

アメリカはSFPTの第2条で日本が主権放棄をした台湾澎湖、南沙、
西沙諸島の帰属を決められなかった。また、第2条cで日本が放棄
した千島と南樺太は、ロシア(ソ連)が南千島に含まれていない北
方四島を勝手に占領したがSFPTではこれを追及しなかった。

竹島はSFPT締結後、李承晩が韓国領を主張したが、日本とアメリカ
はこれを認めていない。今でも韓国が実効支配を続けている。

尖閣諸島は沖縄領で、アメリカが沖縄を信託統治し1972年に日本に
返還した。にも拘らずアメリカは尖閣諸島が日本の領土であると確
認しない。だから中国が勝手に領土主張をしているのである。但し
アメリカは尖閣諸島が日米安保の範囲内にあると曖昧な確認をして
いる。

台湾は蒋介石が勝手に占拠した領土である。中華民国政府が亡命し
てきた時もアメリカは共産主義に反対だから中華民国の台湾占拠を
黙認してきたのである。その後アメリカは共産シナを承認して中華
民国を認めなくなったが、亡命政府を追放せず現状維持を主張して
台湾人民の独立運動を援助しない。

●住民投票は必ずしも民主主義ではない

クリミアの住民投票で97%がロシア併合に賛成票を投じたと言う。
大多数の民衆が賛成したのだからロシア併合は民主主義にかなって
いると言えるだろうか。クリミア住民の大半がロシア人だから併合
に賛成は当然の成り行きかもしれない。

「民主主義とは多数決による独裁である」とトクヴィルが喝破した
が、その通りである。多数決で決めたから民主と簡単に決めるわけ
に行かない。

台湾の住民の80%は台湾人で、調査によると台湾人の9割は独立に
賛成、中国併呑に反対である。それだから現在の独裁中華民国は住
民投票を実施しない。中国とサービス貿易協定を結び、将来的に中
国人の移民が増えれば投票で台湾併呑が可能となる。これは独裁で
あって民主的ではない。

北方領土ではロシア人が移住しているから住民投票でロシア併合が
可能となる。こんな投票は許されるべきではない。台湾は中国の領
土ではないし、北方領土は日本領土だから、台湾領土や日本領土で
中国人やロシア人が投票するのは間違いである。

●聯盟を成立させる最短距離

諸国が東亜領土問題を解決する聯盟を作る最短距離は、現在進行中
の汎太平洋パートナーシップ(Trans-Pacific Partnership、TPP)協議
に太平洋地域の領土問題を解決する条項を入れることである。

安倍総理のセキュリティ・ダイアモンド構想、またはPASEA構想と
同じく、汎太平洋諸国が中国とロシア、韓国の無法占拠のために太
平洋地域が平和でないのである。TPPの協議に東亜領土問題の一括
解決を組み込めば東亜は平和になる。TPPはアメリカが提案したの
だから、商業問題や農産物などの協議と同様、領土問題の解決を盛
り込めばよい。アメリカも東南アジア諸国の協力を得て中国の暴挙
をストップさせるチャンスである事はすぐ理解できるであろう。

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  • かもめ2014/03/24

    訂正します。放棄した重要諸島に(5)も含みます。

  • かもめ2014/03/24

    初めてコメントします。メルマ講読しています。

    日ごろの活動に最大の敬意を表します。

    SFPTでの日本の領土関係の処理についてですが、以下ようになっていると理解しています。



    SFPTで日本が領土の帰属に関して宣言したのは下記の4種類。



    独立を承認し、その権利、権原及び請求権を放棄

    (1)済洲島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮半島



    権利、権原及び請求権を放棄

    (2)台湾及び澎湖諸島

    (3)千島列島、樺太の一部及びこれに近接する諸島

    (4)南極地域

    (5)新南群島及び西沙群島



    権利、権原及び請求権を放棄し、国際連合の信託統治制度に委ねる

    (6)国際連盟の委任統治制度(委託統治していた南洋)諸島



    米国の信託統治下におくことに同意

    (7)北緯二十九度以南の南西諸島、孀婦岩の南の南方諸島並びに沖の鳥島及び南鳥島



    (1)には竹島が含まれず、(7)に尖閣諸島が含まれているのはご承知の通りです。また(6)は米国が委託統治し、現在ほとんどが独立、(7)はのちに日本に返還された。(3)は注意が必要です。日本の主張は、北方領土は日本固有の領土で(3)の千島列島には含まれていないというものです。

    しかし(2)(3)(4)と、今日までこれだけの重要な諸島の帰属先を確定していないのは連合国の怠慢以外の何物でもないと思います。外交専門家の中にはソ連は条約国でなかったので(ソ連に権利を放棄を宣言したわけではないので)北方領土交渉は樺太や千島列島の帰属問題から交渉する権利があると主張する人もいます。