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AC通信 No. 490

2014/03/20

[AC通信:No.490]Andy Chang (2014/03/19)
[AC論説] No.490 未解決領土と中国の覇権阻止

宮崎正弘氏の国際ニュース・早読み4186号(3月18日)に、東京市
ヶ谷の「アルカディア市ヶ谷 」にて、「島嶼問題を考える」(尖閣、
南沙・西沙諸島)と題しての緊急シンポジウムが「日本・ベトナム
島嶼会議」(議長 藤井厳喜)主催によって開催され、およそ170
名が参加した。とあった。

藤井厳喜氏は「日本時代、『新南群島』として台湾高雄市の管轄下に
南沙、西砂があるという行政区分だった。サンフランシスコ条約で
日本は領土を放棄させられたものの国際法上、帰属は決まっておら
ず、日本がこの問題に絡むと対中包囲網を作れる。ベトナムは良き
パートナーとなれる」と踏み込んだ発言があった。

また、私のAC通信、NO.489号記事で、シカゴ大学のミアシャイマー
教授の「台湾よさよなら」を論考したが、ミアシャイマーの論文につ
いて、Nat Bellocchi(白楽崎)元AIT署長(米国の駐台湾大使に相
当)が評論を寄せて、中国の覇権進出を防ぐには東南アジア諸国が
「東亜民主共同体(Community of Democracies in East Asia)」を結
成すべきだと説いた。

以上二つの構想は私がこの三年間主張してきた東南アジア平和聯盟
(Peace Association of South East Asia, PASEA)とまったく同じ構
想である。藤井氏は尖閣、南沙、西沙諸島の帰属は未決であるから
中国の覇権を防ぐには日本とベトナムの連合が必要と主張している。
ベロッチ氏は中国の覇権進出、特にミアシャイマーの警告した中国
の台湾併呑を防ぐには東亜諸国の民主同盟が必要であると主張する。

私はこれまで、SFPTの第2条で未解決となったままの領土は台湾澎
湖、南沙、西沙、尖閣(沖縄領土)、北方領土と竹島で、この解決は
アメリカと東南アジアの諸国が聯盟を結成し、SFPTに署名した48
カ国と共に未解決領土の帰属を決めるべきだと主張してきた。未解
決領土の帰属を明確にすれば中国の侵略はシャットアウトできる。
太平洋戦争が終結して70年近くも領土の帰属を放置したから中国
が盗むのである。この問題はアメリカが主体となったSFPT参加国が
解決しなければならない。

●台湾人民はSFPT最大の被害者だ

サンフランシスコ平和条約の第2条で未解決のまま放置されてきた
領土には600万人口の台湾澎湖が主体で、その他は無人島だったが、
今では中国や中華民国、ベトナムなどがあちこちの島を占領してい
る。台湾の住民は終戦前は日本人だったが、蒋介石がマッカーサー
の命令で台湾における日本軍の降伏を受理させたのち台湾に留まり、
台湾人は今でも中華民国亡命政府に統治されている。つまり台湾の
住民はサンフランシスコ平和条約の最大の被害者である。

台湾独立運動は半世紀以上も続いているが、中華民国の恐怖統治と
中国の武力併呑の恫喝のため、アメリカは現状維持を主張し、台湾
独立に反対の立場をとっている。アメリカの曖昧政策が今日の中国
覇権の発展を招いているのだ。

台湾人には自分の国がない。中華民国の圧政下で暮らしているから
独立運動が進展しない。台湾人の独立主張は中華民国政府を打倒し
なければならないが、中華民国の圧制と中国の恫喝のおかげで主張
が纏まらず団結しない。台湾が独立するには台湾人民が諸国の平和
聯盟と一緒にSFPTの領土解決をすべきである。

関連諸国にとっては、未解決領土は無人島だけなく2300万の人口を
持つ台湾人が被害者国であり、この問題解決に最重要な部分である
から、台湾独立団体の参加を歓迎すべきである。

●安倍総理の「セキュリティ・ダイアモンド」構想

東亜の平和は中国の覇権進出を阻止することだが、東亜諸国だけで
なくアメリカやインド、イギリスや欧州諸国も含めた世界の自由と
平和の問題である。

安倍総理の提唱した、アメリカ、インド、日本とオーストラリアの
「セキュリティ・ダイアモンド」構想も以上の主張と同じである。
またイギリスを主体とする、イギリス、シンガポール、マレーシア、
オーストラリアの「五カ国防衛」構想も同様である。

平和聯盟、民主同盟など、名称はいろいろあっても、目標は中国の
法を無視した覇権進出を阻止することであり、民主主義と法の規律
と人権尊重を基本とする世界の平和を維持する構想である。

中国の覇権進出で影響を受けるのはマラッカ海峡の自由航行、海洋
の自由航行だけでなく、戦略的には中国の太平洋進出がアメリカに
最大の脅威となる。アメリカが今日まで中国の覇権横暴に対し宥和
と曖昧で不安定な現状を維持してきた政策は間違っていたといわざ
るを得ない。

●アメリカの参加が必要

東南アジアの平和は中国の覇権を抑えることにあり、聯盟にはアメ
リカが最重要である。アメリカは曖昧政策で糊塗してきたがアメリ
カの衰退が明らかになれば中国の覇権を抑えることが難しくなる。
アメリカの衰退と無力を援助するには東亜諸国の聯盟が必要、もと
もとアメリカが主体となるべきことである。平和聯盟、ダイアモン
ド構想、民主共同体、名前はどれでも構わない。

アジアの最強国は日本であり、聯盟は日本とアメリカが主体となる
べきである。衰退したとはいえアメリカは世界の覇権国で、中国覇
権を抑える国はアメリカに他ならない。だから平和聯盟はアメリカ
が主体でアジア諸国はアメリカを補佐する形である。それには日本
が諸国聯盟の根回しをして「兄貴分」アメリカの参与を呼びかけれ
ばアメリカは喜んで参加するであろう。

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