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AC通信 No.488

2014/03/08

[AC通信:No.488]Andy Chang (2014/03/06)
[AC論説] No.488 ウクライナ侵攻とアジアピボット

プーチンのウクライナ侵攻はオバマの強硬な恫喝が逆効果を招いた
といわれている。アメリカのメディアはオバマの警告でロシア議会
が硬化してクリミア出兵に賛成したという。真相はともかく、アメ
リカは世界各国から「紙老虎」と見られるようになった。

このような世界政情で懸念されるのは、中国がアメリカの「アジア
ピボット」を軽視して覇権拡張を進めることだ。中国の台湾侵攻、
尖閣上陸にアメリカは対応できるか。

アジア問題はすべて中国覇権の結果である。アメリカは中国の覇権
進出に無作為だけでなく、日本を危険視する発言を繰り返す。オバ
マは日本に無関心、メディアは日本批判をやめない。日本はアジア
で最も重要な戦略的パートナーだから、アジアピボットは日本に頼
る他はないのに、日本批判を繰り返すのは愚か、日本が沈黙してい
るのも間違いである。

●米国の現代戦争体制と国防費削減

チャック・ヘーゲル国防部長が陸軍兵員を第二次大戦前の45万人に
減らすと発表していろいろな批判があったが、私はこれをアメリカ
の現代戦争への体制転換と見ている。要約すると、?陸軍を減らし
長期戦争から短期攻撃(海兵隊)の作戦、?11隻の空母を主体とす
る海上戦闘群、?無人偵察機とピンポイントミサイルで経費と人員
削減、?テロとサイバー攻撃に対応、の4つである。

この体制変換は長期作戦をやめて短期作戦に絞ることだが、弱点は
敵の長期テロに対応できないことだ。毛沢東の「敵が進めば我は退
き、敵が駐留すれば我は擾乱する、敵が疲弊すれば我は叩く、敵が
退けば我は追う」と言うテロ作戦に対する対応は無人機の攻撃だけ
となる。

イラク、アフガン戦争は陸軍の攻撃で勝ったが、テロの地雷爆弾や
自殺テロで手足を失う兵隊、死傷者が続出した。新型戦争は陸軍の
地上戦ではなく空の攻撃、これに対する敵側のテロ攻撃である。

アメリカの現代戦争体制は二方面作戦を放棄し、単なる短期作戦だ
けとなる。つまりアメリカは安保諸国に「現状維持」を要求する他
はなく、「作戦に勝っても戦争に負ける(Win the battle, lose the 
war)」のである。

このような状況で起きたウクライナ危機を見て、中国がアメリカを
軽視し、アジアで進出するいくつかのシナリオを考えてみよう。

●空の台湾侵攻と台湾の防衛力

ロシア軍がヘリコプターでクリミア半島に侵攻してもアメリカは兵
力派遣が出来ない。オバマの警告はリップサービスと見られ、経済
制裁は欧州諸国が賛成しない。アメリカと欧州諸国に出来ることは
ウクライナの経済援助だけだ。

台湾は東南アジアの中央にあり、中国が太平洋進出に欠かせない要
塞である。中国がアメリカの衰退に乗じて中国が輸送機やヘリコプ
ターで台湾の空港を急襲すれば大事だ。国民党軍は戦力も戦意もな
いし、馬英九は中国寄りである。アメリカは国交がないから軍隊派
遣も出来ず、海上封鎖で上陸した中国軍の自滅を願うのみだろう。
国交が無ければケリー長官が台湾に飛んで馬英九に圧力を加えるこ
とも出来ない。

アメリカには台湾関係法があるが、中国軍が侵略した後でアメリカ
が反撃する可能性は薄い。残るところは台湾人民の抵抗だが、武器
が無いから民間人の無差別殺戮は必至である。

このような事態を防ぐには、アメリカが早々と台湾は中国の領土で
はない、中国の侵略は国際法違反であると宣言することである。こ
うすれば米軍が上陸して人民を保護する名目が立つ。アメリカは早
くから宣言すべきだったのに曖昧政策で何もしなかった。

オバマはアジアを放置して中東にかかりきりだった。ヒラリーがア
ジアピボットを宣言したが、海軍兵力をアジアに移す計画は遅れて
いる。アメリカは日本とインドがアジアの海上平和を受け持つこと
を望んでいる。シンガポールとフィリピンの港の駐留も遅れている。

●尖閣諸島上陸と日本の反撃

尖閣も台湾と同じく中国の太平進出の要点であるのに、アメリカは
尖閣諸島は日本領であると言わず、尖閣は日米安保の範囲内である
というだけ。中国は尖閣諸の帰属を「未解決領土」から勝手に「中国
の領土」に切り替え、軍事行動を正当化する発言を繰り返す。

アメリカが何もしないことが明らかになると中国が尖閣に軍艦を派
遣して中国の旗を立てることも考えられる。日本は領土防衛で中国
と交戦する用意はあるだろうか。アメリカが安保条約に則って中国
軍を撃退する可能性は薄い。日本は早急に自己防衛を合法化し戦争
準備をすべきである。

●南シナ海の進出とアジア諸国

中国はこれまで何度も海軍の軍艦がフィリピンやインドネシアの漁
船を攻撃し、スプラトリーやパラセル諸島の島々に施設を作ってき
た。アメリカが抗議をしたと聞いたことがない。南シナ海はアジア
のみならず世界の重要な商業航路である。東南アジア諸国は中国海
軍の暴虐に困惑しているが、アメリカの態度が煮え切らない。この
状態がエスカレートすれば各国の商船は中国海軍に妨害されるかも
しれない。

パラセル、スプラトリー諸島はサンフランシスコ平和条約(SFPT)
で日本が主権放棄をした領土で帰属は未定である。中国はSFPTに署
名していないのに南シナ海を自国領と宣言し、島々の占領を繰り返
してきた。中国に対抗するには諸国とアメリカが合同して中国の進
出を塞き止め、台湾を含む帰属未定の領土を中国の侵略から守るべ
きである。これが私の東南アジア平和連盟(PASEA)の主張である。

●アジア諸国の合作(PASEA)

アジアの平和達成は中国の覇権拡張を押さえること、これしかない。
中国の武力行使、言いがかり、メディア宣伝にアメリカはいつも弱
腰な反応だけである。アジアの不穏はアメリカが中国の横暴を抑制
できないため、つまりアメリカの責任だ。諸国はアメリカの無作為
に対し自力防衛を進めるべき。それには東南アジアの平和連盟が必
要だ。東南ア諸国連合が出来ればアメリカは喜ぶ。PASEAを主催す
るのはやはり最強国の日本しかない。

アメリカの衰退に諸国は自衛力を増強して中国の覇権に対抗すべき、
これでこそアジアの平和を保てる。アメリカの衰退で中国が進出す
れば諸国は防衛を強化し、アメリカが弱腰になればアメリカの尻を
叩くべきである。日本はアジアの平和に最も重要な国である。アメ
リカの日本批判に強く反論し、日本の立場と正論をアメリカに「教
える」べき、「美しい日本はシナに強い日本である」とアメリカに言
うべきである。

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