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AC通信 No.221

2007/12/23

[AC通信:No.221] (2007/12/23)
[AC論説]No. 221 台湾の奴隷解放

数日前、ロスの台湾会館で劉天良氏が「台湾人は奴隷か?」と言う演題
で講演した。劉さんの兄は白色恐怖時代に台北駅で無差別逮捕、銃殺さ
れ、彼自身も数々の迫害に会い、苦労して渡米してからようやく国民党
の束縛から解放されたた人である。そのような個人的経歴を持つ劉さん
の講演はかなり迫力のあるものだったが、中でも印象に残ったのは彼の
言う「台湾人は今でも奴隷と呼ばれたくないが、実際には奴隷である」
という結論である。台湾人に限らず、いろいろな人が「目に見えぬ束縛」
を受け、束縛から解放できない。これが奴隷の特性である。

数人の読者から「台湾の困難を離脱するには国民党を潰すほかはない」
というメールがあった。もともと民進党は国民党を潰すために出来た政
党だったが、今では国民党と「和解共生」で二大政党制度を目標として
いる。これが奴隷根性でなくてなんであろうか。

●奴隷根性とシナ人根性

バビロンの時代やローマ時代から奴隷はあったが、アメリカの奴隷が最
も有名である。奴隷とは自由を失い、自発的に思考し、行動できない人
間のことである。現代の奴隷は思考能力はあっても自発的に自由になろ
うとする意思や行動力を持たない。

中国共産党の国歌は「起て!奴隷になりたくない人々よ!」という言葉
で始まっている。共産主義は貧富の差別をなくし、国民が平等になるは
ずだった。しかし今では貧富の差が国民党時代、清朝時代よりも激しい
国となり、13億の人民は一握りの軍、政、党と企業家の使役に甘んじ、
世界で最もひどい奴隷国家となった。奴隷が立ち上がって国を作ったの
に、もっとひどい奴隷国家を作ってしまったのである。

そしてアメリカや日本を含む諸国は中国の覇権に打つ手がない。つまり
諸国のリーダーたちは「中国の経済束縛」に甘んじているのだ。これは
面白い現象で、中国は奴隷の国であり、米国や日本の「親中派」と呼ば
れる人たちは奴隷の国の制圧に甘んじているのだ。

●奴隷にも階級がある

奴隷とは自由が束縛されても解放の努力をしない特色を持つ。多くの台
湾人は半世紀の国民党の暴虐を経験していながら解放を望まず、奴隷生
活を甘受している。

ロスに住む程大学博士が奴隷について考察し、奴隷には一級、二級、三
級の三階級があると分析した。奴隷とは最下級の人間のことだが、その
奴隷にも下級から上中下の分別がある、同じように奴隷でありながら上
級は下級を分別したがると言う考察は興味のある分析だ。インドのカー
スト制度と同じく、人間にはいつでも階級を分別したがる性質を持つの
かもしれない。昔の台湾には「上九流、下九流」という職別の階級があ
ったが、イギリスでも似たような、アッパーアップ、アッパーミドル、
アッパーロゥという、上中下の九階級分別があった。人間は奴隷になっ
ても三階級をつくるとすれば自由平等は夢である。

程大学博士の分類した、第一級の奴隷とは「助紂為虐」(殷の紂王を助け
て暴虐を働く)侫臣たちの事を指す。連戦とか、蕭萬長、王金平など、
台湾人でありながら「私は正真正銘の中国人である」と名乗るような、
中国人の奴隷でありながら台湾人の奴隷頭になって得意がる人間のこと
である。

第二級の奴隷とは、僅かな恩恵を受けるために主人に忠義を尽す、台湾
人でありながら国民党員になって得意がり、同胞を裏切る人たち。台湾
には里長、村長などで国民党の金を貰って村人を監視する階級がある。
上司の命令に甘んじて民衆を使役することに喜びを感じる役人がこの範
疇に入る。

第三級の奴隷とは、主人が恵む僅かな恩恵や金で買収されて奴隷に甘ん
じる人たちである。金銭の恩恵や恐怖から国民党に投票して奴隷生活に
甘んじ、「台湾監獄島」を改善する意思のない人たちである。僅か500
元のお金で国民党の投票する人たちや、商売の便宜のために国民党の庇
護をうけて得意になる人たちのことである。

このほかにも第四級があり、奴隷であっても目が醒めない大衆のことで、
これが大多数を占める。このような無気力な奴隷に覚醒を促し、決起を
呼びかけるのは至難のことだ。中国には13億の奴隷がいるが、奴隷生活
から解放されようとは思はない。

中国の奴隷はアメリカに移民したがる。アメリカに行けば解放されると
信じている。ところが911事件でニューヨークのタワーが崩落したとき、
この中国人の奴隷たちは大声でバンザイを叫んだのである。奴隷に共通
した特性とは「臆病で、弱い者いじめをすること」である。

後藤新平が喝破したように台湾人とは「金を愛する、死を恐がる、メン
ツを愛する」である。台湾人だけではなく、一般人に共通したシナ人根
性とはこのようなものだ。奴隷には同情心がなく、弱い者いじめが好き
である。中国人が台湾人を奴隷視して「台湾を征服しろ」と主張し、反
日運動で日本人の商店を破壊し、「愛国無罪」と叫ぶ、イジメが大好きな
のがシナ人根性である。

これは一体どういうことか?つまり、虐げられた奴隷は他人を虐げて鬱
憤をはらすが、虐業に抵抗して自力解放をしない。民進党が国民党に抵
抗しないで台聯党を苛める心理がここにある。

●現代の奴隷制御術

現代の奴隷を御する術策は「拘束と保護」であると劉天良は解説した。
現代の奴隷は鎖に繋がれているのではなく、他の条件で束縛されている
者たちである。恫喝に怯える、金銭を欲しがる、面子を欲しがる。奴隷
根性を持つ人間は制御しやすい。

「拘束」とは相手の弱点を握ってこれを最大限に利用する、こちらの意
のままにコントロールすることである。それにはまず相手を買収するこ
とである。恫喝、金銭、名誉などで買収され、弱点を握られた人間とは
奴隷になることだ。「恫喝と安撫」を繰り返し、いつまでも頤使できる。

中国人は買収するのがうまい。アメリカの政治家でさえ中国人に買収さ
れる。文芸春秋に連載中で、大好評の佐藤優の「インテリジェンス交渉
術」には、金、セックス、酒(麻薬を含む)が相手を買収する最良手段
であると指摘している。弱点を握ってしまえばメンツを愛する人間はや
すやすとコントロールできる。

「保護」とは檻の中に閉じ込めること、一定条件下つまり「檻の中」に
安住させ、反対を許さないことである。元オランダ大使の東郷和彦氏が
指摘したように、今の台湾は「籠の鳥」であるという。中国は台湾を武
力攻撃するのではなく、「一定条件の下で」現状維持をさせているが、そ
の条件(籠)を徐々に縮めて、やがて台湾はすべての自由を失い中国に
吸収合併される、というのが「籠の鳥」理論(Bird cage theory)であ
る。しかもアメリカが中国の「籠の鳥」政策を黙認、許容しているから
困るのだ。アメリカはこれまで繰り返して台湾に対し「現状を打破する
ような行動を慎む」ことを強要してきた。これは取りも直さずアメリカ
が中国に怯えているから、台湾が籠の中で現状維持をしていくように強
要するのだ。中国が唱える「三つのノー」とは「中国は一つしかない、
二つの中国は許さない、台湾独立は許さない」であるが、台湾を「三つ
のノーの籠」に閉じ込め、アメリカはこの政策を「聞いた(Acknowledge)」
だけで反対しない。つまり今のところ、中国が「籠」の条件をどんどん
悪くして行ってもアメリカは抗議しない。アメリカも中国に弱点を握ら
れているのだ。

●中国人の台湾統治の表と裏

蒋介石は白色恐怖という特務系統で台湾を統治してきたが、92年に李登
輝が民主選挙を導入し、2000年に民進党が政権を取って独裁は終焉した
ように見える。しかし実際にはそうではなく、国会は国民党のコントロ
ール下にあり、政府の財政主権を手放していないので民進党政権は今で
も国民党の制圧下にあるといってよい。

しかし恐怖政治はここで終わったのではなく、中国人には秘密結社と言
う恐ろしいものがあり、これが台湾と中国に繋がっているので台湾人は
中国人の統制を離れることができないのである。秘密結社、ヤクザとい
えばバクチ、麻薬、売春などの他に土地の警察と結託して商売人の「保
護」、つまりショバ代をとることで「地方の安全」を保護しているという。
この暗黒政治は今でも台湾で行われていて、政府は彼らに手出しも出来
ない。

暗黒組織と言えば竹聯幇の他に四海幇もあるが、これら中国人の秘密結
社は台湾だけでなく世界的なつながり、殊に中国とのつながりが強いの
である。例えば台湾から中国に投資すれば中国政府は資金流入は許可し
ても資金の持ち出しは許可しない。それではどうするかと言うと、竹聯
幇の地下金融に頼るのである。竹聯幇の保護は中国の領土内でも行われ
ていて、台湾商人の地方でのイザコザの解決を頼むほかにも、中国で金
を預ければ確実に台湾で数日内に受け取ることが出来る。竹聯幇のマネ
ーローンダリングには台湾政府も中国政府もノータッチである。つまり
中国人が台湾人の奴隷化、制圧には幇の力が大きいのである。

●奴隷解放はアメリカからやるべき

台湾が独立するためには異民族である中国人を追放して台湾の奴隷解放
をあいなければならない。異民族が悪いといっているのではない。中国
人は残忍な異民族だから悪いのである。台湾で国民党を潰すことは至難
の業である。民進党は国民党と二大政党で台湾の政権を弄ぶつもりだか
ら、民進党が国民党を潰すことは望めない。民間では商売人が奴隷化さ
れた状態で、金銭と名誉、拘束と保護に縛られた状態だから奴隷解放、
国民党打倒は民間の援助すら望めない。国外から始めるべきである。

アメリカの台湾人グループは台湾の政府官僚との結託はない。在米台湾
人の団体は愛国の情念があり、利益を求めるグループではないから奴隷
解放と国民党打倒に専念できる。われわれは台湾の政府官僚になりたい
のではない、在米台湾人が台湾の独立や奴隷解放に努力するのは台湾の
ため、それしかないのである。米国で組織を作って台湾に帰り、民間組
織を立ち上げ、奴隷解放に尽せば国民党は自然と消滅するはずである。

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読者メール:

KEN 2007年12月15日 08:54:
林志昇/ハーゼル訴訟というものが知られていないことが気になります。
昨日取引先の人(日本人)と食事しながら林志昇/ハーゼル訴訟につい
て説明しましたら、手を叩いて言いました。
「何と分かりやすい。当たり前のことを言っているのですね。逆に言え
ば相当な無理をして蒋介石が横車を押して、中国が白を黒と言っていま
すね。」
何人かに説明することを通して、私自身も林志昇/ハーゼル訴訟の説明
に要領がよくなった気がします。
ED 2007年12月15日 09:28:
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台湾が、未だに米国の未合併領土であり、米国列島区第一塁に属する海
外自治区であるという事は明白な事実であり、台湾国内外の多くの方が
ご存知のことと思われます。これは、林・何両氏でなくとも総ての人や
国が認めざるを得ないことですが、Y様の言われるように林・何両氏へ
の支援体制のみならず、この事実を根本においての動きが不思議なくら
い盛り上がりません。この原因のひとつに永年台湾の独立運動をされて
来られた方々とのフィロソフィの違いが有るかと思われますが、今、こ
の時期にこのことを云々して分裂することだけは避けていただきたいと
思います。馬が勝てば、独立も建国も前途が閉ざされてしまいますから、
まず、Keep Greenを考えていかなければならないのでは、とかんがえ
る次第です。
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直接アンデイさんからのAC論説で驚いた。林志昇・ハーゼルが「暫定
米国占領領土」理論を唱えてから随分時が経つ。前々からこの理論に対
しての張さんの意見を知りたかったが、今回の論説で良く了解できた。
経済学にもマクロとマイクロの分野がある。私の専門の構造工程学も然
りで、台北101は只の一本の電信柱に見えるのがマクロ工学。あの連
接部は12本のボルトでトルクは百二十ポンドに締める、と気にする人
はマクロ工学者。細部だけに気を付け過ぎると総体を見失う嫌いがない
とも言えない。政治畑出身ではないが、台湾の政治を総括的に纏めて見
えるアンデイさんの眼光には感服した。LC 頓首

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