猫のおきてVol.19「見守る」
発行日:3/22
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猫のおきて 第19号
「見守る」
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猫の基本動作の第一に挙げられ、猫のおきて中のおきてかもしれないのが「見守る」と
いう行為だ。この説に頷く方は多いであろう。
当「猫のおきて」の読者からいただくメールにも、それを裏付ける事例がそこここに見
出される。Hさんの実家の猫は母上が畑に出るとついていって農作業を見守るというし、
Nさんの家の猫のアンナは、Nさんがお風呂に入ると風呂ふたの上で見守るという。
猫飼いの先達たちも、当然、猫に見守られ続けてきたわけで、日本の古代史研究の大家
にして猫の偉大な理解者、渡部義通も名著「猫との対話」の中で、猫に見守られた自身の
生活を記している。「花植えや掃除に女房が庭へ下りればぞろぞろ眺めにいく」し、トイ
レに入れば「次の間に寝そべって一部始終を見守る」のだ。
ちなみに私も当家の猫によく見守られている。Hさんの実家の猫のように農作業も見守
り、私がベランダで水遣りなどをしているといつのまにかやってきて見ている。Nさんの
ところのアンナのように入浴も見守る。あんまりいつも見守るので、最近は見守られずに
入浴すると物足りなく感じるほどだ。風呂掃除も必ず見守っている。仕事しているときは、
デスクの上で見守っていることがある。以前、私が書き込んでいた書類を、まるで読んで
いるかのように首をかしげて覗きこむさまがおかしかったので、その姿を書類上にスケッ
チしてしまい、打ち合わせの際、その書類を広げるのがちょっと恥ずかしかったことがあ
った。
それにしても、なぜ見守るのか? ウルリッヒ・クレヴァーは「猫の本」で「猫は、飼
い主の仕事ぶりなどをそばでじっと見ていることが好きだ」と断言しており、「そんな言
い切ってるけど、猫に尋ねてみたのかい」という感じであるが、猫は何かに強制されたり、
義務的に行動しているわけでもないから、確かに好きこのんで見守っているのだとは思う。
「好奇心」と「退屈」がその理由ではなかろうか、と私は考察している。
猫はことわざにもなるくらい好奇心旺盛な動物だから、人がやっていることに興味津々
なのだ。町を歩いていて人だかりがしていると、必ず首を突っ込まねば気がすまないタイ
プ、これである。
そして、縄張りの見回りや食事、猫集会などがあるものの、それでも無聊を感じる時間
はあるから、そういう場合の過ごし方として「見守る」のだ。散歩途中の暇人が、草野球
をぼーっと見守ったりする感じに近いであろうか。
そして、これは飼い猫だけのおきてではない。野良猫が塀の上から道行く人を見守って
いる姿はよく目にするものだ。これから暖かくなると、そんな光景はますます多くなる。
春の夕方、半月から少し太ったような月が低い空にかかっているのを見ると、私などは
ふと、こんな思いにとらわれることがある。この世界は、片目の大きな黒猫に見守られて
いるのではないかと。まあそんなものは、猫たわけの幻想に過ぎないのだが。
さらに、「見守る」は、嵩じると、次なるおきて「参加する」になる。次回はその話を
したいと思う。
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春本番ですっかり暖かく、猫たちも快適そうです。彼らには花粉症などという厄介なも
のもありませんし。筆者も幸い花粉症ではありませんので、春は浮かれるだけですが、先
日は浮かれすぎて二日酔いになり、外せない仕事で家を出たもののさすがに歩けずにタク
シーに乗ったら、ソルマックの飲み方についてタクシーの運転手から駄目出しをされてし
まいました。
ところで、掲載した「おきて」につき、「そうそう、うちの猫もさあ」とか、「いや、う
ちの猫はそんなことはしない」などの賛同、反対もろもろの意見ございましたら、ぜひお
寄せください。メールの他、melma!にはBBSがありますので、そちらへもどうぞ。
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「猫のおきて」(通巻第19号)2002年3月22日発行(ほぼ、2の日発行)
【著者・発行者】 馨歩
【E-MAIL】 bon-neko@mbi.nifty.com
【URL】 (ただいま準備中・もうちょっとで公開したいです)
http://homepage2.nifty.com/bon-neko/
【バックナンバー】 http://macky.nifty.com/cgi-bin/bnadisp.cgi?M-ID=nekonookite
http://www.melma.com/mag/84/m00052884/
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「猫のおきて」に掲載されている内容は、ご家族、ご友人などまわりの皆さんにどんどん
お広め下さい。その場合、「『猫のおきて』で読んだんだけどさ」と言っていただけると嬉
しいです。転載などなさる場合もお知らせいただけると嬉しいです。
―――――――――記事内容の全ての著作権は著者・馨歩に帰属します――――――――
Copyright/2001 KEIHO T.
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発行者プロフィール
蔦谷耕書堂
http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/物心ついたときから傍らに猫が居、猫たちにあやしてもらって成長してきたといっても過言ではない。今でもつい猫に従ってしまうのは、そんな幼少期からのすりこみか。 生業はライター。
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