ペット

猫のおきて

猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。など、なぜだか猫が行う「猫のおきて」の数々をつぶさに検証。筆者の周りの猫たちの様子ものぞいていただけます。

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猫のおきてVol.2「猫の名前」

2001/11/29

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猫のおきて  第2号
         「猫の名前のこと」
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 当家には1匹の黒猫がいて、名前を「ち」という。この名を言うと、様々な反応がある。
「え、チー?」「いえ、ち、です」「まあ、チーちゃんなのー、チーちゃん!」
 じゃなくて「ち」だってば、と思いながらそれ以上は訂正しない。あるいは。
「中国人のような」「いや、それはむしろ陳でしょう」

 猫を飼うならこんな名前にしよう、あんな名前にしようと思い描いていたものはあった。
足先だけ白ければ「しろたび」、尾が白ければ「おじろ」。茶とらなら、猫飼いの先達カレ
ル・チャペックにあやかって「プドレンカ」。本に出ていたプドレンカの写真はモノクロだ
ったし、柄の説明があったかどうか忘れてしまったが、私のイメージの中では茶とらなの
だ。そして、三毛猫なら「ミケシュ」。ミケシュは「黒ねこミケシュのぼうけん」という童
話の主人公なので、順当にいけば黒猫につけるべき名だ。しかし、小さいころこの本を読
んだとき、「ミケシュ」という音のせいで、挿絵は黒猫だったが頭の中ではどうしても三毛
猫になってしまうので困った覚えがある。だから、自分で名付けるなら日本語の音のイメ
ージに合わせて三毛猫につけたい。
 柄との関連はないが、黒猫は「ヴィルジニー」とつけようと思っていた。これはフラン
スの映画監督ヴィルジニー・テヴネから。テヴネの映画に登場する女の子はおしゃれでコ
ケティッシュ。小悪魔的だがそこが可愛く、黒猫にぴったりだ。

 でも、現実には単なる「ち」である。
 これは私がつけたのではなく、既についていた名なのだ。この猫のもとの飼い主夫妻の
妻のほうが青森出身であり、津軽弁で猫のことを「ちゃぺ」と言うそうな。「chape」なん
てちょっとフランス語のようだが。夫妻は、当家にくれた猫以前にも黒猫を飼っていた。
これは雄猫で、ある日ふらりとやってきて居つき、「くろちゃぺ」と名付けられた。「くろ
ちゃぺ」は「くろちゃ」になり、やがて「ちゃ」になった。「ちゃ」によって猫の魔力に絡
め取られ、「猫たわけ」となった夫妻は、ある日スーパーの隣の路地で見つけた子猫を思わ
ず拾ってしまう。それは黒い雌猫だった。しかし黒いからと「くろちゃぺ」にしたのでは
同じになってしまう。そこで子猫は「ちびちゃぺ」と名付けられ、「ちびちゃ」、そして「ち」
になった。
 その方式なら、「くろちゃぺ」は「く」でなければならなかったはずだが、その辺が現実
の臨機応変さなのか。ともかく、そういうわけで「ち」である。

「でも、もらったとき名前を変えようと思わなかったんですか」と知人にきかれたが、そ
んなことをしたら猫が混乱するではないか。昨日まで「ち」だったのがいきなり「ヴィル
ジニー!」などと呼ばれても、「誰それ?」であろう。
「猫主体なんですね」と言われたが、そんなことは当然である。

 しかし、ち、という名は呼びにくい。特に「ちゃん」を付けると言いにくい。獣医さん
は呼び捨てにしないでくれるが、言いにくそうだから、呼び捨てで構わないのに。
 私もそのときどきで「ち小僧」とか「ちにゃあ」などさまざまな名で呼ぶ。どの呼び名
でも、気が向くと答えるし、面倒なときは知らん顔をしている。
 どんな名でも、本猫にはあんまり関係ないのかもしれない。

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「猫のおきて」第2回は、「おきて」でなく、当家の猫のことを書きました。
 先日、ベランダ伝いに入り込む当家の猫を可愛がってくれる隣の農大生に「名前(無論、
猫の)、なんて言うんでしたっけ?」と聞かれ、「話すと長いので…」と答え、その説明の
ために書いたのです。わかりましたね、こういう命名の由来だったのですよ。
 ところで、第1号は月曜日の発行でしたが、週明けの朝「これから一週間働くぞ!」と
いうタイミングに配信されると、読んだ方が脱力してご迷惑ではないかと思い、今回から
木曜日にお送りすることにします。今後とも、ご愛読の程を。

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「猫のおきて」(通巻第2号)2001年11月29日発行(ほぼ毎週木曜日発行)
【著者・発行者】馨歩
【E-MAIL】bon-neko@nifty.com
【URL】http://homepage2.nifty.com/bon-neko/ (ただいま準備中・近日公開予定)
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「猫のおきて」に掲載されている内容は、ご家族、ご友人などまわりの皆さんにどんどん
お広め下さい。その場合、「『猫のおきて』で読んだんだけどさ」と言っていただけると嬉
しいです。転載などなさる場合もお知らせいただけると嬉しいです。

―――――――――記事内容の全ての著作権は著者・馨歩に帰属します――――――――
Copyright/2001  KEIHO T.
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創刊日:2001-11-29  
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