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CNNで世界を追う

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CNNで世界を追う 189号

2005/04/29

自衛隊のイラク派遣を打ちきるよう求めます(頻繁更新)
http://ac-net.org/iik/
「政治ホットライン」<恐ろしい事は政府が事実を隠蔽するようになった。情
http://kokkai.jctv.ne.jp/homepage_new/index.html
報操作によって新聞・テレビが完全に政府に組み込まれているから国民は事実
を知る事が出来ない。例えば横田めぐみさんの骨のDNA鑑定については権威
ある科学専門誌「ネイチャー」がありえないと否定しているのにどこの新聞も
それを書かない。その鑑定をした学者は警察の職員になってしまった。情報隠
しとしか思えない>(民主党首藤信彦議員)
メディアを創る 天木直人事務所
http://amaki.cc/
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http://takg619.hp.infoseek.co.jp (新しく必読コーナーを設定しました)
50000アクセスを超えました。
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「CNNで世界を追う」 189号  5441部(5サイト)
日本の政府広報=マスコミ(戦時下だからもうダメ)は勿論、CNNにも絶望しま
したのでピエール・ブルデュー著『テレビについて』を使用。
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On Television By PIERRE BOURDIEU
(『テレビについて』、ピエール・ブルデュー)

PART ONE(1部) 

In Front of the Camera and Behind the Scenes(2) 
(テレビ)カメラの前と舞台裏
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=364984 (1)

But, you may well ask, why do people accept such conditions? That's a 
very important question, and, further, one not asked by most of the 
researchers, scholars, and writers--not to mention journalists--who 
appear on television. 

にもかかわらず、なぜそうした条件をテレビに出演する人々は受け入れるのだ
ろうと問うのはもっともです。これは大変重要な問い(問題)で(にも関わら
ず)、おまけにジャーナリストは言うまでもなく、テレビに出演する研究者、
学者そして作家のほとんどが、自分自身に問わないのです。

may well(〜するのはもっともだ)

We need to question this failure to ask questions. In fact, it seems to 
me that, by agreeing to appear on television shows without worrying about 
whether you'll be able to say anything, you make it very clear that you'
re not there to say anything at all but for altogether different reasons, 
chief among them the desire to be seen. 

私たちは、この問わないこと自体を問う必要があるのです。何かを言うことができ
るかどうかを心配せずテレビ出演を承諾することによって、何かを言うためにテレ
ビに出演するのではなく、全く異なる理由、とりわけ自分自身が見られたい(がた
めである)と極めてはっきりさせるように思えるのです。
 
failure to(〜しない)

Berkeley said that "to be is to be perceived." For some of our thinkers
 (and our writers), to be is to be perceived on television, which means, 
when all is said and done, to be perceived by journalists, to be, as the 
saying goes, on their "good side," with all the compromises and concessions 
that implies. 

バークレーは「存在するとは知覚されることだ」と言いました。幾らかの思想家
(そして作家)にとって、存在するとは、テレビで知覚されること、すなわち、ジ
ャーナリストに知覚(認知)されること、そのためには、俗っぽく言えば(ぶっち
ゃけ)すべての妥協や馴れ合いを受け入れてジャーナリストのお気に入りになるこ
とを意味するのです。

as the saying goes(諺にあるとおり、俗に言えば)
on someone's good side(に気に入られて、の良い面として) 

And it is certainly true that, since they can hardly count on having 
their work last over time, they have no recourse but to appear on 
television as often as possible. This means churning out regularly and 
as often as possible works whose principal function, as Gilles Deleuze 
used to say, is to get them on television. So the television screen 
today becomes a sort of mirror for Narcissus, a space for narcissistic 
exhibitionism. 
http://www.nytimes.com/books/first/b/bourdieu-television.html

そして、幾らかの思想家(そして作家)は、自身の持続的業績を得ることをほ
とんど当てにできないので、テレビにできるだけ頻繁に出演する以外術がない
のは、まったく本当のことなのです。かつてジル・ドゥルーズが述べたように、
これはテレビ出演を得ることを主要な機能にする著作を規則的に、できるだけ
頻繁に量産することを意味します。それゆえ、今日テレビ画面は、一種のナル
シスの鏡、ナルシスティックな自己顕示の場になるのです。

recourse(頼ること、償還)
churn out(大量生産する、量産する)

(続く)
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前号で指摘し忘れましたが、池田香代子氏の話を聞くのは2回目でした。4月22
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=274178
日の自衛隊イラク派兵差止訴訟の会の5回口頭弁論(5)は姉妹紙にありますが、
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=365604
池田氏の話で「へぇ〜」と思ったことを指摘します。『世界がもし100人の村だ
ったら』の売上で基金を作り国内外の難民支援等を行うと伴にイラク侵略前に
は、スコット・リッター氏を招致したり、基金で森住卓著『イラク 湾岸戦争の
子どもたち』を大量購入し国会議員に配布し、自民党議員の説得を試み、戦は
http://www.koubunken.co.jp/0300/0281sr.html
イカンと涙を流し反対すると決めた議員もいたし、亀井静香氏も反対した(★
加藤紘一も反対したが、泣いたのは野中広務、中山正暉、河野洋平?辺りと推
http://www.asyura2.com/0403/senkyo3/msg/807.html
http://www.kyokiren.net/_protest/saito&key2 
測されますが、自民でも説得すれば何とかなる議員もいる一方、森住卓氏の著
作を見せてどういう被害が生じるかわかって侵略に大半が賛成したことを「前
提」にしなければならないということ)。朝日新聞も同時期に政治部を変えれ
ば何とかなると説得したが、駄目だった。朝日政治部は「主戦派」で社会部が
反戦護憲であるためNHK番組問題も政治部と社会部の対立でブレがある(★朝日
http://www.asiapressnetwork.com/symposium/050125/20050125_01.html
の政治部なのに反戦護憲の早野透氏の「ポリティカにっぽん」が昨年末に終わっ
た段階で朝日政治部の「主戦派」体制が強化された印象。
http://www.asahi.com/column/hayano/ja/TKY200412280113.html
田中康夫氏がよく朝日政治部を叩きまくるのは、第二次大戦と同じ愚を繰り返す
のか!という趣旨で、フジ産経、読売は、排外主義的ナショナリズム・弱肉強食
・復古主義の商売なので、所得上位1%以内に入っていない人にとって百害あって
一利なしと自分は解釈していますが・・・)

池田氏は大塚英志氏に名前だけでもいいから訴訟に参加してと頼まれたが、大
塚英志氏は『諸君』『正論』等の保守論壇で書いていたし、大塚氏は立ち位置
をまったく変えていないにも関わらず皆が右にいったので「サヨク」という位
置付けになった(★『戦後民主主義のリハビリテーション―論壇でぼくは何を
語ったか』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4044191190/  に
この辺のことは詳しく書いてありますが、「サヨク」と称される範囲は現在非
常に広い。ちなみに、田中宇氏は当人がすっごく右で中曽根の靖国参拝もOKで
朝鮮人強制連行ないと思ってるくらいにも関わらず「リベラル」と勘違いされ
ているのに、田中宇氏は自分から俺はすっごく右なんだとネットで自白しない
のは不可解)  

皆が右にいったので「サヨク」と称される状況は韓国の『平和ネットワーク』
の論文を読むとわかりやすくなります。
http://list.jca.apc.org/public/aml/2005-April/001200.html

http://blog.livedoor.jp/peacekorea/tb.cgi/20194567
2005年04月27日
日本の「右傾化」と東アジアの平和
権赫泰(クォン・ヒョクテ / 聖公会大日本学科教授・平和ネットワーク諮問委員)

 日本の右傾化が激しくなっている。右傾化を運動・思想・制度に分けて考え
てみると、以前に右傾化志向がなかったわけではない。しかし、以前の右傾化が
概して運動や思想の領域にとどまっていたのなら、最近のは具体的に制度的成果
を得ているという点で深刻だ。たとえば、よく右傾化元年と呼ばれる1999年以後
だけ見ても、国旗・国歌法、有事法制、周辺事態法、靖国神社公式参拜、自衛隊
イラク派兵、教科書問題、領土問題などが立て続けに起き、これからも「昭和の
日」制定と憲法改正のための試案準備などが続いて起きるであろう。右傾化の「
終り」は、おそらく憲法改正であり、終局では日本核武装論が力を得るだろう。

 一番目の問題は、このような右傾化がどうして1990年代の末から本格化されは
じめたのかであり、二番目の問題は、憲法改正などの右傾化志向がどうして最近
の教科書問題や領土紛争とともに、周辺国との摩擦を伴いながら進行されている
のかについてだ。 

 日本の戦後安保外交路線は理論的に、1.非武装平和主義(自衛隊廃止と日米安
保条約廃棄)、2.対米依存型軽武装主義(自衛隊と日米安保条約維持), 3.対米同
盟重武装主義(軍隊創設と日米安保条約強化)、4.対米独立型重武装覇権主義(日
米安保条約廃棄、憲法改正、天皇元首制)の四種に想定してみることができる。
 1を社会党などの左派の路線であるとすると、3は自民党などの右派路線といえ
、1の力が3への志向を阻み、1の牽引による2の維持が可能になったのであり、
実際に戦後日本の外交安保は2の道を歩んできたと見られる。したがって最近日
本社会で高まっている「右傾化」とは、2から3への志向といえ、終局的には4へ
の転換も想定しうる。 

 日本の戦後民主主義はすぐれた生産力水準に土台を置いた経済成長、保守(自
民党)と革新(社会党など)の対立および共存を土台とする議会民主主義制度、憲
法9条を土台とした軽武装平和主義が、日米同盟体制を土台とした「冷戦」とい
う条件の中で発展した体制だ(上で述べた2の路線)。したがって、外部的には日
米安保体制に代表される冷戦的秩序に「安住」することがなによりも重要な条
件だった。これはサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約をセットにす
る対外的条件によって形成された。したがって、アメリカが軍事的リスクを負
担して日本が軍事基地を提供する日米間の「役割分担」によって、名分として
の平和路線が維持されたと見られる。そして、このような構図のなかで、日本
には兵站基地として、韓国を含んだ周辺国には戦闘基地としての役目がそれぞ
れアメリカによって強制された。また、このような構図を維持するために日本
を含んだ周辺国には、アメリカが付与したそれぞれの「役割分担」に安住する
ことができる安定した政治体制が必要だったし、この必要は日本では自民党長期
執権、周辺国では反共軍事独裁という形態で現われた。そして、これに対する見
返りとして、日本を含んだ周辺国にアメリカは援助や市場を提供して安定的な経
済成長を保障する一種の「冷戦型発展」が定着した。 

 そして、内部的には自民党と社会党に代表される保守と革新の対立と共存とい
う重要な役目があった。社会党は改憲阻止線である1/3の議席を維持することで、
自民党の改憲を通じた一方的「右傾化」の流れを阻む役目をしてきた。日本の戦
後民主主義が1/3民主主義と呼ばれる理由がここにある。社会党は政権獲得を通
じて絶対的平和体制を日本社会に実現させることはできなかったが、改憲阻止線
を維持することで戦後民主主義の「防波堤」の役目をしてきたといえる。今、日
本社会が享受している長期間の平和状態と高い生活水準は、日本が戦争という悲
劇的な歴史に対する一定の反省の上で積み上げられてきた「戦後民主主義」とい
う新しい価値体系が、上で述べた対内外的条件に支えられて達成した結果である
のだ。したがって、戦後民主主義体制は外部から与えられたきっかけを内部で守
りぬいたものだ。 

 したがって、最近日本社会で吹き荒れている「ブレーキのない暴走機関車」の
ような右傾化の動きは、護憲平和主義を支えてきた政治・社会勢力、特に旧社会
党(現社民党)の衰退が決定的だ。現在社民党の衆院議席数は6席に過ぎない。全盛
期だった1958年の166席や1990年139席と比較すれば、ほぼ「壊滅」に近い。 

 そして、社会党の外縁に位置しつつ「平和主義」を支えてきた反戦平和運動勢
力の衰退も、平和主義の退潮に一役を買った。とくに、左派の分裂対立による「
殺戮」は左派運動側が主導して来た反戦平和運動の道徳性と大衆性に深刻なダメ
ージをもたらした。このような甚だしい対立と「傷」は、運動力量の蓄積に少な
くない障害物として作用した。

 外部的条件の変化はもっと劇的だ。とくにアメリカによって「役割分担」が一
方的に強制された周辺地域が、それぞれ自分の声をあげながら既存の構図に少な
くない変化をもたらしている。とくに韓国の民主化、南北関係の変化は、朝鮮半
島がこれ以上日本の「緩衝地帯」に安住するのを拒否することを示しているとい
える。したがって、逆説的に韓国の民主化および南北緊張緩和は、既存の日本の
軽武装「一国平和主義」の根幹を搖るがす役目をしているのである。しかし、な
によりも重要な変化はアメリカの対日政策の変化だ。 

 アメリカは既存の日米間の役割分担に変化を企んでいる。アメリカが一方的に
負担した軍事的リスクを日本が制限的に分担することを要求しているのだ。日米
安保の基本方針は、日本が米軍側に基地および施設などを提供する代りに、アメ
リカが日本の安全保障の責任を負う、すなわちアメリカがリスクを、日本がコス
トを分担する一種の「戦略的取り引き」の産物だった。問題はリスクの日本負担
を要求するアメリカ側の要求に、日本側が在日米軍に対する日本側の財政負担を
増やす方法で維持してきた両国の分業関係が、冷戦解体後これ以上維持しにくい
段階にまで進んできたという事実だ。すなわち、アメリカ側のリスク分担要求が
激しくなりつつ、既存の「戦略的取り引き」関係に一定の変化が訪れてきたのだ
。このような変化は、1996年の「日米安全保障共同宣言」(The U.S.-Japan Join
t Declaration on Security)で在日米軍の役割が既存の「日本の安全と極東の平
和・安全」の代わりに、「世界の平和と安全」のための駐屯に変わり、また、19
97年に作成されたアメリカと日本の共同軍事行動を行うためのいわゆる「新ガイ
ドライン」(日米防衛協力指針、THE GUIDELINES FOR U.S.-JAPAN DEFENSE COOPE
RATION)が、極東の範囲を越えた地域での日本の米軍支援を含んでいるというこ
とを通じて確認することができる。また1999年に制定された「周辺事態法」(周
辺事態の際、日本の平和と安全を守るための措置に関する法律)は「周辺有事の
際」に自衛隊(Japan's Self-Defense Forces)が米軍に対する支援活動ができる
ようにし、暫時立法ではあるが、9.11テロ事件以後制定されたテロ対策特措法(A
ntiterrorism Special Measures Law :アプガニスタン侵攻米英軍を支援するた
めにつくられた法律。この法律で自衛隊は国会の事前承認なしに世界のどこにで
も武器を持って出動し、兵器輸送や救助活動を展開することができるようになっ
た)や「有事法制」3法案は既存の非武装平和主義の枠をはるかに逸脱した自衛隊
の軍隊としての海外活動の可能性を開いた。また、ブッシュ政権の対日政策の骨
子を含んだ報告書であるリチャード・アーミテージ(Armitage,Richard Lee)の名
前を取った別名「アーミテージ報告書(INSS Special Report)」は、アジアに核
戦争を含む大規模軍事衝突の危険性があるというのを前提にして、これを阻むた
めに日本は集団的自衛権を行使するように法改正が必要であり、日本の軍事大国
化が及ぼす不安要因をとり除くために、アメリカと日本の関係を米英関係のよう
な同盟関係として発展させる必要があると主張している。

 ところで上で述べた条件の中で吹き荒れはじめた右傾化が、なぜ周辺国との歴
史認識や領土問題などと結合された形で前面に現れてきたのかについて知る必要
がある。なぜならば、理論的には日本の憲法改正などを含めた右傾化路線が必ず
しも歴史認識上の「転換」を必須要件とするのではないからだ。実際に日本政府
の一角では、1990年代後半まで歴史認識と右傾化プロジェクトを分離しようとす
る動きがあったと見える。分離方式は簡単に言うならば、「過去は間違ってた!
だが自衛隊は軍隊化する!」というものだ(もちろん、政府の外縁に位置している
日本の極右派は、このような分離方式を受け入れることができないが)。実際に
日本の第1野党である民主党は基本的にこのような立場に立っていると見える。
しかし、このような方式だけでは憲法改正に対する国内外の反対世論を抑えにく
いという問題があった。したがって、下のような理由で歴史認識・領土問題を右
傾化プロジェクトの推進力にしようとしていると思われる。 

 一つは領土問題や歴史認識問題を日米同盟体制強化の推進力にしようとする意
図だ。これは特に中国との対立構造を明確に立てることから出発する。靖国神社
参拝や教科書問題、領土問題を通じて中国との摩擦が大きくなれば大きくなるほ
ど、アメリカの中国への接近を牽制して、台湾を引き入れることができる。この
ような意味で見れば、高句麗史をめぐった韓中の葛藤は、日本右翼を包囲する韓
国の中国への接近を阻み、日本への傾斜をもたらす付随的效果があると考えられる。

 二番目は国会の内容だ。右傾化プロジェクトの終着点が憲法改正だとすると、
現実的に憲法改正に必要な政党および国民の再結集は必須事項だ。しかし、国会
の3分の2の賛成と国民投票での過半数の獲得は、日本の政治構図を考えると、易
しい事ではない。したがって、憲法改正のための一大プロジェクトが必要であり
、日本内中問層の「右旋回」を通じた「世論集め」が必須だ。特に2001年に扶桑
社教科書の採択率が0.039%にとどまっていたことで分かるように、自分たちの右
傾化プロジェクトが国家対国家の対決ではなく、戦争勢力対平和勢力の間の対立
構図で照らされ、自分らが戦争賛美勢力として問われ、韓・中・日市民連帯を強
化させ、このために自分たちの右傾化プロジェクトが失敗したということを悟っ
たはずだ。したがって、日本内の中問層結集を導き出して、韓・中・日市民ネッ
トワークの連結の輪を遮断して孤立させるのに效果的な方法は、既存の対立構図
を国家間対立構図に持っていくことであり、この対立構図に一番適切な素材は領
土問題だったのだろう。今年に入って強まってきた領土問題を巡った対立構図は
、日本国内に主権に対する危機感を呼び起こしたが、このような危機感は憲法改
正の必要性を世論化させるのに一番效果的だ。 

 ところで韓国の場合はどうか?韓国は過去冷戦時代に日本を守る戦闘基地ある
いは緩衝地帯の役目をしてきた。この対価として開発に必要な資金、技術、市場
の提供を受け、これに対する抗議を基本的に封鎖することができる政治体制が必
要であり、これは反共軍事独裁政権として現われた。したがって韓日間に過去の
問題をめぐった争点が登場すると、韓国政府は過去の問題を対日外交の交渉力向
上の手段として悪用し、お詫び発言のレベル調節を日本に要求することを通じて
、韓国国民の不満を鎮めた。おそらく日本の右翼はこのような構図を想定したは
ずだ。しかし、韓国社会の民主化はこのような伝統的な韓国の対日外交方式に一
大変化をもたらした。すなわち、日本などの戦闘機地・緩衝地帯としての役目を
拒否しはじめ、対日外交も既存の密室交渉から脱して、開かれた透明な形態とし
て広がった。しかし、対日外交の「民主化」は韓国政府の立場から見れば少なく
ないリスクを伴うようになる。なぜならば独裁政権下で潜在していた過去清算に
対する欲求が一挙に噴出するようになれば、韓日関係に大きな亀裂が生じるから
だ。その上、北朝鮮に対する和解的アプローチに日本を引き入れようとする努力
にも少なくない負担が発生する。特に2002年より起こった「拉致問題」をめぐる
葛藤は、このような韓国政府の努力に冷や水を注いだ。したがって韓国政府が選
ぶしかなかったことは、結局、過去の事問題と日本の軍事大国化問題などを分離
することだった。言い換えれば、過去の問題に対して「妄言」をしなければ、日
本の憲法改正や自衛隊の拡大に対して、問題視しないというのだ。実際に、領土
問題で韓日関係が深刻に梗塞した3月23日に発表された盧武鉉大統領の「国民に
捧げる文」は、「静かな外交」がこのような過去の問題と軍事大国化を分離する
という点を明らかに告白している。 

「日本はこれまで自衛隊海外派兵の法的根拠を準備し、今では再軍備論議を活発
に進めています。これらはみな、痛ましい過去を思い出させ、未来を不安にさせ
る行為です。しかし、日本がすでに謝罪し、それをわたしたちが受け入れ、新し
パートナーシップを宣言したのですから、普通の国々が一般的に享受する国家権
能を日本だけが持てないというのは、日本国民が納得しがたいことです。このよ
うな判断から、我々は懸念を抑え、言いたいことを控えてきました。韓日関係の
未来のためでした。」

 特にイラクに兵力を送った韓国の立場から見ると、いくら平和憲法違反といっ
ても自衛隊のイラク派兵を問題視することはできなかったはずだ。したがって、
(過去の問題と軍事大国化の)分離方式は、韓日関係の「軟着陸」を図るための一
種の苦肉の策だっただろう。そして、日本の軍事大国化の危険性はアメリカの抑
止力(いわゆる瓶の栓論)を通じて抑制することができると判断したはずだ。 

 このように見れば、領土問題は歴史認識問題と軍事大国化問題をつなぐ輪の役
目をしたわけだ。日本は意図的に連係させたはずであり、韓国政府は既存の「静
かな外交」の維持が不可能だということを悟ったわけだ。領土問題で両国政府の
「下心」が一挙に現われたわけだ。 

 問題はこれからどのようにするかだ。領土問題、歴史認識問題、軍事大国化問
題は一つの束だ。そうかといって、これを一つの束に縛って対応しなければなら
ないという意味では決してない。短期的には戦術的に分離対応するしかない(もち
ろんこれを韓国外交部が公開的に明らかにしたことに対しては賛成することがで
きない)。 

 第一は、歴史教科書問題は公式的には修正・削除を要求するが、これとあわせ
て扶桑社教科書の採択率を低めるのに総力を傾けなければならない。教科書採択
は全国570の採択地区ごとでなされ、これを決めるのは教育委だが、一部現場教師
の声が反映される構造を持っている。したがって姉妹関係などにある韓国の各機
構が日本の姉妹機関に持続的に異議を申し立てねばならない。仕返し措置や姉妹
関係破棄のような方式は現在としては望ましくない。問題提起は説得と憂慮の表
明によってなされなければならず、非難になってしまってはいけない。そして、
この過程を通じて日本の右翼を日本市民社会の中で孤立させなければならない。
そして扶桑社歴史教科書の採択率を低めれば、公民教科での採択も当然低くなる
。したがって焦点を扶桑社歴史教科書に合わせなければならない。 

 二番目、独島問題については日本社会内部でこれに対する関心や情報が少ない。
分かっている人までも独島問題を日本の帝国主義侵略の産物として見るよりは、
1950年代李承晩政権によって「強制占拠」され、発生した問題として見る。した
がって独島問題についての解決はとても長期的な姿勢を要する。日本にも独島が
韓国の領土であることを明らかにする少なくない論文がある。したがって独島問
題が実は20世紀初めの日本帝国主義侵略の出発点だったということを知らせるた
ゆまぬ作業が必要だ。 

 三番目は、国際社会での韓国のイメージと関わる問題だ。問題が現れるといつ
も「海外広報」の必要性が強調されるが、どんな内容の広報にするかについて真
剣な悩みが後に続くことがない。独島が韓国の領土であり、日本の独島領有権主
張がまったくでたらめの強引な主張だという広報をするとしても、国際社会では
世界あちこちで発生する数えきれないほど多くの領土紛争のなかの一つとして映
るだけだ。日本が戦犯国家であるだけでなく、過去の問題に対してまったく反省
しない国であるため、日本の右傾化に反対するという立場を国際社会の中で広げ
て国際社会で一定の支持を得ようとするなら、これは韓国が反戦と反侵略を国是
とする「平和の国」だということを外国から認められなければならないというこ
とを意味する。特に帝国主義侵略のスケープゴートであった多くの第3世界の国家
と歴史的経験を共有しているという点で、なおさらそうである。しかし、韓国が
解放後歩いてきた道のりが果してそうだったか?植民地支配と戦争を経験しながら
も、これを反侵略と反戦という普遍的価値に発展させることができずに、反日と
反共という「特定集団に対する憎悪」に矮小化させてしまったのではないか?結局
日本の右傾化問題はわたしたちに韓国社会の方向性に対する根本的な問いを投げ
かけているわけだ。したがって、日本の右傾化問題は韓国社会が「平和の国」だ
という点を国際社会に刻印させる長くて険しい作業として始まらなければならな
いはずだし、この作業は同時に韓国社会の方向性に対する真摯な苦悩を伴うもの
だ。 

*民主労動党政策理論誌『理論と実践』 5月号に掲載された論文です。 

http://www.peaceasia.org/
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その他
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政府広報ウォッチング[kitanoのアレ]<今回は、政府が発注している新聞広告
を観察します。これらの広告はすべてみなさんが支払っている税金で発注して
いる広告で、みなさんが負担しているお金の使途そのものです。>
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050423#p1
「社会保障崩壊を拒否する論理」日本医療総合研究所取締役社長 中村十念氏 
http://www.h-ri.co.jp/fukei/R002collapse.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CNNで世界を追う last year version
http://www.melma.com/mag/05/m00075605/
http://www.mag2.com/m/0000099632.htm
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