文学

本格派小説家のエッセー

「第三章へ」「コザが燃えた夜」「桐の小箱」を上梓した小説家が  出版前に送る珠玉のエッセー。

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小説家のエッセー

2003/12/30

       来年に繋ぐ嬉しい言葉
  
 つい先日、某所で、ある女性に嬉しい言葉を囁かた。
 「毎日毎日、ワクワクしながら新しいエッセーが届いてるかどうかチェック
 してるんですよ。なのに::」
 多くのもの書きが言うように、「太平洋の孤島の浜辺にひとりしゃがみ、誰
 に読んでもらえるのかわからない手紙を瓶に詰め、そっと流し送る」ような
 エッセーを書いてきているので、その人の言葉は、正直、とてもうれしかった。
 書いていない訳ではない。「秀吉と恵けい」とのタイトルで60枚を、「飛べな
 い沈黙」を650枚。(リライトだが)どちらも大手出版社宛に送稿した。
 娘を嫁に出したあとの父親みたいな気持ちだが、小津安の「晩春」のような近
 親相姦的な気分ではない。だが、海の孤島から瓶に詰めて流した手紙が誰に読
 まれることもなしに海底に沈んでしまうのと同様に、二作もボツにされるかも
 しれないと思うと、哀しくなってしまう。
 「第三章へ」を上梓してから十年。
 彼女からのひとことをもの書きとしての自分への来年に繋ぐための激励の言葉
 にしよう。

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創刊日:2001-09-20  
最終発行日:  
発行周期:随時。  
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