国際情勢

世界の「緑の党」

海外の緑の党や緑の運動団体に関する最新情報・政策動向などについてを随時レポートするマガジン。

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メルマガ「緑の党」創刊号

2001/09/13

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★★ メールマガジン 「緑の党をつくろう!」 ★★★

 The Mail Magazine for "Green Party Japan" Project


創刊号 Vol.1               2001.9.13. 
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☆創刊に寄せて☆

メルマガ「緑の党」に登録していただき、ありがとうございました。
本MMは、1980年にドイツで初めて設立され、今やヨーロッパ、
アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニア全世界70カ国以上に
広がる「緑の人々」(The Greens)=「緑の党」(Green Party)の
特集と紹介をしていき、世界の将来における「緑の政治」の
あり方について提言していくことをめざします。

最初に「緑の党」とは何か、関心はあるがよく知らない、という
人々のために、以下、簡単にその概説を試みたいと思います。


★緑の党とは何か?−概説−★

1.オールタナティブ運動としての「緑の党」(Greens)

「緑の党」は1980年にドイツで、原発反対運動や平和運動
をはじめとする、さまざまな環境運動団体、右翼から左翼に
至るまでのさまざまな市民運動団体が結集・連合して
生まれた、地域に根ざす一大全国政治組織です。

日本では「緑の党」と訳されていますが、本来は「緑の人々」
という「(既成)政党ではない政治集団」を指します。
また同様に、「緑の党」の「緑」とは、日本ではエコロジー、
環境保護を表す意味としてだけとらえられがちですが、
本来ははるかに広い意味を持っています。

一言で言えば、それは「オールタナティブ」(アルタナティーフ
altanativ =「代案」「別の道」の意)、すなわち既成の生活
秩序、生活観からの脱却と転換という、新しい価値観の
創造のシンボルが「緑」です。
いわば「旧来のあり方とは異質の生き方を求める」総合的な
社会運動とまとめてもよいでしょう。具体的には、大量生産、
大量消費・使い捨ての産業社会、経済的・物質的成長を
最優先させる産業資本主義社会を否定し、リサイクル・代替
エネルギーを軸にした循環型社会とエコロジカルな技術開発の
推進を提唱する「脱物質主義」的なエコロジー運動、さらに
それらに準じる「ポスト産業社会の倫理」を呼びかける運動
のことです。
ここには脱原発運動も含めた平和運動、労働運動、女性
解放運動、地域主義運動、同性愛運動、少数者の公民権
運動なども含まれます。


2.党是について

これらを、それぞれの地域および国の議会活動を通じて、
運動を補完していくこと、これが「緑の党」の当初の綱領
に明記されています。
それによれば、「緑の党」の政策における原則は、
(1)エコロジー的、(2)社会的、(3)底辺民主主義的、
(4)非暴力的に、政治的展望を持つこととされています。

このうち、(2)の社会的とは、「社会的公正」「社会正義」
を追求していくという原則です。すなわち、あらゆる人種や
人権差別・虐待や偏見から個人を擁護するとともに、
政治的・経済的弱者の人間的・社会的立場を保護し、
できるかぎりの公正な富や権力の平等な配分を政策に
適用させる原則です。
(3)については、従来の既成政党のような中央からの
トップダウン主義組織を否定し、ボトムアップの民主主義
を完遂させる組織論に則ることです。
(これについては次に説明します)


3.新しい組織論の確立

脱物質主義、脱成長主義がオールタナティブな社会や生活の
あり方、としての「グリーン(緑)」なのですから、「緑の人々」
は、逆にこれまでの物質的繁栄や成長を最優先させ、生活
環境を破壊してきた巨大資本・技術・組織のあり方を否定します。

したがって「緑の党」の「底辺民主主義」とは、極力組織的権力
を集中させず、分散・分権型の社会をめざすものであり、あらゆる
官僚制組織、テクノクラートの廃止を提唱する立場です。
それに代わり、「緑」は、地域、国家、あらゆる政治的レベルでの
全住民投票や国民投票制度を盛り込んだ、直接民主主義の
徹底化をめざします。

これは「緑の党」そのものの、既成政党とは異なる組織論、組織
体制にもそのまま反映されています。
たとえば、ドイツ緑の党の場合、

○底辺(地域の党員)の決定が原則的に優先される。
○党首を置かない、複数の代表者=スポークスパーソン制
(6名で構成する幹事会、中心は女性、2年ごとに選挙で改選)。
○あらゆるポストにおいて、女性の立場を尊重し優先する。
○代表者=スポークパーソンと大臣・国会議員とは兼任できない。
○地域組織中心、各地域組織<群組織(474)<州組織(16)
<連邦連合組織(1)で構成される。それぞれの代表者、議長、
候補者は選挙で、それぞれの下位機関から選出される。
○議員は4年の任期を2年ごとに交替のローテーション制度。
○すべての会議は公開制にする。非公開を認めない。

といった原則が実際に適用されています。


4.緑の党の成立背景

こうした既成の使い捨て社会、既成政党、既成の社会への
「ノン」を突きつけ、政界へとその運動を広げていった
「緑の人々」の担い手は、主に「インテリ層の若者」たち、つまり
「学生、教師、大学教授、公務員、ドロップ・アウトの代表であり、
暇と金が十分にあり、環境破壊や予想される地球の破滅を
憂慮するだけの十分な教養を身につけた人々」
(『New York Times』’83.2.13.)
でした。実際、ドイツにおいて「緑の党」が設立された80年代
当初は、大学生、ティーンエイジャーの支持が圧倒的に多かった
のであり、現在も世界の主要国の「緑の党」支持者は、それぞれ
の国の20代〜40代の有権者層が圧倒的多数を占めています。

この「緑の党」が成立した背景には、70年代後半のドイツに
おいて、今日の日本にみられるような、若者の凶悪犯罪の激化、
窃盗や麻薬、幼児虐待、新興宗教への入信、大勢順応と政治的
無関心の蔓延、青年の失業の深刻化が起きたことがあげられます。
若者の中には、家を出ての共同生活を始める者も少なくなく、
さらに80年代に入ってからは、「精神的に裕福な」若者たちの
暴動や反抗が頻発しました。
彼らの中には、単に反社会的行為に溺れていく人間とともに、
そのやる場のないストレス、エネルギーのはけ口を、社会運動や
政治運動に求めていく人間も少なくなかったのです。

さらにドイツを始めとして、ヨーロッパ全土には、酸性雨による
森林枯渇被害、86年のチェルノブイリ原発事故を典型とする、
原発事故に対する恐怖と抗議が、大きな市民運動のうねりと
なっていました。
にもかかわらず、ドイツのような連邦制をとる政党中心主義の
諸国では、こうした市民の声を聞こうとしない、いずれの既成
政党に対する不信感、いわば代議制民主主義に対する有権者
の不信やいらだちがつのっていました。

こうした世論、社会の流れとともに、「緑の党」は、当初は社会
運動として、後に運動する一般市民の中から議員を議会に
派遣する政治運動へと発展し、結実したわけです。

(次号につづく)

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★メールマガジン・緑の党をつくろう!★    創刊号 Vol.1
 
                  2001年9月14日 発行

The Mail Magazine for "Green Party Japan" Project

発行者: 緑の党ジャパン・設立プロジェクト
発行人: 今本 秀爾
URL: http://lp.jiyu.net/green.htm
問合せ先: imashu@excite.co.jp

(c) Copyright. 2001- Shuji Imamoto. All Rights Reserved.
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創刊日:2001-08-29  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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