国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<自由を謳ったチェコの「ビロード革命」は、「レノンの壁」の先駆者だった

2019/11/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)11月30日(土曜日)
      通巻6291号 <前日発行>
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 ビロード革命から三十年。チェコにじわり浸透していた中国
  自由を謳ったチェコの「ビロード革命」は、「レノンの壁」の先駆者だった
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 ビートルズの一員だったジョン・レノンが狂信的なファンによって銃撃され、NYの自宅前で死亡した事件はいまも記憶に生々しい。
当時まだソ連の占領下にあって自由のないチェコの市民らはカレル橋の下にある壁に自由への希求を落書きした。当局が壁を白く塗ると、翌日には又「圧政や抑圧に反対するメッセージ」や絵が描かれて「レノンの壁」と呼ばれ、自由化の象徴となった。

 レノンの壁は香港で再現され、市内の至る所に中国共産党批判、香港政庁非難、香港警察への罵倒メッセージが書き込まれ、いってみれば香港の風景になって溶け込んだ。

 そのレノンの壁の走りでもあるチェコ共和国で、中国のファーウェイ、ZTE排斥の動きが急浮上した。
 チェコは「ビロード革命」のあと、経済の離陸をなによりも優先させた。経済的飛躍は瞠目するべきほどで、現在チェコの一人当たりのGDPは22850ドル。従ってOECD入りも早かったが、1999年にはNATO加盟、2004年にはEUに加盟した。残る国家目標はユーロ入りだが、これには国民の反対が根強く、別れたスロバニアが先にユーロ入りしてもすこしも慌てない。

 ビロード革命の立役者で詩人のバーツラフ・ハヴェル大統領の人気と知名度から、日本でもチェコのイメージは良好、日本企業257社が進出し、累計38億ドルの投資をおこなっている。
 ハヴェル大統領は自由を尊重し、台湾を訪問して、中国の全体主義の脅威を訴えたものだった。チェコの三つの大学には日本語の講座があり、若者は漫画、アニメを好む。

 そのチェコで華為技術(ファーウェイ)とZTE(中興通訊)の使用が禁止される。
「サイバー安全保障上、問題がある」とし、11月17日にチェコ情報当局は年次報告をまとめて曰く。
「情報の漏洩が著しく、怪しい国の製品には慎重であるべきだ。公務員、軍人、政府職員などの中国通信機器の使用を禁止する」とした。


 ▲詩人大統領時代からチェコは自由を尊重し、台湾との関係は東欧一良好

チェコの通信大手「テレフォンカ」はファーウェイと過去十五年、企業提携をなしてきた。しかし、その共同作業も行き過ぎると安全保障の枠を超える。
「チェコは主権国家であり、サイバーの安全保障上の懸念があれば、使用と差し止めるは当然の主権行使」とした。

チェコの情報当局の年次報告書では、嘗てのソ連と同様に中国にそそのかされた代理人たちがチェコの政・財・官界に浸透しており、学会、慈善団体、メディアにいたるまで中国旅行に招待し、あご足つき。もっとも重視する外交目標はチェコと台湾との暖かい関係の分断に置かれているとしている。
チェコは台湾と外交関係はないものの、バーツラフ・ハヴィル大統領時代から「自由」が尊重され、台湾への梃子入れが強く、親密か関係という側面がある。

 しかしチェコ財界は中国の巨額投資に目が眩んでおり、条件が良ければチェコ企業の幾つかが標的となって中国資本に買収されていた。「チェコはEU諸国への玄関口」でもあり中国の外交戦略上、重要な拠点と位置づけられてきた。

チェコのゼマン大統領、バビチェ首相らチェコ政府はファーウェイ排斥に傾いており、「サイバーの安全保障上の懸念が大きい」との理由があげた。
チェコ最大の通信企業テレフォンかとファーウゼイは十五年に亘って共同事業を展開してきただけに、驚きを隠せない。在プラハの中国大使館は直ちに抗議したが、チェコ政府の意思は固いようだ。

チェコのバーツラフ・ハヴィル初代大統領は劇作家、詩人、何回も投獄されながら不屈の闘志で自由への讃仰を謳った。チェコ自由化の原点とも言える「77憲章」の起草者であり、中国のノーベル平和賞、劉暁波の「08憲章」に甚大な影響を与えた。ハヴェルの名前を冠してプラハ国際空港はいまハヴェル空港と呼ばれる。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 すぐに読んだ宮崎正弘氏の新作
  香港情勢をリアルタイムで解析、明快な論理と現場感覚と

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宮崎正弘『チャイナチ(CHINAZI) 崩れゆく独裁国家中国』(徳間書店)
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                            評 奥山篤信

 アマゾンより配達あり、むさぶるように一気に読了した。僕の持論だが、書き手の賢さを判断するのは、その著書を流れるように読む視線とスピードがそのまま一致することが判断の基準だ。
えてしてカッコつけた学者や先生方の本は、論旨が明確でわかりやすくないので1行1行読者の読むスピードを途切れさせてしまうのだ。頭脳明晰な著者は、難しい事柄をわかりやすく明快に書き綴るのだ。宮崎先生を尊敬するのはメルマガにせよ著書にせよ、抵抗なく読破できるところだ。
前置きはそれぐらいにして、11月27日、ルピオ上院議員が上程した法案が下院・上院で共和党・民主党の一致にて(ここが国家の危機をもたらす決議は国論が一致する日本と異なるアメリカの偉大さだ)可決し、大統領の思惑はあったのだろうが、無事署名して香港人権法案が可決した、
まさにその日に宮崎先生の本を読めたことは感慨深い、しかも原稿と出版日が通常時間的ラグがあるのに、先生の香港への危険を厭わない<決死行>(頭でっかちの保守論壇と異なり、先生は走りながら現地ルポを通じて書く目の当たりにする迫力があるのだ)もあり、まさにこの本は今そこにある危機を臨場感を持って、数分の誤差もなく書かれている点が素晴らしいのだ!
ところで<チャイナチ CHAINAZI>とは宮崎さんが香港で目撃し、その写真をテレビ番組で発表したら視聴者から驚きの声があがったそうだ。もちろんシナの帝国主義独裁国家をあの犯罪国家ナチスになぞられた言葉だ。センスがあるとしか言いようがない!要は優れた評論家とはその直感とセンスなのだ!
本書では香港の問題、さらには台湾の問題、さらにアジア諸国へのシナの浸透とその茶番劇、さらにはファーウエイ問題から将来を支配する先端技術のシナ対アメリカ・日本の死闘などまで書かれている。これほどコンパクトにリアルタイムで香港問題などを一冊で読める本はないだろう。
それもくだらない学者や似非保守主義者の寄せ集め記事のようなものではなく、緻密な資料精査と実体験を通じての<ど迫力>の流れるような素晴らしい筆致だ。市井の物書きの僕も学ぶところが大である。
結論からいえば宮崎先生の先見の明、予測、それはシナの崩壊への道だ。
<盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、鴨長明>
これは歴史の真実だ。
余談だが、あのフランシス法王の馬鹿げた日本での言動、何一つ心に刺さるものはない偽善と欺瞞であり(上智大学で偽善を悪として述べたがご自分がその権化だろうが?)、挙げ句の果ては帰路の機内にて<長崎はキリスト教徒の街だ> さらにシナに触れて<シナが大好きだ。シナに行きたい>などと馬脚を現し、シナに対して宗教家としてダライ・ラマのような(シナを後継者決定に関与させない)毅然たるシナ支配を排除する意気込みなど全くない、
まさに信者集めのためにシナ共産党とタグを組み御用教会を認知して、本物の地下教会を切り捨てる節操のなさ、まさに偽善以外何の存在価値もないバチカンも2000年を経てシナと無理心中するような予感がしてならないのだ。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1992回】             
――「支那を亡すものは鴉片の害毒である」――上塚(10)
上塚司『揚子江を中心として』(織田書店 大正14年)
 
    △
 「惡臭」を我慢していればこそ、やがて芝居は佳境に差し掛かり、舞台の上には必ずや夢幻の世界が立ち現われ、至福の一刻がやってくる。加えて芝居を軸に動く村人の生活に接することが出来たものを――実に惜しいことをしたと思う。

  やがて6月20日、「重なれる山々の彼方に萍郷炭坑の煤烟を望む。濛々として?空を焦がす煙筒の烟、無刺戟に眠りし如き我が胸を衝いて動揺せしむ」。萍郷から爪先上がりの山峡の道を「十五支里」ほど進むと、漢治萍公司が経営する安源炭鉱に至る。「從業員五千人、一日の出炭量約二千屯乃至三千屯なり。塊炭は其儘に輸出し、粉炭は骸炭の製造に用ふ」。

  上塚が安源炭鉱を訪れた3年後の1922年、毛沢東は劉少奇、李立三、夫人の楊開慧らと共に同地で大ストライキを指導している。中国共産党正統史観に基づくなら、毛沢東が指導した正統労働運動の発祥地ということになるわけだが・・・。

  6月23日、湘潭の街に上陸する。宿を求めて「凡そ十二三ケ所も尋ね」たが、「悉く『没有房子』を以て拒絶せられ」たという。致し方なく知事に依頼しようと知事公署に向かったところ、「途上白旗を掲ざせる小學生の一隊に會ふ。旗面文字あり『日貨抵制』と。即ち日貨排斥のデモンスツレーションなり。宿を求めて斷はられし理由茲に於てか分明す」。

 宿の提供を承知した後、知事からは「學生講演團の排日演説あり、民心稍昂奮の状態にあれば、無智なる者如何なる無禮を爲すやも計り難し、翼(「冀」の間違いか)くば暫く市の調査を中止せられ度し、若し強て外出せらるゝとせば、人の目に立たぬ樣」に行動せよとの忠告があった。

 湘潭は毛沢東の生まれ故郷である。1893年生まれだから、上塚が湘潭を歩いた大正8(1919)年には26歳になっていた。北京で共産主義の洗礼を受け、五四運動に刺激され湖南で新民学会を組織し、愛国運動を展開している。

  毛沢東の生涯を詳細に綴った『毛沢東年譜 一八九三――一九四九 上巻』(中共中央文献研究室編 中央文献出版社 1993年)の1919年6月の項に、「6月 毛沢東は湖南学生聯合会幹部と夏季休暇を利用し青年・学生を組織し、都市や農村、駅、埠頭に派遣し、愛国反日宣伝を行った」と記される。ここで妄想を逞しくするなら、上塚が湘潭の街で出くわした排日の動きは、毛沢東の指導によってなされたものかもしれない。

  24日、上塚は湘潭城外の総商会を訪ねる会長に面会するが、「應對無愛想を極む」。転じて日本人経営の日清汽船会社に向かうが、「事務員は支那人のみにて質問に對する答辯は一として要領を得ず」。次いで訪れた中国人経営の船会社では、「經理先生冷かなる事水の如し。已ぬる哉已ぬる哉。今や日本人の立場悉く非なり」。

 「今日湘潭に於ける市民の態度は、少なからず我が感觸を害せり。此の状態を以てしては如何に努力するも遂に所期の収穫を得る事不可能なり」と慨嘆する上塚は、湖南省の霊峰で知られる「南嶽衝山の絶嶺に衣を振ひ、此の鬱屈せる氣を晴らさん哉」と、知事に衝山行きを掛け合うのだが、「知事應ぜず頻りに其の危險を云々して思ひ止らく事を請ふ」。だが上塚の執拗な申し出に遂には折れた。

  衝山県行きの汽船に乗り込むが、「船には北兵萬載して足の踏み入るべき餘地もなし。無智可憐の兵は民衆に對して極めて暴慢なり。我等は房艙(一等)の切符を所持し居れども既に北兵に占領せられて、如何に立退きを迫るも應ぜず。止む無く事務長に五弗を追贈して、辛じて機關室の側に一房艙を得たり」。

 6月29日、湖南省の省都である長沙到着。「久振りにて、殷賑の街路に心躍るを覺ゆ」と記すが、激しい排日運動に迎えられた。
さて毛沢東が指導していたのだろうか。
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――血なまぐさい弾圧を繰り返す中国は「紅色のナチス」
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 ――香港大乱、武闘派の黒幕は誰だ?
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌6289号にあった書評のエミン・ユルマズ『米中新冷戦のはざまで日本経済は必ず浮上する』に関してですが、いかに「日本の株式市場に大相場がやってきて、株価は向こう40年で30万円になると世紀の大予言」とは言っても、やっぱり噴飯ものでは。
 日本のGDPは過去二十年以上も停滞しており、人口が減っていますよ。
(OECD生)。


(宮崎正弘のコメント)かれの言い分はコンドラチェフの波のように長期間の波動論に似ていますが、40年から42年間のスパンで株価を読むとそういう強気の予測が出来るという所論で、ま、参考意見の一つとして認識すれば良いのでは、と思います。
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