国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<中国GDP成長(19年第三四半期)が6・1%?

2019/10/19

?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月19日(土曜日)弐
         通算第6243号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「もっと正直に言えよ」。中国GDP成長(19年第三四半期)が6・1%?
   何を基準にまだGDPがプラス成長だと言い張っているのだろう
****************************************

 中国のGDP成長はとうにマイナスに落下している。その真実を誤魔化すために、適当な数値をでっち上げ、裏付けのないデータを示して2019年第三四半期は6・1%成長だと公言した。

 街に大量の失業者が溢れ、鉄や石炭城下町が廃墟と化しているのに?
 各地にゴーストタウン、三十万都市、五十万都市が造成され居住者がおらず、ゴーストシティ。いずれ中国は「ゴースト・チャイナ」となるだろう。

 中国国家統計局というフェイク数字を作文する部署がある。
 直近の発表で「2019年第三四半期(7月―9月)の中国GDP成長は6・1%だった」そうな。李克強首相その人が「あんなデータ、私たちも信用していない」と嘗て米国大使に述懐したことがある(ウィキリークスが暴いた)。

 「なら何を参考にするべきか?」との大使の質問に李首相(当時は遼寧省党書記)は「電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行の貸出残高です」と答えた。
これを一時期は、「リコノミックス指標」とチャイナウォッチャーも注目したが、やがて忘れ去られた。
 
 2016年に当時の王保安・国家統計局局長が北京空港で愛人と高飛び寸前に逮捕されるという事件があった。嘘のような話だが、愛人とそれぞれ弐通の偽のパスポート、そしてファーストクラスも二人の偽名のチケットが用意されていた。
 電話の盗聴で、ばれたのだ。


当時、小誌は次のように書いた。
「GDP数字は出鱈目であり、その責任者が捕まったのだから習近平は、伏魔殿の清掃に立ち上がって、腐敗分子を 統計局からも追い出した。
2016年1月16日、記者会見を終えた王保安は、その夜、7時半から幹部会 議を招集していた。「李克強首相の新たな講話を学習するためということだったが。幹部達はなぜ夜に会議なんか開くのかと訝りながらも待機していた」。ところが、王局長は運転手に北京国際空港に向かうよう手配していた。会議は偽装だった。
「同日夜7時発のパリ行きエールフランス便と、夜九時発のフランクフルト行きルフトハンザ便のファーストクラスを、それぞれ2枚」(中略)「鞄からは『黄国安』と『丁毅』という偽名の偽造公用パスポートが見つ かった。愛人は空港の貴賓室で捕らえられた。
 王局長は古巣の財政部時代に数億元を不正蓄財し、それらをアメリカと ヨーロッパの隠し口座に隠匿していた。このような無様な大臣が『中国の 経済成長は6・9%』と胸を張って発表していたのだ」。呆れても物が言えない」(引用止め)


 ▲世界のエコノミストにはおめでたい人が目立つなぁ

さて、6・1%成長????。
豚肉は中国人の食卓に欠かせないが、アフリカ豚コレラの流行も手伝って価格が40%も急騰し、消費は急減した。消費は落ち込んでいるにもかかわらず、公式データはGDPにしめる消費は60%だとアメリカ並みの数字を並べた。

 公式データを元にすると2020年の中国GDPは5・7−5・9%になるだろうと計算するエコノミストが多い。
 保険調査企業「COFACE」のエコノミスト、カルロス・カサノバは「2020年の中国GDP成長は、12月15日発動予定の追加関税をのぞけば5・8%だろう、とした。

 オックスフォード経済リサーチのトニー・ウーは「12月追加関税措置が取られたとして中国の2020年のGDP成長率は5・5%になるだろう」とする(いずれもサウスチャイナ・モーニングポスト、10月19日)。

 そこでIMFは5・8%を予測し,世界銀行は5・9%を予測する。
いずれもおめでたい祝儀相場の如くであり、何時までフェイク数次を元にした予測をたてていく積もりなのか?
    □△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
  読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)「南京戦の真実を追求する会」第12回講演会
 「日本で誰が南京事件を主張しているか? 戦前からあったフェイク・ヒストリー。建国から三十年間、中国の教科書に「南京事件」はなかった」

日時:令和元年12月13日(金)
     午後6時開場、6時30分開演、8時20分閉演
会場:文京区民センター/2階2−A会議室
    東京都文京区本郷4−15−14 03(3814)6731
○都営地下鉄三田線・春日駅すぐ ○都営地下鉄大江戸線・春日駅から徒歩二分 
○東京メトロ南北線・後楽園駅から徒歩三分 ○東京メトロ丸の内線後楽園駅から徒歩三分 ○JR中央線・水道橋駅から徒歩八分。
(登壇予定)
「虎ノ門ニュ−ス」でおなじみの大高未貴先生
「米中新冷戦の正体 脱中国で日本再生」がヒット中の河添恵子先生
「月刊中国」発行人の鳴霞先生
主催= 南京戦の真実を追求する会(会長 阿羅健一)
12月13日は南京が陥落した日です
HP http://www.howitzer.jp/history/index.html
(問い合わせ先)Eメール howitzer@waltz.ocn.ne.jp
FAX 03−5843−9302
協賛 新しい歴史教科書をつくる会 映画「南京の真実」製作委員会 英霊の名誉を守り顕彰する会 正しい歴史を学ぶ会 千葉県郷友会ほか。



  ♪
(読者の声2)貴誌、「読者の声」で(DF生、千葉)氏「シンガポールが全体主義に傾いていたとは!」と驚いていらした様子。
シンガポールは別名「明るい北朝鮮」ですから驚くこともないのでは?
 ロバート・D・カプランの「南シナ海が」『中国海』になる日」という本ではシンガポ
ールを「よい独裁者」がいる都市国家と評しています。
1965年にマレーシアから追い出され、現在も水源はマレーシアに抑えられている弱点を持ちながら、東南アジア随一の軍事力を誇り、米軍の原子力空母や原潜を停泊させる目的のためにわざわざチャンギ海軍基地を作った国。イスラエル軍の指導を受けたシンガポール軍は空軍はアメリカ、陸軍は台湾、ヘリコプター部隊はオーストラリアで定期訓練を実施するなど、周辺国に通商路を封鎖されれば国が滅びますから真剣味が違います。
 一方、中国との関係ですが、アジア文明博物館にはトウ小平の功績を称える記念碑が建てられているという。
台湾の李登輝総統が中国との対話を模索していたときもシンガポールが舞台でした。独立当時は貧乏国でシンガポール航空の客室乗務員を指導した日本航空の方の話では雨漏りのする倉庫が訓練所だったそうです。
 とにかく独立と安定が第一であり、ひたすら現実主義の国。外国人労働者も国籍により待遇が異なるのはあたりまえ。バングラあたりからの建設労働者の宿舎など、それこそ雨漏りのする倉庫に多段ベッドでこき使う。中国の農民工よりはマシなのでしょうか。
 チャンギ国際空港やマリーナベイサンズの華やかさの裏側は見えませんからね。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)トランプvs金正恩会談の初回はシンガポールでした。
マリーナベイ・サンズ(これは米国カジノ系列ですが)の高層階にあるバアに突然、金正恩が出現。居合わせた日本人観光客が、『キャー』と叫んで、酒でもかけるのならともかく、拍手してまるでスーパースター扱いでした。なるほど、シンガポールは「明るい北朝鮮」ですか!
    ◎◎◎◎◎  ◎◎◎◎◎  ◎◎◎◎◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★宮崎正弘の最新刊  ☆宮崎正弘の最新刊  ☆宮崎正弘の最新刊★ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪♪
宮崎正弘『神武天皇以前――縄文中期に天皇制の原型が誕生した』(育鵬社、1650円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
https://www.amazon.co.jp/dp/459408270X/
 「大嘗祭」を迎える令和日本。その精神のふるさとは縄文時代まで遡及できる。世界的な芸術の域に達した土偶文化が花開き、世界に誇る天皇制の原型をかたちづくった縄文時代とは? 
縄文土器、土偶の芸術性と、その高い文明に着目し、集落の長が付近をまとめて、豪族の前身となり、地域の王となり、やがて国家を形成する国の王、すなわちスメラミコトへの原型が生まれたのは縄文中期だった。
神武天皇はもちろん実在した、むしろ外国の文献にしかない伝聞形の邪馬台国と卑弥呼は怪しい。そして、『古事記』とて「近代の書物」である。本書は日本文明の曙を世界文明のなかに位置づけ、日本人の精神構造と道徳は縄文時代に確立されたと説く。
         ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎

  ♪♪
宮崎正弘『「火薬庫」が連鎖爆発する断末魔の中国』(ビジネス社、1540円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<内容の一部>◎香港問題が習近平の運命を変える
◎台湾の次期総統選挙に甚大な影響がすでに露呈した
◎「デジタル人民元」の衝撃  次は金融戦争がはじまる
◎「血のシルクロード」。海外債権は殆どが不良債権となる
https://www.amazon.co.jp//dp/4828421343
(アマゾン ↑)

<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『余命半年の中国・韓国経済』(ビジネス社。定価1540円)
『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店 定価1650円)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B07PWLGXRS/
『地図にない国を行く』(海竜社。1760円)
https://www.amazon.co.jp//dp/4759316663
『世界から追い出され壊れ始めた中国』(徳間書店、1430円)
『日本が危ない!  一帯一路の罠』(ハート出版。定価1650円)
https://www.amazon.co.jp/dp/480240073X/
『AI管理社会・中国の恐怖』(PHP新書。967円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569841910/
『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社、1430円)
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1760円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1650円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4759315632
******************
  <宮崎正弘の対談シリーズ> 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
  ♪♪♪
宮?正弘 v 石 平『こんなに借金大国・中国   習近平は自滅へ!』(ワック)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック)  
宮崎正弘 v 渡邊哲也『2019年 大分断する世界』(ビジネス社)
https://www.amazon.co.jp//dp/4828420746
宮崎正弘 v 田村秀男『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店)) 
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B07N2V8CL8
(↑ アマゾン在庫切れ。キンドル版。韓国語訳決定)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社) 
宮崎正弘 v 西部 邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)  
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)  
宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社)
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社)
       ○◎○☆☆ ○◎☆☆   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2019 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無し2019/10/19

    メルマ!がサービス終了した後のことは考えてらっしゃるのでしょうか。不安です。

  • 名無しさん2019/10/19

     ▲世界のエコノミストにはおめでたい人が目立つなぁ



    さて、6・1%成長????。

    豚肉は中国人の食卓に欠かせないが、アフリカ豚コレラの流行も手伝って価格が40%も急騰し、消費は急減した。消費は落ち込んでいるにもかかわらず、公式データはGDPにしめる消費は60%だとアメリカ並みの数字を並べた。



     公式データを元にすると2020年の中国GDPは5・7?5・9%になるだろうと計算するエコノミストが多い。

     保険調査企業「COFACE」のエコノミスト、カルロス・カサノバは「2020年の中国GDP成長は、12月15日発動予定の追加関税をのぞけば5・8%だろう、とした。



     オックスフォード経済リサーチのトニー・ウーは「12月追加関税措置が取られたとして中国の2020年のGDP成長率は5・5%になるだろう」とする(いずれもサウスチャイナ・モーニングポスト、10月19日)。



     そこでIMFは5・8%を予測し,世界銀行は5・9%を予測する。

    いずれもおめでたい祝儀相場の如くであり、何時までフェイク数次を元にした予測をたてていく積もりなのか?←宮崎先生、情報ありがとうございます。もう、おめでたい人にさんざん、騙されてきたということを、一般の日本人もやっと気が付き始めております。

  • 名無しさん2019/10/19

     ベネズエラ情報から「革命後」の世界を見ることができる。今、世界の権力者たちは「世界政府の樹立」に向けた交渉が活性化しており、その中心となっているのが、ヨーロッパ王族、バチカンの上層部組織P2フリーメーソン、アジアの結社の3つの勢力である。



     現時点での世界権力バランスは極めて均等に近い状態である。そのため、今なら勝者も敗者もいない世界政府の構築が可能だ。



     アメリカの破綻を避けようとベネズエラの乗っ取りに加担したトランプ大統領は、ハザールマフィアと結託する道を選んだ。そして敗者になることが確定した。



     ハザールマフィアたちは、世界金融の支配権を失い、ベネズエラの石油略奪の計画にも失敗した。今の彼らは戦犯裁判を目前にしてパニック状態に陥っている。それを挽回しようと、ハザールマフィアらは「イランとの戦争」を仕掛けようとしたが、ヨーロッパの国々やアメリカの議会はその策略には乗らなかった。



     結局、現時点でハザールマフィアの管理下にあるのはアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イスラエル、オマーン、そしてワシントンDCの一部政治家だけである。



     トランプ大統領の裏切りは、これまで政権を支えてきたアメリカ高級軍人たちの「トランプ離れ」となって表出している。2018年末には、トランプ政権の全ての軍人幹部が辞任した。



     トランプと軍との関係は「国家非常事態宣言」でも明らかになっている。トランプは新予算案に著名した際、国家非常事態宣言を行った。というのもトランプが新予算案に対して拒否権を発動しても、上下両院の3分の2以上の多数で再議決されれば覆されてしまう。今回の国家非常事態宣言の発表は、それを見越したうえでの措置だった。しかもホワイトハウスの公式ホームページですでに、その内容の一部を大統領権限で無視することを公言しているのだ。



    アメリカの軍上層部は、最高司令官である大統領としてトランプを認めていない。それどころか、公然とトランプ排除に動き出した。



     米朝首脳会談が行われていた2月27日、トランプの元個人弁護士、マイケル・コーエンが下院監視委員会の公聴会で「トランプ陣営によるウィキリークスとの接触」や、「女性への口止め料支払い」などトランプの不正疑惑について言及し、その爆弾証言を米メディアが全国放送している。さらに米下院司法委員会がトランプ政権の司法妨害、職権乱用、汚職などを調査するため、トランプの長男やホワイトハウスを含む計81人の個人・団体に対して資料の請求状を送付、議会はRICO法を適用してトランプを本格追及する姿勢を見せている。



     こうしたトランプへの不信感を高めている要因の一つが、娘婿であるジャレッド・クシュナーの存在である。トランプは娘婿であるクシュナーの軍や当局の反対を押し切って最高機密レベルの情報にアクセスする権限を与えていた。そのクシュナーが国務長官を通さずにサウジアラビアなどと外交をしていたのである。アメリカの官僚組織がトランプ政権を不信に思うのは当然であった。



     だからこそ、2回目の米朝会談の後、ロシアの国営テレビはトランプを「ピエロ」と呼び、彼の外交政策を「毎回失敗する」と痛烈な論評で皮肉っている。



     ここでトランプが提示したのは、驚くなかれ、アメリカ軍がハワイまで撤退というプランだ。権力基盤であったアメリカ軍と決裂した現状のトランプと密約したところで実効力はない。だからこそ決裂という結果になったというのである。



     北方領土返還交渉をするロシア政府が、突如、アメリカ軍が日本から撤退しない限り、平和条約を結ばないと突っぱねたのも同様である。トランプ大統領と米軍との亀裂を見抜いているからだ。つまり、トランプ大統領に追従するだけの安倍政権は、まともな交渉ができる相手ではないと切り捨てられたのである。



     トランプは、「ソ連の終わり」を請け負ったロシアのボリス・エリツィンのように、アメリカの倒産劇を担当するだけの大統領となりそうである。