国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <香港経済、間違いなくマイナス成長に転落した

2019/10/09

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月10日(木曜日)
         通算第6228号  <前日発行>
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 香港経済、間違いなくマイナス成長に転落した
   国慶節連休、頼みの観光客は62%減という惨状
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 6月9日以来の香港民主化要求デモで、10月8日までに逮捕者は2363人、このうち77名が「覆面禁止法」違反として、マスクをして町を歩いていただけの人も逮捕された。

 国慶節連休中、香港の損失は28億HKドル(邦貨換算390億円)。中国大陸からのツアー激減で経済的ロスを含むが、地下鉄襲撃で受けたMTRの損害は5億HKドル(日本円にして70億円。100世帯のタワーマンションなら二棟が建つ)。地下鉄駅94駅のうち、54駅が一時閉鎖され、10月9日にも封鎖されたままの駅が四駅ある。
具体的には券売機が800台。監視カメラ900台、改札回天機が1200台。そしてエレベータが40基、加えて70のシャッター。これらが破壊された。

 被害額には民間商店などが受けた損害額が不明のため算入されておらず、ともかく香港のGDP成長は間違いなくマイナスに転落した。
 ちなみに香港株式市場のハンセン指数をみると6月11日が27800近辺だったが、10月9日午前は25736ポイントで7・4%の下落である。
 ATMが破壊された中国銀行株は、民主化デモ前の4月17日が最高値で3・04HKドル。8月26日に最安値の2・91HKドルと4・3%安。銀行のATM被害は3300台だが、これは香港全体のATMの10%強にあたる。

市場のメルクマール=長江実業の株価は6月14日が75・1HKドル。10月4日が68・4HKドルと、およそ9%の下落をみている。長江実業はいうまでもなく香港財閥一位の李嘉誠が率いるコングロマリットだ。
この週末、デモの標的はなにになるか?
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 次の世界は米国、中国が退場し、新興勢力は七カ国。
  日本はGDP世界三位の位置からも転落を余儀なくされるだろう

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浜田和幸『未来の大国』(祥伝社新書)
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 気鋭の未来学者が政界から論壇に戻ってきた。
 本書の副題は『2030年、世界地図が塗り変わる』とあって、ハーマンカーンのように近未来予測シミュレーションが基本となっている。
 参議院議員時代の浜田氏は外務政務官として世界を回った。とんでもない国にも行った経験から、次の大国はインドネシア、ベトナム、イスラエル、オマーン等とする。
 意外なのはイランと北朝鮮も資源リッチという文脈から「未来の大国」入りの可能性を秘めているというのだが、さてはて。
本書のなかで、もっとも関心が深かったのは、じつはインドネシアのくだりである。
浜田氏は大胆にも、「2050年にインドネシアは世界第四位の経済力をもつ国に発展するだろう」と予測するのだ。とりあえずの中間目標は「2030年までに世界のトップテン」。

第一に揚げる理由は人口大国である要素だ。インドネシアには2億6000万人が住むが、じつは半分が30歳代以下の若者。そのうえ、インドネシアの若者は向学心に富み、エネルギッシュであり、アメリカ、印度についで世界第三位の起業家がいるという顕著な特色をもつ。
評者(宮?)はインドネシア専門家ではないが、この三年ほどに三回、それもジャカルタ、バリ島という月並みなコースではなく、新首都移転の決まったボルネオ島東カリマンタンのバンジャルマシン、パリッパパン、そしてセレベスのマカッサル、ジャワ島はソロという古都を訪ね歩き、町の表情、人々の笑顔もさることながら、IT革命のまっただ中、日本の若者よりも、次世代ハイテクと、スマホの活用ぶりから、「えっ、こんなにも、新ビジネスの起業がさかんなのか」と大いに感動しながら、目撃してきたばかりである。

このインドネシアにさっと目を付けた日本人がいる。
誰かと思えば、かの孫正義だ。孫の慧眼は、インドネシアのユニコーンを捜しだして、早くもウーバーの新興企業に10億円を出資する。そのうえ、トランプファミリーである。インドネシアとの相性があうらしく、トランプファミリーが意外なことに、インドネシアに食い込んでいるという情報は新鮮だ。
東南アジア最大の人口大国が持つメリットとは何か。日本の二倍以上の市場があるということであり、また政治的にもASEANの提唱はバンドンで行われた。バンドンは緑豊かで静かな学園都市、絵画のギャラリーが多いという、日本にいては分からない新潮流がある。

本書では触れていないが、経済を支えるもう一つの要素は華僑だ。華僑の人口も多いが、1965年政変のあたりから、きわめて慎重になって現地人の名前に変え、目立たないように努力しつつ、経済の実をとってきた。
この国の難点は、16000もの島々から成立する多民族国家であり、東チモールは西側の後押しで出て行ったが(独立した)、西チモールはインドネシア領土。またパプアニューギニアの西半分がインドネシア領の西パプア、過激な独立運動が盛んで、治安が悪い。東西にあまりに広く、国内の時差が四時間と、これもアメリカ並み。この国の統治はさぞや難しいだろう。

ジョコ大統領は東カリマンタンに首都移転をきめたことは書いた。ところが、財源不足のうえ、国民の多くが新首都移転プロジェクトに、じつはそっぽを向いている。これも評者、現場を取材して分かった。2024年完成とする目標は、はやくも遅れており(ジャカルタ ー バンドン間の新幹線は中国が受注したため、2019年完成予定が、いつ完成するかわからないように)、新首都移転はおそらく2040年あたりにまでもつれ込むだろう。
インドネシアはそれまでに五輪誘致を国家目標に置いているともいう。
 かくして本書、2100年までの長期スパンの下に、次に國際的なアレーナで、何が起こるのか、多角的に独自な予測を展開している。
 最後の箇所で、忽然と三島由紀夫の予言が『文化防衛論』から引用されていて、これはご愛敬だった。
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  読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)貴誌6224号に「バチカンはなぜ香港の民主派抗議活動に沈黙しているのか」の記事で香港の宗教分析があり、林鄭長官はカソリック、黄之峰はプロテスタント(ルター教会)という。初めて知りました。
 「香港に於けるキリスト教が、もともとがフランシスコ会の縄張りで、ローマのバチカンと繋がっている。イエズス会はマカオが拠点で、ザビエルの像があるが、香港にはない」、そして「バチカンは近年、北京に異常接近しており、二、三年前から台湾と断交し、再び北京と結ぶのではないかという観測が流れていた」わけですね。
 雨傘革命のリーダーで、いまはスポークスマン役の黄之峰がプロテスタント系のルター派であり、その信じるところは、「義のために迫害される人々は幸せなり、天はその人々のためにある」。
 なるほど、香港の突撃隊、あの武闘の源泉が、マタイ伝にあったとは!
    (CB生、川崎市)
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香港問題が習近平の運命を変える
香港は「第二の天安門事件」となるか、或いは体制転覆の可能性も。
台湾の次期総統選挙に甚大な影響がすでに露呈した
「デジタル人民元」の衝撃  次は金融戦争がはじまる
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 「大嘗祭」を迎える令和日本。その精神のふるさとは縄文時代まで遡及できる。世界的な芸術の域に達した土偶文化が花開き、世界に誇る天皇制の原型をかたちづくった縄文時代とは? 
縄文土偶の芸術性と、その高い文明に着目し、集落の長が付近をまとめて、豪族の前身となり、地域の王となり、やがて国家を形成する国の王、すなわちスメラミコトへの原型が生まれたのは縄文中期だった。
神武天皇はもちろん実在した、むしろ外国の文献にしかない伝聞形の邪馬台国と卑弥呼は怪しい。そして、『古事記』とて「近代の書物」である。本書は日本文明の曙を世界文明のなかに位置づけ、日本人の精神構造と道徳は縄文時代に確立されていたと説く。
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