国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<IMF,パキスタン支援60億ドルを最終承認

2019/07/04

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)7月4日(木曜日)弐
       通巻第6128号  
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 IMF,パキスタン支援60億ドルを最終承認
  改革計画(財政均衡、輸出拡大、内需喚起)を是認し、毎年20億ドル。
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 四月、すでにIMF特別チームはパキスタンと協議を重ね、支援を決定していたがIMF理事会の最終承認がなされ(7月3日)、パキスタンのデフォルトは当面避けられる見通しとなった。

IMFのパキスタン救済はこれで13回目。いささかモラルハザードの気がしないでもない。イムラン・カーン首相より、パキスタンに620億ドルも貸し込んでいる北京が安堵の度合いが深かったかも知れない。

 イムラン・カーンは当選後、すぐに北京には赴かず、陸軍参謀長を差し向け「中国パキスタン軍事同盟」を確認させ、その間にサウジ、UAEを歴訪、緊急の200億ドル融資を勝ち取った。
それからカーン首相はおもむろに北京を訪問したが、追加融資の案件には中国側の明確な回答はなかった。

 カーンは執拗に「シルクロード国際フォーラム」でも北京を再訪したが、パキスタンのみかわ、どの国にも中国は援助金額を明示しなかった。この時点で、世界は中国の外貨が本当に払底したことに気がついたのだ。

 IMFは今後三年間にわたり、毎年20億ドルづつパキスタンに資金供与し、さしあたっての10億ドルは早急に処理するとしている。
 おりしもIMFラガルド理事はEUの決議で、次期ECB(ヨーロッパ中央銀行)総裁に選ばれ、転出が決まった。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 『古事記』、『日本書紀』の差違を明確化した研究成果
  『日本書紀』の魅力をたっぷりと教示してくれる入門書

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竹田恒泰 v 久野潤『日本書紀入門』(ビジネス社)
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フルタイトルは『決定版 日本書紀入門――2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る』。冒頭に「決定版」との断り書きが入っている。
入門編の決定版という意味なのか?
それにしても、なぜ二人は『日本書紀』を選んだのだろう?
天皇家の出来事をありのまま、スキャンダルや暗部をあけすけに書いている『古事記』は浪漫に溢れ、イマジネーションを湧かせてくれるが、官製の匂い濃厚な『日本書紀』は文章も堅苦しく、読んでいても、古代史の夢をロマンティックには描けない。
なにより、『古事記』は全三巻だが、『日本書紀』は三十巻もの長さである。
そればかりか、これは外国語で書かれた文献である。『古事記』は大和言葉を漢字の宛て字で仕上げているが、『日本書紀』は古代中国語で書かれ、そのうえ中国人の校閲があったほどだ。
唐風が通り抜けても、国風が書物の中に駆け抜けない官製品というのが、多くの捉え方だろう。
中国流に言えば『日本書紀』は正史だから、まずいことは書かない、王朝の正統性をこれでもか、これでもかと述べたのが歴代王朝の正史、つまり中国では政治文書となる。
しかし本書において歴史通のふたりは『日本書紀』にも、ちゃんと天皇家の暗部が描かれているとして実例を提示する。
水戸光圀が『大日本史』編纂という大事業に挑んだのも、『日本書紀』が発端である。

しかしなぜ本書がこのタイミングに? 
令和二年(2020)は、東京五輪だと日本中が浮かれているが、『日本書紀』が成立したから1300年になるからである。
八世紀に『日本書紀』が編纂されたが、これは「最古の歴史書」であり、「『日本書紀』は世界に向けての情報発信だった」との解釈に立脚し、二人は論を進めている。
斬新な視点である。嘗て黛敏郎氏が、奈良の大仏開眼が「当時の万博だった」と言い出したとき、評者(宮?)は、目から鱗が落ちたが、『日本書紀』にそうした意図が含まれていたことには迂闊にも気がつかなかった。というより、そうした文脈で『日本書紀』を位置づけたことがなかった。
そういえば世界史はチンギスハーンの世界制覇から開始されたのであり、日本書紀当時の世界とはシナ大陸のことである。
もとより『日本書紀』が最古の歴史書というのはレトリックで、『古事記』はそれより少なくとも半世紀は古い(学説ではちょっとだけ早いことになっているが)、それ以前、聖徳太子が編纂した『天皇記』がある。焼却してしまったので、残念ながら、この貴重な文献を読むことが出来なくなった。もし、発見されれば、記紀と並んで三大歴史書と言われただろう。
評者は林房雄が『天皇の起源』で唱えたように、神武天皇以前に五十代から七十代のご先祖がおられ、天皇制の原型の誕生は縄文中期と考えている。したがって古事記も日本書紀も「近世」の読み物である。
さはさりながら本書の面白さを以下に紹介したい。
久野 「中西輝政京都大学名誉教授は、アメリカが昭和17年五月の時点で「『日本書紀』という史書をいかにして日本人の教育や学問の研究から追い出していくかが大事だ」という趣旨を諜報機関の文書で書いていることを指摘しています。日本人に『日本書紀』はまったく信用できない書物だと思わせることが、日本が二度とアメリカの脅威にならない大事な手だてのひとつであることを見抜いていたわけです」
といえば、
竹田 「アメリカから完全に聖書というものを消し去ったらどうなるか、ということを考えたら、よくわかるはずです」
 また継体天皇は越前に逼塞していたため、すぐに大和へ入らず、即位後およそ二十年も河内国樟葉宮(くすばのみや)留まった経緯があるが、それは何故か?
久野は戦後左翼が言い出した王朝簒奪説、あるいは王朝交替説が濃厚となった一因であると提議すると、竹田は「継体天皇が大和に入るのに時間を要したのは、応神天皇の五世孫――はるか遠くの血筋の人を連れてきた天皇におなりいただくということで、豪族たちの間での合意が形成されるまでに、それだけ時間を要した」
と明快な回答がでる。
 「金鵄」と「八咫烏」の区別をのべた箇所も基本認識、やはり入門編だろうか。
名前の由来は、神武天皇東征の際、神武天皇の弓とまった黄金色のトビ(鵄)が光り輝いていた伝統による。近鉄八木駅前のロータリーに誇張されたレプリカが聳え立っている。
前方後円墳の名づけ親でもある蒲生君平や、歴代天皇陵をさがしもとめた高山彦九郎、本居宣長を批判し、『日本書紀』の重要性を力説した橘守部など、歴史に埋もれてわすれされている人々への再評価もなされている。
ともかく本書は『古事記』、『日本書紀』の差違を明確にしてゆきながらも、これまで軽視されがちだった『日本書紀』の魅力をたっぷりと教示しているのである。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)御新刊『地図にない国を行く』(海竜社)を早速、拝読しました。アジア諸国を訪ね歩く旅行記はいろいろ読んできましたが、こんなにリアルで、おもしろくて、読み甲斐のある本はありません。
 中国からジャブジャブ金を貰って、有効に使って発展しているかのように見えて、実は中国の借金の罠に嵌り、おのれを喪い、国を喪い、10年後20年後はどうなっているのやら…。
 そんなアジアの実状に愕然としますが、宮崎さんは深刻な場面でも、ときに夫婦同伴で旅を楽しみ、筆はさらりと書いておられます。そこがいいですね。
 私は本書を通じて、アジアの今を知り、アジアの明日が目に見えてきて、我が国と我が国びとはどう生きるべきかを考えました。
隣人にもご本を紹介しました。
    (HN生、新潟)
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■宮崎正弘の新刊  ■宮崎正弘の新刊  ■宮崎正弘の新刊 
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宮崎正弘『地図にない国を行く』(海竜社)
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 ●グーグルマップでも見ることができない世界の裏。ガイドブックにない国、地方、秘境。昼と夜でその顔を変えてしまう、あの街。不思議な世界!
 写真およそ百葉。256ページ。
  ●現代は世界の隅々の地図を瞬時に把握できる。世界のどこかで起きている災害もテロ事件も、お祭りもSNSの発達により把握できるが、さて地図に載らない場所が、世界中にある。
――海流のなかの島々、ガラパゴス、イースター島、パプアニューギニア、フィジー
――孤島の東チモール、モルディブで何が起こり、どのような生活をしているのか。
 ――世界の秘境と言われるブータン、ネパール、そして日本人が殆ど行かないアジアの国々のなかでコタキナバル、クチン、あるいは日本人が寄りつきたくないバングラデシュ。遠き過去の出来事となったベトナムの激戦地ディンビエンフーを訪ねてみると。。。。
 ●宮崎正弘『地図にない国を行く』(海竜社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4759316663/
 (↑ アマゾン、残部僅少)


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宮崎正弘『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店 定価1620円)
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 ――「五百年の孤独」に耐えて、歴史の真実が明らかになった
 明智光秀評価の間違いを糺し、従来の「本能寺の変」解釈を根底的にひっくり返す!
 これほど誤解された武将はいないが、原因は『光秀ごときが』という黒幕説だった
 ――信長への過大評価と光秀への過小評価が真実を隠蔽してきた
 「主殺し」、「謀反人」という逆宣伝で光秀を貶めたのは秀吉と誠仁親王だった
 当時の空気。人々は予兆していた。光秀がことを起こそうとしていることを
 ――謎は愛宕神社、あの「愛宕百韻」の発句が「ときはいま天の下しる五月哉」にある
――光秀の『文化防衛論』は日本侵略を狙った切支丹伴天連との戦いだった
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宮崎正弘『余命半年の中国・韓国経済』(ビジネス社。定価1512円)
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 ――中国市場から制御不能の金融危機が始まる。天文学的債務が爆発寸前だ 
 ――ファーウェイ排除は次世代技術覇権競争が本質にある
 ――ソロスが言った。「習近平は西側のもっとも危険な敵」

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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『日本が危ない!  一帯一路の罠』(ハート出版。定価1620円)
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『AI管理社会・中国の恐怖』(PHP新書。950円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569841910/
『米中貿易戦争で始まった中国の破滅』(徳間書店、定価1296円)
『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社、1404円)
『習近平の死角』(育鵬社、1620円)  
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円)
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<宮崎正弘の対談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 渡邊哲也『2019年 大分断する世界』(ビジネス社、1512円)
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宮崎正弘 v 大竹慎一『米中壊滅』(李白社、発売=徳間書店。1512円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社) 
宮崎正弘 v 西部 邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫、778円)  
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)  
宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社、1296円)
宮崎正弘 v 石平『アジアの覇者は誰か 習近平か、いやトランプと安倍だ! 』(ワック)
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店、1296円)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
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(休刊のお知らせ)地方講演旅行のため7月14,15日が休刊予定です
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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