国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み  習近平、来日キャンセルの可能性。G20大阪

2019/06/14

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)6月14日(金曜日)弐
       通巻第6111号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)小誌は海外取材のため明日(6月15日)から23日まで休刊です 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 習近平、来日キャンセルの可能性。G20大阪
  香港の抗議行動弾圧に世界が抗議、孤立深める中国にペンス演説が追い打ちへ
****************************************

 「香港騒乱」とでも言うべきか。雨傘革命を超える参加者。容疑者の中国送還合法化への法律改正に反対する抗議の人並みは百万人。
香港返還いらい最大の動員となったのも、香港住民の切羽詰まった危機感、将来への不安感の表れであり、げんに香港の未来を絶望し、バンクーバーへ舞い戻った香港人の数、数万という。

 容疑者引き渡しの法改正をめぐり、中国送還を合法化しようとする林鄭行政長官ならびに立法府の親中派に対して、民衆は抗議デモで応じた。ついに議会は開かれず、また法案の成立が不透明となった。抗議行動は引き続き、警官隊と衝突し多数の負傷者と逮捕者を出した。
 抗議側がひるまずに行動を続けるのは、香港の自治が完璧に失われる怖れが強く、謂わば香港住民にとって生死をかけた戦いである。

 深センに戦車隊が入ったとか、警官に襲いかかるのは中国国家公安部のヤラセとか、様々なニュースが飛び交っているが、国際的な反響は悉くが中国に否定的である。

 強い応援団が出現した。ペロシ下院議長は、香港問題を米国議会で取り上げ、もし条例改正案を香港議会が承認した場合、貿易上の特権的な待遇を見直すとし、米議会で法案を審議すると表明した。デモ参加者を支持したのである。
 なにしろ下院は民主党が多数派であり、日頃はトランプ批判に明け暮れてきた民主党があたかもトランプ路線の先を走ったのである。
 それまで習近平は快適な旅を続けた。
 ロシアのサンクトペテルブルグの経済フォーラムではプーチンから持ち上げられ、中国とロシアは良好なパートナーシップだと言い合って(お互いに眼を逸らしながら)、誰も眼にも明らかな欺瞞の握手を交わし、保護貿易主義に立ち向かう等として米国を非難した。

 6月13日にはキリギスの首都ビシュケクへ飛んで、第十九回のSCO(上海協力機構)で演説し、インドからやってきたモディ首相とかたい握手、おたがいに平和を望み、中国は地域の脅威にはならない等と歯が浮いたような発言。それよりキリギスでは、ジベコフ大統領から「中国はながい間にわたってキルギスを支援してくれた。この恩は忘れない」とおだてられ同国最高位の勲章を贈られ、いたくご満悦だった。


 ▼居心地の良さはロシアとキルギスで終わり、つぎの不愉快な旅が待っている

 この快適な旅が終わり、つぎに待っているのが米国から突きつけられた諸要求を飲むのか、飲まないのか。大阪のG20への出席は習近平にとって、いまや不愉快千万のイベントなのである。

 「もしトランプ大統領と習近平の大阪における首脳会談が実現しなければ、トランプ大統領はもっと強硬な対中制裁措置を準備している。中国からはまだ公式的な返答がない」とラリー・クドロー国家経済会議議長は6月13日、ピーターソン國際経済研究所における講演で表明した。

 日本がやきもきし始めた。28日からの大阪G20ホスト国として、共同声明がどうなるかも不透明になった。一斉に香港問題への言及があって中国を糾弾するような内容になれば、北京としては立つ瀬もなくなるだろう。
習近平が来日を直前にキャンセルする可能性が浮上した。
孤立無援、四面楚歌は習近平だけではなく、韓国の文在寅大統領も、あらゆる策謀が成就せず、やけくそで来日キャンセルに追随する可能性がある。

 まして24日に予定されるペンス副大統領の演説は人権問題、中国のチベットとウィグルにおける血の弾圧が「人権を擁護する国につくのか」「人権弾圧の国につくのか」と踏み絵を踏ませるがごとく、参加国に鋭く問いただし、世界へ向けて中国封じ込め、中国制裁を明確に呼びかける内容となるだろうとワシントンでは予想されている。

      ◇◎□◇み◎◇◎▽や◇◎▽◇ざ◇◎▽◇き○□◎▽   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)小誌は海外取材のため6月15日―23日が休刊となります 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 
  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 中国はなぜ外国人特派員を日夜監視しているのか
  共産党幹部の日常生活も発言記録も「国家機密」だという特殊事情

  ♪
中津幸久『北京1998  中国国外退去始末記』(集広舎)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 或る宴席でなぜか柴田穂氏と鮫島敬治氏の名前が出た。
 柴田穂は文革時代の産経特派員で、「西単の壁」に貼られた壁新聞を克明に見に行き数々のスクープをものにしたために国外追放になった。帰国後に数冊の中国論を上梓されたが、うち一冊は評者(宮崎)が担当、よく新宿や銀座のカラオケに行った。
 鮫島敬治は日経新聞特派員時代に、追放ではなく一年半にわたって社宅軟禁された。評者がインタビューして「ながい孤独を如何に堪えたか」という質問には「『真向法』で精神安定を得た」と明確に答えたが、「なぜ体験記を書かないのか」と質したことには「そのうちに」と言葉を濁した。
「そのうちに」ガンで亡くなった。
 宴席で想い出噺をおえて帰宅すると、本書が届いていた。しかも奥付の日付が六月四日、なにかイミシンだ。
 どの国にも国家機密があるし、それを守ろうとするのは主権行為であって当然だが、日本のようにスパイ防止法さえない国では、この常識は通らない。閣議決定は三十分以内で北京に筒抜けになる。なにしろ首相が中国人工作員の女性と懇ろになった事件もあったが、あまり問題視されない。諸外国なら首相弾劾に発展するだろう。
 中国には国家機密のなかに幹部の日常生活や会議における発言記録も『機密』に属するという特殊事情がある。
 また特派員の周辺にまといつく情報屋には為にする情報工作を意図的に吹き込み、相手国の世論を誤解させ、世論になにがしかの影響を与えようとする諜報工作もたくみに展開されている。 
 産経の江沢民死亡号外事件も、朝日の林彪健在という世紀の大誤報も、毎日の陳敏爾浮上説も、「情報屋」がもたらしたガセだった。
 著者の中津幸久氏は読売新聞中国元特派員。最初は上海、ついで北京。そして国家機密に触れた報道をしたとかの難癖をつけられて執拗に取り調べをうけた体験を持ち、とうとう国外追放の憂き目にあった。
 以後、五年間中国入国禁止処分となった。十年後の北京五輪に乗じて取材ヴィザを申請したが、やはり拒否されたという。
 特派員時代には助手の中国人が挙動を監視し、ときに密告したと書いているが、これは常識であり、ある時、評者も某新聞の特派員と会う約束で、差し向けられた車に乗り込んだ。運転手も監視役と分かったのは、日本語が分からない触れ込みだったのに、接触事故を起こしそうになったときに、当方がとっさに喋った、最新流行の日本語をちゃんと聞き分けたからだ。
 (あ、この運転手も工作員か)
 特派員時代に、この著者はいかなる経験をしたか、それを当時の政治状況に重ねて考えていくと、中国の外国人特派員への「気配り」<?>」が歴然と読めてくるのである。
        ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)小誌は海外取材のため明日(6月15日)から23日まで休刊です 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)米中貿易戦争は激しさを増し、着地点は見えず、世界中が振り回されています。最近読んでいるのが物理学、なかでも量子力学に関する本なのですが、ある本のなかに原爆開発を巡るソ連のスパイ活動とそれに対するアメリカの対応がでてきます。
 第二次大戦後のアメリカ、原爆開発は成功し日本を叩き潰したまではよかったのですが、ソ連がたちまち原爆を開発。大戦後ソ連に対する認識はルーズベルト時代の同盟国からトルーマン時代には敵国へと変化。オッペンハイマー以下、多くの物理学者がFBIにより監視され査問を受ける。
 ある物理学者は共産党に関係しながらなんとか査問を切り抜けるも、大学での教職は再任用不可、海外に職を求め、ブラジルに職を得るが、パスポートは領事館に押さえられ、身辺は常に監視される状況が続く。
 マッカーシー旋風の前段階ですらこれほど厳しいのですから、アメリカの世論が反ソビエトになった時には国中がヒステリー状態だったのかもしれません。
ましてや真珠湾のときの日本などアメリカのメディアではサルに例えるのはまだましで、害獣・害虫扱いでした。
 アメリカの対中認識を見ていると1950年前後の赤狩り前夜を思い起こさせます。
国防の根幹が危機にさらされるとアメリカはなりふり構わず対立国を排除あるいは殲滅しようとさえする。オバマがルーズベルトのソ連のごとく中国を増長させたのなら、その尻拭いをトランプ大統領がトルーマンの対ソ連政策同様に中国を締め付けるという構図に
も見えます。
 1940年代の日米摩擦のころ、西海岸の石油企業は日本に輸出したかった。
しかしルーズベルトは国防の観点からそれを認めなかった。オランダと英国が戦争していてもオランダ企業は英国に物資を輸出していた時代とは違います。
アメリカは短期的に不利益を被ってもやることはやる、という文化なのでしょう。
 そうなると米中貿易摩擦は圧倒的に中国不利に思えます。5G通信機器関連の問題はアメリカにとって国防そのもの。中国に情報覇権は絶対に渡さない、という不退転の決意に思えます。
   (PB生、千葉)



  ♪
(読者の声2)歴史学者の呉座勇一氏が、「俗流歴史本」の定義を述べている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65110?page=6
 だが、最近読んだ下記リンクの『歴史は現代文学である』では、呉座勇一氏の見解とは相当異なる。歴史は書いた人がおり、その時点での現代文学で、純然たる科学とも言えないと。
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0908-9.html
  ( TA生、川崎市)


(宮崎正弘のコメント)小生も呉座氏については、拙著『明智光秀 五百年の孤独』のなかで、批判しております。歴史を合理主義で裁断すると、ものごとの本質を誤ると、近年流行の歴史解釈を俎上に乗せました。
 ところでご指摘のサイトで、呉座氏は小説家の井沢元彦氏の歴史講釈をかなりこっぴどく批判しているようですね。
小生、井沢氏の著作を読んだことがなく、コメントは差し控えます。



  ♪
(読者の声3)私は、アメリカとイランのカギを握るのは、イスラエルではないかと思います。アメリカ(特にトランプ政権は)強いプロイランです。
イランは、表向き反米に凝り固まり「くたばれあめりか(down with the USA)」などと民衆に叫ばせ、大きな横幕をいたるところに張ったりしていましたが、テヘランの金持ち階級の間では、隠れ親米がほとんどであろうと思われます。
お互いにイスラエルを中に挟んで、敵対関係にあるのであって、これを少しでも緩和できないと妥協するのは難しいと思います。
ただ私が経験したイラン人は、強腰のようでも、土壇場では、相手との強弱をよく読んでおり、ころっと妥協することもありますが、イスラエルとの関係では、妥協が難しく、安倍首相もそれを計算に入れていたかどうでしょう。
(関野通夫)




(読者の声4)私はこれまで日本国は学問立国を宣言すべきだと主張してきました。学問とは、真理を体系的に追究するものです。
ですから、体系化を目指さない学問は学問とは言えません。ところがマルクスによって、全体的真理=絶対的真理が否定され、哲学が否定されてから人類は学問の体系化の道を閉ざされてしまいました。
にも拘らず、何より深刻なのは、誰もそのことに気づいていないことです。結果として、学問の名の下にデタラメが許されるようになって、反日の研究が学問の自由とされて、高額が国庫から無駄に捻出されるというおかしな事態が堂々とまかり通っている始末です。

 学問の自由とは、デタラメをやって良い自由などではなく、ヘーゲルの云うように自由とは必然性の洞察なのであって、必然性を洞察する学問とまさに同義なのです。
つまり学問の自由を叫ぶものは、その必然性を学問的に説けなければ、自由を叫ぶ死角はないということです。
反日を研究するものは、それが人類の発展とどう結びつくかを、屁理屈ではなく、学問的に説けなければならないということである。
 話が大分それてしまいましたので、本道に戻しまして、マルクス以来、学問が学問でなくなって、一見発展しているように見えて、学問としては堕落の一途をたどっているのです。
その象徴が現代医学の誤った自律神経論です。これが岩盤規制のよう、現代人のアタマを縛りつけて、人類を日本人を危機に陥らせている現実があります。そのことについて考察してみたいと思います。
1、熱中症対策になぜ交感神経が出てこないのか?
 これまで私は、熱中症対策の要は交感神経を強くすることだ、と訴え続けてきました!
しかし残念なことに世の熱中症対策には、交感神経のこの字も出てこないのが実情です。その世間の熱中症対策は、一見進歩しているように見えます。にもかかわらず、肝心の熱中症は一向に減らないどころか、むしろ増え続けているようです。特に、子供たちの増加が目立つように感じます。
 これは何を意味するかといいますと、肝心の交感神経そのものが弱くなっている、ということだと私は思います。
その交感神経が弱ければ、いくら良い対策を施しても効果が上らないどころか、むしろ返って有害な場合すらあり得るのです。例えば、水を飲み過ぎると、体内環境を整える仕事をしている交感神経の負担になって、具合が悪くなることかあるのです。

 では何故、世の熱中症対策には、交感神経が出てこないのでしょうか?
それは、現代医学の誤った自律神経論・交感神経論に責任があります。現代医学は、心臓に分布している交感神経と副交感神経との間に、正反対の働きをしているように見える事実があるというだけで、生まれた時期の違いや、その分布のしかた、神経そのものの構造に、明らかに次元の違いが見て取れるのに、それを無視して、この2つの異質な神経を、ワンセットだと強引に決めつけて、それを頑固に墨守し続けているのです。
 その結果として、交感神経の行なっている良い仕事の大半が、実際は何もやっていない副交感神経がやっていることにされ、後に説明する事情から交感神経が異常化しやすいために、その異常化による有害な側面ばかりが、交感神経のものとされて、悪役の汚名を着せられて、交感神経の名を言うのもはばかられる雰囲気が醸成され、蔓延してしまっている現実があります。
これが、熱中症対策に決して交感神経の名が出てこない理由だと思います。

 これは由々しきことです。
というのはこれが、脳の栄養不良と相まって、今の日本が抱える、うつ病・引きこもり・虐待・子殺し・高齢ドライバーの運転ミス等々に関わって、日本を滅ぼす要因となっているからです。というのは、心と身体をつなぎ、その両者を支える大事な働きをしているのが、交感神経なのでそれが弱ると、そうなりやすいのです。
昔の日本人は、交感神経が見事だったから、灼熱地獄の硫黄島の洞穴で半年間も頑張りぬけたのです。その魂を受け継ぐためにも、交感神経を見事に育て上げることは、とても重要なことなのです。
 ところが現代医学の誤った自律神経論・交感神経論によって、世のお母さんたちも洗脳されて、我が子を丈夫に育てよう、交感神経が強くなるように育てようという意識がなく、その多くは自分の感情のままに過保護に育てて、交感神経のヤワな子が大量に増えているのです。

2、生命の歴史から説く交感神経とは?副交感神経との違い
 しかし生命の歴史において、交感神経と副交感神経とは生まれた時代が全く違うことは、現代医学にも認識されている周知の事実です。ところが、現代医学は、それに基づく反省や修正をしようとする学問的態度が、全く見られません。
 その生まれた時代の違いとは、具体的には、副交感神経は、魚類の時代に、腸管の運動を統括する神経として、骨を動かす運動神経とともに生まれました。ですから、副交感神経は、その大部分が内臓にしか分布していない、本当は腸管運動神経と呼ばれるべき神経なのです。
 これに対して、もう一方とされる交感神経は、地殻変動の激しかった時代に、穏やかな海中から陸上に上陸した哺乳類の、その体内環境が激しく乱される中でも、しっかりと生き抜いていけるよう恒常性を整える体系的システムとして完成したものです。
じつは、その交感神経のことを【交感神経ー副腎系】と呼んだ学者がいます。
その学者は二百年前のキャノンという、「恒常性」の概念を確立した偉大な生理学者なのです。
キャノンはその著書「体の知恵」の中で、この【交感神経ー副腎系】が、命を守るための「恒常性を維持する」ために主導的な役割を果たしていることを、実験的に証明しています。
このように交感神経すなわち【交感神経ー副腎系】は、ホルモン系と神経系とを統合した、命を守るための、もの凄い統括系のことなのです。

 ここで体系的と云うのは、例えば、朝起きるとき急に立ち上がっても立ちくらみがしないで済んでいるのは、この交感神経系が、心臓の血圧を上げ、脈拍を上げ、同時に、足の血管の筋肉を締めて、重力で血液が足の方に溜まらないように調節しているから、脳の血流が確保されているわけですが、これは、全体が一糸乱れぬ体系的連係があるからできることなのです。
 このために、交感神経系は、全身のあらゆるところに隈なく分布して、その役割をはたしているのです。
例えば、腸管の粘膜に分布してその働きを統括している神経というと、誰もが、腸管の運動を統括している副交感神経を想起すると思いますが、じつは違うのです。
粘膜から吸収する働きを統括しているのは、腸管固有の神経ですが、粘膜に分布して粘膜を守っているのは、交感神経なのです。「ガイトンの生理学」という有名な権威ある本の中の図に、そのことを示す証拠となる図があります。
その図を見ますと、交感神経の赤い線は粘膜にまで到達しているのですが、副交感神経の方は、マイスネル神経叢やアウエルバッハ神経叢という地元の固有の神経叢のところまでしか行っていないことか分かります。つまり、お前たちしっかり働けよ?と丸投げして、自分は実際には働いていないのです。

3、本能的な交感神経が認識と出会ってどういう運命を背負うことになったか?
 さて、ここで問題となるのは、交感神経と認識・感情との関係です。
この問題は、人類が誕生する以前には、全く存在しませんでした。つまり本能による鉄壁の管理体制が敷かれていて、交感神経は気持ちよく働けたということです。
ところが、サルから人間への進化の過程で、本能に縛られない認識・感情が生まれ、それが力をつけて本能の上に立つようになって、認識と本能との権力の二重構造が生まれると、身体全体の実際の統括を一任されて、いわば丞相のような地位にあった交感神経は、大変な難題を抱えるようになります。
 それは本能的な命を守ろうとする交感神経に対して、新たなご主人様となった認識・感情は、時に、それとは真逆の、命を脅かすような統括を要求する、という奔放さを持っていることです。
これによる葛藤を抱え込む宿命が交感神経を蓋ったことが。交感神経が異常化しやすい大きな理由です。
そして、これが交感神経の名前の由来でもあるのです。つまり交感神経と人間の感情とそれほどに密接な関係にあるということであり、交感神経の相棒は、副交感神経ではなく、感情なのだということです。 
  (稲村正治)



  ♪
(読者の声4)アジア自由民主連帯協議会の抗議声明です。もし共感いただけましたら拡散をお願いいたします。
できれば地元、もしくは信頼できる国会議員、地方議員、自治体の長などにメールなどでご紹介くだされば光栄です。私たち国民とともに、一人でも多くの政治家が抗議の声、せめて「香港の民主主義は守られねばならない」という一言を挙げてくださるよう、皆様のご協力をよろしくお願いします。
報道関係の皆様、ペンの力、映像の力で、香港の民主主義を守る力を貸してください
http://freeasia2011.org/japan/archives/5602
   (三浦生)
   ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■宮崎正弘の新刊  ■宮崎正弘の新刊  ■宮崎正弘の新刊 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
6月26日発売(定価 1728円)
++++++++++++++++
宮崎正弘『地図にない国を行く』(海竜社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 ●グーグルマップでも見ることができない世界の裏。ガイドブックにない国、地方、秘境。昼と夜でその顔を変えてしまう、あの街。不思議な世界!
 写真およそ百枚、256ページ。
  ●現代は世界の隅々の地図を瞬時に把握できる。世界のどこかで起きている災害もテロ事件も、お祭りもSNSの発達により把握できるが、さて地図に載らない場所が、世界中にある。著者は20代のころから世界各地、時には危険地域も数多く取材してきた。50年以上に渡る取材旅行で訪れた国と地域のなかでも、ガイドブックの地図に載らない世界がある。
――海流のなかの島々、ガラパゴス、イースター島、パプアニューギニア、フィジー
――孤島の東チモール、モルディブで何が起こり、どのような生活をしているのか。
 ――世界の秘境と言われるブータン、ネパール、そして日本人が殆ど行かないアジアの国々のなかでも、コタキナバル、クチン、あるいは日本人が寄りつきたくないバングラデシュ。遠き過去の出来事となったベトナムの激戦地ディンビエンフーを訪ねてみると。。。。
 ●予約受付を開始しました!
宮崎正弘『地図にない国を行く』(海竜社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@
https://www.amazon.co.jp/dp/4759316663/

  ♪♪
宮崎正弘『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店 定価1620円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 ――「五百年の孤独」に耐えて、歴史の真実が明らかになった
 明智光秀評価の間違いを糺し、従来の「本能寺の変」解釈を根底的にひっくり返す!
 これほど誤解された武将はいないが、原因は『光秀ごときが』という黒幕説だった
 ――信長への過大評価と光秀への過小評価が真実を隠蔽してきた
 「主殺し」、「謀反人」という逆宣伝で光秀を貶めたのは秀吉と誠仁親王だった
 当時の空気。人々は予兆していた。光秀がことを起こそうとしていることを
 ――謎は愛宕神社、あの「愛宕百韻」の発句が「ときはいま天の下しる五月哉」にある
――光秀の『文化防衛論』は日本侵略を狙った切支丹伴天連との戦いだった
 https://www.amazon.co.jp/dp/B07PWLGXRS/


  ♪♪♪
宮崎正弘『余命半年の中国・韓国経済』(ビジネス社。定価1512円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
   https://www.amazon.co.jp/dp/4828420924/
 ――中国市場から制御不能の金融危機が始まる。天文学的債務が爆発寸前だ 
 ――ファーウェイ排除は次世代技術覇権競争が本質にある
 ――ソロスが言った。「習近平は西側のもっとも危険な敵」


   ♪♪♪♪
<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『日本が危ない!  一帯一路の罠』(ハート出版。定価1620円)
https://www.amazon.co.jp/dp/480240073X/
『AI管理社会・中国の恐怖』(PHP新書。950円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4569841910/
『米中貿易戦争で始まった中国の破滅』(徳間書店、定価1296円)
『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社、1404円)
『習近平の死角』(育鵬社、1620円)  
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4759315632


   ♪♪♪
<宮崎正弘の対談シリーズ> 
++++++++++++++++
宮崎正弘 v 渡邊哲也『2019年 大分断する世界』(ビジネス社、1512円)
宮崎正弘 v 田村秀男『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店。1296円)) 
宮崎正弘 v 大竹慎一『米中壊滅』(李白社、発売=徳間書店。1512円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社) 
宮崎正弘 v 西部 邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫、778円)  
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)  
宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社、1296円)
宮崎正弘 v 石平『アジアの覇者は誰か 習近平か、いやトランプと安倍だ! 』(ワック)
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店、1296円)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
        ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)小誌は海外取材のため明日(6月15日)から23日まで休刊です 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
      ●●●●●
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2019 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。