国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<中国内陸部、モデル都市の重慶で「大量失業」の悲鳴。

2019/02/15

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)2月15日(金曜日)弐
         通巻第5991号   
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 中国内陸部、モデル都市の重慶で「大量失業」の悲鳴。
  「求人ファア」を開催、出展企業ゼロの異常事態が発生
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 中国国家統計局の失業率は4・9%と公表されている。誰が信じるのだろうか、この数字を。地域的に失業率は20%を確実に越えている。

 習近平の子飼い、陳敏爾が党書記を務めるのが重慶市。かつては蒋介石の首都でもあり、内陸の要衝。重工業が栄えた。
長江(揚子江)に面し、運送の利便性が経済成長をもたらした。

そこで胡錦涛時代にライジングスターと言われた薄煕来が重慶市の党書記に就任し「革命歌を謳おう」「黒(マフィア)を追放しよう」と呼びかけ、ギャング退治で勇名を馳せた王立軍を遼寧省から呼び寄せ、副市長兼務公安部長としてマフィアを次々と逮捕した。これで薄は全国的に注目されて、習近平最大のライバルともなった。

薄夫人の谷開来が息子の家庭教師だった英国人を殺害した事件がばれ、薄夫妻は失脚、王立軍は直前に成都の米国領事館に駆け込んで亡命を希望したのだが、オバマ大統領は北京の顔色を伺うばかりで、王立軍を見殺しにした。

 薄失脚の後を襲ったのは共青団のホープの一人だった孫政才だった。しかし汚職の嫌疑をかけられて失脚し、その後釜となったのが習の家来である陳敏爾だった。

陳は、その前の赴任地貴州省で辣腕を発揮したとされるが、舞台裏では、習近平の手厚い支援策があり、中国のシリコンバレーとも言われるほどに成長させたと称賛された。
その陳が重慶の党書記として乗り込んだからには、重慶は十分な政策支援がなされ、全国のモデルとして発展する筈だったのだ。

 ところが、重慶市は夥しい失業にあふれ出し、求人は36%ものダウン、それでも市当局は失業率が4・9%と言って開き直る。
 重慶の合弁自動車工場をもつフォードは従業員1・8万のうち、レイオフばかりか、多くの社員をパートタイム(臨時雇い)に切り替えた。
  重慶は泥縄式に「求人ファア」を開催したが、出展企業ゼロの異常事態が発生した。


 ▼「灰色のサイ」問題が表面化した

 「灰色のサイ」と言われるのは過剰債務問題である。
 習近平は「黒の白鳥も、灰色のサイ」にも気をつけようと演説したために、メディアが大きく報じる。

 中国の過剰債務。かねてから著作や小誌を通じて、筆者はウォール街の債権専門家などの数字をもとに、おそらく「中国の債務は3700兆円前後だろう」と見積もってきたが、2018年8月のBIS統計で、中国の過剰債務は220兆元(邦貨換算で3740兆円)。奇しくも同じ数字をBISが用いていることが分かった。 
 
 この状況下にまだ中国が発展すると踏んで投資を増やす日本企業がある。狂気の沙汰ではないのか。
 しかも、もっとも親中派の企業とされる伊藤忠の社員がスパイ容疑だとイチャモンをつけられ一年以上も中国の公安当局から拘束されていることが判明した。

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読者の声 ☆どくしゃのこえ ★READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)原爆開発事情について。
 戦前、原爆の理論は知られていました。高濃度のウラン235の10Kg 位の二つの塊をぶつけると百万分の一秒で連鎖反応を起こし、その際厖大なエネルギーが放出されそれが熱と光に変わり爆弾効果になるというものです。
しかし実際には大量のウラン鉱石とウランの濃縮装置、厖大な電力が必要で、実現は難しいと見られていました。日本も陸軍と理化学研究所の仁科博士らが研究しましたがあきらめました。
ナチス独はノーベル賞受賞の核物理学者ハイゼンベルク博士を擁し、チェコには大ウラン鉱山を持っていました。そこで英国は独の原爆開発を恐れて研究に着手しました。しかし資源がないので米国に開発を要請しました。この時亡命していたアインシュタインがルーズベルトに開発の嘆願書を出したことは有名です。こうして独に先行すべく「マンハッタン計画」が開始されました。
 独は指導者ヒトラーが核物理学を理解出来ず、ユダヤ人の学問として嫌ったため、最終的に実験用原発を作ったところで終わっています。原子爆弾の開発はしませんでした。
戦後英国に監禁されていた独の核物理学者たちが原爆の実用化を聞いて,本当に造ったのか、と驚いたという話が伝えられています。
スターリンは核物理学は理解出来ませんでしたが、その政治的な重要性を理解し秘密警察の長官ベリヤに命じて、総力で原爆開発を進めさせました。そして英国から核物理学者クラウス・フックス(ドイツ人亡命者)をマンハッタン計画に送り込みます。
フックスのスパイの動機は反ナチスと米国の核の独占を防ぐためだったと云います。そして米国は1945.7に原爆実験にこぎつけました。しかし既にナチスドイツは滅亡していました。
 一方、極東情勢は、独が降伏したのでソ連が満洲を占領して蒋介石に渡すというヤルタ密約の実行段階になっていました。しかし米国はスターリンの違約を心配したので、威嚇することにしました。それが対日原爆投下です。
日本の降伏意志はその前に暗号解読で分かっていました。日本暗号解読の事実は1945.8末に米議会で証言されています。

 しかしスターリンは密約を無視して占領した満洲を没収した日本軍の兵器と共に毛沢東に渡し、国共内戦が再開されました。
 フックスは戦後英国に戻って逮捕されましたが、スパイ交換で東独に戻りました。彼は戦後のソ連の暴虐振りを知って後悔したと云います。
ルーズベルトもスターリンと核を共同管理することを考えていたのでチャーチルが止めたという話があります。これは人間は地位が高くても頭が良くても未経験の問題では子供のようなことを考えるということです。
 スターリンにはそんな甘さは全くありませんでした。
彼は1949年に米国原爆のデッドコピーを造り実験しました。米国は米軍機が空中の人工放射能を検知しソ連の原爆成功を知りました。スターリンは米国に実験成功を知らせた上で翌1950年米軍の関心を欧州からそらすために朝鮮戦争を開始したのです。用意周到でした。参考「黒幕はスターリンだった」(ハート出版)参照。
    (落合道夫)

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  • 名無しさん2019/02/15

     中国内陸部、モデル都市の重慶で「大量失業」の悲鳴。 「求人ファア」を開催、出展企業ゼロの異常事態が発生←宮崎先生、情報ありがとうございます。