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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<「バチカンは中国内のキリスト教徒を絶滅させるつもりなのか」(香港の枢機卿)

2018/10/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月29日(月曜日)
        通巻第5871号 
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 「キリスト教会を破壊し、聖書を焚書し、信徒を弾圧している」(ペンス演説)
  「バチカンは中国内のキリスト教徒を絶滅させるつもりなのか」(香港の枢機卿)
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 香港のカソリック教会枢機卿であるジョセフ・ゼンは「バチカンは中国国内1200万人のキリスト教信徒を絶滅させようとしている」として、激しくバチカンのフランシスコ法王を批判した。
 「もし私が漫画家なら、ローマ法王が、あろうことか習近平にひざまずいて『どうか私をローマ法王と認定して下さい』と懇請している構図のものを描くだろう」とフランシスコ法王の異常な遣り方を非難する。カソリックの枢機卿が法王を批判したのである。

たしかに現在のローマ法王フランシスコはイエズス会出身の異端児、そのうえアルゼンチン出身でイタリア留学組である。
南米はカソリックの王国であり、プロテスタントは少なく信徒の大市場ゆえに選ばれたという説も流れたが、法王に着座以来、キューバを訪問したり、正教会と和解したり、イスラム教とも対話を推進するなど、型破りの行動を取ってきた。

特筆すべきはアルバニア訪問だった。この無神論の国へ赴いてマザー・テレサを追悼するミサを行ったのだが、中国のキリスト教徒を「マーケット」と見立て、9月には中国共産党と暫定合意を結んでいることに直截に繋がる。つまり中国共産党が任命する地区の司教をバチカンが追認するという破戒的な合意である。

 台湾は、すぐさまカソリック司教をバチカンに派遣したが、ローマ法王はすげなく台湾への招待を断り、外交観測筋は年内にもバチカンが台湾と断交し、中国と国交を開くかも知れないと予測する。中国国内のキリスト教徒は推定6000万人、カソリックはこのうちの1000万人から1200万と見積もられているが、中国共産党御用達のキリスト教会に背を向け、大半の信者は地下教会に通う。

 蔡英文政権発足以来、台湾と断交した国々は五ヶ国。ところが米国は最近になって台湾と断交したドミニカ、パナマ、エルサルバドルから大使を召還し、一方で台湾への梃子入れが顕著である。
駐台北の米国大使館(米台交流協会)の警護は海兵隊が行い、トランプ政権は「台湾旅行法」の制定以来、台湾防衛を鮮明にして武器供与を加速化している。


▼バチカンへ間接的な警告を為したトランプ政権

 これは米国のバチカンへの無言の圧力である。
そのうえ、10月4日のペンス副大統領の宣戦布告的な演説のなかに「中国はキリスト教会を破壊し、聖書を焚書し、信徒を激しく弾圧している」との文言がある。

キリスト教徒の多い米国では、これまでウィグル族弾圧にそれほどの関心がなかったが、キリスト教徒への弾圧を聞いて、中国への敵愾心はさらに高まっている。「反中」は全米のコンセンスなのである。
 香港の枢機卿による激しいローマ法王批判は、大いに注目しておく必要がある。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 痛快・豪快に戦後日本の思想的衰弱、文春の左傾化、知的劣化をぶった斬る
  マハティール首相は激しく迫った。「日本は明確な政治的意思を示せ」

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渡部昇一 v 西尾幹二『対話 日本および日本人の課題』(ビジネス社)
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 この本は言論界の二大巨匠による白熱討論の記録を、過去の『諸君』、『WILL』、そして「桜チャンネルの番組」(『大道無門』)における収録記録などを新しく編集し直したもので、文字通りの対話扁である。
 討議した話題はと言えば、自虐史観、自由とは何か、歴史教科書問題、戦後補償などという奇妙な政治課題、朝日新聞と外務省批判、人権など多岐にわたり、それぞれが、対談当時の時局を踏まえながらも、本質的な課題をするどく追求している。

 目新しいテーマは文藝春秋の左傾化である。
 評者(宮崎)も、常々「文春の三バカ」として立花隆、半藤一利、保阪正康の三氏を俎上に乗せて批判してきたが、文春内では、この三人が「ビンの蓋」というそうな。えっ?何のこと、と疑えば文春を右傾化させない防波堤だという意味だとか。半藤などという極左がまともな議論が出来るとでも思っているのだろうか。
 半藤よりもっと極左の論を書き散らす立花隆について西尾氏は「かつてニューヨーク同時多発テロが起こったとき、立花は日本の戦時中の神風特攻隊をアフガンテロと同一視し、ハッシッシ(麻薬)をかがされて若者が死地に追いやられた点では同じなんだという意味のことを得々と語っていました(『文藝春秋』2001年10月緊急増刊号)。条件も情勢もまったく違う。こういう物書きの偽物性が見通せないのは文春首脳部の知性が衰弱している証拠です」と批判している(252p)。

 文藝春秋の左傾化という文脈の中で、「朝日が慰安婦虚偽報道以来、いまの『モリカケ問題』を含め情けないほど衰弱していったのは、野党らしくない薄汚い新聞」に変わり果て、文春はどんどんその朝日に吸い込まれるかたちで、たぶん似たようなものになってくる」と嘆く。
評者が朝日新聞を購読しなくなって半世紀、月刊文春もこの十年以上、読んだことがない。なぜって、読む価値を見いだせないからである。
戦後補償について渡部昇一氏は「戦後の保障は必ず講和条約で締結されている」のであって、戦後補償という「とんちきな話」が半世紀後に生じたのは社会党があったからだと断言する。
この発言をうけて西尾氏は「中国の圧力を日に日に感じているASEANでは、米国の軍事力がアジアで後退しているという事情もあって、日本にある程度の役割を担って貰わなければならないという意識が日増しに高まっている。マハティール首相の発言にみられる『いまさら謝罪だ、補償だということをわれわれは求めていない、それよりも日本の決然たる政治的意思を明らかにして欲しい』というあの意識です。こういう思惑の違いははっきり出てきている。結局、戦後補償がどうのこうのというのは日本の国内問題だということですね」(104−105p)
 活字を通しただけでも、二人の熱論が目に浮かんだ。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)以下のことについて少し考えてみました。
「自由は光とともに闇です」と西尾氏は言う。この場合、「光」と「闇」は自由と不自由の比喩的な意味であり、「自由は量的概念ではもとよりなく、質と量の対立概念でもありま
せん。光と闇も同じことで、両者は重なっているのです。光は同時に闇なのです」(255p)。
 稲村先生は自由と不自由について以下のように述べておられます。
ヘーゲルの学問的な運動体の弁証法の論理において、「自由」は、「有」と「無」とが同一であり一体であるように、「自由」と「不自由」とは同一であり一体です。
 
 般若波羅蜜多心経には以下のようになっております。
「色即是空(光とは闇である) 空即是色(闇もまた光である) 受想行識(思ったこと、行い、知識も) 亦復如是(またこの通りである)」
 受想とは外部から習ったこと、行識とは自ら悟ったことではないかと愚考しております。
  (Andy)



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(読者の声2)安倍総理の訪中に関連してネットの「News U.S. 」というサイトに面白い画像がありました。
香港のテレビで報道されたもので、羽田空港は「出發大藍天」、北京空港では「到歩(土へん+歩)灰濛濛」と表現。まさに「日出ずる国と日没する国」を象徴しているようです。
https://blog-imgs-123.fc2.com/k/a/i/kaigainohannoublog/1540537724_40ca.jpg

 羽田の画像は首相官邸のもので、官邸のホームページには50秒ほどの動画もあります。ホームページの画像こそ習近平と握手する安倍総理ですが動画を見てびっくり。いきなり李克強首相と握手、会談、二人並んでの閲兵の様子まで李克強ばかり。習近平は最後の8秒間だけという冷遇ぶり。日本政府としては習近平を相手にしないとのメッセージに思えます。
https://www.facebook.com/sourikantei/videos/485241461962653/
習近平降ろしが加速するかもしれません。
   (PB生、千葉)



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(読者の声3)貴誌前号の書評はケント・ギルバートさんの最新作(ケント・ギルバート『「パクリ国家」中国に米・日で鉄槌を!』、悟空出版)ですが、この本のなか(89ページ)に宮崎先生のメルマガからの引用があります。
EV開発での日中協力の危険性に関する箇所で、やはりケントさんも同様な危機意識をもっていることが分かりました。
  (HN生、茨城)
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宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
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宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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