国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <「アラブの春」から「アラブの冬」が到来していた

2018/10/12

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月12日(金曜日)
        通巻第5854号  
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 ジャメール・カショギ、って誰? サウジのジャーナリストが行方不明に
  「アラブの春」から「アラブの冬」が到来していた
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 チュニジアから始まった「アラブの春」は、まずチュニジアで独裁者ベン・アリが国外へ逃亡、リビアでカダフィ大佐が殺害された。つぎにエジプトへ飛び火し、ムバラク政権が崩壊し、一時的に「イスラム同胞団」の原理主義的政権が誕生したが、やがて軍部によるクーデターで「民主化」の夢はついえた。

 「アラブの春」の勢いはここまでだった。
シリアに飛び火した「アラブの春」運動は反動を促し、残酷な戦闘、悲壮な内戦をもたらして、米、NATO、そしてロシアが、トルコが介入して泥沼となった。
シリアの国土は廃墟と化けた。この空隙にISが入り込み、テロ,荒廃、すさまじき死体の山に難民の大量発生、この難民が欧州へ押し寄せ、独仏伊ほかで、ナショナリズムが高まり、EU、ユーロ危機へとつながる「想定外」の結果を運んだ。

 ウクライナの反ロシア派の蜂起は、米国の中途半端な介入によってむしろ混沌が増大し、プーチンの権力基盤を固めさせてしまった。
ウクライナ東部は事実上ロシア傘下にはいり、欧米は冷戦時代のように、ロシアを軍事大国として脅威視するまでに逆戻りした。

 さてサウジアラビアである。
 サルマン皇太子による専制恐怖政治は、有力王子らを監禁して財産を吐き出させる一方、「女性の運転」を認めるジェスチャーで民主化を装いながら、イエーメンに軍事介入して500億ドル余もの軍事費を費消し、アラムコの上場は見送り、次世代経済計画はほとんど白紙に戻りつつあり、そして、カショギ事件だ。

 カショギはサウジアラビアの反体制ジャーナリストだが、ワシントンポストへ寄稿者として知られ、トルコのサウジ総領事館へ入ったところまでが確認された。
以後、消息を絶って、「消された」と欧米メディアが騒ぎ、トルコは総領事館への立ち入り捜査を要求した。

 この一連の出来事で、ホワイトハウス内部が揺れた。
クシュナーが主導した中東外交が、サウジ王家の専制政治と国際非難の余波を受けて、崩れかけているからだ。
 同時にサウジアラビア政治は思わぬ国際的非難と反撃を前に立ち往生となり、サルマン皇太子の政治力に大きな陰りが出た。ということは安定性を欠く状況がくると同義語であり、次の懸念は石油輸出の継続が可能か、どうか。

 イランの代理兵としてイエーメンに潜伏する武装集団は、紅海を航行する石油タンカーへミサイル攻撃をしている。サウジはイランへの敵愾心を燃やし、現在の危機的状況を打開、もしくはすり替えるために、軍事行動にでる可能性は否定できない。
 つまり「アラブの春」は皮肉にも、「アラブの冬」となった。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 統合ドクトリンは、米軍ばかりか、ビジネス世界でも有益なテキスト
  なぜ米軍は世界一強い上に、作戦が卓越しているのか

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堂下哲郎『作戦司令部の意思決定  米軍「統合ドクトリン」で勝利する』(並木書房)
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 本書は「つねに想定外の出来事に対処するか」。そして「不確実性との戦いに勝つ」というテキストで、なにも軍隊だけに適用されるのではなく、ビジネスリーダーこそが、読むべき指導書となっている。
 著者は海上自衛隊艦隊司令部、米軍中央軍司令部をはじめ、統合司令部の現場で多くの作戦計画と実践を経験してきた。横須賀方面総監を最後に退官した。
 最初に『戦略』『作戦』『戦術』の定義を説かれ、作戦アプローチを導き、完成させ、次に作戦計画を完成させ実行するというプロセスに従って統合ドクトリンでの勝利を演繹される。
 最終章は「意思決定を阻害する落とし穴」と題しての教訓が述べられている。
 その「落とし穴」とは具体的に何か?
 第一のカテゴリィは「個人に起因する要因」であり、まず論理上の誤りが指摘されている。情勢が緊迫している状況で、兵力の展開や増強が、果たして『抑止』になるのか、『挑発』となって戦闘の拡大に到るか。一般的には連鎖反応を怖れ、反論を封じ、あるいは恐怖に訴えることや、過度の単純化などが誤謬となる。
 情勢判断に期待は禁物だが、既存の判断を補強する解釈に流れやすい。これが「追認バイアス」で、重要な情報を過小評価しやすく、都合の良い解釈で作戦を続行する過ちに陥りがちとなる。
 また情勢が変化しているのに、基底の方針で突進すれば、非論理的行動となり、投資で言えば損切りが出来ない。これが「埋没費用バイアス」と呼ばれる。同時に「隠れた前提バイアス」とは、「無意識的な前提、歴史的類推、思考の枠組み」から生じる「分析、計画作業で意図しないかたちで姿をあらわす可能性がある」落とし穴である。
 第二のカテゴリィは「ミラーイメージング」と「自文化中心主義」による間違いである。とくに「属する文化、民族を基準としてほかの文化を否定的に判断したり、低く評価してしまい、結果として、敵の能力を過小評価し、根拠のない自信過剰に陥り判断を誤る」ことが往々にして発生する。
 くわえて政策バイアス、専門性パラドックスの誤謬は日本の官僚機構に顕著な省益優先や、机上の空論が好きな「有識者会議」の失敗で顕著な例が山となる。
 もうひとつ大きな要素は心理である。
 自信過剰と過度の悲観であり、また「時間的制約」がもたらす情報過多、視野狭窄、便宜解決、追加情報期待、そして「過度に一つの情報に引きづられてしまう失敗」、弁舌の優勢などが「落とし穴」である。
米軍の統合ドクトリンには、この個人原因に加えて「組織、集団」の落とし穴とレッドチームの存在が述べられているのだが、いずれも組織、組織における個人、そしてリーダーの個性、属性など、軍隊のみならず、広く政府、官庁、会社、民間団体そのほかに現代的に科学的に適用可能な指導要領が並んでいる。あらゆる分野において、リーダーには参考になるだろう。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号(5852号)のヘイリー国連大使の大統領選出馬観測の記事ですが、ニッキー・ヘイリーはグローバリスト、つまり多文化信奉者から強い支持を得ることも可能ですね。
 思い出したのは、2013年にミスアメリカのコンテテスト・パフォーマンスでインドの踊りを踊ったMS.USAのニーナ・ダブルリです。
https://www.youtube.com/watch?v=Eh_0PzIsv5g
とはいっても、印北部のシーク教徒なら、骨格はほとんど白人(アーリア人)。
英ロックバンド・クイーンの故フレディ・マーキュリーがパキスタンのインド国境で生まれたことも思い出しました。
 
 ところで、ベトナムのフック首相(中部出身)は日本訪問でベトナムは「新世界の工場」と発言したようです。
ベトナムではクアン国家主席急逝でチョン書記長(北部出身)が書記長と国家主席を兼務することになりました。チョン書記長は現在74歳ですが、2016年の第12回越共産党大会でグエン・タン・ズン元首相(南部出身)を追い落とす政変を起こし、以降、北部と南部、そして中部出身者でバランスをとってきたベトナム政治の伝統が崩れました。
噂ではチョン書記長の背後には、シナからの膨大なマネーと情報支援があるとのこと。ベトナムではチョン書記長は「親シナ派」ではなく、「シナのエージェント」と呼ばれているようです。
 おそらくイナゴのようなシナからの旅行者とともに、シナの諜報部員もハノイには多く潜入していることでしょう。日本ほどではないかもしれませんが。
   (R生、ハノイ)



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(読者の声2)三島由紀夫研究会、つぎの公開講座は元朝日新聞記者・編集委員の井川一久氏の講演です。
 講演テーマである「クァンガイ陸軍中学」とは戦後残留した日本人将兵が教官としてヴェトナム青少年を教育して精強なヴェトミン軍、ヴェトナム軍の指揮官、将校を育成した陸軍士官学校である。
 昭和29年ディエンビエンフーで仏軍を撃滅した戦いも、昭和50年サイゴンを陥落させて米軍を撃退した戦いも正にこの学校で鍛えられた日本精神を発揮したが故の勝利であった。
井川氏がこの歴史と経緯を熱く語ります。

日時  10月25日(木)午後6時半開会(午後6時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分)
講師  井川一久氏(元朝日新聞記者、編集委員、憂国忌発起人)
演題  ヴェトナム独立戦争に挺身した日本人たち
       〜典型としてのクァンガイ陸軍中学教官団
   (講師略歴 昭和9年生れ。愛媛県出身。早稲田大学政経学部卒後朝日新聞入社、以降、外報部で活躍。ハノイ初代支局長をはじめ長年インドシナ情勢を取材。現在も大東亜戦争終結後ヴェトナムに残留し、インドシナ戦争(対仏独立戦争)やヴェトナム戦争(対米戦争)で戦った日本人将兵の記録に取り組んでいる。
会費   会員・学生1千円(一般2千円) 
どなたでも、予約不要です、ふるって御参加下さい。
当日、会員申し込みも受付ます。



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(読者の声3)日本国史学会は、戦後の歴史観に惑わされることなく我が国古来の文化・精神に根差した歴史研究を行うべく6年前に発足致しました。東京では毎月第2土曜日に連続講演会、京都では年2回シンポジウムを開催しております。
http://kokushigaku.com/
日本国史学会 第60回連続講演会
              記
【日時】 10月13日(土)14:00〜16:45(終了後懇親会)
【講師】 田中 英道(東北大学名誉教授、当会代表理事)「新連続講座(14)」
    久野潤(大阪観光大学専任講師)「織田信長の再評価 −古くて新しい信長勤皇論」
      基調講演後、質疑応答
【会場】 拓殖大学文京キャンパス(東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅下車徒歩3分)C館C603教室
【資料代】 学会員2,000円 / 非学会員3,000円(大学生・大学院生は一律500 円、当日入会可能)
【主催】 日本国史学会 http://kokushigaku.com/
【お問合せ】  03-6709-8872/kokushi@kei-bunsha.co.jp
(事務局)
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西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信
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今上陛下の御譲位により我らは戦後憲法体制から脱却する
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今上陛下は、来年の四月三十日に譲位され、翌五月一日に皇太子殿下が第百二十六代天皇となられる。この「御譲位」を、昭和二十一年二月の九日間で起案され、同二十二年五月三日に施行された「日本国憲法」と題する文書(以下、憲法という)は想定していない。
 それ故、安倍内閣つまり我が政府は、憲法第四条の「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」との条項を持ち出して、天皇は御自らの御意志で皇位を譲るという、憲法四条にはない、我が国の「国事に関する」また「国政に関する」、まさに最深かつ最大の行為を為すことはできないのだから、この度のことは「御譲位」ではなく天皇の御意志に基づかない内閣が決めた単なる「退位」であるとしている。
 しかし、平成二十八年八月八日、今上陛下の全国民に向かって発せられた「お言葉」により、この度の御譲位が為されるのであり、これはまさに、全国民の前で誤魔化しようもない今上陛下の御意志によるものである。
 斯くして、この度の御譲位は、今上陛下御自らが憲法の想定していないことを為されるということである。つまり今上陛下は憲法の制約を超えられて、憲法の想定していない「上皇」となられる。
 内閣総理大臣安倍晋三氏は、「戦後体制からの脱却」や「日本を取り戻す」というキャッチフレーズを掲げ、憲法改正を目指すと公言している。それが同氏の志であるならば、今上陛下が御自らの御意志で譲位され、それによって憲法を超えられること、つまり戦後体制から脱却され日本を取り戻されることを、ありがたく畏まり、素直に認めるべきである。
それをせずに、あたかも憲法を盲信するかのごとく、いたずらに配下の「法匪」の憲法条文解釈の小細工に盲従し、陛下御自ら全国民に示された御譲位の御意志を、目を瞑れば世界がなくなるとでも信じているのか、不遜にも無視して、陛下の御意志に基づかない「退位」とするなど不敬の極みである。
 靖国神社に参拝できない小心者らしい背信と言うべきか。改正が必要だと自ら公言する憲法を、天皇の御意志よりも優位に置くとは何事ぞ。

 さて、平成二十八年八月八日のお言葉を拝聴し、以後繰り返し拝読して、このように赤裸々に自らの思いを国民に伝えられる今上陛下は、やはり国民を御自分の家族を思っておられるのだとしみじみ思った。
そして、もうお一人の国民に赤裸々に自らの思いを伝えられた天皇を思う。それは明治天皇である。次に今上陛下のこの度の「お言葉」を記し、慶応四年(明治元年)三月十四日の五箇条のご誓文と同日に発せられた明治天皇の「国威宣布の宸翰」の冒頭を記す。

・・・何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり、良いことであるかにつき、考えるようになりました。
既に八十を越え、幸い健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように全身全霊をもって、象徴としての務めを果たしてゆくことが、難しくなるのではないかと案じています。
 朕幼弱を以て猝(にわ)かに大統を紹き爾来何を以て万国に対立し列祖に事えへ奉らんかと朝夕恐懼に堪えるざるなり。・・・今般朝政一新の時膺(あた)りて天下億兆一人も其所を得ざるときは、皆朕が罪なれば、今日の事朕躬(みずか)ら身骨を労し、心志を苦しめ、艱難の先に立ち、古列祖の尽させ給ひしあとを践み、治績を勤めてこそ、始めて天職を奉じて億兆の君たる所に背かざるべし。

 今上陛下は、お言葉で、八十歳を越えられた老齢故の不安を語られ、明治天皇は、御宸翰で、十六歳の幼弱故の不安とみずみずしい志を語られている。ともに誠に正直に何も隠さず、自らの心境を語られている。世界の君主で、このように赤裸々に国民に語る君主など日本以外の何処にあろうか。
 今上陛下と明治天皇のお二人とも、国民と御自分は一つの家族だと思われているからこそ、親しい家族に打ち明けるように御自分の不安を正直に言われた。まさにこのあり方こそ、神武創業以来、万世一系の天皇と我ら民の姿、我が国の國體なのだ。
 
天皇の統治を表現する古代やまと言葉は「しらす」である。天照大神の「天壌無窮の神勅」により天皇が生まれる。その神勅にある
「宜しく、爾(いまし)皇孫(すめみま)就(ゆ)いてしらせ」の「しらす」、
また、万葉集第一巻冒頭の
「初瀬朝倉宮に天(あめ)のしたしらしめしし天皇(すめらみこと)の代(みよ)」の「しらす」だ。
これに対し、天皇以外の者の統治を表現する言葉は「うしはく」である。
そして、大国主命の国譲りの神話は、天照大神の使者が、大国主命に、
「汝(な)がうしはける葦原の中つ国は、わが御子のしらさむ国」と告げると、大国主命は、自分の「うしはく国」を天照大神の御子の「しらす国」にするために譲ったという物語である。
  では「しらす」と「うしはく」はどう違うのか。「うしはく」は、ある地方の土地と人民を、我が物として、すなわち我が所有物として領有支配すること、である。
これに対して「しらす」とは、人が外物と接する場合、即ち、見るも、聞くも、嗅ぐも、飲むも、食うも、知るも、みな、自分以外にある他の物を、我が身に受け入れて、他の物と我とが一つになること、即ち、自他の区別がなくなって、一つに溶け込んでしまうこと、だ(元侍従次長木下通雄著「宮中見聞録」)。
 
大国主命は、自分が領有し支配する土地と人民を、天照大神の御子と自他の区別がなくなって一体となる国の土地と人民にした。これが国譲りの話の尊さだ。従って、美智子皇后陛下が大国主命を祀る出雲大社に参られて、
「国譲り祀られましし大神の奇しき御業を偲びてやまむ」

という我が国の誕生の不思議に深く思いをはせられた雄渾な御歌を詠まれた。そして、ここから、「天皇のしらす国」である日本が誕生し、万世一系の天皇が百二十五代の今上陛下まで続いてこられている。従って、明治天皇も今上陛下も、この「天皇のしらす国」の天皇として家族に語るように国民に語られたのだ。まさにここに我が国の國體、つまり紙に書かれない歴史と伝統のなかの「真の憲法」がある。
そして、今上陛下の御譲位は、まさしくこの天照大神の「天壌無窮の神勅」に基づく國體、即ち「真の憲法」に基づいたで為されるのだ。
 従って、そもそも昭和二十一年二月に進駐軍の総司令部(GHQ)の二十数人(外国人)が書いた憲法で、この度の御譲位が把握できるはずがないではないか。我らは、この度の今上陛下の御譲位に際して我が国の「真の憲法」は何処にあるのか!
それは、昭和二十一年二月に、GHQの我が国のことなど知らない外国人の若造が九日間で書いたこの憲法と題する、この、中学生の作文のような文書、これが、我が国の根本規範である「憲法」そして「國體」なのか、それとも、我が国の神話に根源する歴史と伝統のなかにある眼前の天皇と、目に見えない「規範」が「憲法」なのか、事態の経緯と実相に基づいて、腹の底から決定する時である。この度の、御譲位は、我々国民に、己の「真の憲法」は何かを問いかけているのだ。

そこで、天皇の百二十五代に及ぶ万世一系の歴史の中に、この度の御譲位と時の体制を越えるという意義において相似た御譲位が為されているので、それを取り上げてみたい。
既に述べたように、このたびの第百二十五代の今上陛下の御譲位が、憲法=「戦後体制」を超えるものならば、第百八代後水尾天皇の御譲位は「徳川幕藩体制」を超えるものであった。後水尾天皇は、文禄五年(一五九六年)にお生まれになり延宝八年(一六八〇年)に崩御された。
昭和天皇までの歴代天皇のなかでは、歴代最長寿の天皇である。
しかし、在位は一六一一年から一六二九年の十八年間に過ぎない。後水尾天皇の育った時代は、関ヶ原の天下分け目の戦い(一六〇〇年)に勝った徳川家康が、徳川幕府の支配体制を整え始め、遂に豊臣宗家を滅ぼして(大坂夏の陣、一六一五年)、その支配体制を確立した時期であった。大阪夏の陣の四年前に即位された後水尾天皇は、まさに徳川幕藩体制の確立期の中で、朝廷を幕府の統制下に置こうとする徳川家康の圧力に相対することになった。
幕府は、天皇と朝廷を統制するために京都所司代を置き、一六一五年には禁中並公家諸法度を定めて、幕府を超える権威を認めないことにするために、天皇が高僧や尼に紫衣の着用を勅許することを禁止し、皇族の入寺も禁止し、門跡寺院を廃止しようとした。この法度は江戸時代を通じて一切改定されていない。これは幕府が京都所司代を通じて天皇と朝廷を管理下に置くための法であった。
 しかし、寛永四年(一六二七年)、後水尾天皇は、朝廷の従来の慣例通り、十数人の高僧に紫衣着用の勅許をお与えになった。これを知った将軍徳川家光は、法度違反であるとして勅許の無効を宣言し、京都所司代に紫衣を取り上げるように命じた。しかし朝廷は紫衣着用の勅許を無効とすることに強く反発した。朝廷の官職の一つに過ぎない征夷大将軍が、
天皇より上に立つことは自己矛盾であり「天壌無窮の神勅」に背くことになるからである。
しかし幕府は朝廷に同調した大徳寺の住職沢庵和尚や妙心寺の住職を出羽国や陸奥国に流罪に処した(一六二九年七月二十五日)。
すると同年十一月八日、後水尾天皇は、突然、六歳の第二皇女興(おき)子(こ)内親王(明正天皇)に譲位される。在位十八年、三十四歳。以後、後水尾天皇は、上皇として、すべてご自分の子である後光明天皇、後西天皇そして霊元天皇まで四代の天皇の後見人として院政を敷かれた。後水尾天皇は、生涯に三十余人の子供を生ませ、霊元天皇は五十八歳の時に生まれた御子である。
これを見ても、生涯にわたって強い存在感を幕藩体制下で発揮された天皇・上皇といえる。幕府は、当初「院政」は禁中外の存在であるとして「院政」を否定していたが、後に徳川家光は後水尾上皇の院政を認めた。
しかし上皇と幕府との確執は続く。とはいえ、後水尾上皇(後に法皇)の存在は、幕府の諸大名を従わせる権力を超える権威として世の人心に強い印象を与え続けたことは確かである。
修学院離宮は後水尾上皇が建てられた離宮だ。
私は学生時代の最後の時期を修学院離宮の近くの修学院坪江町の下宿で暮らしていた。幕藩体制の下では天皇は生涯にわたって京都の御所の外に出られなかった。また幕府は朝廷を資金的に窮乏状態に止めおき、後に高山彦九郎は、三条大橋の上で、破れた御所の塀の隙間から皇居の灯りが見えるのを嘆き、涙を流した。
そして大名も参勤交代の途上に京都に近づくことを許されていない。
大名が朝廷と接触することを幕府は禁じていたのだ。このような中で、修学院離宮を造営した後水尾上皇の存在感は、まさに幕藩体制を越える権威であったといえる。
 そこで、明治維新を導いた思想は何かと探れば、それは天皇を中心とする國體思想だといえる。
 明治維新を成し遂げた幕末の志士たちの思想的バックボーンは山崎闇斎を祖とする崎門学と水戸学、さらに、我が国は天皇を中心とする万邦無比の国であり我が国こそ中朝(中華)であると説いた「中朝事実」を著した山鹿素行、さらに本居宣長や平田篤胤の国学に発する。
この崎門学の祖である山崎闇斎(一六一八年生れ)と闇斎の弟子で幕末の志士が教科書として愛読した「靖献遺言」を著した浅見絅齋(一六五二年生れ)、また山鹿素行(一六二二年生れ)、そして吉田松陰を始めとする幕末の志士たちが、その前に額ずき泣いた湊川の「嗚呼忠臣楠子之墓」を建てた(湊川建碑)水戸光圀(一六二八年生れ)は、皆、後水尾天皇・上皇の御代(一五九六年〜一六八〇年)に生まれた者である。
彼らは、もちろん、武家の権力である幕藩体制が天下の秩序であるなかで育った。しかし、この盤石な徳川の権力を以てしても、覆うことのできない幕府の権力を越える権威があることを後水尾天皇そして上皇は体現されていた。私は、明治維新に至る流れを生み出す源流に、水尾天皇・上皇の御存在があると思うのである。
 後水尾天皇の御譲位が、後世に与えた静かでしかし底の知れない大きな時代を変えるうねりを概観し、それが幕藩体制から明治維新に日本を脱却させる導火線になったと述べた。
御自分の御譲位が遙か二百数十年後の明治維新の導火線になることを後水尾天皇ご自身が自覚されていたのではないだろう。しかしまさに後水尾天皇の御譲位は、徳川幕藩体制打倒に繋がるのだ。
 そしてこの後水尾天皇の御譲位と同様に今上陛下の御譲位と上皇としての御存在は戦後体制=憲法を越え、再び日本を取り戻す導火線になる、とここで記しておく。
 明治維新が幕藩体制を越えて天皇を中心とする近代国民国家としての日本を出現させたのは、我が国家の生き残りの為であった。即ち、あの時、幕藩体制のままならば、我が国は欧米列強の餌食になり滅亡していた。
今、再び、我が国は、憲法=戦後体制を越えて天皇を中心とする国民国家にならなければ存続できない国際情勢の中に突入している。
現在の、旧体制からの脱却を促す内外の情勢は、幕末と酷似している。
この時に当たり、今上陛下が、御譲位によって、衆に先んじて!憲法=戦後体制から脱却され憲法にない上皇となられる。この、お国を救う御譲位のありがたさを、かみしめようではないか。
本年九月十八日から二十一日までの四日間、今上陛下の御代の最後の初秋、皇居の勤労奉仕団の一員として皇居の清掃をさせていただいた。初日に天皇皇后両陛下のご会釈を賜り、
二日目に皇太子殿下のご会釈を賜った。そして、天照大神を祀る賢所、神武天皇から歴代天皇と皇族の霊を祀る皇霊殿そして全国の神々を祀る神殿の宮中三殿の前に佇んだ時、ここが天壌無窮の神勅によって天皇を戴く日本の中枢であるのを感じた。
その時の感じは、アニメの飛行石の結晶を見たようであった。
スタジオジブリの作品に「天空の城ラピュタ」という長編アニメーション映画がある。そのアニメの二人の若者は、空に浮かぶラピュタの中心部に入り、ラピュタを空に浮かべているものを見た。それはラピュタの中枢にある、飛行石の結晶であった。宮中三殿の前に佇んだとき、私は、日本という神話から発する天空に浮かぶような国を万邦無比の日本たらしめている中枢、飛行石の結晶の前にいるような思いがしたのだ。そして無限の安らぎを感じた。
さらに、かつて聖武天皇の皇居を警護していた海犬養岡麿の次の歌と同じ思いで皇居内にいた。
御民われ生ける験(しるし)あり天地の栄ゆると時に遇へらく思へば

また敗戦直後の侍従次長の木下道雄は、昭和二十一年次のように詠んだ。

御民われ生ける験あり天地の崩るる時に遇へらく思へば

栄える時も崩るるときも我ら日本人は天皇と家族のようにともにあった。それが日本の永遠の姿である。日本の強靱さの源泉はこの國體にある。よって我が国を天皇を中心とする国民国家に復元しなければならない。
そのためにかつての幕藩体制のように、我が国の中枢を覆い隠すマッカーサー憲法=戦後体制から脱却しなければならない。まさにこの時、今上陛下は、我ら衆に先んじて、御譲位によって、御自ら戦後憲法体制を越えられるのだ。まさに、生きる験ありではないか。
      (にしむらしんご氏は元衆議院議員)
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(休刊予告)小誌、海外取材のため10月20日―26日が休刊です 
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<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社、1296円)
宮崎正弘 v 藤井厳喜『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社。同) 
宮崎正弘 v 西部邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫、778円)  
宮崎正弘 v 石平『アジアの覇者は誰か 習近平か、いやトランプと安倍だ! 』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円)  
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)  
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店、1296円)
宮崎正弘 v 室谷克実『赤化統一で消滅する韓国、連鎖制裁で瓦解する中国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円) 
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動でどうなる日本経済』(ビジネス社、1404円) 
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 

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(休刊予告)小誌、海外取材のため10月20日―26日が休刊です
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2018 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
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  • 名無しさん2018/10/12

    韓国への自衛艦派遣を中止!旭日旗掲揚自粛「受け入れられず」・韓国=敵国への派遣は一切やめよ!http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7238.html

    韓国大手紙が火消し?焦り始めて旭日旗の法論拠を徹底解説。半島有事で自衛隊は得られまい【もう遅いと思った人はシェア】https://samurai20.jp/2018/10/kolie-55/

    習主席は孟宏偉がウイグルを擁護したからキレたんか?何とTBSの番組。https://ameblo.jp/gekiokoobachan/entry-12410997967.html

    石橋記者が呼びかけて集めた人々

    http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/53296888.html

    在日韓国人による自作自演のプロパガンダ

    http://hatekorea.blog.fc2.com/blog-entry-68.html

    癌になったら大学付属病院やガンセンターには行ってはいけない?http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-1146.html

    ドラフト6位で開幕一軍

    https://www.google.co.jp/search?q=%E6%8E%9B%E5%B8%83%E9%9B%85%E4%B9%8B&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwisxNKShf3dAhUBfrwKHWxLAzYQ_AUIDygC&biw=1280&bih=620

    「殺しのライセンス」を持っていたMI-5の局員

    http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68736748.html

    絶対にパンクしない自転車タイヤ、ご存知ですか?

    https://www.digimonostation.jp/0000033239/

    タミフルは効かない! イギリスの医学雑誌から?

    http://www.asyura2.com/09/buta02/msg/491.html

  • 名無しさん2018/10/12

    戦慄の副作用スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)



    (パブロン一錠で主婦が死んだ)



     風邪薬を一錠飲んだだけで、死ぬこともありうる。1997年、熊本の主婦A子さん(30代)は健康そのものの主婦だった。風邪気味だったので大正製薬のパブロン錠剤を一錠飲んだところ、彼女は突然高熱に襲われた。皮膚全体に異常な水ぶくれが出現し、全身がただれる重症の皮膚症状が現れた。ただれは、口内にまで及び、入院1か月後に、苦悶の内に息を引き取った。彼女はアレルギー体質も無い普通の主婦だった。それが風邪薬一粒で命を落としたのである。コルゲン(興和)でも死亡事故が発生し、遺族は約1億5000万円の損害賠償の裁判を起こしている。



     Aさんを襲った異常な重大副作用とは、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と呼ばれ国際的にもよく知られている。2012年6月、厚労省の発表によれば、SJS被害者は、死亡例131人、発症者は1500人に達している。(これは副作用として報告した例のみである。だから、犠牲者はこの100倍、1万3000人はいる。)



     研究者によれば、原因になりやすい薬剤は特定されている。「アセトアミノフェン」(鎮痛剤・解熱剤は配合されている)「イブプロフェン」などである。その他、「降圧剤」「抗生物質」など約1000種類の薬剤で発症した。



     御手許の市販薬の「添付文書」を見ると、風邪薬、解熱剤、鎮痛剤、向精神薬、降圧剤など重大副作用「SJS」とあるはずである。どんな薬でもSJSを発症する恐れがある。さらに恐怖は、「発症メカニズムは不明」と言う事実である。なぜ、発症するのか分からない。それなら、これらの医薬品の販売は中止すべきである。風邪薬は風邪を治さず、痛み止め薬も知覚神経を麻痺させるだけである。向精神薬など病気を治せるはずがない。



    (糖尿病は食べなければ治る)



     糖尿病で病院に行くと、医者は必ずこういう。「三食しっかり食べてください」→三食しっかり食べたから糖尿病になったのである。耳を疑う専門医の発言は「糖尿病は治らないのです」がある。つまり、糖尿病専門医は、生まれてこのかた、一人の糖尿病患者も治したことがないと胸を張って堂々と言っているのである。「ではどうしたらいいのでしょうか」と聞くと、「いい薬があります。気長にやっていきましょう」と答える。医師のいい薬とは血糖降下剤とインスリンである。つまり、一生飲みなさい。打ちなさい。こう言っているわけである。その先に、糖尿病悪化で末梢血管が詰まるため失明、心臓病、脳卒中、さらに腎不全から透析へと悪魔が道案内してくれる。そして足切断・・・・・、最後は癌が待っている。



     「糖尿病の原因は何か?」と質問すると医師は答える。「糖尿病は遺伝しますから治らないのです」→これも全くの嘘である。「糖尿病学」(西村書店)に、「糖尿病は遺伝しない」と言う論文が掲載されている。そのことすら糖尿病学会は気付いていない。



     糖尿病の原因は、過食、ストレス、動物食(肉食)、運動不足、甘い物である。だからこの5つを避けることである。糖尿病と診断され、15年間インスリンを打ってきた岡田正史さん(62歳)は、一日一食にすることで半年で完治させた。



    (高血圧も180を130に下げ大量病人狩りを行っている)



     安保徹先生は、「これが俺の血圧だ。200以上ある」とにっこり笑う。「正常な血圧は、人それぞれ違う。それを無理やり薬で下げたら、ダメである。体は必要だから血圧を上げようとしている。それを薬で無理に下げると体は心臓の脈拍を上げて血を流そうとする。ピッチで稼ぐのだ」 世界的に有名な医学者でも、血圧は薬で下げてはいけないと断言している。ところが、日本人の70歳以上の二人に一人が、「降圧剤」を処方されている。ここでも医者の言うままにされている。

    なぜ、飲むのか? →ある人は「会社の健康診断で医者に言われた。降圧剤を飲みますか?死にますか?」 こうなると詐欺と言うより脅迫商法である。



     なぜ日本人は「降圧剤」漬けになったのか? 

    それはメタボ基準の陰謀が背後にある。2008年からメタボ検診がスタートし、そこに悪辣な陰謀が潜んでいた。戦後、高血圧の定義は、最高180と一定した。ところがいつの間にか130まで下げられた。高血圧症の定義を下げれば患者が急増する。すると、医者は堂々と「降圧剤」を処方できる。まさに医療詐欺でありペテンである。しかし、メディアでは批判する声は上がらなかった。マスコミは、人類と言う家畜の洗脳装置だからである。



     「降圧剤」はその毒反応で血圧を下げるものである。だから、副作用も凄まじい。死ぬ場合もある重大副作用は、腎不全、脳梗塞・・・・更に意識喪失、肝障害、頻脈、動悸、排尿障害、頭痛、貧血、低血圧症、不眠・・・など数えきれない。極め付きはED(勃起不能)である。180以上の高血圧患者に、治療を施したら、何もしない場合と比べて死亡率が5倍激増したという衝撃警告もある。血圧が気になったら、菜食にシフトすれば、血管は若者と同じになる。



    (心臓病は「菜食」「少食」で治る)



     心臓病の原因は、心臓を動かす筋肉を養う血管が詰まるである。これらは、冠状動脈と呼ばれている。なぜ詰まるのか? それはネトネトした汚れが詰まらせるのである。これらを「アテローム」と言う。冠状動脈の一部が詰まれば、狭心症、全部詰まれば心筋梗塞である。ではなぜネバネバが生まれたのか? ズバリ肉食が原因である。

    「菜食主義者の食事は、心筋梗塞の97%を防いでくれる」→これは「米医療協会ジャーナル」の記事である。



     アメリカのフィリップス博士の研究チームはセブンス・デイ・アドべンティスト(SDA)と言うキリスト教の一派に着目した。その教義は菜食主義を勧めている。調査対象は約2万5000人。さらに同じ数の普通のアメリカ人も対象群として選ばれた。その結果、一般人の心臓病死亡率を100%とすると、菜食主義者は12%だった。彼らは肉、卵、牛乳も食べない菜食主義者だった。 



    バターや肉脂肪などの動物性脂肪を多くとると心臓病で死ぬ。カロリー中に占める動物脂肪の割合が増えるほど、心臓病が比例して増えていく。こうなると「脂肪率」=「死亡率」である。アメリカ男性の心臓発作による死亡率は、中国男性の17倍である。ちなみに同じ調査で乳癌死は、アメリカ女性は中国女性の5倍である。しかし、これらの衝撃事実もマスコミは一切流さない。

  • 名無しさん2018/10/12

    ジャメール・カショギ、って誰? サウジのジャーナリストが行方不明に「アラブの春」から「アラブの冬」が到来していた。



    日本は太平を装っていると感じる。

  • 名無しさん2018/10/12

    イランの代理兵としてイエーメンに潜伏する武装集団は、紅海を航行する石油タンカーへミサイル攻撃をしている。サウジはイランへの敵愾心を燃やし、現在の危機的状況を打開、もしくはすり替えるために、軍事行動にでる可能性は否定できない。

     つまり「アラブの春」は皮肉にも、「アラブの冬」となった。