国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<中国、「経済ニュース」にも六つの報道規制

2018/10/01

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月 1日(月曜日)
        通巻第5842号 
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 中国、「経済ニュース」にも六つの報道規制
  不都合な経済ニュースは報道してはならない
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 これまでも中国は「政治」「社会不安」、そして「歴史解釈」に関して、がんじがらめの報道規制をかけてきた。情報を操ることは全体主義統治にとって命綱であるからには、勝手な報道を許可する筈がない。

 株価が暴落し、通貨が下落予兆を示し始めると、庶民は不動産の暴落に備え始め、社会的な不安心理が急拡大している。
 そこで、当局は「経済ニュース」にも六つの報道規制をかけて、不安を煽るような報道、分析、解説を締め上げることにした。
 2018年9月28日に通達された「不都合な経済ニュースは報道してはならない」という規制の亡いような次の六項目であるという(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、10月1日)。

 (1)予想より悪いデータがでた場合
 (2)地方政府の負債
 (3)為替、とくに外貨準備高の激減など
 (4)消費動向、消費の激減ぶり、物価の上昇やインフレ
 (5)構造不況を示唆するようなデータや解説
 (6)生活苦、貧困など

 とはいえ、これまでも中国の公式の経済データは悉くが信用できないフェイク情報であり、国家統計局がGDPの数字を誤魔化してきたうえ、地方政府は三割前後の「水増し」を報告してきた事実は誰もが知っており、規制を強化するとすれば、庶民の不信感はもっと確定的に拡がるのではないのか。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 短期の滞在なのに、その国の文化の本源をえぐりだす紀行の極み
  香港の「タイガー・バーム・ガーデン」で三島由起夫は「中華文化の原色」をみた

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 佐藤秀明編『三島由紀夫紀行文集』(岩波文庫)
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 「アポロの杯」「マドリッドの大晦日」「ニューヨーク」など、懐かしい紀行の名場面の集大成が文庫版として登場した。
版元が岩波書店というのは不思議な取り合わせだが、これも時代の変化だろう。いや、昭和二十年代から三十年代までの朝日新聞の文化欄では、あの林房雄が文藝時評を書き、小林秀雄をロシア紀行を寄稿していたように、政治イデオロギーが文化コラムにまで決定的に及ぶ時代ではなかった。
 通読して、初めて読むような気がしたのは「南蛮趣味のふるさと」(初出『婦人生活』昭和36年6月)である。
「リスボンほど美しい町を見たことがないとういうと誇張になる。(中略)日本人の血の中には、安土桃山時代からのポルトガルへの南蛮趣味的あこがれが、深くひそんでいるのだろうか? 隠居するならリスボンに限ると思った」(202p)。
 へぇ、そうなんだ。しかしポルトガルに隠居したのは檀一雄だった。
 「リスボンは又、人口の少ない町で、どこもかしこも深閑として、下町へ行かなければ人の群れに会わない」とも三島は書いている。
 いずれの記述も昭和三十六年の話だから、当時はきっとそうだったのだろう。評者(宮崎)がリスボンをあちこちうろついた時(平成二十八年頃)は、下町も住宅地も人でごった返し、世界中から観光客が押し寄せ、地下鉄も満員に近かった。
哀切で悲壮な音楽=ファドを演奏する小さなバアが軒を連ねており、また日本の漫画アニメのセンターがあった。「隠居したくない町」だと思った。
 三島は香港で「もっとも醜悪な」ものを見た。
以下は『新潮』昭和36年4月号に寄せた旅行記である。
 「その色彩ゆたかな醜さは、おそらく言語に絶するもので、その名をTIGER BALM GARDEN というのである」(224p)。
 ちなみに案内板には「東洋美の典型的風景が」云々とあって、「少なくともこの庭が美を目指したものであることは明白である」
 しかし、その美は中国人特有の価値観に基づいていた。
 「この庭には実に嘔吐を催させるやうなものがあるが、それが奇妙に子供らしいファンタジイと残酷なリアリズムの結合に依ることは、訪れる客が誰しも気がつくことであらう。中国伝来の色彩感覚は実になまぐさく健康で、一かけらの衰弱もうかがはれず、見るかぎり原色がせみぎ合つてゐる。こんなにあからさまに誇示された色彩と形態の卑俗さは、実務家の生活のよろこびの極致にあらはれたものだつた。胡氏は不羈奔放を装ひながらも、この国伝来の悪趣味の集大成を成就したのである。中国人の永い土俗的な空想と、世にもプラクティカルな精神との結合が、これほど大胆に、美といふ美に泥を引つかけるやうな庭を実現したのは、想像も及ばない出来事である。いたるところで、コンクリートの造り物は、細部にいたるまで精妙に美に逆らつてゐる。幻想が素朴なリアリズムの足枷をはめられたままで思ふままにのさばると、かくも美に背馳したものが生れるといふ好例である」(232p)。
 中国大陸には足を入れたことはなかった三島だが、なんと見事に中国文化を、その精髄を鷲づかみに譬喩したことだろう。
「衰弱がうかがわれず」「残酷なリアリズム」「なまぐさく健康」、そして「原色がせめぎ合っている」。
 これらの形容は、まさに中国の文化的特質、その悪趣味、グロテスクを端的すぎるほどに表現し尽くしている。
 評者が香港によく行ったのは昭和四十八年から五十五年ごろまで、すでにこの庭はマンション用地に切り売りされており、平成12年には完全に閉鎖された。
 最後の期間に、その一角だけを見学したことを思い出すが、「借景」という発想がない中国人のグロテスクな作り物展示会という印象が強かった。
ほかにも巴里でコクトォの演出現場に立ち会ったときの通訳が岸恵子だったとか、懐かしき三島の修業時代のみずみずしき感覚、その美意識の所在がどこにあったかなどを思い出させて呉れた。
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●読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声 
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 (読者の声1) 今中共は内憂外患こもごも来たるという難局にさしかかっている。
解決は共産党内部で改革を行うしかない。それは独裁を緩め経済を振興することだろう。ただ米国がウンというかは分からない。
本来独裁は経済発展とは二律背反の関係にある。経済発展は社会の自由化と情報の多様化を必要とするがそれは独裁にとっては禁物だ。
そこで最近習近平が独裁を強化している。これは経済発展で社会の自由化が進んできたので、独裁に有害とみて押さえつけようとしているのだろう。しかし経済発展を止めることは可能だろうか。
 というのは、本来共産主義国家は自給自足が前提だ。
しかし中共のように十億もの過剰人口(注:固有の国土でまかなえる人口を4億人として)を抱えている国は、食糧輸入に莫大な外貨が必要だからそのために外資の投資と輸出が不可欠だ。
それが経済の自由化なのだ。もし食糧が滞れば大規模な暴動が起こる。それで支那の歴代政権は崩壊した。共産党が武力で押さえつけても解決が無ければ事態は悪化し社会は不安定化する。
一帯一路も海外に過剰人口を送り出すルート作りなのだろうが、手遅れだ。
相手側が警戒を始めた。
 経済だけでなく人心も自由を求めている。先般上海でレミゼラブルの上演があり、その中の解放の歌を観客が合唱したという。
中共の国民は共産党員、軍人を含めて皆内心自由を求めているのだ。ヘライクレイトスの弁証法の原則は万物は流転する、だ。人心の変化はどんな強権も止めることは出来ない。
 ただし、共産党独裁の衰退後どんな形の政権になるのか想像がつかない。
日本は中共の大きな変化に備えて国防、入管、治安、外国人管理を強化すべきだろう。
   (落合通夫)



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(読者の声2)三島由紀夫研究会、10月の公開講座は、憂国忌発起人で元朝日新聞記者・編集委員の井川一久氏をお招きします。
 講演テーマのクァンガイ陸軍中学とは戦後残留した日本人将兵が教官としてヴェトナム青少年を教育して精強なヴェトミン軍、ヴェトナム軍の指揮官、将校を育成した陸軍士官学校である。昭和29年ディエンビエンフーで仏軍を撃滅した戦いも、昭和50年サイゴンを陥落させて米軍を撃退した戦いも正にこの学校で鍛えられた日本精神を発揮したが故の勝利であった。井川氏がこの歴史と経緯を熱く語ります。

日時  10月25日(木)午後6時半開会(午後6時開場)
会場  アルカディア市ヶ谷(JR・地下鉄「市ヶ谷」徒歩2分)
講師  井川一久氏(元朝日新聞記者、編集委員、憂国忌発起人)
演題  ヴェトナム独立戦争に挺身した日本人たち
       〜典型としてのクァンガイ陸軍中学教官団
会場分担金 2000円(会員と学生は千円)。
    (講師略歴 昭和9年生れ。愛媛県出身。早稲田大学政経学部卒後朝日新聞入社、以降、外報部で活躍。ハノイ初代支局長をはじめ長年インドシナ情勢を取材。現在も大東亜戦争終結後ヴェトナムに残留し、インドシナ戦争(対仏独立戦争)やヴェトナム戦争(対米戦争)で戦った日本人将兵の記録に取り組んでいる。

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(休刊の予告) 小誌は地方講演旅行のため10月7日―8日が休刊予定です
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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