国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<国連総会の舞台裏で王毅外相がキッシンジャーと面談した

2018/09/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)9月27日(木曜日)
        通巻第5837号   
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 国連総会の舞台裏で王毅外相がキッシンジャーと面談した
   「役立たずの中国の代理人」でも、まだ使い道があるらしい
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 国連総会でトランプが演説すると場内で哄笑がおきたとメディアが特筆している。トランプが「グローバリズムを拒否する」と発言し、愛国主義が重要と発言したが、場内の反米諸国が連合してバカにする笑いを演出したのかと思えば、事実は異なった。
トランプが「就任以来わずか二年半で歴代政権より多くを成し遂げた」と自画自賛の箇所で笑いがおこり、「その反応は想定外だったな」と呟くとまた哄笑が起こったのだ。

 トランプは国連本部に遅参、順番をあとに控えたエクアドル大統領が先になって、慌てる一幕もあった。舞台裏でトランプは次の次の予定だったエルドアン(トルコ大統領)とも鉢合わせして、雑談したという。

さて安部首相の演説はと言えば、空席が目立ち、出席した各国代表もとなりとお喋り、これほど冷淡な仕打ちを受けるとは安部首相も心外だっただろう。国連重視主義も、そろそろ日本は返上するべきではないのか。

 さて国連総会の舞台裏では王毅外相がラブロフ(ロシア外相)と会談したほか、ニューヨークでキッシンジャー元国務長官と面談していた。安部首相は韓国の文在寅大統領と意見を交換した。

王毅は「トランプ大統領に中国を封じ込めよと助言したのは貴方か?」と詰め寄ると、キッシンジャーは「違う。わたしは中国を封じ込めようとしている国々と同盟関係を強化することはよくないと助言したのだ」と釈明気味だったという(『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』、9月26日)。

 しかし、嘗て米国政界にチャイナロビィの真打ちとして君臨し、保守陣営から「中国の代理人」と酷評されたキッシンジャーも、中国から見れば、もはや「役たたずの老人」でしかない。

だが、こういう時にはまだ役立たず老人にも利用価値があると中国は見た。
上記キッシンジャー発言を(全体の発言は不明で、中国側は例によって都合の良いパラグラフだけを切り取って)政治利用したことは明白である。

 この日、もうひとつニューヨークでの話題は、劉暁波未亡人の劉霞女史が、「バーツラフ・ハビブ基金会」の式典に出席のためベルリンからNY入りしていたことだった。ハビブはチェコの詩人、自由化のちの初代大統領。劉暁波の「08憲章」は、ハビブに倣った。

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 中国の起業家精神はたしかにダイナミックで一見、魅力的だが
  創造性は独裁政権にいずれ押しつぶされるだろう

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近藤大介『二〇二五年 日中企業格差』(PHP新書)
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 黒船ならぬ「紅船」がやってきた。
拝金主義の中国企業が日本市場を席巻するという、日本の愛国者から見れば有り難くない未来図を、近藤氏は警鐘とともに具体的なケースを報告する。
現場で先端的取材を繰り広げる近藤氏の最新情報がてんこ盛りだ。とくにアリペイという支払制度が全中国で普及し、現金払いができる店がなくなりつつある。日本はこの点では中国の遅れており、いまの現金決済が主流である。
 「日本はやがて中国の下請けになりさがる」と警告が連発されるが、実際にシャープも買収され、同時に日本のパナソニック、ソニーなどの定年退職組の技術者が、大量に中国企業にスカウトされている。中国製ドローンは日本の国土地理院も使用している。事実上、静かなる中国企業の日本侵略は始まっている。
 問題はそのことではない。
 アリババ、テンセント、ファウェイなどの快進撃的爆走は、いつまで続くかということである。
馬雲(アリババCEO)はすでに引退を発表した。テンセントは「微信」が閉鎖され、ユーザーからクレームがつくこと夥しい。
 なにしろ表舞台にでることが大好きな馬雲とは対照的にテンセントのCEO、馬化騰は人前に出たがらない事務畑の人。共産党が仰天したのはテンセント系のネット「微信」に次の会話があったからだ。

 「共産党万歳というスローガンをどう思う?」
 「腐敗して無能な政治に、万歳なんかできるの?」
 「中国の夢(習近平政権のスローガン)って何?」
 「それはアメリカに移住することでしょう」

 これに対して中国共産党は「テンセントは有為な若者たちを中毒に陥れる社会悪を作っている」(人民日報、2017年7月4日)などと、「テンセントは、まるで十九世紀の清の時代のアヘンを浸透させたイギリス商人のような扱いを受けた」(204p)
ファウェイ、ZTEはすでに米国市場を失った。
豪なども、トランプの決定につづき、国家安全保障を脅かすとして政府契約を禁止したし、あの親中派のドイツとて中国資本のドイツ企業買収を阻止している。
 はたして中国のIT起業家たちは共産党の情報独占という全体主義にいかに対応しているのか。
ずばり著者は言う。
「彼らの目には、共産党はリスクとしても映っている」(90p)。
 実際に近藤氏は、北京で日系企業の副社長経験者で、契約書にかならず免責事項があったと指摘する。
それは「中国共産党の指導がはいった場合は、この契約書を破棄、変更出来る」という条項。「中国では法律の上に共産党が『鎮座』している」
 中国の五軍体制とは陸海空に『天』(宇宙空間)と『電』(サイバー空間)を加えており、米国との最終戦争とAIの戦争に勝つとしている。
だからトランプはペンタゴンに対して、宇宙軍の創設を命じ、また国連総会では「独立と主権を重んじ、グローバリズムを拒絶し、愛国を尊重する」と熱唱したのだった(9月26日)。

(余滴)ちなみにトランプ大統領の国連総会での演説テキスト全文は下記に。
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-73rd-session-united-nations-general-assembly-new-york-ny/
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●読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声 
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 (読者の声1)産経新聞主催でフィメール展が来月から上野にやってくると、産経は事前のキャンペーンを力いっぱい張っていますが、今週の『週刊文春』にもカラー・グラビア特集がありました。
いつぞやの貴誌に宮崎さんのフィメールへのコメントが出ていますが、さて老生の趣味はともかくとして、宮崎さんはフィメールのどこに惹かれるのですか?
  (TY生、中野区) 


(宮崎正弘のコメント)ゴッホやゴーギャンと同様に、フィメールも生前はまったく評価されず、不遇のうちに亡くなって、没後、評価が高まった画家ですね。
 日本人が好きな原因はわかりません。なにしろ江戸の名画を鹿鳴館時代に底値で欧米のバイヤーにたたき売ったのも日本人。北斎も歌麿も広重も、そして伊藤若沖も、日本から大半が消えてしまい、いまごろになって日本の浮世絵、錦絵が海外からの逆輸入で、ブームが起きたのでした。
藤田嗣治の評価が最近急激に高まったのは、「あちらにかぶれた」からでしょう? 
最後は仏蘭西国籍でしたし、日本的なものを描いていない。強いて言えば大東亜戦争を舞台とした戦争絵画で、これは評価できます。
 フィメールがなぜ好きなのかと問われても、理論的な回答はできません。ただしフィメールは一点の作品をのぞいて、宗教画を描かなかったことです。レンブラントなどとは対極の生き方でした。
オランダの当時の庶民の暮らし、とくに生まれ故郷でもあるデルフトの風景、室内の雰囲気をそこはかと醸し出した芸術であり、教会や特権階級の保護に頼らずに、自由闊達に絵を描いた。
ですからゴーギャンやゴッホに姿勢が共通します。
 


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(読者の声2)貴誌前々号の「マレーシア、パキスタン、そしてモルディブと連続する中国傾斜離脱」に関連して、次は30日の沖縄知事選ですね。
 ところで、トヨタ、日産のシナでの30%設備投資増は「自動運転」と「ハイブリッド」への投資のようで、日本企業が優位なポジションにある技術が無くなりそうで馬鹿げています。
   (R生、在ハノイ)


(宮崎正弘のコメント)そのハイブリッドもEVに急傾斜の中国モデルへの対応ですから、また技術を盗まれ、利益は搾り取られ、日本企業は莫迦を見るでしょうが、世界シェアを競う自動車会社には業界独特の論理が作用しているようですね。
 トランプと距離を置いて日中友好、一帯一路への協力姿勢を明示している安部首相、財界の圧力に辟易なのでしょうか。



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(読者の声3)東チモ−ル取材は珍道中でしたか。帰路は台風を心配していましたが足が遅くて幸いでした。遠く離れた東チモールにも日本軍の戦歴があるのですね。
「ヤシの葉蔭に十字星」を思い出しますが、胸中を察し、涙して瞑目するばかりです。当時の日本軍に感謝し、ただただ冥福を祈ります。
 20日は安倍信三氏が再選され安堵していますが、「石破氏善戦、安倍総理を追い詰める。」と、反日マスゴミの安倍総理叩き。大敗しておきながら往生際が悪すぎます。
 この男の好い加減さは、語ると切りがありませんので割愛しますが、こんなにあざとい男を、どうして薦すのですかね。支持者も同じ穴の狢か、と思いたくなります。
また齊藤農林大などは選挙終盤になって、「私は、安部陣営からパワハラを受けました」、などと幼稚園生みたいな言をマスゴミに流している。
 この男、国会議員としての精神が弛緩しているようです。この様な幼稚園生が国家の大臣になるって、はは呑気な国ですね。
 「学はあってもバカはバカ」ですか。所属を調べたら売国奴の石破派でした。なるほど納得です。
  (TS生、佐賀)

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