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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<残虐なウィグル族弾圧、収容所に放り込み拷問、再教育。棄教を迫る

2018/08/22

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)8月23日(木曜日)
        通巻第5803号   <前日発行> 
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 それは習近平子飼いの陳全国がウィグル自治区書記に任命されてから始まった
  残虐なウィグル族弾圧、収容所に放り込み拷問、再教育。棄教を迫る
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 エジプト留学から帰国したウィグル族の若者が当局に拘束されて行方を絶った。家族が心配して心当たりを捜しても行方不明。同様な「事件」が頻発し始めたのが2017年からである。
なかには家族が偽りの電話を強要され、父親が病気とかで、急いで留学先から帰ると強制収容所に放り込まれた。
そのまま一年以上。合計8000名のウィグル族の若者の留学帰りが、杳として行方知れずとなった。いずれもイスラム圏への留学という共通点があった。もともとウィグル族はイスラム教を篤く信仰してきた。

 2,016年8月29日、陳全国が新彊ウィグル自治区の書記に任命されたと発表された。直前まで陳全国はチベット自治区の書記だった。つまりチベット弾圧の責任者だったから、ウィグル自治区にはいっても弾圧は得意技だった。
 陳全国は1,955年河南省生まれ、武漢の大学をでて軍隊に入隊し、共産党へ入党して頭角を現し、2,010年に河北省省長に就任した。その後、習近平の覚え目出度くチベット書記に栄転した。
 現在はトップ25の政治局員という異例の出世を遂げた。

同じ頃、重慶特別市書記だった孫政才が唐突に解任され、新たに陳敏爾が任命された。孫政才の解任理由は「薄煕来の腐敗体質の残滓を重慶市から積極的に排除できず、そのままに旧幹部等をのさばらせ、自らも汚職に励んだ」などとする冤罪だった。要は共産主義青年団の「希望の星」だった孫を潜在的ライバル視してきた習近平にとって、将来の独裁に邪魔になるからだった。

 陳全国も陳敏爾も習近平の子飼い、イエスマン若しくは茶坊主、行政手腕が無能でも、おべんちゃらがうまければ出世街道を驀進できる。阿諛追従の才能だけは秀逸なのだ。
下手に理論家だったり戦略論をぶったりすると、無学な習近平にとっては逆恨みされるのだ。

 ウィグル自治区の悲劇は、このときから一層無惨になった。
 もとより2,009年のウルムチ暴動で、漢族が武器を持って手当たり次第にウィグル族を虐殺し、多くのウィグルの若者がとなりのカザフスタンへ逃げた。

その数は数万人と言われるが、そのうちの一万人ほどがシリアの軍事訓練基地へ送られ、ISのメンバー入りした。中国の諜報機関はシリア政府、同時にISにも武器を提供して巧妙に近づき、かれらの動向の情報収集に躍起となった。テロリストとして訓練され、中国に帰ってくることを怖れたのだった。
 ISをスピンアウトした過激派は「漢族に血の復讐を。中国人を血の川へ投げ込め」などと煽動するヴィデオを作成し、ユーチューブで配信した。


 ▲最大二百万人のウィグル族が再教育という名の洗脳をうけている

 陳全国は新彊ウィグル自治区の党書記となるや、「宗教活動を厳密に規制し、イスラム文化の表現をやめさせ、辻々には検問所を設け、顔識別とAI機器を駆使して手配者の逮捕を強化し、さらに砂漠に次々と強制収容所を設営し、拷問による改宗を強要した」(『TIME』、2018年8月27日号)。

そうやってイスラムを学んできたウィグルの若者の洗脳教育を始めた。「改宗」できない者は独房に入れて、イスラム教徒が忌み嫌う豚肉しか与えず、しかも独房の狭い牢獄に三人も五人も入れて、つねに睡眠不足とし、洗脳の効果をあげようと急いだ。それでも「直らない」ケースでは家族も強制収容所に入れた。出所してすぐに死ぬという悲劇も相次いだ。

 米国の偵察衛星は、収容所の数が急増していることを突き止めた。また強制収容所ばかりか、再教育センターもつくられ、家族全員のDNAや血液が収集されデータベースに入力された。デジタル全体主義の支配システムである。

 トランプ政権は、このような人道に悖る人権無視の民族浄化を黙ってみることはなかった。衛星写真の証拠を楯にして、これを対中政治カードとする。
ゲイ・マクドゥーガル国連人権差別撤廃委員は2,018年8月10日、国連委員会で「200万人のムスリムが強制収容所で再教育を受けているという報告がある」と爆弾発言した。

マクドゥ−ガル委員は「なかには髭を貯えていた、ベールを被っていた」などの理由で拘束されているとし、「ウィグル族の民族的アイデンティティの喪失が目的だ」と中国を非難した。
またウィグル女性は漢族の男性としか結婚できないという規則も強要しているとの情報があり、そうなるとユーゴスラビアでおきたエスニック・クレンジンングの再来である。セルビアは、世界から非難を浴びた。


 ▲チベット弾圧と同じ手口

 中国側は国連報告をただちに否定し、「あそこは強制収容所ではない、あれは職業訓練センターであり、ウィグル人の教育向上と雇用機会の増大をはかる目的だ。われわれが警戒して取り締まっているのはテロリスト、分裂主義者、過激な宗教活動かだけだ」などと平然と嘯いた。
これはチベットにおける120万の無辜の民と僧侶の虐殺を「農奴解放」と言ってのけた嘘の論理の適用である(チベットに農奴はいなかった)。

 またウィグルの動きに触発されて隣の青海省、四川省、甘粛省、陝西省、寧夏回族自治区などではモスクの監視が厳格化され、とくに後者回族自治区のモスクは「改修」を詐っての取り壊しが計画されたため信者がモスクに座り込み開始した。
 
 イスラムは国境なき連帯のコミュニテイィであり、ウィグル族への苛烈な弾圧は口コミを通じて世界のムスリムに拡大した。
 ムスリムの中国敵視は、米国の対中国認識とはレベルの異なる、感情的エトスが含まれているのだ。
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 ■読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)井上和彦氏が『夕刊フジ』の8月21日付けで、マルタで犠牲となった日本帝国軍人の魂が「地中海の守り神」として祭られていることを書かれていました。
 たしか宮崎先生の著作にも、このマルタのことが出ていましたが、いかような記述であったのか、本箱を捜しても見つからないものですからお尋ねします。
   (HU生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)山口昌子さんの『パリの福沢諭吉』の書評でマルタを取り上げた記憶があります。福沢の乗った遣欧使節団はマルタに三泊しており、フランスへ先に行くか、英国かを協議したのですが、福沢はマルタ上陸を果たせず、船中にいたとあります。
 マルタは第一次大戦のおりに、日本は英国と同盟を組んでいた関係で、日本海軍が地中海に派遣されて英国船舶の護衛にもあたり、作戦時に一隻が沈没。多くの犠牲が出ました。
マルタの英軍墓地の一番よい場所に日本軍陣慰霊碑が建てられ、安部首相が訪問のときも慰霊式典を行っています。



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(読者の声2)喫茶店で涼を取りながら週刊誌に目を通すと、各誌ともきまって載っているのが杉田水脈議員の『非生産性』発言の問題です。
 谷川とむ議員の『趣味みたいなもの』に対し、前妻の意見まで載せての批判している。
 読者の気を引くため、面白可笑しく書いて売れれば好いだけの週刊誌とはいえ、この記事如何も内容が可笑しい、朝日系かと確認すると矢張り「反日系」の週刊誌でした。
 あ〜、安倍政権批判のための文章かと軽く受け止めましたが、そもそもLGBTを、多数派、少数派で捉えてよい問題でしょうか。
 石破議員を含め、巷でも頓珍漢な批判を述べている人もいますが、結婚とは生産性が伴うからこそ異性との交わりだと思っています。
 生産性を伴わない同姓の結婚など断じてあり得ない。諸外国では如何のこうのと言う人がいますが、何も関係ない話。生物は生産性を伴ってこそ永続があるのであって、LGBT者どうしの結婚も正常だとすれば当然の事として生物は滅亡します。
 谷川議員が言う様に、「趣味の範囲」、で納まってもらいたいものです。同姓と生活するのは勝手だが、其れを結婚と認めろと云うのは、一方的で筋違いな話。杉田議員の『非生産性』発言も、谷川議員の発言も至極正論だと思っています。
 在所では誰も賛同する者はいません。当然です。賛同できないのが当然なのです。「杉田議員の辞職を」と騒いでいる連中に、彼方たちは「気は確かですか」と問いたいです。
 杉田議員や谷川議員を批判する前に、障害治療を施してやるのが先ではあるまいかと、私は思っています。

 ところで前号の投書氏に「記者は宮崎さんのメルマガを読んでから記事を書く」と評されていますが、一流新聞も慌てて後追い記事を書いている様な、酷似記事も在ります。
 宮崎先生のお陰でフェイクニュ−スに惑わされずに済んでいます。
 AIIBに参加しない日本のことを「乗り遅れて取り残される日本」と声高に揶揄していた江田憲司氏は最近如何しているのでしょうか。部屋の隅で頬被りをして蹲っているのでしょうか。
  (北九州素浪人)


(宮崎正弘のコメント)「非生産性」というより「無産性」でしょう。キリスト教の教義に反する涜神的言辞が最初に米国からでてきたことに文明の行き詰まりを感じますね。
 こうなると、ロシアの言っていることが正しく聞こえますよ。ロシア正教のほうが、西側のキリスト教より健全で、崇高さを求めるという自然なかたちがあります。米国の大都会では日曜日の朝の教会もすいていて、旧東欧諸国やロシアではミサで超満員、この違いはどこから来るのでしょうか?
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  • 名無しさん2018/08/22

    エジプト留学から帰国したウィグル族の若者が当局に拘束されて行方を絶った。家族が心配して心当たりを捜しても行方不明。同様な「事件」が頻発し始めたのが2017年からである。

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  • 名無しさん2018/08/22

    北九州素浪人さんの意見に全面的に賛成します。全く、仰る通りです。