国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<台湾、エルサルバドルと断交。「カネで外交関係を維持するのは愚か」

2018/08/22

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)8月22日(水曜日)弐
        通巻第5802号   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 台湾、エルサルバドルと断交。「カネで外交関係を維持するのは愚か」
  中国の狙いは太平洋岸側「ラ・ニオン港の軍港化だ」(米国大使)
****************************************

 8月21日、台湾外交部は「エルサルバドルとの外交関係は断絶となる。中華民国はカネで外交関係を維持する愚かさを行わない」と戦闘的な言辞だった。これにより、台湾を外交承認する国々は17に減った。台湾の強気の断交宣言の背景には米国のエンドースがある。蔡英文総統は、前日に中南米訪問から帰国、とくに米国では大歓迎を受けてきたばかりだった。

 エルサルバドルは中米の一員。メキシコの南に位置する小国だが、太平洋側の商業港ラウニオンを持つ。
台湾より広い国土面積を誇るが、人口は僅か650万、このうち三分の一が貧困層に属し、バナナ。珈琲豆、繊維などしか産業はない。コスタリカのような昆虫王国でもないから観光客がこない。

 数年前から中国のCITIC関係者がエルサルバドルの政府高官やビジネスマンに近付き、持ちかけていたプロジェクトは、港湾整備ではなく、ハイウエイと新幹線敷設だった。学校とか福祉施設の話は一切でなかったが、究極の目的は港だった。

 航行ルートで言えばエルサルバドルのラユニオン港は中継貿易のハブとして活用が可能であり、もし港湾施設の充実を図れば、商業港としても躍進できる。
しかし中国の戦略では、軍事利用が優先し、商人の発想とは異なる。米国の勢力圏である中米諸国の脇腹にドスを突きつける格好になるのだ。
 駐エルサルバドルのジーン・メーン米国大使が、表明した。
 「中国の意図はラユニオン港の軍事使用です。注視する必要があります」
       ▽◎◇み◎◇☆や▽◎◇ざ☆◇◎き□◇◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)地方講演旅行のため小誌は8月25日―27日が休刊です 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

【知道中国 1778回】            
――「支那人は不可解の謎題也」・・・徳富(3)
  徳富蘇峰『支那漫遊記』(民友社 大正七年)

        △
 「今尚ほ四十三歳の、分別盛りの壯年」である張作霖との面談を終えた徳富は、「九月廿八日午前一時半、秋氣凄々たる月光を浴びつゝ、哈爾賓行の急行車に上」り、朝の9時半に長春駅に到着。「此處が南滿線の極北端也」。小休止の後、寛城子停車場でロシア側経営東清鉄道に乗り換え、ハルピンに。時はロシア革命の最中である。停車場も車内も「露國内の秩序紊亂」を反映するかのように乱れていた。

  ハルピンまでの車窓からの眺めを、「滿目の平原、茫々として大海の如し。其の時に岡坡の悠長に起伏する、宛も大海の大うねりの如し。而して落日の漸く地平に下らんとする、初めは半天に琥珀色を劃し、次ぎには?金色となり、而して最後に眞紅血の如し、眞に美觀也、壮觀也。返すがえすも滿洲の落日は、何とも云はれぬ絶景也、然も富岳の日出と、満洲の落日との優劣に至りては、世上必ず議論あらむ」と綴る。
こういった調子の文章に心躍らせ、おそらく当時の血気盛んな若者は「狭い日本にゃ住み飽きた」と満洲に憧れたのであろう。「富岳の日出」か「満洲の落日」か。何れを「絶景」というべきか。

  やがて「予は此の落日と與に、始めて哈爾賓に入れり」となる。
 「哈爾賓に就て語らんには、一巻の書物も尚ほ不足す可し」と、徳富はハルピンについて語り出す。

 「蓋し此地は、露國が極東經略の策源地として、故らに製造した都府にして、然も其の見當は全く外れざりし也」。東清鉄道(東部線)を東に進めば綏芬河(ボグラニーチナヤ)を経てウラジオストックへ。同じく東清鉄道(西部線)を西に進めハイラル、満州里を経て外バイカル鉄道の要衝・チタに。
さらに進めばイルクーツクからモスクワ、ペトログラードへ。南下すれば長春、公主嶺、奉天など満洲南部の心臓部を貫いて大連に至る。街外れを流れる松花江を下ればアムール河、ウスリー河などシベリア東部の大河に繋がり水路の便も良好だ。
当初、ロシア側はウラジオストックと不凍港・大連を軸に、鉄道・港・海運による「三位一体の交通システム」の構築を目論んでいたという。だとするならば、ハルピンはヨーロッパとシベリア、満洲、それに太平洋をネットワークするロシア版の「一帯一路」の中心といえないこともないだろう。

  そんなハルピンの一角に「支那人の集りて市街成す」。傅家甸と呼ぶ同地は「露國行政區域外にして、支那人の自治に一任し」ているが、ハルピンでは「最も繁昌の中心たるが如き觀あり」。この傅家甸における彼らの生態を、徳富は次のように綴っている。

  「實に支那人は無頓着の人種也、無遠慮の人種也、苟も餘隙さへ見出せば、何時にても這入り込むを遲疑せざる人種也。或る意味に於ては、露國は支那人の爲めに、一の商業地を經營して、之を寄贈したりと云ふも、不可なき也。而して是れ豈に單り露國のみと云はん哉」。

  21世紀初頭の現在、仮に徳富がシベリア各地の中国寄りの都市を歩いたとした、おそらく同じような感想を抱くに違いない。
あるいは徳富は、華僑・華人のみならず、殊に1978年末の対外開放以後に海外に「走出去(とびだ)」し、世界の各地に住みつく中国人の姿を予見していたともいえそうだ。「無頓着」で「無遠慮」に加え「苟も餘隙さへ見出せば、何時にても這入り込むを遲疑せざる人種也」とは、けだし名言だ。彼らに『論語』も『孟子』も『史記』も、ましてや『朱子語類』なんぞは全く不必要なのだ。

  ところが、である。
ロシア人は「三人前以上の大食者にして、半人前程の働きもせず」。「此れは酷評ならんも、露人の能率の低下なるは、恐らくは支那人の好敵手たらむ」とか。
こんなロシア人やら支那人を相手にするわけだから、日本人は堪ったものではない。
    □◎□○ひ△◎□◇い○◎○□ず□◎□○み○◎○□ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)宮崎氏のコメントに触発されて、書棚の隅から引っ張り出してきた神島二郎『近代日本の精神構造』(1961年2月第1刷)を少し読みました。かなり長い「あとがき」がついています。家永三郎は、書評の中で、「本文より注が多い」「造語が多すぎる」と感想を述べるが、内容は全く理解できなかったと告白している(『思想』1961年8月)そうです。
 「あとがき」等によると、神島氏は1918年4月生まれといいますから、1925年1月生まれの三島由紀夫氏に対して、ほぼ7年の年長ですが、東大法学部卒業は1947年で、三島さんと同期になります。これは、神島氏が一高入学に3年の浪人生活を経たことと、1943年4月に入営、1946年1月に復員と、約3年の軍隊生活を送ったことによります。
「あとがき」によると、
「42年4月11日に徴兵検査を受け、第一乙種合格(筆者注;三島氏は1944年5月に第二乙種合格)。うまく免れようとすれば、それもできたかもしれないが、私は、国の危局にさいしてそれはできぬと思って、運命を甘受しようとしたのである。」
「44年12月4日比島方面軍特情部に赴任すべく、東京を出発、博多にむかった。家を出る前夜、行李に衣類をつめながらぽろぽろっと涙をおとしそっとぬぐっている母をみたとき、私は胸がはりさけるような思いがした。志願によっては満州にも北海道にも行けたかもしれない! それでも、国をあげて戦おうとするとき、私一人助かろうとすることは、私にはできなかった。「-お許し下さい、私はじっと心に念じた。」
 ということです。

 こうして、神島氏はレイテ戦の実戦を経験しながらも生き残り、さらに敗戦後には3か月あまりのP・W生活を体験されたようです。
 この戦中派の神島氏、結婚は1968年(丸山真男の媒酌)といいますから、50歳の時です。死去は1998年4月5日(満80歳の生誕日の直前)で、享年79歳です。
    (CAM)
      □◎□◎□○◎□◎○◎□
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■宮崎正弘の最新刊予告  ■宮崎正弘の最新刊予告
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪♪
本日 発売!
宮崎正弘 v 石平 対談第九弾!
『アジアの覇者は誰か 習近平か、いやトランプと安倍だ! 』(ワック、994円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
https://www.amazon.co.jp/dp/4898317812/


   ♪♪
最新刊 8月30日発売
宮崎正弘『米中貿易戦争で始まった中国の破滅』
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 徳間書店、256ページ。定価1296円
https://www.amazon.co.jp/dp/4198646716
 (アマゾンで予約受付を開始中)
        ◎○ 

9月3日発売
 宮崎正弘 v 藤井厳喜 激談シリーズ第二弾! 
 『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社、1296円)
  @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
   (アマゾンで予約開始 ↓)
https://www.amazon.co.jp//dp/475931623X/ref=pd_sbs_14_1?_encoding=UTF8&pd_rd_i=475931623X&pd_rd_r=8cf3719c-a430-11e8-a988-4d0ce89dc1c9&pd_rd_w=lh7EO&pd_rd_wg=dPbVu&pf_rd_i=desktop-dp-sims&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_p=cda7018a-662b-401f-9c16-bd4ec317039e&pf_rd_r=8J1Q61EQ75H8438PXKJH&pf_rd_s=desktop-dp-sims&pf_rd_t=40701&psc=1&refRID=8J1Q61EQ75H8438PXKJH
              △◇△△◇△◇△△
  ♪♪♪
宮崎正弘のロングセラーズ。大好評発売中!
*********************
『米中貿易戦争で始まった中国の破滅』(徳間書店、1296円)
『習近平の死角』(育鵬社、1620円) 
『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社、1404円)
『西郷隆盛 ―日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円)  
『米国衰退、中国膨張。かくも長き日本の不在』(海竜社、1296円) 
『AIが文明を衰滅させる  〜ガラパゴスで考えた人工知能の未来』(文藝社、1404円) 
『習近平の独裁強化で、世界から徹底的に排除され始めた中国』(徳間書店、1080円) 
『連鎖地獄―日本を買い占め、世界と衝突し、自滅する中国!』(ビジネス社、1188円)
『金正恩の核ミサイル 暴発する北朝鮮に日本は必ず巻き込まれる』(育鵬社、1512円)
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)


  ♪♪
<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
++++++++++++++++
宮崎正弘 v 藤井厳喜『米日露協調で、韓国消滅!中国没落!』(海竜社、1296円)
宮崎正弘 v 藤井厳喜『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)  
宮崎正弘 v 石平『アジアの覇者は誰か 習近平か、いやトランプと安倍だ! 』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円)  
宮崎正弘 v 室谷克実『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店、1296円)
宮崎正弘 v 室谷克実『赤化統一で消滅する韓国、連鎖制裁で瓦解する中国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上4つは1080円) 
宮崎正弘 v 西部邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫、778円)
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円) 
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動でどうなる日本経済』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円) 
   ♪♪
宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
       ◎◎▽ □◎◇ ◎◎▽ ◇◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊予告)地方講演旅行のため8月25日―27日が休刊です
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2018 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。