国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <クドロウ国家経済会議委員長が中国に強硬

2018/06/01

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)6月1日(金曜日)
         通巻第5710号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 クドロウ国家経済会議委員長が中国に強硬
  中国は外資51%を認めると言うが、100%外国資本も可能とせよ
****************************************

 ウォール街擁護派からクドロウ国家経済会議委員長にかわり、何が一番の変化かと言えば、中国への姿勢がより強硬になったことだ。

 中国は米中貿易戦争に直面し、ホワイトハウスに何人もの使者を送り込んだが、さっぱり埒が明かない。ようするに2020年までに2000億ドルの赤字を解消するためには1300品目に25%の報復関税を課すというのだから、習近平の慌て方は尋常ではない。

 クドロウ国家経済会議委員長が中国に対して、直近の強硬発言は「51%の外資を認めると中国政府は前向きの姿勢を示しているだけである。51%ではなく、55%から100%の外国資本を認めるべきである。それでこそ市場の開放である」というもので、トランプ大統領のように、強硬姿勢を示してのちに妥協をえるというディールが、ここでも露骨にあらわれてきた。
▽◎◎み□△◎や◇◎□ざ▽◎○き○□▽
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  

 戦前、発禁処分をうけた名著。『普及版』として復活
  里見岸雄の『国体論』がこの中で存分に展開されている

   ♪
里見岸雄『天皇とプロレタリア』(展転社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 この本は昭和初期のベストセラーである。しかも軍によって発禁処分となり、書店から消えていた。著者の里見は憲法学者として多くの業績があるが、思想家であり、哲学的雰囲気をもった宗教家の側面があった。
 それもその筈で父親は田中智学(日蓮宗の僧侶にして「国柱会」の創設者)である。
苦学して早稲田大学哲学科を首席で卒業した。里見家の女婿となり、里見岸雄となる。その後、英国へ留学し、ドイツへ向かった。
 このドイツで知遇を得て、生涯の友となったのが石原莞爾である。
二年四ヶ月の留学を終え、帰国した里見は日本国体と日蓮宗の研究に没頭し、里見日本文化研究所を設立して活発な言論活動を展開した。
 里見が腐心したと思われるのは国体と科学との関連である。
すなわち天皇論を、情緒的に、あるいは歴史学的に説くにせよ、そこには合理主義的な思考が必要ではないか、心情論では論理的科学にならず、マルクス主義のつけこむ余地があるのではないか、という命題だったのではないか。
 左翼も右翼も、絶対的な独善に陥りやすく、時局に便乗すれば排他的独走になる。だから里見は左右からの挟撃に晒されながらも真摯に学究を続けた。

 終戦を疎開先の秋田で迎えた里見は言論活動の再開を目指すが、GHQによって公職追放になった。解除後、論壇にもどるが、そこには戦後軍事思想から転向して無節操な言論人や評論家、過激な左翼学者が跋扈していた。里見は国体を貶めるような議論に立ち向かい、火のような論説を次々と発表した。
 本書は国体論を考える上で、重要な文献だが、通読していると柿本人麿から山鹿素行へと至る心情的、情緒的な国体論の要旨が随所に紹介されている。

 柿本人麿は、次を詠んだ。

 「大君は神にしませばあま雲の いかづちのうえにいほりせるかも」(万葉集)。

 なかでも圧巻が北畠親房の『神皇正統記』からの重要箇所の抜粋である。
 北畠はかく書き残した。

 「鏡は明を形とせり。心性明なれば、慈悲決断はその中にあり。また正しく御影を模し給ひしかば、深き御心を留め給ひけむかし。天にある物日月より明なるはなし。よりて文字を制するにも日月を明とすといへり。我神大日の霊に坐せば、明徳を以って照臨し給ふ事陰陽に於いて測り難し。冥顕に就きて頼あり、君も臣も神明の光胤を受け、或いは正しく勅を受けし神達の苗裔なり」。

 いうまでのなく『神皇正統記』は足利の北朝に理はなく、後醍醐天皇の南朝を万世一系の基盤とした、三種の神器を正統とする天皇論であり、この作品以前には慈円の『愚管抄』がある。

 ふたつは戦国時代にも読み継がれ、語り継がれ、筆写され続けた。
 徳治を尊び、天皇公家による統治を武家が代行するという政治力学の要諦に触れたものである。しかし信長は、これを読んだ気配はなく、秀吉も右へ倣えであり、ひとり明智光秀が細川藤孝らとの交遊を通じて熟読したであろう。
?川政権初期には忘れ去られていた。家康の座右の銘は『貞観政要』であった。突如、南朝の正統性を言い出したのが?川御三家水戸光圀であったことは皮肉だが、爾来、皇室論の中枢に副えられたのが神皇正統記と愚管抄であった。
 里見の国体論には、これら古典への目配りが詳細になされている。
 ○○○○○ ○○○○○ ○○○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘の新刊『アメリカの「反中」は本気だ』の予約募集中!   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪♪♪
宮崎正弘『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 6月4日発売! 定価1404円
――アジア市場争奪の深刻な米中貿易戦争が始まった!
――南シナ海は「中国の海」となり、一帯一路はアジア諸国への間侵略ではないのか?
AIIBは「阿漕な高利貸し」。親米だった国のなかには中国シフトが鮮明に。
――インドは反中に米国とともに立ち上がったが、日本はどうするのか?
https://www.amazon.co.jp/dp/4828420320/
 (上サイトで予約できます)

 ――トランプは歴史的な同盟の組み替えを行っている。TPP離脱、NAFTA見直し、パリ協定離脱、イラン核合意離脱。なにもかも、そのグランドデザインは、中国を同盟国から敵国への認定替えにあるのだ!

  ――現況を世界史的視点から見つめ直すと、世界とアジアはこうなって見えてくる

          ◇□△□ ◇◎△◇ □△◇□
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■宮崎正弘vs西部邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
予約開始! 
宮崎正弘vs西部邁『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
 ***********************************
Amazonで予約受け付けが開始されました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4286199231/
 6月5日発売!  定価778円 
  ♪
西部邁 vs 宮崎正弘
『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 「主権国家」であるはずの日本に外国の軍隊があり、事実上、アメリカの保護領であるという基本的認識を共有。とりわけ合点したのは自存自立の精神の回復だった。
西部氏が盛んに「アクティブ・ニヒリズム」に言及し、また三島由紀夫論の精髄を語り、アンドレ・マルローへの憧れを語った。
「アクティブ・ニヒリズム」を西部氏は「ひたすら何かのアクションへ自分を駆り立ててしまえという衝動」と言っている。「安保反対」も「全学連委員長」も、西部氏の中ではチャレンジであり、保守への目覚めも「転向」ではなく「天性」のものだった。
八年前の対談だが、時粧がまったく色褪せず、ここに文庫化!
        ◎◎ ◎▽ □◎ □▽ ◎□ □◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)ユニークな軍事評論家の惠谷治さんが急逝されました。特異な北朝鮮の分析など、情報に独特なものがあり、得難いアナリストだったと思います。宮崎さんとは交流がありましたか。
  (HH生、杉並区)


(宮崎正弘のコメント)会ったことは二度ほどしかありませんが、イメージとは異なって、物静かで、おとなしい人でした。独特のヘアスタイルが印象的でした。同じくマニアックな軍事評論家の江畑謙介さんもそうでしたが。
惠谷氏の通夜と葬儀は小生ドイツ滞在中だったので出席できませんでしたが、知り合いの何人かが参加したそうです。合掌。



  ♪
(読者の声2)三島由紀夫研究会の8月の公開講座は澤村修治氏です。早めにお知らせしておきますのでカレンダーの予定にお書き込みください。

日時   8月24日(金)18時半開演(18時開場)
場所   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師   澤村修治先生(作家・文芸評論家)
演題  「西郷隆盛、日本浪曼派そして三島由紀夫」(仮題)
<講師略歴>昭和35年生れ。東京都出身。千葉大学人文学部人文学科卒。大手出版社勤務、新書や選書の編集長をつとめる傍ら、主に評論と評伝の執筆を行う。『表現者』にも寄稿。主な著作『悲傷の追想「コギト」編集発行人、肥下恒夫の生涯』(ライトハウス開港社)『敗戦日本と浪曼派の態度』(ライトハウス開港社)『唐木順三―あめつちとともに』(ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉)『西郷隆盛 滅びの美学』(幻冬舎新書)その他多数
会場分担金 会員・学生1千円(一般2千円)



  ♪
(読者の声3)「神島」(歌島)の最近の写真を或るサイトでみました。その昔、神島を訪れたことを懐かしく思い出されました。『潮騒』の重要場面となる観的哨は当時と比べて、手すりが付いたりと大分整備されているようですね。小生が行った時には、灯台から観的哨に向かいましたが、道すがら蜘蛛の巣が一面に張り巡らされ、恐ろしいほどの数の蜘蛛が立ち塞がっておりました。
 一瞬たじろいだのですが、長い棒を見つけて蜘蛛の巣を払い除けながら辿り着いたことを鮮明に思い出しております。
 観的哨からの帰りに、海岸から海女さんのウニの採取風景を眺めていたところ海からあがってきたばかりの海女さん(3,4人)が、「ウニを食べてみますか」と声を掛けていただきました。
実は、食わず嫌いで食べたことが無く、一瞬躊躇してしまいましたが、折角勧めていただきましたので、意を決して食したところ、これが何と美味しかったことか記憶が蘇ってきております。
それ以来、ウニが大好きになりました。
 余計な話になりますが、八代神社については、位置、方角、神様のことを考えると、もしかすると島根県の松江と関係があるかもしれません。神島に渡った時には鳥羽から行きましたが、帰りは伊良湖岬に向かうことにし、船に乗ったのはよいものの、とても潮流が激しく、しかも小舟で今にも沈没しそうで怖い思いをして、伊良湖についたときはホットしたものです。
   (HS生、杉並)



  ♪
(読者の声4)現在の日本は、少子化による国家を支える労働の担い手不足による、日本国の存亡の危機を迎えています。当然、それに対する対策もいろいろ議論されているようです。
 たとえば、給料が上がれば、結婚する若者も増え子供も増える、という相関関係を
示す統計を示して、日本国民の賃金を低く抑えようとする動きを批判するものなどが
あります。確かにこれは、マルクスが解明した資本主義の原理からしても、労働力の
再生産を不能にするという意味において理不尽なことだといえます。しかし、こうい
う議論は、すべて現象論であって、肝心な点が抜けておりますので、根本的な対策と
はなりえない、と考えます。

 この少子化の問題は、国家の存亡にかかわる問題ですから、当然にも、正しい国家
論からの検討がまず第一になされなければなりません。そこでまず問題になるのは、
現在の主流となっている国民主権の国民国家論なるものが、はたして国家論として正
しいのか否か、という議論がなされなければならないと思います。というのは、現在
の少子化という国家の危急存亡の危機を招いたのは、その国民国家論の下でのことだ
からです。つまり、国民国家論は、少子化問題には無力であるばかりか、そこから派
生してくる国家の崩壊を招きかねない移民問題に対しても、全く正しい答えを導き出
せない代物でしかないからです。

 それは何故かと云いますと、国民国家論は、ヘーゲルがその本質を見事に喝破し、
批判したように、「国家と市民社会を混同」した、個人の自由をベースにした市民社
会のサークル活動に毛が生えた代物、という極論ができるものだからです。つまり、
個人の自由にあらがえない、という特徴をもつものだということです。
 ただ、同じ国民国家論でも、本家本元である西洋の国民国家論は、ナポレオン戦争
を経験して国民国家としての戦争を体験した国民国家論であるだけに、個人主義なが
らも国家というものを誇りをもって守るべき大事な存在だとする、国家意識が立派に
存在している分、まだ良いようです。
 これに対して、日本の国民国家論は、戦前の日本の国家を悪とみなす自虐史観教育
によって徹底的に洗脳され、それに加えて、ペキンテルンの工作が陰に陽に加わって
の戦後のマルクス主義の大流行によって、体制・国家権力=悪という意識が多くの国
民に定着してしまった結果として、国家に反抗して国民の権利・自由を守るのが正義
であるかのような歪な国民主権の国民国家論になってしまっている現実があります。
 そういう日本の現実は、良識ある人々の奮闘によって、自虐史観の影響はかなりな
部分克服されつつあるように見受けられますが、もう一方の、なぜ国民主権の国民国
家論では国家をまともに発展させることができないのか?なぜマルクス主義は国家を
堕落・崩壊させてしまうのか?に関しては、まだまだ学問的な議論・解答が皆無であ
ることこそが、何よりも最大の問題だと思います。

 まず、なぜ国民主権の国民国家論では駄目なのか?という問題ですが、この国家論
は、国家論が国家論として一人前に完成する途上における、第一の否定としてのアン
チテーゼとしての仮の国家論に過ぎないもので、最終的には第二の否定として克服さ
るべき国家論に過ぎないものだからです。これはどういうことかを、人間の一生に例
えて云いますならば、子供から一人前の大人へ脱皮するための、自我の芽生える思春
期の反抗期時代の自分が、すなわち国民国家論に相当するということです。つまり、
自然成長的に家族の一員・国家の一員として存在していた自分が、自分自身の主体性
を確立するために一旦家族を否定し、国家を否定して、主体的・目的意識的に自己を
確立するための自分探しの過程を経て、やがて自ら主体的にその過程を否定(第二の
否定)的に媒介して即自的な自己と対自的な国家とを統体止揚した真の国家第一主義
の担い手となる自己を確立する過程の中の、国家を否定する第一の否定の過程が、す
なわち国家よりも国民としての自己を大事にする国民国家論の過程だということで
す。
 だから、国民国家論の過程では、一時的に国家はガタガタになってしまうのです。
ましてや、マルクス主義という悪友に唆されて、国家を壊す悪行に手を染めてしまう
と、なかなか抜けられなくなってしまいやすくなります。
 だから、そこから卒業できるようにするためにも、共産主義は駄目だ、という感情
論ではなく、なぜ駄目なのかのマルクス主義の原理的な誤謬を、理論的に把握してお
く必要があるのです。マルクス主義の最も根底にある原理的な誤謬は、ヘーゲルの弁
証法が、それまでのあれかこれかの形式論理学の判断を、劇的・革命的に破壊するこ
とを通じて形成された過程を受け継ぐ努力をしないで、安易に結果だけを知識的に
貰った結果として、対立物の統一のできない敵対的矛盾だけのニセモノの弁証法にし
てしまったことです。その結果、ヘーゲルが、統一体としての国家の内部構造に過ぎ
ない階級対立を統一するための媒介を重視していることを、批判し否定してしまった
ために、国家と国民とを統一してとらえる術を失ってしまったのです。そして、その
ことが、現代に至って、国家の存亡の危機という共通課題があっても、その国家とし
ての第一義的な課題はそっちのけにして、何が何でもモリカケで安倍政権を倒すとい
う、マスコミ・ヤトウの精神構造の土台をなしているのです。
 ヘーゲルは、奴隷労働の中にも、人間の本質としての人間らしさが存在することを
指摘していますが、それを読んだマルクスは激しく反発して、ヘーゲルは労働の負の
側面を見ていない、と批判しました。ところが、このヘーゲルの説いた、<労働のも
つ本質的な人間らしさ>こそが、学問を用いて自然を合理的に創り変えて世界創造を
していくという<人類の使命>(同じことが「古事記」の前文にも説かれているそう
です!)に他ならないのです。その通りに、マルクスがこれを激しく否定し、無視し
た結果として、マルクス主義に染まった労働者は、賃上げしか興味がなく、労働者で
ありながら自らの労働に誇りを持たず、<人間の本質としての労働>を真面目に実践
しようとはしなかったのです。だから、共産主義は、即自的欲求の自由にすぎない資
本主義にも負けて、大失敗して崩壊の軌跡を辿ることになってしまったのです。その
根本的な責任は、マルクスの原理的な誤謬にあります。ところが、その反省もなく、
間違いだらけのマルクスを持ち上げて、その轍を踏もうとする大バカ者が、隣の国に
登場していることには、開いた口が塞がらない驚きです。

 そのマルクスの犯した原理的な誤謬の一つである人間解放論の誤りは、ヘーゲル
が、人間の解放は、個人としての人間の内における、国民としての即自的自由と、学
問的・国家的な対自的自由との、統一・止揚によって達成される即自対自の自由にあ
ると説いているのに、それを無視して、抑圧されている労働者こそが真の人間解放の
担い手だとして、労働者のむき出しの即自的認識をそのまま放っておいて、ただその
抑圧を跳ね返すこと自体が、人間解放だとしてしまったことです。そして、そこから
マルクス主義者たちは、抑圧された即自的感情を解放することが人間解放だとして、
芸術家と自称する連中は、性の露骨な表現を、国家によって抑圧された即自的感情を
解放する前衛芸術の人間解放の実践だと吹聴し、その歪んだ認識を社会に垂れ流して
国家の堕落・崩壊を画策してきたのです。そういうマルクス主義者が、国家の教育行
政のトップに座ると、売春の香りが濃厚に漂う出会い系バーに通い詰めることに何の
ためらいもなく、それが発覚した後も、平気で子供たちの前で教育論を説けるという
厚顔無恥をさらけ出すことになるのです。
 その肝心の教育の問題ですが、現在の主流は、画一教育の否定・個性の尊重・初め
から子を作る気のないLGBTなどの多様性の重視ということになると思いますが、これ
はまさにマルクス主義の国家解体の教育方針に他なりません。ところが個人の即自的
自由の尊重をベースとする国民主権の国民国家論は、この国家解体の教育方針に対し
て、国家を守る武器・論理を持たない無力な国家論に過ぎず、それどころか取り込ま
れてしまって、むしろ手を貸している現実があります。そして、その現実が、パワハ
ラ・セクハラの頻発する土壌となっている一方で、それに対する社会的抑制の対策
も、個人の即自的感情の問答無用的絶対視によって行われるという同じ土壌での袋小
路的・対症療法的解決の仕方であって、何らの根本的解決につながらないものでしか
ありません。
 じつは、この問題は、少子化の問題とまったくの同根からくるものであって、その
根本的解決は、欠陥だらけの国民国家論では、限界があって無理な話なのです。そこ
で提言したいことは、この問題の根本的解決には、マルクスによって封じ込められ、
マルクスを根本的に克服できる唯一の、ヘーゲルの学問的な弁証法、学問的な国家論
に基づく国家の立て直し、再生が必須となるということです。

 このヘーゲルの学問的な国家論の説く国家とは、巷に言われているような国家法人
説なる低次元なものではなく、目下の現在の宇宙・世界の発展を主導的に牽引する絶
対的本質の現象形態としての国家のことです。これが、全宇宙を貫くところの国家の
本質論であり普遍性なのです。ですから、国家は、全宇宙に対して責任をもつもので
なければなりません。それが、絶対理念を目指す人類の国家の、あるべき姿なので
す。そして、その具体的形態は、国家の理念・普遍性を体現する国家そのものとして
の君主と、その下での統轄機関と国民とで、構成される立憲君主制であるべきです。

 そうした立憲君主制国家にあっては、先日の天皇の被災地慰問の際のように、天皇
が正座で国民の側が胡坐のまま応対するような、君主が国民の下にヘリ下っていくの
ではなく、国家の理念であり普遍性である高貴な天皇に、国民の側が一歩でも二歩で
も近づこうと努力し、よじ登っていく姿こそが、本来の姿というべきです。何よりも
強調すべきは、わが日本国は、自然成長的ながらも、そういう道を歩んできた、世界
で唯一の国家だったのです。だから、その誇り高さ、品性の高潔さは世界中の信頼を
得ていたのです。先の大東亜戦争は、そういう道を歩んできた人倫国家日本が、欧米
の人種差別的植民地奴隷主義国家に対して、十分な準備も整わないままに已むに已ま
れず果敢に挑んだ戦いだったのです。その結果、戦争には敗れたとはいえ、多くの植
民地は解放され、奴隷主義国家群は、人倫主義国家ぶらずにはいられない世界が現出
したのです(もちろんその実質は変わってはいませんが・・)。
 ですから、国家は、そういう日本の国家としての歩みを、国民にしっかりと教えな
ければなりません。そうした立派な国家の一員だ、という誇りと喜びを教えたなら
ば、みなそうした国家の立派な一員となろうと思うはずです。そうなったならば、陰
湿ないじめもなくなり、いじめられた側も、いじめられた即自的感情のままに、自殺
する子もなくなるはずです。また、国家のことを自分の問題として考える子も増え
て、少子化は大事な国家が衰退していくことだと分かれば、率先して子作りする若者
も増えて来るはずです。結婚式場で丈夫な子をたくさん作って育てて下さい、と言っ
ただけで差別だ!などと騒がれることもなくなるはずです。もちろん、企業などの社
会のすべての組織も率先して協力するようになるはずです。
 また、少子化に伴う移民問題についても、他の国の者が、日本の国籍を取得する基
準として、現在のような、誰でも悪意を持った者でも、簡単に国籍を取得できるよう
なシステムは、改めなければなりません。日本の国家の中で、日本に同化しないよう
にする教育や、日本を害する他国のため働くようにする教育が、堂々と行われている
現実は、全く理不尽です。日本の普遍性・伝統・文化を受け入れ、それに同化する意
志をもった者のみに、国籍を与えるべきです。
               (稲村正治)



  ♪
(読者の声5)朝鮮総連第24回大会に登壇した日本人たち(国会議員含む)
http://miura.trycomp.net/?p=4693
言論、思想は自由ですが、このような現実があるという資料として送らせていただきます。
(三浦小太郎) 
   □▽◎◇〇▽□◇◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼宮崎正弘の新刊   http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪♪
<宮崎正弘の書き下ろし単行本>
+++++++++++++++
『米国衰退、中国膨張。かくも長き日本の不在』(海竜社、1296円) 
『AIが文明を衰滅させる  〜ガラパゴスで考えた人工知能の未来』(文藝社、1404円) 
『習近平の独裁強化で、世界から徹底的に排除され始めた中国』(徳間書店、1080円) 
『連鎖地獄―日本を買い占め、世界と衝突し、自滅する中国!』(ビジネス社、1188円)
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円) 
『金正恩の核ミサイル 暴発する北朝鮮に日本は必ず巻き込まれる』(育鵬社、1512円)
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず滅ぼされる』(徳間書店。1080円)
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)

♪♪
<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
++++++++++++++++
宮崎正弘 v 福島香織『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 藤井厳喜『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社) 
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
宮崎正弘 v 室谷克実『赤化統一で消滅する韓国、連鎖制裁で瓦解する中国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上4つは1080円) 
宮崎正弘 v 石平『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動でどうなる日本経済』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円) 

  ♪♪
宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
       ◎◎▽□◇◎◎▽□◇◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2018 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2018/06/01

    クドロウ国家経済会議委員長が中国に強硬

      中国は外資51%を認めると言うが、100%外国資本も可能とせよ

    ****************************************



     ウォール街擁護派からクドロウ国家経済会議委員長にかわり、何が一番の変化かと言えば、中国への姿勢がより強硬になったことだ。←宮崎先生、情報ありがとうございます!

  • 名無しさん2018/06/01

     アメリカ経済の安泰という幻想を支えているのは、「ドル」の信用力である。しかし、そのドルを発行する権限を持つ、アメリカの中央銀行FRBもまた、すでに「死に体」になっている。近年、FRBやEU(欧州連合)の中央銀行であるECB(欧州中央銀行)の買い支えにより欧米金融市場は高騰を続けた。しかし、それは、実体経済の回復による健全な株価上昇ではなく、人為的に作られたものである。量的緩和と超低金利政策によって、投資熱が煽られた結果、7・4兆ドル分の債券が取引されている現状は、明らかに異常事態である。



     2017年、FRBは、4・5兆ドル規模にまで膨れ上がったバランスシートをリセットするために、「市場の買い支えを止め、資産(株、債券など)を売却する」と言う方針を示した。しかし、経済専門家らの見解は、「時すでに遅し」と言ったものだ。



     著名な投資家であるピーター・シフは、ITバブル、リーマンショックと繰り返してアメリカ金融市場に起こっては弾けたバブルを生みだしたのはFRBだと指摘している。そして、現在のバブルは史上最大規模であり、リーマンショックやITバブルよりもはるかに危険だと断じている。



     また、シフを初めとする経済エキスパートたちは、FRBが大規模な資産の売却を始めれば、住宅ローンなどの金利の急上昇を招き、結果アメリカ経済が崩壊すると警告している。結論として、アメリカ経済の崩壊を避けるためには、FRBはバランスシートが10兆ドル規模に膨れ上がるまで投資を続けるしか術はないという。行くも地獄、戻るも地獄である。FRBは既に後戻り出来ないところまで来ている。その状況の中で、2017年9月6日、FRBのスタンレー・フィッシャー副議長が早期辞任を発表した。その後さらに、ジャネット・イエレン議長を初めとした、寡頭勢力の息のかかったすべてのFRB理事の退陣が発表された。



     実体経済の活性化を伴わない金融政策によって生じたバブルは、いつか必ず弾ける。彼らがアメリカで行っていたまやかしのドルシステムが限界に達したことを意味する。現在、FRBの新経営陣が「中央銀行による金融政策の戦略見直し」「実体経済への資金の導入方法」などについて新たな手法を検討している。しかし、ドルシステムと言うものの根本的な崩壊を避けることは既に難しい状況である。



     戦後、特権的寡頭勢力が金融詐欺ともいえる悪魔的な手法で世界をペテンにかけて「ドルの価値」を演出し続けてきた。その価値を裏付けてきたのは金と石油である。現在、金と石油両面において、「ドルの価値」の化けの皮が剥がれつつあるのだ。それは「ドル体制崩壊」が迫っていることを意味する。



     2017年8月、トランプ大統領により財務長官に指名されたスティーブン・マヌーチンが金絡みで妙な動きを見せた。8月21日、マヌーチンがケンタッキー州のフォート・ノックス陸軍施設を訪れたことがメデイアで報じられた。マヌーチンは「皆既日食を見に行った」と語ったが、これは建前である。マヌーチンはその日のうちに陸軍施設内にあるFRBの金塊保管庫を視察している。そして、視察後すぐ「金は安全に保管されている」とツイートした。本当の目的は「このツイートをするjことなのである。以前から、「フォート・ノックスの金塊は既にない」と、CIAが断言している。金がすでにないことを前提に、マヌーチンと政府の動きを見る必要がある。つまり、財務省のトップがプライベートで皆既日食を見に行ったついでに、「たまたま」その地にあった金塊保管庫を視察して、「ふと思いついたので」その安全についてツイートしたなどと言うことは絶対にありえない。ツイートのさりげなさを演出するために、逆算して皆既日食を見にいくと言うストーリーを描いたのだ。突発的な視察を名目に報道取材もほとんどされていない。何よりも、最後にフォート・ノックスの金塊の量が数えられたのは、1953年なのである。これで「金の実在」を信じろという方が無理がある。



     さらに、財務省は「フォート・ノックスに貯蔵された1億4700万オンスの金塊を政府は保管している」と「わざわざ」報告している。なぜ今、尋ねられてもいないのに、「金の安全」を必死でアナウンスするのか? その裏にはドル体制の崩壊が迫っている状況が透けて見える。

  • 名無しさん2018/06/01

    学校では教えられない歴史講義 満洲事変 倉山満 

    http://gekiokoobachan.blog.fc2.com/blog-entry-291.html

    涙がかれるほど泣いた母「水面下でも、何でも、やっていただきたい」

    https://www.sankei.com/world/news/180526/wor1805260001-n1.html

    日本女性と秘密病院

    http://hatekorea.blog.fc2.com/blog-entry-191.html

    背乗り朝鮮人

    https://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12084840897.html

    NHK皇室番組の人選?「河」はイルミナティーの暗号か? 

    https://blogs.yahoo.co.jp/gakumonnoiratume/72385585.html