国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<ミンダナオ「マラウィ市」の再建プロジェクトに中国が名乗り

2018/04/19

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月20日(金曜日)
         通巻第5678号  <前日発行> 
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 ミンダナオ「マラウィ市」の再建プロジェクトに中国が名乗り
  フィリピンも「借金の罠」に落ちそう。地元ムスリムは猛反対の狼煙
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 つい数年前まで反中国路線の先頭を走っていたフィリピン。アキノ親米路線の退陣とともに、急台頭しドゥテルテ大統領は、180度転換してハーグ國際裁判所の勝訴判決を政治化せずに、反米、親中外交を鮮明にした。

ドゥテルテ比大統領の反米スタンスは、かれがフィリピン土着であり、レイテ島生まれということと密接な繋がりがある。米軍はレイテ島上陸に前後して、多くのフィリピン人を虐殺した。その恨みが深く残っている。

 「なんなら米軍はフィリピンから出て行け」と過激な発言を繰り返し、ルソン島以外のフィリピンでは圧倒的な人気がある。
マニラとその周辺は親米派の人々が多い。マニラの金融街やビジネス街は華僑が抑えているため、親中派が多く、首都圏だけはドゥテルテ大統領の人気はいまひとつである。

しかしフィリピンの反米、親中姿勢は、アジア情勢に微妙な変化を生んだ。アセアン諸国も、反中国をあまり口にしなくなった。

さてミンダナオの中西部マラウィ市が灰燼に帰してはやくも半年。
 40万都市のマラウィはイスラム教のモスクを含めて死体とゴミと瓦礫の山と化し、住民のうち35万人はいまも避難生活を余儀なくされており、前途に広がるのは絶望だった。
 IS系のマウテ集団は殲滅されたが、ミンダナオの治安は完全には回復していない。
 
 廃墟から都市を再建する。再建プロジェクトに「救世主」として突如、登場したのが、フィリピン領海を侵略しても平然と開き直った中国だったのである。

マラウィの市街戦の最中にも、中国はフィリピンに火砲と弾薬を供与した。合計710万ドルは無償供与。日本の援助とはカテゴリーがまったく異なる分野だ。そのうえ、廃墟となったマラウィ市の後片付け、廃物処理、ビル解体などに中国は建機、重機、ブルからクレーンまで7950万ドルを供与した。緊急援助だが、後日有償になるのか、無償援助だったのかは定かではない。


 ▲再建プロジェクトに名乗りを上げた中国の裏の狙いは何か

 中国の狙いはマラウィの復興計画である。
 ドゥテルテ大統領の見積もりでは復興再建計画に10億ドルが必要。都市計画をやり直し、近代的構造の都市づくりを目指す、ひろく民間からもアイディアをつのり、民間企業の入札も認めるとした。

 この報道に中国がしゃしゃり出てきた。
国有企業の「建築エンジニア集団」「安徽フアリ」「ジオ建設」「TBEA」「山東仁園集団」など五社がコンソシアムを組んで、建設計画を提出した。
一方、フィリピン側も「フューチャーホーム」「Aナラウン」「HS POW」「SDWリアリティ開発」などが合弁事業体を組織した。

 こうした動きに反対の狼煙があがった。
マラウィの住民のほとんどがムスリムである。なかでも有力な「モロ・コンセンサス」などの市民団体は「アラーの神がお作りになった自然体の集落であり、伝統に反するような都市建設は、住民の意思にそぐわない」とする。
 フィリピンは米国植民地の前にスペインが支配しており、各地のキリスト教教会はカトリックが圧倒的、マリア信仰があり、フィリピン特有の黒いナザレのキリスト像が、どの教会にもある。

 同時に、フィリピン軍は6000ヘクタールの土地を収用し、軍事基地をつくる予定だ。
こうなると、フィリピン政府は不足する予算をいかに調達するか。紐付きの中国の財政支援を受け入れると、償還がきても支払い不能のデフォルトをやらかしかねず、住民の不安は倍加する。
マニラの英語新聞は五紙。「マニラブリテン」「マニラタイムズ」「フィルスター」「ディリートリビューン」「クアイアラー」を見ても、この案件に関しても報道も論評もまだない。
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 米朝首脳会談が開催される可能性が高まり、在韓米軍の撤退が視野に入ってきた。日本の危機は未曽有の規模であり、米軍は最後まで日本を守る保証はない。
 いかにして日本は自主憲法、自主防衛の態勢をととのえることが可能なのか?
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)財務次官がセクハラで辞任しました。文部次官は買春容疑なのに、メディアは反・安倍の駒に使って不道徳行為は批判せず、この不公平。安倍倒閣運動に巧妙に利用されてしまったという印象を持つのですが、如何でしょうか?
  (FJ生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)財務次官と言えば、昔の大蔵事務次官でしょう。日本のエリートのトップじゃありませんか。だいたい官僚のトップは東大卒、ガリ勉タイプが、競争に揉まれ、ようやく権力と金を手にしたら世の中を錯覚して見てしまうのでしょうね。脇があまいとしか言いようがない。若いときに遊びを経験していないと、初老でつまずくという失敗が多いようですが、人生の修養が足りない。やっぱり戦後日本は大事な徳育を忘れてしまった結果ですか。ま、以上は一般論です。
 ただし、この財務次官の「セクハラ容疑なるもの」、テレビ朝日女性記者の録音(なぜ意図的な録音をとっているのか)、しかもテープは局所的。それを週刊誌にたれ込むという「怪しげなルート」。背後に見えない謀略が存在するかのようです。
 価値紊乱の現代、あの破廉恥文部次官を講演によぶ団体が多いとか。ここに、バカもきわまれり。



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(読者の声2)日本李登輝友の会神奈川県支部から講演会のお知らせです。
                    記
日時:  5月13日(日) 15時30分〜17時
場所:  開港記念会館 7号室(横浜市中区本町1−6)
     【交通】みなとみらい線 「日本大通り」下車
出口1を出て、交差点筋向い赤レンガのビル、歩1分
     www.city.yokohama.lg.jp/naka/kaikou/acces.html
講師:  浅野和生・平成国際大学教授
演題:  「日台関係の展望と日台関係基本法」
会費:  無料
    [あさの・かずお略歴]昭和34年(1959年)、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、同大学大学院博士課程修了。関東学園大学講師、同大助教授、平成国際大学助教授などを経て、2004年、同大教授に就任。法学博士。同大学大学院法学研究科長。2005年10月、日本版・台湾関係法の私案として「日台関係基本法」を発表。主な著書・共著に『大正デモクラシーと陸軍』『君は台湾のたくましさを知っているか』『日米同盟と台湾』『馬英九政権の台湾と東アジア』『台湾の歴史と日台関係』など。
 なお終了後、懇親会(会費四千円)の申込みは神奈川支部事務局 羽生勇作
     電話:080-5079-6947
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