国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<秦始皇帝の青銅像(19メートル)、突風に吹き飛ばされ倒壊

2018/04/12

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月13日(金曜日)
        通巻第5671号 
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 秦始皇帝の青銅像(19メートル)、突風に吹き飛ばされ倒壊
  「独裁者の最後」をみごとに象徴する椿事と中国のネット炎上
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 2018年4月12日、山東省に屹立していた秦始皇帝の重さ6トン、高さ19メートの青銅像は二メートルほどの台座に載っていたが基礎工事を怠ったのだろう、像をコンクリートの台に乗せただけで、鉄筋で土台を繋いでおらず、手抜き工事だったため、突風に吹き飛ばされて倒壊した(この日、東京でも瞬間強風は23メートル)。
https://timesofindia.indiatimes.com/world/china/strong-wind-topples-chinas-first-emperor/articleshow/63693541.cms

 この始皇帝像はブロンズを貼り合わせ、中はがらんどうである。2015年九月に建立された。
倒壊現場の写真をメディアが大きく伝えたので、これを見て拍手喝采で迎えたのは中国のネチズン、すぐに拡散した。彼らにとって習近平独裁が、いつか、突然としてこのような突破的椿事で吹き飛ぶことを希望しているからだろう。

 秦始皇帝像は中国全土あちこちに建てられた。本拠地だった陝西省にも多数あるが、山東省は秦始皇帝の巡礼地としてゆかりが深い。秦の始皇帝は泰山(孔子の生まれ故郷・曲阜に近い)に登って神仙思想に目覚め徐福を日本に派遣して不老不死のくすりを求めさせた。日本の姓名に秦氏が存続しているように由緒が深い。

 秦始皇帝は紀元前221から206年、中原を統一し最初の王朝をひらいた。現在の陝西省西安の西側にある喊陽(西安空港のそば)に豪華絢爛な「阿房宮」を建築し独裁者として君臨し、人民を支配した。とくに焚書坑儒では儒学者を生き埋めにして儒学を禁止したことで暴君と言われた。暗殺未遂は三件と記録されている。

 他方、秦の始皇帝は万里の長城や、大運河建設を号令し、交通インフラの整備を急がせた。阿房宮は、その名前の通りに最愛の側室を意味するが、異説もある。喊陽の付近に寿陵墓を建設し、囚人など70万人を動員した。

西安の北東部で夥しい兵馬傭が発見されたことから、秦始皇帝の陵墓の位置も特定され、発掘作業が延々と続けられている。ちなみに堺市の仁?天皇陵は、この秦の始皇帝の陵墓より遙かに大きい。

 焚書抗儒は、毛沢東の「批林批孔」の原点でもあり、また現在の習近平の言論統制、香港の銅鐸湾書店への弾圧に酷似する。
秦始皇帝の万里の長城は、シルクロード(一帯一路)や雄安新都プロジェクトに似ており、独裁皇帝は、習近平が願ったところのポストだ。

 秦始皇帝が没し、その子、胡亥が後継皇帝となるが、やがて劉邦と項羽に攻められ、秦王朝はたちまち衰弱して皇帝二世が殺害され、王宮は擾乱状態の裡に没した。習近平は、この歴史的事実に学んでいるのだろうか。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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  司馬遷の『史記』の歴史観が中国史を呪縛した
   袁世凱と孫文の評価はいずれ逆転するかも知れない

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宮脇淳子著、岡田英弘監修『真実の中国史 1840−1949』(PHP文庫)
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 嘗て本書はビジネス社から刊行され好評だった。題名に印された年号のようにアヘン戦争から、中国共産党が天下を簒奪したところまでを扱う。近現代史である。
 司馬遷が『史記』を著すのは、秦の始皇帝が没し、その王朝が衰滅し、権力が別の前漢となった時代である。
中国史書の原点というべき書物が、以後の中国の歴史書の鋳型を造った。つまり歴史は次の王朝になってから編纂される。ということは史実とはかけ離れた、史観の歪曲あるいは改竄された考え方が主軸に置かれる。
 したがって現代中国史を書くのは次の王朝を待つしかないが、現時点で言えることは中華人民共和国も中華民国も、共産党と国民党が一卵性双生児であるように、史観が接近する。
両国の政権はともに孫文が『国父』という位置づけを共通させている。
 台湾台北には「国父記念館」があり、中国南京には孫文を祀る「中山陵」がある。孫文の生まれた家は広東省中山に残り、元帥府は広州市に残り、上海には記念館もある。しかし、孫文が国父という位置づけは正しいのか。かれはペテン師ではないのか。
 
 1911年に「辛亥革命」なるものが成立し、清王朝が黄昏のなかに消えても、孫文の唱えた『三民主義』による政府は成立せず、実態は袁世凱の天下だった。孫文は共和制にもっていき国会を開設し、議論するようなシステムを夢見ていた。

宮脇さんは言う。
 「孫文は、袁世凱による一つの政党と、自分たちが率いる政党ということで、政党政治を考えていました」
 シナにあって実現したためしがない民主国家の建設を標榜したのは西側のスポンサーに口実が必要だったからだ。
 つまり孫文はフィクサー的な調停役、当時の国民党を引っ張っていたのは宋教仁だった。孫文は邪魔な宋を袁世凱が暗殺するように仕向けた。
 「間違いなく袁世凱は独裁者です。彼は自分の思うような政治をしたかったのです。そうでなければ生き残れないからです」。
そこで実権もなにもかもを失った孫文はまたもや日本に亡命する。じつに無責任男である。それが中華民国の草創期の実態だった。
 「袁世凱は日英仏独露との間に2500万ポンドの五国借款を成立させ、この金で武器を買い、軍隊を整え、議員を買収する。そして1913年の議員の選挙によって正式の大総統に就任します。(中略)すぐに国民党を解散させて、国民党議員の資格を剥奪し、大総統の権限を勝手にどんどん拡大させていきます。これが新約法」(238p)であり、合法を表看板として本物の独裁となったのである。
日本から援助をむしり取り、技術を導入し、その金で軍事大国となったパターンは袁世凱にあるというわけだ。
ただし袁世凱は、教養人でもあり漢文古典に通じた知識の高い軍人だった。

 毛沢東は同様な方法で天下を取った。1949年10月1日の天安門に並んだのは共産党のほかに民主諸派七つの『連合政府』だった。その後、毛沢東はじわりじわりと他派を粛清し、権力を固めてゆくのである。
 習近平は政敵を排除して、かたちのうえで憲法を改正して、合法的な独裁者のポストを得た。袁世凱も毛沢東も、その独裁への道のりは、合法という狭き門を一応くぐり抜けるプロセスを必要としたという意味でも共通である。
 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号にマレーシアの総選挙情勢分析があって、「一対一路」のスローガンのもとで、中国の魔手が忍び寄っている現況、よく理解できました。
また火曜日の[FRONT JAPAN]でも写真とパネルで、宮崎さんがこの問題を論じられていたので、その危機的状況、92歳という老骨に鞭打ってナジブ腐敗政権を糾弾しているマハティール元首相の愛国心には感嘆させられました。
遅れて日本経済新聞が4月12日の「社説」で、マレーシア選挙の実情を書いていました。今後も、マレーシア情勢、ご教示願います。
(NK生、さいたま市)



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(読者の声2)三島由紀夫研究会の次回「公開講座」は19日、講師は元国立劇場理事の織田紘二氏です。
 織田氏は昭和42年國學院大學卒業と同時に国立劇場芸能部に入られ、昭和44年から三島由紀夫先生の担当者として三島歌舞伎に携わられました。
 自決までのわずか2年足らずでしたが、最晩年の三島先生との濃密なお付き合いは初公開の秘話ばかり。とくに三島演劇に関しての貴重なお話しが聞けるものと思います。
 織田氏は国立劇場の芸能部長、理事を歴任され、現在は日本芸術文化振興会の顧問をされています。
                   記
とき    4月19日(木)午後6時半開演(午後6時開場)
ところ   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師    織田紘二氏(おりたこうじ、日本芸術文化振興会顧問、元国立劇場理事)
演題    三島歌舞伎の世界
<講師略歴>昭和20年生。北海道出身。昭和42年國學院大學日本文学科卒、国立劇場芸能部に入り、以後三島由紀夫先生の担当として三島歌舞伎に携わる。国立劇場芸能部長、理事を歴任。日本芸術文化振興会顧問。著作に『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』(小学館)、『歌舞伎モノがたり』(淡交社)その他。
会場費   会員・学生1千円(一般2千円)
      「公開講座」ですので、どなたでも予約なしで御参加いただけます。



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(読者の声3)保守の意地の見せどきだ。
【緊急拡散お願い】4.14 頑張れ安倍政権!さらば反日左翼!日の丸国民行動(4/14)ご参加お願いです。

 日時  4月14日(土)13時00分(14時から「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」等の「4.14 国会前緊急抗議行動」が予定されています)。
場所  首相官邸前 〜 第二議員会館前
 主催  「頑張れ日本! 全国行動委員会」
 注意事項 プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)国旗以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい。 
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(1))「習近平独裁でどうなる中国と世界」(『内外ニュース』、4月16日号)
(2)「世界は今シリーズ、ラオス」(『エルネオス』5月号。4月末発行)
(3)「ベトナムの反中スタンスは不変)」(『月刊日本』5月号、4月22日発売)
(4)「習独裁で中国は戦争に打って出るか」(『WIll』5月号、発売中)
(5)「書評 ペマギャルポ氏の新作」(『正論』、5月号、発売中)
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(休刊のお知らせ)小誌、14日(土曜)と15日(日曜)は休刊になります
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『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円) 
『金正恩の核ミサイル 暴発する北朝鮮に日本は必ず巻き込まれる』(育鵬社、1512円)
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宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 

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