国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み << 「貿易詐欺師」(ロス商務長官)=中国が

2018/04/11

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月11日(水曜日)弐
        通巻第5669号 
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 「貿易詐欺師」(ロス商務長官)=中国が「保護主義はよくない」だって
  「規制を更に緩和し、自由貿易体制を推進」と出来もしない空手形を乱発
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 中国海南島ボーアオで開催されている「中国版ダボス会議」で4月10日、習近平が演題に立って、出来もしない空手形を声高に乱発する講演をおこなった。
 とくに自動車産業の合弁規則を緩和し、証券と保険では外国資本の過半出資を容認する。知的財産権の保護と取り締まりの強化、輸入自動車の関税軽減を公言した。

 市場は習発言を歓迎し、またトランプ大統領も、この中国の姿勢軟化を評価するメッセージをツィッター発信したが、習発言の中味をよくよく吟味すれば過去に「努力する」と言いつつ、まるで実行しなかった政策を繰り返しである。

 トランプ政権が要求しているのは「公平な貿易」であって、保護主義ではない。
 米国は自由貿易を尊重する国であり、中国のほうが保護貿易の固まりである。WTOに加盟しておきながらも、規則を守らず、知的財産権を侵害しつづけた。

 だからロス商務長官は言ったのだ。「中国は貿易詐欺師」だと。
 ナバロ通商製造政策局長は、中国を一方的に富ませた政策的失敗はWTOである、として、TPP脱退を進言した中心人物であり、「中国を経済的に豊かにした結果が、中国の軍国主義大国として米国への挑戦であった」と総括する。

 トランプはTPP脱退、NAFTA見直しを進めてきたため、保護貿易主義と誤解されがちだが、国家の基本は自国の利益尊重のうえてにたっての國際強調であり、世界のルールを取り決めたのがWTOである。
 まさに中国はこのWTOを自国有利に解釈し活用し、経済を肥大化させた。

 世界のメディアはリベラル左翼は常習犯だから納得できるが、保守系のウォールストリートジャーナルや、フィナンシャルタイムズのような自由貿易に立脚するところが、トランプを保護主義と認定し、強く批判しているのは奇妙である。英誌エコノミストなど、トランプ批判の急先鋒である。
 
 トランプは報復関税による中国制裁というカードを切ったにすぎず、これを深刻に受け止めた中国が逆宣伝で「米国が保護主義に陥れば、世界経済を冷却しかねず、成長が後退する怖れが強い」などと都合の良いつじつま合わせの論理で反対し、米国への報復関税、輸入制限をちらつかせて応酬する一方で、習近平に自由貿易の重要性の旗を振らせた。つまり中国は、トランプのディールの応じたのだ。

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1715回】          
――「支那人の終局の目的は金をためることである」――廣島高師(4)
  『大陸修學旅行記』(廣島高等師範學校 大正3年)

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 上海城内を歩く。
「何よりも先に一種の嘔吐を催す樣な臭氣が鼻を襲ふて來る。支那人を初めて見るヒトの話でも感ずる樣ないやな感がむらむらと起つて、前に進む足も緩むだ」。「(狭い道路を)流れるやうに汚い支那人が通る」。「恰度迷宮を引き廻さるる樣に汚い支那人と肩を擦るまいと掛念して通り行く」と、「(茶楼では)茶を飲むでは南瓜や、西瓜の種の、鹽煮を齧つて終日眠つたり笑ったりして遊むでいる悠長な國民を見ると可笑しくなつた」と綴る。
どうやら「汚さ」と「悠長さ」とは、幕末から現在につながる中国人に対する日本人の共通認識のようだ。

  南京行きの朝、生徒らにモーニングコールを告げたのは長崎生まれで「九州辯が出て嬉しい十六七歳の女」だった。
彼女は「何にもたよりない上海に只一人來て何の苦もなく働いて居る」。それに対し「私等はそれに僅か數百里の海を越えて來て、如何にも天外萬里の異域にでも來た思いをして居るのが耻かしい樣な氣がした」という。
「實際日本人は却つて女の方が海外發展する。滿洲なども内地へ入り込む前驅はいつでも滿洲髷に結ひかへた日本婦人だときく」とした後、この生徒は「それがよし可なるにせよ不可なるにせよ、今少し天下を股にかける底の男子――人間到處有青山的青年を要するとは現今の世界に特に必要である」と熱く記す・・・のだが。

  上海駅で乗車し南京に向う。
 「一つの山さへも見る事が出來ない。稻の海は何百里となく連なつてもう末は空と接して居る。ただ處々に殘された林地は例の墓地らしい。蔚然と繁つて?い影と作つて居るのは皆楊で非常なるものもある。白鷺が長閑に水鏡して居るあたりにまだ愛らしい辮髪を垂した子供が、その赤い水の中で面白さうに水泳をして居るのが見える」と綴る車窓の風景が、 
やはり日本人にとっての中国、殊に長江下流域の「原風景」といったところだろうか。

  やがて南京下関駅着。
「物寂しい停車場に驚いた。故都と云ひながら今少し大きな停車場と思つて居た眼には誠に淋しい小驛である。然し其の間になつかしい日本人の姿を見た」。
彼らの宿舎である「旅館、寶來館からの店員と、領事館から出迎へ下さつた巡査榮氏であつた」のだ。「寶來館」は「南京全市でたゞ一軒ある日本旅館」で、「吾々が父と頼むで來た日本領事館」は「南京城内の中央高地に高く日章旗がひらめく。巍然と峙ッた赤煉瓦の建築」である。

  南京の各所を散策して、「南京は夢の都である。懷古に生き冥想に蘇るので、一度眼を開けば廢墟、眼もあてられぬ廢墟である」とも、「夜見た南京の街は死の樣な淋しい町であつた。眞晝に見た南京の街は塵と泥棒と汚いがた馬車と、嘔氣を催す樣な臭氣とであつた」とも綴るが、じつは当時の南京は「革命の中心地」であった。
それゆえに「枯落の町の間にも?刺たる革命の氣が漲つて居る」。「支那の官憲は鋭意革命抑壓に力めて拔劍装彈の姿は辻毎に見受けられる」。生徒らが泊まる「寶來館」に一行の取り調べにやって来たそうだが、それというのも彼らが「革命に關係でもあるのではないかと疑つ」てのことらしい。

  ここでいう「革命」は袁世凱打倒を目指した第二革命のことだが、生徒らを案内する劉さんは「袁世凱は豪いから生存中には或は靜かでも彼が死むだら、第三革命は起らずには居るまい」と語っている。
この袁世凱評価については、彼による束の間の帝政復帰と死、さらにはその後の国内混乱までを見据えた時、やはり記憶に留めて置きたい。

郊外へ。「此處にも照りつける百度の日光を石像の影に座つて旅客の合力を求めて居る乞食が居る、支那は至る處で乞食に囲繞せられる國である」。
名言なのか迷言なのか。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌5667号(4月10日付け)で、ハンガリーのオルバン三選のニュース解説がありましたが、日本のメディアは「極右政権」と批判的ですね。
 移民を排除すると極右とよばれるようですが、欧米のメディアの論調を丸写しで、おなじスタンスの報道をする日本のメディアには失望しております。
   (HG生、宇都宮)


(宮崎正弘のコメント)非常に単純は図式化です。極左のメディアから見れば、中立のポジションも右に見えますからね。
 旧東欧諸国はポーランドもハンガリーも、バルト三国もそれぞれがキリスト教社会であり、伝統的価値観から言ってもイスラムの移民流入は神経を尖らせることになるでしょう。西欧でも、オランダ、オーストラリア、イタリアなどが既に保守政権、のこるはドイツとフランスの左翼リベラル政権ですが、ともに薄氷の上に乗った政権維持です。

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  • 名無しさん2018/04/11

     トランプは報復関税による中国制裁というカードを切ったにすぎず、これを深刻に受け止めた中国が逆宣伝で「米国が保護主義に陥れば、世界経済を冷却しかねず、成長が後退する怖れが強い」などと都合の良いつじつま合わせの論理で反対し、米国への報復関税、輸入制限をちらつかせて応酬する一方で、習近平に自由貿易の重要性の旗を振らせた。つまり中国は、トランプのディールの応じたのだ。←情報ありがとうございます。