国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<ロシアはベトナムとも濃密な関係を維持している。

2018/04/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月6日(金曜日)
        通巻第5663号 <前日発行>
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 ロシアはベトナムとも濃密な関係を維持している。
  米国は空母を寄港させたが、武器システムはロシア製が主流
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(承前) アジア諸国は、南シナ海へ中国海軍が進出している現実を目の前にして、さかんにバランス外交を展開している。
つぎにベトナムをみておこう。

2017年6月29日、クレムリン宮殿を訪問したベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席とプーチン大統領はテレビカメラの前で抱擁を交わし、その友好関係が不変であることを内外に示した。
 ロシアにとってベトナムは長い間の友好関係がある。ベトナム戦争中、ホーチミンルートを通じて中国は共産ゲリラに武器を補給し続けたが、ソ連もベトナムはカムラン湾などの港へ支援物資を陸揚げした。
旧ソ連を、共産主義が主導したベトナムはもっとも頼りにした。

冷戦終了、ソ連が崩壊したあと一時的な混乱はあったが、新生ロシアになってからも、最大の武器輸出国は、中国、インド、そして3番目がベトナムである。
 ダナンに米国海軍の空母が寄港した時、ベトナム人は歓迎の旗を振り、また米国上院の有力議員マケインが議員訪問団を組織してハノイを訪問して大歓迎を受けているものの、ならばベトナムが米国製武器を購入したかといえば、NOである。

 ダナンに上陸した米兵はフットボールの親善試合やロックンロール大会に興じ、ベトナム側は伝統の水上人形劇などを披露して交流の輪を拡げた。しかし2016年のカールビンソン寄港時を除き、軍事演習はなかった。中国の南シナ海支配への対抗措置として米海軍は「航行の自由作戦」と称するデモンストレーションを南シナ海で展開したが、戦争の準備でもなく、言うならば、「政治ショー」だった。
 
 2011年から2015年までの統計でベトナムが購入した兵器の93%がロシアからのものだった。


 ▲ベトナムは共産党一党独裁だという事実を忘れていないか

 ベトナム共産党の上層部では目に見えない権力抗争があり、米国派はトップレベルの政治家にはいないと観測されている。
 たとえばグエン・ファン・フック首相は親中派、前首相のグエン・タン・ズンは知日派だったが、政争に敗れて引退を余儀なくされた。

 かれらは当面、米国との関係の緊密ぶりを政治カードとして活用し、中国への牽制をしているし、これからもこうした均衡策を続行するであろう。

 2009年にグエン・タン・ズン首相(当時)がクレムリンを訪問した際に、ロシアは六隻のキロ級潜水艦、300キロ射程の地対地ミサイルの供与を決めた。これらはすでにベトナムに搬入され、南シナ海での中国との軍事衝突に威力を発揮するだろうとベトナム国防省は言う。

 2016年にベトナムは国産のコルベット建造に成功した。艦上のミサイル射程は130キロである。

ベトナムがそこまで軍艦の造船技術を獲得したことは「格段の進歩」である。
2011年以来、ベトナムは中国との海戦に備える兵力の増強に躍起だったが、2018年3月現在、129のミサイルシステムと、36機の戦闘機、8隻の海軍艦船を保有していることになった。
 
 ただしロシアは同じ性能か、もしくはやや高等な兵器システムを同時に北京にも売却しており、このような均衡と牽制のゲームが中露越の間に展開されている限り、米国の兵器がベトナムへ輸出される日はまだまだ遠いという状態が維持されるだろう。
 
 いずれにせよ、アセアン諸国は中国の脅威を前にして武器の調達では米露との均衡策をとり続け、反共を国是としてきたインドネシアまでがロシア製武器や戦闘機を購入し、米国離れを起こしている事実を記憶しておく必要がある。
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(休刊のお知らせ)7日(土曜)、8日(日曜)は小誌休刊の予定です。● 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)逃げ足の速いゴールドマンサックス、こんどは香港からも逃げ出すという噂があります。同社はリーマンショックを口実に、保有してきた中国工商銀行の株式を売り抜けて身軽になりました。こんどは香港からも拠点をほかに移すという路線変更でしょうか?
   (HF生、大手町)


(宮崎正弘のコメント)そのニュースは正確ではないですね。ゴールドマンサックスは香港の一等地セントラル地区から、ちょっとはずれて銅鐸湾(コーズウェイベイ)地区のビルに引っ越すというのが深層です。
理由はセントラルに入居してきたビルが、いきなり家賃を30%増やすという暴挙に対抗し、チト安いビルへ移転し、コストを削減するだけのことです。



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(読者の声2)フィリピンの有名なリゾートであるバラカイ島が、4月26日から半年閉鎖されるそうです。私も行ったことがありますが、「環境汚染浄化」との理由が挙げられ、現地を視察したドゥテルテ大統領の鶴の一声で決まったそうですが、裏の理由がありそうですか?。
   (DF子、横浜)


(宮崎正弘のコメント)ドゥテルテ大統領は、有名なホワイトビーチなど現地を視察中、「ここは肥溜めか!」と言ったほど、すごい環境汚染です。原因? 確かめる方法がありませんが、ツーリストの大半が中国と韓国から。
 日本人観光客は、もう少し南のセブ島に集中しており、直行便もあります。
 バラカイはアジアのリゾートで第二位という人気でしたが、五星ホテルが三軒、そのなかにはシャングリ・ラとリージェンシーも含まれます。
同島には、ほかにゲストハウス、バックパッカー専用宿など300軒、レストランや土産店など、およそ三万名の従業員が半年の間、失業となり、家族を含めると十万人が無給状態となります。そうまでしても、美しい海を取り戻そうというわけでしょ。
 それにしても麻薬製造、密売人およそ一万名を射殺し、IS系のマウテ集団が乗っ取ろうとしてマラウィには軍を動員して殲滅、同市は廃墟になりました。つぎつぎと、このドゥテルテ大統領、まさに「ダーティハリー」。人権無視にマニラでは評価が分かれますが、出身地ダバオへ行くと英雄、神様扱いです。



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(読者の声3)産経新聞ワシントン駐在客員特派員 古森義久先生独演会「トランプ政権と日本、中国そして朝鮮半島」
 古森義久(こもりよしひさ)先生 産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授
1941年、東京生まれ、1963年、慶應義塾大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。米国留学後、記者として東京本社社会部、外信部を経て、1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1981年、米国カーネギー財団国際平和研究所上級研究員。東京本社政治部編集委員を経て、1987年、外信部副部長。
同年に毎日新聞社を退社して産経新聞に入社、ロンドン支局長。1989年、産経新聞ワシントン支局長。1994年、同ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員。1998年、中国総局長、産経新聞の31年ぶりの北京駐在再開の責任者となる。2001年から再度、産経新聞ワシントン駐在編集特派員兼論説委員。2013年から産経新聞ワシントン駐在客員特派員。ボーン国際記者賞、講談社ノンフィクション賞、日本新聞協会賞、日本記者クラブ賞等多くの賞を受賞。フジテレビ、ニッポン放送、文化放送、CNN、FOX、PBSなどの日米のテレビ、ラジオにコメンテーターとして出演。文藝春秋、中央公論、SAPIO, 諸君!、正論、WiLL、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、インディペンデント等の誌紙に論文寄稿多数。著書『戦争がイヤなら憲法を変えなさい 米中対決と日本』『トランプは中国の膨張を許さない!』『古森義久がオバマ・習近平・朴槿恵・金正恩を斬る』『なにがおかしいのか?朝日新聞』『迫りくる「米中新冷戦」 日本と世界は大動乱の時代を迎える』『危うし!日本の命運』『アメリカが日本を捨てるとき』『ベトナム報道1300日』等約80冊。
            記
【日 時】 平成30年4月14日(土)14時30分〜16時30分(開場:14時)
【会 場】 文京シビック4階シルバーセンターホール(文京シビックセンター内)
(メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」直結 都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
【参加費】 事前申込:1500円、当日申込:2000円(学生千円、高校生以下無料)
【懇親会】17時〜19時頃 参加費:事前申込3500円、当日申込4000円
【申込先】 4月13日23時迄にメール又はFAXにて(当日受付も可)(懇親会は4月12日 23時迄。当日は混雑が予想される為 事前申込の無い方の入場は講演10分前)
【主 催】  千田会 https://www.facebook.com/masahiro.senda.50
       https://twitter.com/Masahiro_Senda
       FAX 0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
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