国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<中朝首脳会談の成果とは果たして何があったのか?

2018/03/30

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月30日(金曜日)弐
        通巻第5652号  
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 中朝首脳会談の成果とは果たして何があったのか?
  中国にとっては「テーブルのイスを確保したに過ぎない」
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 習近平はカメラの前では大人の顔だった。いや宗主国としては、そう振る舞わざるを得ないだろう。しかし金正恩から何を得たか?
 「非核化」というレトリックはあったが、時期も条件もなにも明示されずに「段階的に同時並行的に」という条件が金正恩から示されたが、煎じ詰めれば何もしないという過去のパターンを別の表現でしているだけで、日米の要求する「完全な、不可逆的な」要件を一つも満たしていない。

 しかし、金正恩を北京に呼んだことは、中国がテレビ演出を通じて、米国にメッセージを送ったのである。
「中国を抜きにことを進めることは出来ませんぞ」と。
 
 「中国はテーブルのイスを確保したに過ぎない」と米国の『ナショナル・インタレスト』(3月29日号、電子版。オリアナ・スカイラー・マストロ女史)は書いた。マストロ女史はジョージ・タウン大学準教授。かねてから米国の北朝鮮攻撃はあり得るだろうし、あるいは米国と中国が共同で軍事行動にでると予想してきた。

 事実、北朝鮮の核実験ならびにミサイル実験のたびに中国海軍は渤海湾と黄海で軍事演習ならびにミサイル迎撃ミサイル実験を大規模に行っている。
いったん事態が危機となれば、中国軍は出動するというメッセージを北朝鮮に伝えるためである。中国はチャイナ・ロビィだった張成沢を粛清し、中国が保護した金正男を毒殺し、しかも習近平の晴れ舞台だった北京APECと、一帯一路國際フォーラムの朝に、これみよがしの核実験、ミサイル実験をやって習の顔に泥を塗ったロケットマンを心から許しているとはとても考えられないだろう。

金正恩は博打に出た。トランプがそれに応じた。だから北京は焦ったのだ。舞台はがらりと場面を変えたのだ。

南北朝鮮の首脳会談(板門店)に関してはソウルから北京に挨拶があった。米朝会談はトランプの思いつきとは思えず、事前の入念な準備工作の上になされたと習近平は読んだ。しかにトランプが外交素人とはいえ、周囲には専門家がいる。

長い列車を仕立てて北京にやってきた金正恩に破格の待遇をなしてもてなしたが、土産は与えなかった。
中国は経済制裁の手綱を緩めず、制裁緩和の言質も与えず、しかし説明に緊張してやってきた金正恩を「呼びつけた」かたちにして厚遇してみせる必要があった。
政治演出として最重要課題であり、ネットに溢れた「金三代の豚がきた」という文言は一斉に削除された(それまで金正恩の批判は意外に自由だった)。

 筆者は、こうした分析にもう一つ、習近平が意図したのは、米朝会談でのトランプの準備しているシナリオに、横合いからの警告をなした意味があると考える。米国もまた、この状況では米朝首脳会談を再考せざるをえなくなった。

 習近平を金正恩の首脳会談という演出は、中国にとっては対米メッセージが多分に大きな要素であり、同時に横から介入してきそうなプーチンへの牽制球でもある。なにしろ会談に臨んだのは王こ寧、楊潔ち、王毅と習の外交ブレーンが勢揃いだった。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1711回】             
――「支那人に代わって支那のために考えた・・・」――内藤(18)
  内藤湖南『支那論』(文藝春秋 2013年)

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 これまでは袁世凱陣営、つまり「北方が成功したと仮定」しての議論だが、かりに南方の革命党(=反袁世凱勢力)が勝利したとしても、「とにかく新しい国家を組織して、それを成り立てて維持して行くというには、第一にはそれを遂行するだけの人物を要するわけである」。
じつは革命党陣営にも「色々な人物がおるのであるが、日本(維新政府)のごとく支那の国を負担して、そうして大改革を遂行すべき人物」は見当たりそうにない。そのことが、じつは革命党の最大の欠陥だと指摘する。

  ここで内藤は議論を外圧に転じた。
 清末以降、辛亥革命から第二革命期まで外圧は一層激しくなっているから、外圧によって局面が転換する可能性は高い。そうなった場合、「支那の前途というものは、いよいよ以て危険を感ずるわけである」。
にもかかわらず「革命党の立て者になっておる人間」にも多くは期待できそうにない。であればこそ、「いよいよ以て危険」となる。
  袁世凱陣営にせよ革命党にせよ外圧に対処できるほどの人物が見当たらないうえに、双方に外交交渉を担いうる人材がいそうにない。「袁世凱の現在の政府でも常にこの外交に対して清朝の末路よりかも遥かに軟弱に傾いておる。蒙古の問題についてロシアに譲るとか、また西蔵問題についてもイギリスに譲らなければならぬようになるとか」を考えると、ますます軟弱に傾くと予想せざるを得ない。

 これを日本に置き換えると満州問題の取り扱い、ということになる。「日本の対支那行動について何か容易ならぬ野心があるような議論を出す者がある」が、「これについては日本の立場として日本の態度、意見を表明しなければならず、支那としても対日の態度という者を自覚しなければならぬ」。「日本は自分の利益上やむを得ず支那を保全しなければならぬというものではない」。やはり日本、ロシア、イギリスの3国は「自分のやむを得ざる立場というものでなくして、つまり自分の権利としてこれ(保全論)を発言することが出来るのである」。
「色々な関係から自分の権利として支那の保全を主張しておる」ことを諸外国のみならず、「また支那人にもその意味を呑み込ませ、日本人も自らその意味を明確に自覚する必要がある」。

  かくして内藤は「今後ともしばしば局面の転換を経て、その度ごとに何らかの損害をその交際しておる国が蒙るということがあっては、その自分の立場というものを十分に自覚する必要が確かにあるのであって、殊に外交の局に当る者などは、その意味で支那に臨まないと大なる謬見に陥り、また大なる自分の不利益をも来すのであると思う」と結ぶ。

  変革期や混乱期のみならず安定期であればなおさらのこと、どのような姿勢で隣国に向い合い、どのようにして自国の国益を最大限に確保するのか。

  内藤の指摘は正鵠を得ていると思う。
彼の主張がそのような形で国政に反映され、輿論を裨益し、国論を動かすことはあったのか。それを明らかにするには詳細な検証が必要だが、改めて「今の日本政府には、こういう考えのありそうにも思われない。それで日本では、朝野ともに支那の政争を野次馬的に眺めて、わいわいと騒ぎまわるものの、自分の国でも、そのために政府と民間と互いに理窟を言い合うて、自分の国で大いになすべきことのあることを遺却しておるかと思う」(「支那現勢論」)の一節が気になる。
どうやら当時も「こういう考え」、つまり大局観はみられなかったということだろう。

  次に『支那論』の本論に移りたいが、小休止して内藤が深刻な議論を展開していた頃に現地を歩いた人々の旅行記を読んでおきたい。
それというのも彼らと内藤の考えの違いに、以後の日本が辿る対中政策の紆余曲折の萌芽が見つかるかもしれないからである。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)三島由紀夫研究会の四月の「公開講座」講師は元国立劇場理事の織田紘二氏です。
 織田氏は昭和42年國學院大學卒業と同時に国立劇場芸能部に入られ、昭和44年から三島由紀夫先生の担当者として三島歌舞伎に携わられました。
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 織田氏は国立劇場の芸能部長、理事を歴任され、現在は日本芸術文化振興会の顧問をされています。

とき    4月19日(木)午後6時半開演(午後6時開場)
ところ   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師    織田紘二氏(おりたこうじ、日本芸術文化振興会顧問、元国立劇場理事)
演題    三島歌舞伎の世界
<講師略歴>昭和20年生。北海道出身。昭和42年國學院大學日本文学科卒、国立劇場芸能部に入り、以後三島由紀夫先生の担当として三島歌舞伎に携わる。国立劇場芸能部長、理事を歴任。日本芸術文化振興会顧問。著作に『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』(小学館)、『歌舞伎モノがたり』(淡交社)その他。
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