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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <,中国の国内治安対策費用 国防費より18%も多く、ウィグル自治区、

2018/03/14

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月15日(木曜日)
       通巻第5638号   <前日発行>
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 やっぱりそうか。中国の国内治安対策費用
  国防費より18%も多く、ウィグル自治区、青海省チベット村、北京で急増
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 前から指摘されてきたが、詳細データの公式発表がないので、闇の案件だった。
 中国の国防費とて、ロケット開発などは、科学費用に算入されており、実際の中国人民解放軍の予算は、公表数字の二倍以上、おそらく三倍と言われる。

 その国防費よりも多額の予算配分が国内治安対策である。
 2014年のウルムチ暴動以降、新橿ウィグル自治区の武装警察増強に伴い、防犯カメラ、放水車、ガス弾、軽火器など防備を強化、検問所増設などに費用が投下された。
次に多いのは青海省、四川省、雲南省などに広がる奥地のチベット自治区でラサ、シガツなどチベット自治区そのものへの予算配分はむしろ微減だった。

 さらに首都北京に注ぎ込まれた治安対策費も膨大で、地下鉄の駅にまでX線探知機を導入し、防犯カメラの設置個所を増やした。そればかりか、顔面認識ができる精度の高いカメラと交換し、新幹線のチケットはIDカード(外国人はパスポート)提示が絶対条件となって、その真贋を判定する機械も大量に導入せざるを得なかった。

 米国の有力シンクタンク「ジェイムズタウン財団」の『チャイナ・ブリーフ』(2018年3月12日号)に寄稿したアドリアン・ゼンズ(独の社会技術学校研究員)の計算に拠ると、省別の治安対策費を2016年と2017年で比較した一覧で、増加比率トップは新橿ウィグル自治区が92・8%、ついで北京32・7%の増加、青海省26・9%、雲南省17・1増%となっていることが分かった。
いずれもウィグル独立運動過激派とみられるテロが起きた地域である。
 
 一年間の予算膨張率は93%、過去十年で国内治安費用はじつに十倍となった。

 中国の公表数字はわずか260億ドルだが、西側専門筋は、この少なくとも六倍の1970億ドルに達していると推計され、さらに中国は警察や軍人の給与がやすいので、これをPPP(購買力平価)に換算しなおし、西側の計算標準を用いて推計すると、中国の国内治安対策費は3490億ドルと推計された(ちなみに米国情報筋の見積もりでは1650億ドル、実態はその二倍ということである(同誌)。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ティラーソン国務長官の解任で、ホワイトハウスは混乱の極み。これほど落ち着きがないと、アメリカ外交も閣内統一ができずに、ますますよたよたするのではありませんか。
ま、そうは言っても、日本だって閣僚はしょっちゅう変わりますから。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)どちらかといえば親中派のティラーソンでしたから、中国とは敵対せず、ウィンウィン関係でやっていけると、キッシンジャー仕込みの姿勢が、対中関係の立ち位置を変えたトランプにとっては、邪魔になった。ということでしょう。
 次に解任の噂があるのはマクマスター安全保障担当大統領補佐官で、かわりにジョン・ボルトン元国連大使が充当という説が飛び交っています。
 ボルトンは保守タカ派で、リベラルからの攻撃にさらされるでしょうが、このポストは議会承認が不要ですので、かなり実現性は高いように見受けられます。

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  • 名無しさん2018/03/15

    NHKは嘘を言わないように。

    ・朝鮮が属国だったから、朝鮮からの使節が外交使節でなく朝鮮通信使とされたこと

    https://quasimoto2.exblog.jp/23852873/

  • 名無しさん2018/03/15

    “口先外交”の破綻 

    http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2018/03/13/142904

    福島瑞穂や辻元清美は恐喝常習犯の極左テロ集団の共犯者か

    http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7014.html

    北も南も朝鮮は国と思うな。ただ、朝鮮人がいるだけである! 

    https://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12359960627.html

    真面目だった悪代官

    http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3695.html

    森友の要「朝日の答え合わせ」に注目。汚物は消毒だ。 

    https://ameblo.jp/japangard/entry-12359654646.html

    日教組書記長朝鮮人学校補助金談話

    http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/03/13/2410-%e6%97%a5%e6%95%99%e7%b5%84%e6%9b%b8%e8%a8%98%e9%95%b7%e6%9c%9d%e9%ae%ae%e4%ba%ba%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e8%a3%9c%e5%8a%a9%e9%87%91%e8%ab%87%e8%a9%b1/

    従軍慰安婦問題、提訴者の韓国人女性(朝日:植村元記者義母)「詐欺」で逮捕

    http://hatekorea.blog.fc2.com/blog-entry-150.html

    秋日子の多趣味日記

    https://www.google.co.jp/search?q=%E7%A7%8B%E6%97%A5%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%A4%9A%E8%B6%A3%E5%91%B3%E6%97%A5%E8%A8%98&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjAs_nWruvZAhXJgbwKHTxxCSAQ_AUICigB&biw=794&bih=449

    20代、30代に急増する『スマホ認知症』の恐怖ーーそのメカニズムを解説!

    https://gunosy.com/articles/aEu8h

    米軍が正式公表した「正体不明の高速飛行物体を追跡する戦闘機スーパーホーネット」のビデオ

    https://indeep.jp/omen-for-rump-means-america-keep-something/

    ウイグル絶望収容所の収監者数は89万人以上

    https://news.biglobe.ne.jp/international/0313/nwk_180313_7022671215.html

    リニア実験線で実証された自然破壊と健康被害!! 

    https://iwj.co.jp/wj/open/archives/328900

    ”「ゴーマニスト」宣言(105)

    https://nittablog.exblog.jp/14004909/

    インフルエンザワクチンの副作用により全身じんましんが2年間続く

    http://kenkoubyouki.com/?p=6194

    毎日新聞社は自らペストになった日

    http://oncon.seesaa.net/article/457194835.html

    暴走する韓国の歴史教科書 なぜここまで歴史を捏造するに至ったのか 

    https://ameblo.jp/e-fh/entry-11618920034.html

    オウム真理教と北朝鮮の関係、菅直人、TBS、坂本弁護士一家殺害事件 

    http://hosyusokuhou.jp/archives/29571564.html

    「菜根譚」を読む(88) 動中の静 

    https://blogs.yahoo.co.jp/mrnph111/10460161.html

    悪魔主義、世界支配計画

    https://shanti-phula.net/ja/social/blog/wp-content/uploads/2018/03/180313_1100_2.png

    心に残る名言

    http://www.cooking-korea.com/com/19013.html

    .....半島有事の際、南北朝鮮人は隔離送還となる。

    https://blogs.yahoo.co.jp/matarou5963/18850692.html

    平井毓太郎

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E4%BA%95%E6%AF%93%E5%A4%AA%E9%83%8E

    言霊

    http://1qazxsw2.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-050a.html

    雪国でも八戸にはあまり雪が降らない

    https://alcom.alc.co.jp/users/142023/diary/show/153015

    変なお辞儀の正体

    http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/56/353f39b95380a4113efdcb434a654799.jpg

    「日本奥地紀行」イザベラ・バード 平凡社 

    https://akikomichi.exblog.jp/25840441/

     

  • 名無しさん2018/03/14

     トランプ大統領は、3月8日(ワシントン時間)、北朝鮮の金正恩と五月末までに首脳会談を行う旨を明らかにした。安倍晋三はこの直後(日本時間、3月9日午前)、トランプ大統領と電話協議を行い、その内容要旨を記者団に語ったが、この時、安倍晋三は肩をがっくり落とし顔面蒼白だった。  



     トランプ大統領の、金正恩との首脳会談発表は、3月6日に韓国の文在寅が金正恩と首脳会談を(四月末までに)行うとの発表に続くもので、まさしく日米韓三ヶ国同盟における「日本抜き」いや「安倍外し」が確定した瞬間ともいえよう。金正恩は、経済制裁包囲網の中核である日米韓に見事な楔をぶち込むことに成功した。



     これはまた、「世界が連携した経済制裁をすれば、北朝鮮を非核化に追い込める」と吹聴し主導した安倍晋三の「経済(経済制裁)オンリー外交は、軍事力に優る」という、余りに幼児的発想が破綻した瞬間だった。安倍晋三と日本国に突きつけられた冷厳な現実は、「(多少、早かったとは言えるが)当然に来るべきものが、やっぱり来たか」であって、それ以外ではあるまい。



     「共産国や全体主義国家とは、決して外交交渉をしてはならない」ことの真理性は、英国の外交天才ウィンストン・チャーチルが対ヒトラー外交で口酸っぱく英国民に説き、これをせせら笑ってヒトラーと交渉し自滅したチェンバレン英国首相の「ミュンヘン会談(1938年)の愚行」として人類史の教訓となっていることで、自明の中の自明。この意味で、米国のトランプ大統領の金正恩との外交交渉は、愚行の最たるもので、ビスマルクの名言に従えば、「トランプは、歴史に学ばない愚者の極み」に他ならない。



     共産国や全体主義国あるいは(現在のプーチンの新ロシア帝国のような)専制体制国は、その社会が閉ざされた密室のために、独裁者の外交は国内から誰一人の批判も指弾も受けない、完全なフリーハンド。



     それのみか、ソ連や北朝鮮などの共産国ではマルクスの狂気に従って「人類に普遍的な倫理道徳や法的正義が、《資本主義国の支配階級ブルジョアジーに特異な道具》」として唾棄・排除されており、このため独裁者はあらん限りの嘘や騙しをしても、それが共産国体制維持の目的に沿っているなら、神の託宣と同等の至高の真理に扱われる。倫理道徳や法的正義を全面無視できるということは、外交慣例や国際法から全面的に背離しても構わぬということ。つまり、倫理道徳にも国際法の法的正義にも拘束される自由社会の指導者が全体主義国家の独裁者と会談することは、外交テーブルにおける“交渉手段の非対称性”という天文学的な差異(巨大ハンディキャップ)を背負わされて交渉する羽目に陥る。  



     だから、かつて、ソヴィエト・ロシアと外交した(スターリンとの)ルーズベルト大統領も、(フルシチョフとの)アイゼンハワー大統領も、(ブレジネフとの)ニクソン大統領も、外交交渉における米国の全面敗北という“最悪事態”を米国や自由社会全体にもたらしたのである。  



     このような米国戦後史における対ソ外交連続大敗北という愚行を学んだ米国レーガン大統領は、対ソ“無交渉の交渉”という最高の外交大鉄則に踏まえることにした。そして、“強大な軍事力による包囲encirclement”で、戦争せずに敵に全面屈伏させる“戦わないで全面勝利”を達成する『孫子の兵法』の実践を内外に宣言したのである。1981-84年の丸四年間、レーガン大統領は公約通り、ひたすら軍備の大増強をし続け、同時にチャーチル直伝の“無交渉の交渉”を頑として貫いた。  



     要は、対北朝鮮外交は、“米国戦後史における対ソ外交敗北史と勝利史の双方を比較しつつ学べば済む”話。「対共産国の外交・軍事政策」に関する一般原理を、事例国を北朝鮮として、序列化で纏めておこう。  



    1、ベスト;「戦争せずに、北朝鮮の自壊を勝ち取る」。  



    2、セカンド・ベスト;「戦争によって、北朝鮮を自壊・消滅させる」。  



    3、・・・・・  



    4、・・・・・  



    5、セカンド・ワースト;「経済制裁の強化で、核兵器開発を中断させる(放棄や非核化は不可能)」。  



    6、ワースト;「外交交渉で核兵器開発を中断・放棄させ、非核化する(=非現実な願望・夢想)」。



    「北朝鮮の自壊なければ、朝鮮の非核化なし」を、“トランプは知らない”と言えるか?



     さて、5月末までの適当な時期にスイスで金正恩との首脳会談を唐突に決断したトランプ米国大統領は、その外交目標として、何を考えているのだろうか。少なくとも、上記の第一「戦争せずして北朝鮮を自壊・消滅させる」は、トランプの頭にはない。過去一年にわたるトランプ発言に、これを示唆する一欠けらの片言隻語も見当たらない。が、第二番目の「戦争によって、北朝鮮を自壊・消滅させる」の選択肢については、ツィッター等から判断すれば、頭の中では相当に考えていたようだ。



     ところが、今般、トランプは、この第二番目を完全に捨てた。そればかりか、これまでの米国政府としての公式政策だった第五番目を一気に格下げして第六番目の最愚策に舵を切った。なぜだろう。少なくとも、これまで約一年近く、トランプは安倍晋三とは協調的に、しかも安倍以上に厳しく、対北経済制裁に熱心であった。つまり、第五番目は不動の政策で、第二番目への移行もありうると見做すのが世界の専門家の一致する見解であった。



     やはり、トランプの対北朝鮮政策の転機は、2017年11月6日の訪日時、安倍晋三との首脳会談における、安倍晋三に対する失望と蔑視に始まったと言えるだろう。  



     この訪日時にトランプが、安倍晋三と日本に期待し、会談の席で具体的に要望したのに安倍晋三がケンモホロロに蹴った、重大な米国側の利害がある。この仕打ちにトランプは、安倍晋三から自分の頬を思い切り引っぱ叩かれたと感じたことは、憶測するに間違いなかろう。トランプの訪日と訪中の最大の目的は、雇用改善と米国経済の再生のための“バイ・アメリカン 米国製品を買おう”させることである。同日のテレビ報道の画面からも、皮肉を込めて安倍晋三に再考を喚起するトランプの顔に、不快と不満と苦渋とが滲み出ていたのが読み取れた。なお、中共の習近平はこのトランプの心の中を見透かして、28兆円という巨額のバイ・アメリカンをやってのけた。トランプに平然とゼロ回答した安倍晋三に対し、トランプが、日本に対して大いなる失望と落胆したことは、指摘するまでもないこと。  



     首脳会談で安倍が蹴り飛ばすように拒絶した内容を、共同記者会見でトランプは、こう語った。  





    「非常に重要なことは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」



    「米国は、世界最高の兵器を製造している。日本が(国防に必要な兵器を買えば)米国に多くの仕事を、日本に多くの安全をつくる」(『朝日新聞』2017年11月7日付け)。



     日本が軍事力を国防レベルに改善して防衛態勢national defense postureを固めない限り、米国は上記の第二番目策はとれない。なぜなら、たとえ圧倒的に優勢な側の戦争でも、被害ゼロで済ますことはできない。北朝鮮は、トランプ米国の軍事力行使で滅ぶ前に必ず日本国だけには一撃を加えて、一種の無理心中に持ち込むのは常識でもわかる話。この無理心中に対して被害最小化の国防力の構築を安倍晋三が拒否している以上、トランプは第二番目の策を採用することはできない。



     だが、反・国防主義の安倍晋三は、第5番目だけで、すべてが解決すると思い込んでいる。自分がトランプをして、第二番目策の放擲と第六番目への撤退へと踏み切らせたことすら理解できない。 



     日本の全土は、今の時点に限っても、?北朝鮮からノドン弾道ミサイル数百基の標的にある事、?尖閣諸島はいつでも中共の空母機動部隊と原潜部隊に掩護された(数百隻ではなく正真正銘に)数千隻からなる上陸部隊が急襲・即時占領できる情況にある。ここでは?ロシアの北海道侵攻準備態勢に対しては言及しない。上記の?についてはAとBに分け、?をCにして、それぞれへの防衛力整備の基本的な一例を示しておこう。



    A、北朝鮮のノドン弾道ミサイル対策;積極防御active defense



     核弾頭や化学弾頭を搭載したノドン弾道ミサイル数百基を半分でも三分の一でも発射前に叩く、国連憲章が防衛として認めている先制攻撃の兵器体系として、最小限、原子力潜水艦四隻とトマホーク巡航ミサイル数百基が喫緊に必要である。前者については、米国には中古のロサンゼルス級が数十隻モスボールされており、このうち質のいいのを四隻購入すればいい。一隻当たり仮に500億円としておこう。中古なので、もっと安くなる可能性もある。  



     トマホークは一基一億円であり、三百基購入しても300億円である。



    B、北朝鮮のノドン弾道ミサイル対策;消極防禦passive defense



     ノドン弾道ミサイル迎撃は、パトリオット補強のTHAAD八セットなしには、現状では穴だらけの破れ傘である。陸上配備型イージス・アショア二セットの追加は、余りに貧弱な現状のイージス艦三隻配備体制を補完するもので、THAAD八セットの持つ強力な防御能力を代替することはできない。



    C、中共の尖閣侵略を阻止する防衛対策



     尖閣諸島を中共から防衛するに、ローテーションを含め上陸作戦阻止用の軽空母四隻を直ぐにも配備しなければならないし、この軽空母に搭載する艦載機F35Bは最低でも60機が必要となろう。だが、防衛省や海自はヘリ空母的な輸送艦「いずも」改造でお茶を濁そうとしている。だが、「いずも」には、ウェル・ドックがなく、尖閣諸島防衛などの上陸作戦阻止用の軽空母としての機能を持ちえない。スペイン製の「ファン・カルロス一世」(満載排水量2万8千?)が、この種の上陸作戦阻止用の軽空母としては最適である。ただ、米国からの購入が至上命令だとすれば、ワスプ級強襲上陸艦となるが、私の知る限り、まだ一隻も退役しておらず中古はない。難しい決断となろう。  



     この「ファン・カルロス一世」四隻であれ、今直ぐ発注しないと、建造期間が要るので、防衛に間に合わない。だが、日本では、国防問題を国民の意識から一掃するに、津波とか地震とかの情報を執拗に大仰しく流し、さも国防問題など必要性がないかの騙しと洗脳に、NHKもすべての民放も、日々、精を出している。一億人以上もいながら、今では日本国民は、上九一色村のオウム真理教のサティアンに収監されたに等しく、「国防忘却=亡国歓迎」の狂信状態にある。      



    表1;日本が緊急購入すべき米国製武器は1兆7千億円。「28兆円」の一割未満。



    f:id:nakagawayatsuhiro:20180313133113p:plain



    トランプは、金正恩が「火星15/14号」を解体すれば、それで満足する可能性が高い



     さて、話をトランプと金正恩の会談に戻す。その結末は、日本にとって好ましい“決裂”になる可能性の方が薄かろう。金正恩は、対米国本土攻撃用のICBM「火星15号」「火星14号」を破壊することを約束し実行する可能性がある。それらは、射程が1万3千?と1万?で、米国本土に届く。「テポドン2号」など、ハワイ攻撃用のIRBMの解体なども、金正恩が妥協するかも知れない。が、金正恩は、対日用のノドンについては、決して妥協しないだろう。  



     いや、表面上「ノドンも解体する」と約束される方が、日本の安全保障は致命的に毀損される。なぜなら、ノドンは、少なくとも200基が生産配備されているし、400基を超える可能性がある。その正確な数は全く分かっていない。しかも、「すべてを解体した」との北朝鮮の宣言を検証(verification)する方法が全くない。「非核化」など現実には全く不可能で、北朝鮮は対日用の膨大な弾道ミサイル数を保持し続けることができる。  



     さらに、日本にとってより危険なのは、残存核弾頭については放射線が射出されるのでまだ発見し易いが、VXやサリンなどの化学弾頭についての検証は、初めから土台無理。農薬との区別がつかないし、一般民生用の化学プラントに隠せば、発見など不可能。北朝鮮の非核化は、金正恩の独裁体制の崩壊と北朝鮮の消滅以外の方法で実現することなど、万が一もあり得ない。



    国防拒絶症の日本は、「対北朝鮮の属国化or東京の廃墟」の選択に必ず直面する



     事態をここまで悪化させたのは、2012年末に政権の座につきながら過去五年間、安倍晋三は、教条的な共産主義者であった安倍晋太郎の息子らしく、反・国防主義を貫き、戦車を半減するなど防衛力の弱体化に努めてきた。“戦えない自衛隊”を“戦える国防軍”にしようとすらしない。公務員からなる自衛隊と軍人からなる国防軍との相違すら、チャラ男で選挙屋の“阿呆”安倍晋三には理解できない。無知は、無恥と仲がいい。



     しかも、消費税増税分を教育無償化に振り替えるなど、安倍晋三には選挙目当てのバラマキ福祉しか念頭にはない。



     激情で精神不安定な破天荒男トランプ大統領すら、「安倍晋三は信用できない」とついに喝破したのである。“安倍晋三はずし”と“日本抜き”で、米国と韓国は北朝鮮からの自国の安全確保に一歩足を踏み出した。



     その後の金正恩は、化学弾頭主体のノドン・ミサイルを日本のみを標的にして、日本から年二-五兆円以上を巻き上げる恫喝外交で、左うちわの国家運営をする事ができよう。例えば、「VX化学弾頭搭載ノドン・ミサイルを十基投下する」との脅迫に、東京オリンピックを開催したい安倍晋三も小池百合子も、北朝鮮に“みかじめ料”十兆円を直ぐに支払う、そんな事態が決して来ないと言い切れるだろうか。

  • 名無しさん2018/03/14

    トランプ大統領がティラーソン国務長官を更迭し、ポンペオCIA長官と交代させました。後任のジーナ・ハスペルはCIA拷問監獄を監督していた人物とのこと。

      世界平和の方向に舵を切ったキッシンジャー博士と協力して動く意志がある人物のようです。

      ティラーソン氏の解任は、朝日新聞が“北朝鮮問題でもティラーソン氏は蚊帳の外だった”と記しているように、水面下で北朝鮮との秘密外交に従事していたポンペオCIA長官が引き継ぐ形になったようです。要するに、トランプ政権は北朝鮮問題の解決に本気の布陣で、さらに言えば、今後行われる予定のニュルンベルク風裁判において、水攻めCIA長官は適材適所だと考えたのかも知れません。

      今回のティラーソン解任劇を、軍安保複合体がトランプ政権に対する支配を完了したと見ていますが、ジョン・ケリー大統領首席補佐官の意向が通ったとなると、トランプ大統領の力はさらに低下します。現政権をコントロールしているのは、キッシンジャー博士だと思います。この線で固まってきたということです。

  • 名無しさん2018/03/14

    やっぱりそうか。中国の国内治安対策費用

      国防費より18%も多く、ウィグル自治区、青海省チベット村、北京で急増←中国は、原子力空母も建造するとか、どんどん、膨張してBigBanをおこして、つぶれたらよいのです!