国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<習近平は定年を延長し、四期連続、20年をトップに居座る腹積もり

2018/02/16

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)2月16日(金曜日)
         通巻第5617号 
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 習近平は定年を延長し、四期連続、20年をトップに居座る腹積もり
  モデルはプーチン、長期政権の秘訣は周囲に優秀な部下を置かない
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 歴史始まって以来、どの国でも独裁権力を持続させる秘訣は、周りに潜在的ライバルを置かないことであり、団派のライジングスターの一人だった孫政才の失脚が代弁するように潜在する「敵対者」は葬り去り、政治局を忠誠心だけが突出したイエスマンで側近を固め、またボディガードは出自をよくよく吟味し、頭は空っぽでも肉体が強権であって、忠誠心がとびぬけて高いものを選ぶ。

さらに権力のボディガードである軍においては、敵対派閥の軍人はすべて辺境に左遷するか、定年前でも引退に追いこみ、従順な軍人を高層部で固めることである。そのうえ「うるさ型」の理論をこねまわす劉源(劉少奇の息子)や劉亜州、羅媛らを勇退させた。
理論派軍人など不要というわけだ。

太子党とて、煙たい存在は疎遠にし、例えば胡耀邦の息子の胡徳平などは、日本向けの柔和な顔が必要な時だけ利用する。江沢民の息子、李鵬の息子二人と娘、胡錦涛の息子などへの冷遇ぶりを見ても、そのことは明白だろう。

 したがって習近平は新しい軍事委員会をほぼ味方で固め、房峰輝(参謀長)を更迭した。そのうえ、第二軍の「人民武装警察」の指揮権も中央軍事委員会に一本化した。

潜在的に敵対するとみられた軍人を片っ端から更迭し、とどめの人事が氾長龍(前軍事委副主任)を逮捕・拘束し、汚職容疑で起訴することに表れる。氾長龍は軍のボスだった徐才厚と郭伯雄(ともに江沢民派で元軍事委副主任。徐は死亡)に近い軍人とされた。
軍人精神に富んで不正を嫌った張陽は自殺した。

次に習近平が着手したのは地方幹部の大幅な入れ替えである。大半を「習近平派」と呼ばれる子分たちで固め、しかも特徴的なのは、習近平より一世代以上若いことである。
将来の権力維持のために、この若き習近平派に徹底的な幹部教育をなし、政治的実力をつけさせ、自分が居座る間に次の後継者をこの中から選抜するのが基本方針だろう。

注目すべき「習近平派」の三段跳び人事で登場した若き新顔リストは下記の通り。

名前    新ポジション    前職
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王東峰   河北省書記     天津市長
陳求発   遼寧省書記     遼寧省省長
李 強   上海市書記     江蘇省書記
楼勤検   江蘇省書記     陝西省書記
干偉国   福建省書記     福建省省長
李 希   広東省書記     遼寧省書記
胡和平   陝西省書記     陝西省省長
唐一軍   遼寧省省長     浙江省副書記
張国清   天津市長      重慶市長
唐良智   重慶市長      重慶副書記
劉国中   吉林省省長     陝西省省長

 このほか、31の行政区の副書記、副省長クラスのどこかのポストに習近平の子飼いが就任した。特色は、これら若いリーダーのほとんどが習近平の福建省時代(1985−2002)、浙江省時代(2002−2007)時代の部下であること。
 また特別な配慮がされたのは下方されていた陝西省時代の同僚や部下、そして清華大学閥からは有能なエンジニア出身組をすくいあげて上位に配置した。


 ▼とりわけ注目は李強、李希、そして唐一軍だ

 「なかでも上海特別市書記に任命された李強である」と世界的なチャイナ・ウォッチャーとして知られるウィリー・ラムが言う(米国ジェイズタウン財団『チャイナ・ブリーフ』、2018年2月13日号)。
李強は1959年生まれ、習が浙江省書記時代に温州市書記を務めた。温州といえば「中国のユダヤ人」と言われるがめつい商人の町だ。
 上海は中国経済の象徴であり、金融のセンターでもある。
 
次いで李希である。かれも李強と並んで政治局入りしている。
 中国最大のリッチ地区は広東省。第十九回党大会までは『団派』のホープといわれた胡春華が書記だったが、李希と入れ替わった。
李希は1956年生まれ。陝西省出身で、習近平の信頼が厚いとされる。

 ダークホウスは唐良智である。唐は1961年生まれ、ほとんどのキャリアを浙江省で過ごしたが、党大会前に浙江省副書記となり寧波市長を兼ねた。寧波は上海の南対岸にある重要な港町、秀吉の時代は、この寧波が貿易の拠点として栄え、また倭寇の本場、出撃拠点とも言われた。

 次に注目は『国防技術』分野からの大抜擢三人組である。
 胡和平は流体力学専門家で精華大学閥(1962年生まれ)、張国清(1964)は電気技師出身で国防技術畑からの抜擢。超求発(1954)は宇宙航空専門家で、国防大学出身。
 
 いずれにしても多くが第六世代に属し、習近平の後継世代となる可能性を秘めているが、問題は誰も政治的力量をもって評価されたわけではないこと、修羅場を潜り抜けた革命世代とは、その血を血で洗う凄絶な闘争心を欠落させており、骨太どころか、線の細さが気になるところだろう。だが、皇帝側近とはツワモノではなく、ごますりというのが、中国史の特質である。
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため明後日2月18日〜26日が休刊となります 
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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ところ    文京シビックセンター26階『スカイホール』
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
講師     宮崎正弘
演題     「AIが日本文明を滅ぼす?」
参加費    おひとり 1000円(学生無料)



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ところ    文京シビックセンター三階 シビックホール会議室1,2
参加費    1000円
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演題     「南京事件の濡れ衣を着せられた松井石根大将
    いま晴らせ 怨親平等。南京鎮魂」
主催      南京戦の真実を追求する会(会長 阿羅健一)
howitzer@waltz.ocn.ne.jp
FAX   (03)5843−9302
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宮崎正弘の新刊予告   宮崎正弘の新刊予告  
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