国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<EU、ロシアなど80ヶ国がCRSに署名

2018/02/14

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)2月14日(水曜日)弐
         通巻第5614号 
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 EU、ロシアなど80ヶ国がCRSに署名
   テロリストの資金洗浄、脱税ルートを封鎖へ
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 2月12日、EU委員会は、ロシアの加盟をまって「CRS」(共通報告銀行基準)に署名した。これでCRSの加盟国は80ヶ国となった。ただし、独自の「FATCA」を進める米国は、EU主導のCRSには加わっていない。(FATCAは日本では、「外国口座税務コンプライアンス」と翻訳されている)

 分かりやすく説明する必要がある。
 EU域内で、「怪しげな銀行ルール」を維持してきたのはスイスの銀行の他に、サンマリノ、アンドラ、リヒテンシュタイン、モナコがある。脱税、匿名口座、秘密口座など、伏魔殿のように、世界から怪しい資金が流れ込んだ。
大金持ちや新興成金ばかりか、この秘密性に目を付けた犯罪集団、アラブの王族、アフリカの独裁者、中国の支配階級、そしてロシアの新興財閥等がフルに活用してきた。

 911事件以後、米国はテロリストへの資金ルートを根絶せんとして、スイスに強力な圧力をかけ、とうとう秘密口座の公開に踏み切らせた。
交渉が数年にわたったため多くの秘密資金は、この間に海外のオフォショア市場へ流れ出た。たとえばロシアの新興財閥の資金はキプロスから、マルタへ移動させたり、中国の資金洗浄ルートはカリブ海の英領バージン諸島が利用された。

犯罪集団や資金洗浄のプロ達は、手口を高度化させ、カリブ海のタックスヘブンなどに幽霊企業を設立し、あたらしい脱税の温床が生まれた。
 加えて「オフショア取引」の発達と発展によって、まだまだ怪しげな市場が世界に広がっており、サモア、バーレーン、バルバドス、グレナダ、マカオ、UAEなど17のオフォショア市場が、今後は「制裁」の対象となる可能性がある。

 また「グレーゾーン」のリストにはセルビア、モンテネグロ、マケドニア、アルメニア、ウルグアイ、香港、マカオ、ヨルダン、モロッコなど47ヶ国の怪しげな銀行があがっており、言ってみればモグラ叩きのようなゲームが今後も持続されるだろう。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 国際的なテロリズムの専門家が挑んだ「ルール変更」
  民間人を巻き込む暴力にミンシュシュギ体制は脆弱すぎないか

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B・ガノール著、佐藤優監訳
『カウンター・テロリズム・パズル  ─政策決定者への提言』(並木書房)
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 著者のガノール氏はイスラエルの国際カウンター・テロリズム政策研究所(ICT:International Institute for Counter-Terrorism)の創設者である。
現在、事務局長を務め、「テロリズム研究」の第一人者として世界的に知られる人物であり、詳しくは、「監訳者のことば」で佐藤優氏が次のように紹介している。
「私がガノール氏の名前を初めて聞いたのは、2001年3月のことだった。イスラエルのインテリジェンス専門家から、『近未来にアメリカ本国か、その同盟国で、国際テロ組織アルカイダが、奇想天外な方法で大規模なテロを起こすことを警告している学者がいる』とガノール氏の論文のコピーを渡されたことがある。そして、その6カ月後の2001年9月11日にアメリカで同時多発テロ事件が起きた。この事件で国際関係のゲームのルールが大きく変わった」(佐藤優)
 
本書はテロリズムを学際的に分析した貴重な研究書で日本訳はもちろん初めてである。
著者は、まず「テロリズムの定義」の必要性を論じ、もし定義が曖昧模糊たる場合、「自分たちはテロリストではなく、民族解放を行なっている」という言い逃れを許してしまうからである。
じっさいに世界の多くのテロ事件に犯人達の言い草がそうだ。
著者は、テロリズムを「自らの政治目標を達成するために、意図的に民間人に暴力を行使する闘争」と定義している。この定義が一般的になれば、「テロ」と「ゲリラ戦」「民族解放運動」との違いが明確になり、テロ対策の国際協調がしやすくなる。
 なにしろ民主主義は人権を優先するため、テロリズムに対して脆弱である。これを「民主主義のジレンマ」と著者は言う。
民主主義国家は、その基本的な価値観(人権の尊重、表現の自由、拷問や懲罰の禁止など)を維持しながら、テロと戦わなければならない。
ところがテロリスト側にルールはない。やりたい放題、どんな卑劣な手口でも、テロリストは平然と活用する。
もし民主主義の価値観をないがしろにしてテロ対策を優先すれば、その政権は長くはもたず、結果的にテロに敗北する。これが「民主主義のジレンマ」であると著者は言う。 
本書では他に「対テロ立法のジレンマ」「テロ報道のジレンマ」などが詳述されている。
 建国以来、イスラエルはパレスチナ紛争を戦い、ヒズボラとのテロ対応を強いられ、欧米よりも早い段階からテロ対策を講じ、ノウハウを蓄積してきた。
そのイスラエルにおいても、一貫したテロ対策はないのだという。
2020年に東京五輪・パラリンピックを開催する日本にとって、テロ対策は急務であり、テロを包括的に論じた本書の価値は高い。
東京五輪の選手、役員ならびにファン、そして警備を担当する全国の警察関係者にも必携の書である。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 ソ連製のAK47は世界最大のベストセラー兵器だが
  カラシニコフのライバと比較し、世界の戦場で発揮された有効性に注目

G・ロットマン著、床井雅美監訳、加藤喬訳
『AK-47ライフル  ─最強のアサルト・ライフル』(並木書房)
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 AK-47ライフルとその派生型火器は、ほかのどんな小火器よりも数多く製造されている。世界のベストセラーである。ロシア製のオリジナルに加え、海外でコピーされたり、ライセンス生産されたりした製品を総計すると1億挺と推定され、2位のM16ライフルの800万挺を大きく引き離しているという。
 取り扱いが容易で故障知らず。
AK-47ライフルは使い手を選ばない。1949年に正式採用されて以来、70年が経過した今日、なんと80カ国以上の軍隊で使われ、無数のゲリラ組織、反政府グループ、民兵組織、テロリスト、犯罪組織等が使っている。
まさに「人民のアサルト・ライフル」と言われる所以だろう。
 なぜ、これほどまでにAKライフルが戦場で使われ続けるのか? 
それはAKライフルのもつ「耐久性」に最大の理由があるという。雨、泥、砂ぼこり、酷暑や氷点下の気候、整備不良など、戦場の過酷な状況下でも問題なく作動し、「兵士の手荒な扱いにも耐えられる」からだ。
「複雑なものはたやすく作れるが、簡素な設計こそが難しい」というロシアの設計思想が色濃く反映されているからでもある。
「耐久性」を高めるために部品数の削減が図られ、作動部品の公差(こうさ)が大きくとられている。部品形状の違いは作動不良の原因となるため、AK-47ライフルの場合、意図的に部品形状のバラつきの許容範囲が大きくとられているのだ。結果、多少形状や寸法が異なる部品が組み込まれても、変わらず射撃できる。
 西側諸国の軍隊は遠距離からの精密射撃で交戦する戦術を重視した。
ところが、ソ連は近距離でのフルオート射撃を優先し、AKライフルを開発した。東西両陣営の考え方には一長一短があり、どちらか理想的な戦術とは言えないまでも、もしワルシャワ条約機構軍と西側諸国軍とが接近戦闘を起こしていたと仮定したら、猛烈な集中制圧射撃に西側諸国軍が見舞われていただろうと類推されている。
 本書には、アメリカ側から見たAK-47ライフルの評価が明確に書かれ、M16ライフルを使っていた当事者が、M16ライフルはAK-47ライフルにまさる点がほとんどなかったと正直に書いている。まったくの驚きである。
AKライフルを撃った経験も、撃たれた経験もしている著者が、カラシニコフのライバルだったM16との比較を交えながら、全世界の戦場でAKライフルが見せた有効性、第2次世界大戦後からの開発史、最新の派生型について詳しく解説した。
もう一つ、本書も魅力はと言えば、監訳者の床井雅美氏が、AK-47の開発者ミハエル・カラシニコフ氏とM16の開発者ユージン・ストーナー氏との極秘の対談に立ち会った事実である。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号の井上隆史氏の三島論の宮崎さんの書評に非常に感銘を受けました。是非とも読んでみたくなる書評でした。
というより宮崎さんの三島由紀夫への高い問題意識を持ち続けられる精神性の深さと勁さを再確認できたことです。
やはり『豊饒の海』をきちんと読み解かなければどうにもならないと思いますが、僕はまだその手前をウロウロしている状況で、昨年から昭和30年代の『鏡子の家』と『美しい星』についてあれこれ考えています。
   (KN生、大田区)



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(読者の声2)「第3回 日本の明日を考えるタウンセミナー」のご案内です。西村幸祐後援会&和田政宗参院議員「国会報告」――日本の危機!フェイクメディアと安全保障

日時 : 平成30年2月25日(日) 13:30 〜 17:00
場所 : 埼玉会館3C会議室 (JR 浦和駅西口徒歩7分)
主催 : 日本の明日を考える埼玉県民の会
講演 : 第1部 和田政宗参議院議員による国会報告
     第2部 西村幸裕氏「日本の危機!フェイクメディアと安全保障」
参加費: 無料
(終了後近在の居酒屋で懇親会を設ける予定(会費 男性,3,500円。女性3,000円)
連絡先事務局:蓮見一郎 (TEL 090−3247−3392)
              竹本博光  (TEL 090−8815−4986)



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(読者の声3)『「南京事件」―日本人48人の証言』(小学館文庫)阿羅健一著
その7―第二章 軍人の見た南京 1、陸軍(3)。企画院事務官・岡田芳政、参謀本部庶務課長・諫山春樹大佐。陸軍省軍務局軍事課編成版・大槻少佐。野砲兵第22連隊長・三国直福大佐。
 今回は第2章「軍人の見た南京」のうちの1、陸軍(3) 上記4名の証言です。
  岡田氏は陸軍省軍務課付で東京大学に派遣されていましたが、支那事変が起きたために勉強は打ち切り、企画院に出向しました。中国経済開発の研究立案担当。南京陥落直後の12月24日に上海から南京に視察に入りました。
先輩の案内で市内を回り、夜遅くまで話し込んだそうです。虐殺などという話は全く出て来なかったといいます。
市内では、中国人が露店を2、3開いているのをみたそうで、街は平静そのものだったそうです。安全区の門番の中国人は、岡田氏が以前南京に滞在していたときの顔見知りで、ニコニコして迎えてくれたといいます。戦後虐殺事件のことを聞いてびっくりしたそうです。要するに日本は宣伝戦に負けたのだ、と強調しております。
 軍中央から上海派遣軍上陸後度々視察のための派遣がありましたが、参謀本部の庶務課長であった諫早氏も派遣された一人でした。軍規の乱れがあったのではないか,そのために度々の派遣があったのではないかと、「南京事件があった」という後追いで言われることがあります。諫早氏の証言はこれをことごとく否定しています。第16師団長の中島今朝吾中将の日記に「捕虜はせぬ方針なれば」は「武器を取り上げて釈放せよ」という意味でしょうと述べています。
 大槻氏は陸軍省軍事課員として12年の暮に南京に行き、情報収集を行い、また翌年には中支那派遣軍参謀として南京に行っていますが、虐殺だとか、そんなことが話題になったことは一度もなかったと言っています。全くのウソですといいます。
 三国氏は第16師団野砲兵22連隊長として、昭和13年1月に南京に入っています。病気のため南京入が遅れたのですが、部下、そして師団司令部か戦闘のことなど色々話を聞いたが、「事件」などということはまったく聞いていないそうです。
その後、南京特務機関長となって、南京にできた中国人の維新政府と毎日接触、交渉する立場にありました。行政院長の梁鴻志とも度々会っていたそうですが、南京虐殺だとかそんな話が出たことはまったくなかったと言っています。
  日本語原文:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/48-7.pdf
  英訳文: http://www.sdh-fact.com/CL/Ara-Nanjing-7.pdf
 海外には、英文で発信しました。
   (「史実を世界に発信する会」会長代行 茂木弘道)



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(読者の声4)「西部邁氏追悼 講演「西部邁氏を通して日本と世界を見る」のおしらせです。講師は西村幸祐氏です。

とき    3月3日(土) 18:30〜 (開場18:00)
ところ   文京シビックセンター 26階 スカイホール
参加費   1000円 (学生無料) 予約不要
どなたでもご参加頂けます。お直接会場へお越し下さい。
主催    「英霊の名誉を守り顕彰する会」
連絡先    090-6709-9380 佐藤



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(読者の声5)ウイグルの声は基調です。報道機関の方々にはぜひ報道面でのご協力をよろしくお願いします。
BBCの報道で、「妻と母をいっそ撃ち殺してくれ」と訴えるウイグル人。
https://www.youtube.com/watch?v=456eLnEdPbQ
   (三浦生)
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宮崎正弘の新刊予告   宮崎正弘の新刊予告  
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため2月18日〜26日が休刊となります
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