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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<チェコ大統領に「反移民」、「反EU」、「反NATO」のゼマン氏が再選

2018/01/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)1月29日(月曜日)
        通巻第5599号  
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 チェコ大統領に「反移民」、「反EU」、「反NATO」のゼマン氏が再選
  中欧に政治の地殻変動が始まっている。
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 チェコは、もともとドイツ経済圏だが、移民問題がもつれた。
ゼマン大統領は移民流入阻止を謳い、国境にバリケードを築いて流入を阻止した。またEU、NATOへの加盟継続をよしとするか、否かを国民投票で問うとして大統領選挙を戦い抜き、51・8%の得票を得た。
 野党候補は48・2%と接戦だった。次の問題はドイツと同様に野党と「連立」が組めるか、どうかにある。

 ゼマン政権に協力姿勢を強めているのは日系人オカムラ・トミオで、かれが率いる政党(「自由と直接民主党」)は22議席をしめる(チェコ議会の定員は200)。そのうえオカムラはゼマン再選に協力したうえ、フランスのルペン、オランドのワイルダーら保守系政治家をプラハに一堂にあつめて決起集会的な国際会議を主催した。
 ゼマンはプーチンを称賛している政治家でもあるが、72歳。大酒飲み、愛煙家。

 この結果に不愉快な顔をしたのはメルケル独首相だが、総選挙後三ヶ月してもまだ連立政権を組めないという国内政治状況のため発言を控えた。

 チェコの北側に控えるのはポーランドが揉めている。
 ポーランドは連帯のワレサが大統領となって以来、自由主義を選択してきたが、少数政党乱立時代を経て、最近は保守系の「法と正義」党が第1党となった。チェコと同様に、ポーランドはNATOのメンバーだが「ユーロ」には加わらず、しかしチェコと異なるのは、ポーランドは反ロシア、親米である。トランプはすでにワルシャワを訪問し演説している。

じつは英国へ百万人のポーランド人が移民したが、逆にウクライナから百万人がポーランドに職を求めてやってきた。ややこしい。

 あまつさえポーランドでは、いまアウシェビッツ収容所問題、すなわち実際のホロコーストは過剰なプロパガンダであり、真実の歴史を知ろうという「歴史戦」が開始されており、国会は人数への疑問などを言うと五年以下の懲役とするという法律を通したばかりだが、国民の声は別のところにあるようだ。

 真っ先にポーランド批判に立ち上がったのは、もちろんイスラエルであり、独メルケル首相もポーランドの動きには批判的だ。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 キルケゴールに触発され、スペイン独自の宗教文化、神秘主義を背景に 
  実存主義の魁となった思想家ウナムーノが甦った

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佐々木孝著、執行草舟監修『情熱の哲学』(法政大学出版会)
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 日本でももっとも有名なスペインの哲学者といえば、オルテガ・イ・ガゼットだろう。なにしろ西部遭氏の著作には必ずオルテガからの引用があった。
 ミゲル・デ・ウナムーノは同世代人、オルテガに少なからぬ影響を与え、また与えられた。ウナムーノはサラマンカ大学総長に36歳の若さで就任し、数年後には突然解任され、六年間外国で亡命生活を余儀なくされた。帰国後は大統領に擬せられたこともあるほどに、その影響力は甚大だった。
 かれが生涯かけて挑んだ作品の一つがドンキホーテの思想的解明だった。
 ウナムーノは思想家であり、同時に詩人であり、作家でもあった。
生きることの意味、死ぬことの意味、燃えさかる魂とは何かを追求し、西洋の思想界に巨大な足跡を残した。
 著者の佐々木孝氏はムナムーノの思想的背景をこう説かれる。
 「現代のわれわれは、理性を神として崇めたりはしない。また、合理的であることが必ずしも人間を真の幸福に導くものでないことも承知している。いくたびかの苦い経験によって、人類はコント流の楽観主義がまやかしであり、理性神の支配する楽園がユートピアであることも知っている。しかしそのかつての理性崇拝から無数の『小さな神』が誕生し、それらがわれわれの日常をいかに不自由に縛っていることか。『小さな神』とは、たとえばスピード、能率、効率、利潤など人間を時間性あるいは彼岸性に縛り付ける卑小な神々である」(13p)
 いきなり現代文明批判、本来の思考を喪失した現代人の知性批判から始まる。
 ウナムーノは「民族のうちに眠っている無意識的なるもの、内――歴史的なるものは言語のうちに具体化され、そしてその民族の意識された理念は文学のなかに具現されると考える」
 だから彼はセルバンテスのドンキホーテの考察に立ち向かったのだ。

 ウナムーノはデンマークの思想家キルケゴールの哲学に惹かれた。
 ふたりは「キリスト教が形骸化して、ほとんど死に瀕していることを認めないではいられなかった。人間は神との直接的、個別的繋がりを回復しなければならない。かくしてキルケゴールは、硬化したデンマーク教会を激しく糾弾する」(81p)。
 なぜなら神は検証される対象ではなく、心に感じられるもの、である。
 「キルケゴールは、生暖かい遵奉主義よりもむしろ熱情的な異端を選ぶことで、また苦しい自己探求の道を進むことで、そして何よりも、危険を内包する新約のあの根源的反抗精神とはまったく対蹠的な惰弱な精神を弾劾することで、ウナムーノの精神的先達であった」のである。
 つまりスペインのニヒリズムとは「激しい精神の運動であり、燃え上がる魂のダイナミズムである」
 ニーチェは一世代前の人だが、まだこの時代、欧州ではまっとうに評価されていない。
 正統と異端を峻別する一点は「教会への恭順と従順の拒否」であるとウナムーノは『生粋主義をめぐって』に書いた。
ドンキホーテの哲学とは「存在することは存在することを欲することである」。
これを佐々木氏は「生は夢もしくは現実ごときものである。そして今まさに過去の薄明のなかに消失してゆくその現在の瞬間を、絶えず超え出ることによって生は成り立つ。すなわち存在は、現実的にあることではなく、あり続けようと欲することなのだ」と言う。

ウナムーノは『生の悲劇的感情』のなかで書いた。
「夢見るのだ。生を夢見るのである。なぜなら人生は夢だからだ」と。
 本書にはスペイン独特の歴史と宗教の神秘主義思想、そして伝統主義とは一線を画した生粋主義などの説明が縷々なされているが、ウナムーノ哲学の神髄は、難しく考えるとややこしくなり、つまりは情熱への希求、本書の題名にある『情熱の哲学』なのである。

 ことしは日本とスペインの外交関係樹立150年、またウナムーノが総長をつとめたサラマンカ大学創立800年を記念したイベントが行われるが、本書は、その記念事業の一環でもある。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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「腐敗した儒者」と呼ぶべきは左翼だと西部氏は言う。そうしたニッポンジンの夥しきは、「グローバリズム」とか「規制撤廃」とかの怪しげな米国製思想に洗脳されたからである。 

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西部遭『どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由』(幻戯書房)
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「快刀乱麻を斬る」というより「『妖刀』乱麻を斬る」ですかね。いささか長い題名だが、中味はまさに腐敗儒者=左翼への挑戦状である。
 基本的に左翼は思考停止の愚か者が多いという指摘は正確ではないのか。
 文中にでてくる、その豊饒な語彙力と多彩な比喩力による辛辣批評を展開させて、この人の右に出る批評家はいない。言葉の原義、その語彙の魔力と同一視反応、その魅力と愚かさと明瞭に提示する。そしてそれを悪用するのが左翼だ。
 極左のノーム・チョムスキーが唱えた「一般意味論」は逆説的に言えば、言葉によっていかに相手を騙すかのテクニックである。
 そもそも「冷戦」に勝ったのは自由陣営ではなかったのか。マルクスもレーニンも毛沢東も思想的には死滅したのではないのか。

 それなのに冷戦終結以後も、日本ばかりか欧米でも、左翼の天下が続き、政治はマヒし、マスコミは依然として左翼に乗っ取られ、経済はグローバリズムに逃げ 込んだ左翼の跳梁跋扈、文化は怪しげな国際主義とやらにおかされて、日本人は脳幹をおかされ、日本の政治も経済も本当におかしくなった。西部氏はあえて 「日本人」と述べず、本書では「ニッポンジン」と意図的に表現している。

 じつは西部氏の前作『金銭の咄噺』(NTT出版)をようやく読み終えてホッとしたのも束の間、はやくも西部氏は新作を出された。前者は金銭と無縁の人生を淡々と振り返る西部氏の心的風景の切なさが、いかにも私小説的であったため、読むのに時間を要した。人生の総決算のように思えた。こうした物語を しんみりと読むのが好きである。
 本書は心的風景はそのまま、舞台は日米関係を視座にした哲学風景である。
 ともかく冷戦以後も敗北を続けるのは保守陣営ではないのか?その貧困な思想状況に切れ味の良い、正宗ならぬ面妖な日本刀をひっさげて、西部さんは果てしなきサヨク病原菌に挑む。
 「反左翼を名乗るものがむしろ多数となっている、という時代認識は完全に狂っている」とまず西部氏は挑戦的言辞を駆使しつつ独自の分析をする。
 つまり「反左翼は、左翼のアンチテーゼを述べ立てているに過ぎません。自称左翼の空疎な理想主義が無視している事実を、フェクチュアリズム(事実主義)とでも名付けるべき無思想ぶりで、丹念に列挙しているだけなのが反左翼です」(41p)。

シュペングラーが『中世の秋』で言ったように「文明の秋から冬にかけて流行るのは『新技術への異常な関心』と『新宗教への異様な熱狂』だといいました。今見られるのは『テクノロジズム』(技術主義)というカルト(邪教)の大流行なのです」(220p)

 ▼IT革命は左翼の逃げ場所だったか

そして「左翼が、個人主義はと社会主義派とにかかわらずIT革命に簡単に飛びついて、いったのは専門主義における合理への過剰なり歪曲なりが、テクノロジ ズム(技術主義)に、テクノマニアック(発明狂)に、そしてテクノカルト(技術邪教)にまでおちたことの現れ」であるという。(248p)
 だから構造改革とか規制撤廃とか、アメリカから価値観をごり押しされて、見るも無惨な非日本化のために執念を燃やした現代の政治家と官僚とマスコミは、 「数百年、数千年の歴史を持つ日本国家を、大して知識も経験も能力もない」人たちがムードに便乗して破壊した結果であり、「日本および日本国家がアメリカ から受け取った構造改革のイメージは、さすがアメリカの属国、もっと(悪い意味で)理想主義的なものでした。
 
『日本的なるもの』のすべてを、つまり経済における(談合を含めた)日本的経営法、政治における(派閥をはじめとする)政党間協調体制や(天下りを含む) 政官癒着(というより政官協調)、社会・文化における地域共同体保存のための規制体系や地域間格差是正のための所得再分配などを一掃せよと叫ばれたのです。それが規制撤廃の運動でした」(63p)
 さらに西部氏は強調する。
 「その造反を自由や平等の価値によって正当化しようとするのは『弱者のルサンチマン』(ニーチェ)に他なら」ず(中略)「自由、平等、友愛、合理といった 価値で偽装すると、やがて、責任なき自由が拡がって放縦放埒な社会となり、平等が行きすぎて能力や努力と関係なしに分配が平準化され、友愛のキレイゴトが まき散らかされて偽善的な世論が幅を利かし、合理のみが追求されて技術主義が蔓延します。こういう価値の堕落に深入りするにつれ、日本に限らず世界中の左 翼陣営はイデオロギーとしての力を失っ」た(80p)
 戦後欺瞞の最大のものは第一に生命尊重主義という欺瞞だとする西部氏は続ける。
「自由平等友愛合理の理想が次第に色褪せ、その理想喪失の空虚感を埋めようとして、生命尊重が理想の玉座に押し上げられた」。
 かくして「腐儒としての左翼思想が身に染みついたニッポンジンがわんさかいて、日本の国語を穢し壊しすてている」(258p)のである。

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           (この書評は小誌2012年12月からの再録です)
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1695回】         
――「支那人に代わって支那のために考えた・・・」――内藤(2)
  内藤湖南『支那論』(文藝春秋 2013年)

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 「支那でやる立憲政治はどういうものであるか、支那人はそういう細かい考えはない」。「ただ立憲政治をやりさえすれば国が盛んになると思っておる」。だが「立憲政治が順当に行われる基礎」である「中等階級の健全ということ」に彼らは考えを及ぼさないというのが、内藤の主張である。

  振り返れば鄧小平が「4つの現代化」――工業、農業、国防、科学技術――を掲げて対外開放に踏み切った際、先ず目指したのは重厚長大産業だった。その象徴ともいえる上海の宝山製鉄所を建設するに当たって、当時の世界最先端技術を駆使した新日鉄の君津製鉄所級の施設を日本側に求めたと聞く。いわば世界最先端技術を取り入れさえすれば、君津製鉄所を同じような質と量の鋼鉄が生み出されると考えたわけだろう。

  ここで内藤の考えを援用するなら、当時の中国のレベルで動かす製鉄所はどういうものであるか、中国人はそういう細かい考えはなかった。ただ世界最高レベルの製鉄所さえ建設すれば君津並みの最高品質の鉄鋼を大量に生産できると思っておった。だが最先端技術を駆使した製鉄所を十全に稼働させるためには、「中等階級の健全」、つまりは一定レベルの科学技術と民度が不可欠だった。にもかかわらず鄧小平以下の当時の共産党首脳は、なにがなんでも君津級の最新製鉄所を求めた――となろうか。

 当時を思い出せば、たしか京都大学で国際政治学者を講じていた高坂正堯が近代化とは、技術もさることながら、その近代化を支えるヒト(ノーハウ)が必要不可欠と説き、鄧小平が性急に進めた近代化を戒めていたと記憶する。

  そういえばアヘン戦争敗北後、清国指導層と知識人は敗北の原因を清国の貧しさと弱さに求め、かくて富強を目指すことになったが、最初に思いついたのが「中体西用」策だった。中華の理念は正しい(中体)。ただ西洋の近代的な機器(西用)――具体的には西洋の兵器に敗れただけ。
 だから、「中体」に「西用」を組み合わせれば、蛮族に近い西洋列強に敗れるわけがない。「中体」は絶対的に正しいのだから、と考えた。そこで西洋の最新兵器(西用)をセッセと取り入れ第2次アヘン戦争(アロー号事件)となるわけだが、敢え無くもイギリス・フランス軍に惨敗を喫してしまう。

 かくて次に考え付いた富強策が「洋務運動」ではなかったか。つまり機器というハード面のみを取り入れてもダメ。やはりハードを支える社会の仕組みと人材を養成することが肝要だというわけで、近代的な兵器工場を作り、翻訳体制を整え西洋から最新技術を導入し、軍隊の近代化を図り、多くの留学生を送り出した。

この時、彼らを多くアメリカが受け入れたことから、中国社会に親米感情が根付く。同時並行的にアメリカが意図的に大量の宣教師を送り込んだことも、親米感情の涵養に大いに与ったといえる。
たとえばルーズベルト大統領の母方の実家は対中貿易(アヘン?)で財を成し、第2次大戦後のアメリカにおける一貫して主導したJ・K・フェアバンクは父親が宣教師だったことから幼少時を中国で過ごしているはずだ。

孫文夫人の宋慶齢や蒋介石夫人の宋美齢の父親である宋嘉樹(チャーリー宋)はアメリカ人宣教師の知遇を得て留学し、メソジスト派宣教師として帰国した後、聖書印刷を手始めに財を成していった。

  このように、中国の親米感情はアメリカにおける親中感情と共鳴し、現在につながり、米中関係の底流に一貫していることを忘れるべきではないだろう。
  本題に戻る。
かく「洋務運動」に励んだわけだが、また戦争して敗北を喫した。然も相手が日本であるから、さぞや愕然としたはず。
そこで彼らは敗北の要因を、日本にありながら清国に備わっていないもの――憲法と議会、つまり立憲主義に求めたのである。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)日本の宗教といえば基本は神道と仏教。仏教伝来のころには蘇我氏と物部氏の争いがあったものの、平安時代以降は本地垂迹思想など仏教優位が定着したように思います。
子供のころテレビで見た日本映画に出てくる海賊船、「南無八幡大菩薩」の幟を掲げて日本近海を荒らし回る。神仏習合なのですが、どうしてこれほど簡単に神仏が混じり合ってしまったのか不思議でした。宗教書にしても神道と仏教の記述が断絶してしまい明治維新による神仏分離以前の日本人の宗教観がよくわかりません。
 
先日たまたま手にした山本七平氏の「池田大作と日本人の宗教心」(2017年5月 さくら舎)に興味深い記述がありました。同書は山本七平氏の雑誌掲載記事・論文をテーマ別にまとめたもので、創価学会の出版妨害事件や本山の大石寺との確執などの前半部分は今さら感がありますが、第四章の「日本人と宗教のかかわり」は面白い。
 『ユダヤ教・キリスト教・イスラム教では「宗教混交」を否定し異端とするが、日本が受容した唐時代の仏教は三教合一論(三教とは儒教・仏教・道教)以後の仏教であり、唐はそれを正統として、それを認めないものを異端としていた。これは、後漢末の三世紀ごろから起こってきた考え方で、唐の時代には仏教中心の三教合一論となった。日本に仏教が定着していくのと、仏教中心の三教合一論が中国の中心的で絶対的な思想となっていく時期とがほぼ並行し、日本はその影響を強く受け、それを「正統的な思想」としていったのはむしろ当然といわねばならない。したがって以後の日本はこの三教合一論の日本化すなわち「神儒仏合一論」を当然として明治まで来たわけである。この間、この伝統に異論を唱えたのはキリシタンと、こちこちの朱子学者だけといってもよい・・・異論はあろうが。しかしその朱子学者も、神儒妙合は当然と考えていた』

 具体例として、徳川家康の顧問の天海は山王一実神道を起こし、『貞永式目』に鶴岡八幡宮の供僧に関する規定がある。さらに僧侶が儒学を講じて不思議ではなく、それが当然だったとして『林羅山は形式的には僧侶であり、僧形をして法印であった。これを改めるよう強硬に主張したのが水戸の光圀だが、僧形でない儒官が出現するのは羅山の孫の時代である』という指摘は知りませんでした。同書ではイスラエルを例に現在でも宗教法が生きているのに日本では貞永式目の時代から宗教法がないとしています。イスラエルではユダヤ教徒の結婚は正統派のラビによるものでないと認められず、わざわざ海外で民事婚をするカップルもいるといいます。
 日本人の宗教観が一神教の人々からみて、ある種いいかげんに見えるのも歴史的なものだったのですね。三教合一の本家である中国、著者は忘れましたが自称クリスチャンの女性が観音様も拝んでいるという話がありました。パール・バックの「大地」第一部では父親が亡くなり僧侶と道士を呼び経を上げてもらう場面がでてくるのも納得です。
 欧州では移民の増加とともにロンドンでは市長がイスラム系になるほどで、イスラム法を認めよと要求する声も高まっています。イスラム系の移民がこれ以上増えるならばそう遠くない将来に宗教戦争・紛争が起きても不思議ではありませんね。 
   (PB生、千葉)



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(読者の声2)37回 家村中佐の兵法講座 兵法書として読む『古事記』『日本書紀』
 日本最古の史書とされる『古事記』『日本書紀』には、遠い昔から今に伝わる日本人の戦争観や武力行使のあり方、優れた戦略・戦術や軍隊の指揮・統率など、現代社会においても十分に役立つ最高の兵法書としての教えが数多あります。
今回の兵法講座では、『古事記』『日本書紀』の中でも謎の多い第22代 清寧天皇、第23代 顕宗天皇、第24代 仁賢天皇、第25代 武烈天皇の四代にわたる御代についてです。
特に『古事記』『日本書紀』で唯一、極悪非道の暴帝として描かれている武烈天皇の実像や、このように描かれた理由、そして反逆や陰謀が渦巻き、国體(こくたい)が危機的状況にあったことなどについて、図や絵を用いながらビジュアルに、分かりやすく解説いたします。

日時   2月24日(土)13:00開場、13:30開演(16:00終了予定)
場所   文京シビックセンター5階 会議室A
講師   家村和幸(日本兵法研究会会長、元陸上自衛隊戦術教官・予備2等陸佐)
演題   第10話 清寧天皇から武烈天皇まで
参加費  1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「兵法講座」にてご連絡ください)
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宮崎正弘の新刊予告   宮崎正弘の新刊予告  
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宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
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