国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み  **読書特集 ))

2018/01/18

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)1月18日(木曜日)
        通巻第5584号   
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(( 読書特集 ))
石 平『なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか』(PHP新書)
福島香織『習近平王朝の危険な野望』(さくら舎)
楊 海英『「中国」という神話 ――習近平「偉大なる中華民族」の』嘘』(文春新書)  

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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日本は中国経由で仏教を輸入したが同時に儒学も入ってきた
 ところが仏教を日本化して「脱中華」の基礎として儒学に深い関心を抱かなかった

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石 平『なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか』(PHP新書)
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 石平氏はまるで日本語を喋れないままに日本に留学してきた。神戸のレストランでアルバイトをしながら、ときに書店へ行くと、孔孟から韓非子、朱子学と漢著の翻訳が本棚に並んでいたのを見て驚いた。
 考えてみれば、日本の読書人はおそらく世界一パースペクティブが広い。マルクス・レーニン全集があるかと思えば、ニーチェ、ヤスパース、ショーペンハウエルからアンナ・ハーレントまで、マルクーゼからヴィトゲンシュタインの翻訳もでている。
 本国フランスにはないのに、サルトル全集がある。いったいどういう国か?
 トランプ大統領が誕生すれば30冊を超えるトランプ本がならび、大河ドラマが西?隆盛になると百冊をこえる類書が書店で平積みとなった
 李登輝閣下はかねて、「日本語の翻訳により知識を拡げ教養を高めることが出来た」と述懐されるが、日清戦争ののち、夥しい留学生が日本にきて、日本語を通じてルソー、サミエルソンや、デカルト、カントを知った。つまり日本はあらゆる思想、哲学、文学を翻訳し、咀嚼し、そこから独自の思想を形成してきた。
 その日本にやってきた石平氏は北京大学で哲学を学び、成都で哲学の教鞭を執っていた。ゆえに日本の思想史に甚大な興味を抱くのは自然の流れ、そしてある日、気がつくのだ。
 「不可解な矛盾」に突き当たった。
「江戸期以前の時代では、日本の代表的な思想家はほとんど仏教の世界の人間であるのに対し、江戸期に入ってからの代表的な思想家はほとんど儒学者だった」
 「えっ」を思わず声をあげた。こういう見立てがあるのか、というのが第一の感想だった。
 石平氏は「聖徳太子は仏教を国教にまでしたのは、中華から独立するため」であり、日本史は仏教を日本化することによって日本文明を独自なものとしたが、江戸時代には逆に儒教を官学の基礎においた。
その?川時代の儒学はと言えば、じつは朱子学であり、中国の儒学とは似ても似つかぬもので、他方で本居宣長など国学の台頭を生んだ。
 いま紹介したのは大雑把なまとめだが、石さんは本書において、その経緯を詳細に論じている。
 紆余曲折をへて日本は脱中華の思想を構築し、文明の独立自尊を守り抜いた、というのが本書の骨子である。

 日本は仏教と儒学をほぼ同時に輸入するも、仏教を日本化して脱中華文明に基礎とした。
ところが、漢学儒学には深い関心も寄せず、やがて遣唐使を廃止した。
 仏教は最澄と空海によって絶頂を極めて、以後、哲学的には衰退してゆく。そしてこの時代に『古事記』『日本書紀』が書かれ、『源氏物語』が書かれた。 
 「家康が天下統一したあと、推し進めたもう一つの仏教対策は、全国に『寺請制度(檀家制度)』を整えることだった」(136p)
つまり住居移転や結婚、旅行など檀那寺が発行する「寺請証文」が必要とされ、それは寺院の収入を安定させたものの、実質的に「葬式仏教」となってしまった。つまり「仏教は国家体制と政治権力にとって、無害にして有益なものとなっていった。(中略)思想史的にいえば、まさにこのプロセスにおいて、日本の仏教は思想としての創造力と影響力を失う」
反面、「幕府による推奨政策の結果、『蔵入り』から掘り出された儒教が台頭し、仏教に変わってこの時代の思想とイデオロギーの主役の座を占める」。
つまり「近世に入ってからおきた、日本思想史上の最大の変化」(142p)だという。
 
だが儒教は官学でしかなく、「昼は朱子学、夜は陽明学」という佐藤一齋らが象徴するように官学と併行して日本では陽明学が読み込まれた。サムライの美意識に適合したからだろう。
市井では本居宣長に代表される国学の意気軒昂たる復活があり、江戸前期には山鹿素行の『中朝事実』がでて、水戸学への驀進が始まる。これが『日本の思想』の中軸となる。
「西?隆盛は日本の思想である」と江藤淳は書いた(『南洲残影』)。
 こう考えてきた日本の読書人からすれば、本書で展開されている石平氏の斬新な視点には注目すべき点が多い。

とりわけ石平氏の山鹿素行論は、従来の保守陣営の解釈とは趣きが異なり、次のような描き方となる。
「鎌倉時代末期の日本の神道思想の確立において、外来宗教の仏教に対する日本神道の優位性が主張された(中略)。山鹿素行は、天孫降臨以来の皇統と神道を中核とする日本の伝統に基づき、中国儒教に対する日本の優位性を協調して見せた。(中略)中国古来の『華夷秩序』の世界観を正反対に転倒させたのである」(216p)。
 江戸中期になると国学が日本の思想界を席巻し、「真淵は『日本の古道』を絶賛して、儒教と中国の『聖人』たちの欺瞞性を暴いた。そして宣長は、日本の精神と思想の世界から『漢意』(すなわち中華)というものを、きれいさっぱり洗い去ることによってこそ、日本は日本本来のすばらしさを取り戻すのだと説いた」(217p)。
ともかく脱中華が日本の独自の文化圏形成の原動力だったのである。

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 中国を動かすトップセブンの「知られざる素顔」
   軍を纏めきっていない習近平の空虚な野望を何が埋めるか

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福島香織『習近平王朝の危険な野望』(さくら舎)
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 習近平独裁体制が仮に成立したとみると、中国は一貫して米国に伍せる軍事強国を目指し、政治、経済、軍事の世界一を狙っていることなる。
夢想なのか、砂漠の蜃気楼か、習近平の空虚にみえる野望は無謀であり、達成は不可能ではあろうが、習近平がそれを目指しての暴走を開始している以上、世界的危機はますます深まっていくのである。
 習近平はそれほど鋭角的な政治センスがあるとは考えにくい。したがって誰か軍師がいるはずである。
江沢民には曽慶紅という軍事がいた。また経済は朱容基首相にまかせておけば良かった。胡錦涛には共青団という強力な支持母体があり、長老達が比較的よく胡錦涛の改革的な政策を理解し、また温家宝首相とは絶妙なコンビが組めた。
 ところが習近平は五月蝿い長老たちを悉く敵に回し、拾い上げてくれた恩のある江沢民、曽慶紅を袖にして、あまつさえ連立を組むべき共青団とは露骨なほどの敵対関係に陥っている。
経済を主導する李克強首相から政策決定権を採り上げ、次期後継者と見られる孫政才を葬り、胡春華をいじめ抜いている。共青団の次期ホープは王洋と言えるかもしれない。
となると、頼りとするべきは太子党が、これは「党」というより友人達の環(リンク)でしかなく血路を開いてでも一緒に闘うという強靱な団結力にかける。いざという時には頼りにならず、また兄貴分の劉源(劉少奇の息子)は、習のもとを去った。
軍は完全に習近平に面従腹背。軍幹部に抜擢された高級軍人等は李作成など少数の例外をのぞいて実戦経験もない。

 となると、前期に一番信頼を置いて頼りにした王岐山が定年で引退してしまったため、習の番頭格は誰かといえば、栗戦書になる。
反腐敗キャンペーンを担う趙樂際は、完全なイエスマン。わかりやすく言えば茶坊主であり、修羅場を乗り切る政治力は稀薄と見られている。
 ところが福島さんによれば、この栗戦書にしても、習近平は全幅の信頼を置いていないというのだから驚きである。
 理由は習が嫌う共青団の大物、李建国を失脚させようとしたとき、栗戦書が止めに入ったからだという。なぜなら栗にとって李建国は恩人であり、「義理人情」を、出世より優先させたからだ。
習近平は、自分を総書記に抜擢してくれた江沢民、曽慶紅の子分達を一斉に失脚させて権力を構築した、いってみれば忘恩の徒だが、栗戦書は頑なに過去に世話になった先輩を守り抜くために「猛然と抵抗した」というのだ。

 また福島さんは習政権二期目にはっても軍の粛清はまだ続くと予想する。
 「軍の汚職摘発をこれまで以上に強化するつもり」だから「軍内部の粛清は」これからも、「吹き荒れる」と予測する。
 なかでも習が頼りとするのは張又峡で、父親同士が陝西省、甘粛省の戦線で一緒に戦った経験があり、「張ファミリーと習近平は家族ぐるみの付き合いがある」からだ。
 次のお気に入りは苗華(習の福建省時代、第三十一集団のトップだった)。李作成も習のお気に入り、かれは中越戦争で軍勳がある。
 しかしいずれにしても、こうした依怙贔屓による軍高層部の身勝手と思われる人事は、軍内部に深刻な不満の嵐を惹起させており、旧瀋陽軍区の不気味な動きや、度重なる暗殺未遂が、そうした事実を物語っている。

 本書で、もうひとつ注目したのは、習近平が展開している「人権派弁護士」への弾圧である。その動機である。
これまでも人権、民主活動家の大量拘束、拷問はあったし、ノーベル平和賞の劉暁波に対しての苛烈きわまる弾圧は西側から人権無視、非民主の独裁と批判されてきた。
 ところが200名を超える人権弁護士を逮捕拘束した習は、ほとんどを勾留したまま、テントしているのである。
 つまり「2015年のマクロ経済政策の失敗あたりから、明確に潜在的な敵が人民であるという認識を持つようになった。そして、その人民が人権派弁護士に象徴される知識人層と結びつくことを習近平は最も警戒していた。ただの不満を抱えたバラバラの人民を『反乱軍』に統率できる宋江のようなリーダーの登場を恐れていた。もっとも警戒されるのは弁護士である。なぜなら、台湾で国民党を破って初の台湾人による政権を打ち立てたのは元人権派弁護士の陳水扁だからだ。弁護士が国の指導者になった例を中国は身近でみてきたのだ」(200p)
 ちなみに宋江は山賊、荒くれ、愚連隊がこもった梁山泊でめきめきと指導力を発揮した水滸伝の主人公である。
 なるほど中国人のDNAはちっとも変わらないということである。
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歴史始まって以来、中国と内陸アジアは何回も衝突しづづけてきた
内陸アジアの動静は中華の地政学上の運命を死活的に左右してきた。

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楊海英『「中国」という神話――習近平「偉大なる中華民族」の』嘘』(文春新書)
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 始めから終わりまで、膝を叩いて納得できる「真実の中国史」である。日本人の一般読者の既成概念からみれば、真逆の真実が語られている。
 中国の軍事力の脅威は日増しに高まっているが、楊海英教授はまず、その軍事力は内陸アジアに向かっており、「強国」イメージの習近平体制がかかえる最大のアキレス腱は、ウィグル、南モンゴル、チベットなどの内陸部である、と喝破する。
 「歴史始まって以来、中国と内陸アジアは衝突しつづけてきた。そして、内陸アジアの動静は中華の運命を左右してきた。中国にとって、内陸アジアはその死活を握る、地政学上重要な存在」
とする。
 なぜなら「中華の思想や価値観は一向に万里の長城を北へ西へ超えることはなかった。仏教とキリスト教、イスラーム教は中国に伝わって定着したが、中国起源の道教や儒教が嘉谷関より西へ広がることはなかった(中略)。中国的な価値観と思想は、遊牧民にとっては異質な生き方で、受け入れがたい精神として映っていた。つまり内陸アジアの遊牧民にとって、中国人ははっきりと異なる文化、文明に属する」
 だから凶奴(きょうど)、突厥(チュルク系)、吐蕃(チベット)に軍事的に制圧されると、中国は遊牧民に女性を贈ることで「結婚による民族戦略」を行使してきた。
しかも、中国人の認識では、「中華の嫁を妻とした以上は、うちの婿だ」という中華的で独特な発想が根底にあり、相手の政権は「中華の地方政権」という身勝手な論理が露呈する。
 だから「チンギスハーン」は「中華民族」の英雄となるのである。モンゴル人が漢族を征服した屈辱の歴史は、かくして教科書からも消える。

 そこで、楊教授は二つの歴史的イベントを、克明に詳述する。おそらくこの話、日本人の多くが知らないではないか。 
 第一の典型的な「神話」は凶奴に嫁いだ「王昭君」であり、第二が「文成公主」である。
 現代中国では、この二人の姫君が遊牧民に嫁いだことは「和宮降家」のごとき扱いなのである。
 遊牧民の呼韓邪単干に漢王朝は宮廷にいた王昭君を嫁として嫁がせる。紀元前33年のことである。
 王昭君は子をなし、「悲劇的女性」、つまり中華のヒロインとして描かれるようになる。
 歴史改竄は朝飯前、現代中国では、王昭君は異民族と結婚し、その屈辱的な風俗習慣に絶えても宥和をはかったゆえ「民族団結のシンボル」となり、二千年も前から甦らせたのである。
 フフホト郊外に巨大テーマパーク「王昭君墓地」なるものがあって、次々と観光客を呼び込んでいる。復活したヒロインの記念公園には、彼女と夫の呼韓邪単干が夫婦仲良く馬に乗っている巨大な銅像が聳えている。テント村の売店ではチンギルハーンの絵画、人形、Tシャツも売られている。
 評者(宮崎)が、この王昭君墓地を見学したのは、かれこれ十数年前である。タクシーを雇って、フフホト市内から三十分ほどだった。
車を待たせ、テント村に入り、この新しい神話のオブジェが並ぶ場所(彼女の墓地であるかどうかは誰にも分からない。二千年前の話を突如、甦生させたのだから)を見学した。
 彼女は側室の一人でしかなく、しかも呼韓邪単干の死後は、その息子の側室として二人の娘を産んだ(これが遊牧民独特の「レヴィレート婚」)。
そうした悲劇のヒロインのわりに銅像の風貌はふてぶてしかった。西安に行くと楊貴妃の白い像があるが、想像より遙かに肥っているように。

二例目は吐蕃(チベット)に嫁いだ「文成公主」である。
唐の都・長安はチベット軍に降伏した、唐の王家の娘を吐蕃のソンツェンガンポの元に嫁に出した。そしていま、王昭君と並んで「民族団結」のヒロインとして文成公主が現代中国に甦り、あちこちに記念碑やら銅像が建てられている
評者は、文成公主の巨大な白亜の銅像を青海湖を一周したときに山の中腹でみた。
つくりは観音菩薩のようで、表情は愁いをたたえているかに見えたが、よくよく考えると唐王朝も漢族ではなく鮮卑系である。
したがって漢族と蕃族の民族団結とはいえないため、中国は「中華民族」なる架空の概念を発明し、歴史教科書を塗り替えてしまった。
 このようにして本書は、これまでの日本の中国史が意図的に語らなかった部分に焦点を当てながら、その歴史改竄の欺瞞、ご都合主義の実態を客観的に冷静な筆致で暴いてゆくのである。 
  
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)最近NYダウがバカ上げしているのに関して兜町雀から面白い話を聴きました。減税や米国企業の業績が好いこともありますが、それだけでは説明がつかないほどの上昇です。その原因は戦争期待だというのです。
 そういえば、軍需産業の多いダウ平均がNASDAQより大きく上昇しています。
トランプ大統領が今年の11月6日に行われる中間選挙での共和党勝利のために戦争を始めるのではないかと期待して軍需関連の株を中心に株価が上昇しそれがNY証券市場全体を押し上げているというのです。
米国では戦争を始めると政権と与党の支持率が上がります。特に短期で勝利すれは絶大な支持率上昇効果があります。相手はどこでも構いません。勿論正当性が高く悪役をやっつける場合は絶大な効果があります。
北朝鮮、中東のどれかの国、攻撃する口実が作りやすく、簡単に勝てる所が選ばれます。
ここでもう一つ注意すべきは日本の証券市場です。
今までと違い円高に向かっても構わず、米国市場に連れて上がっています。情報というものは漏れるものです。9.11事件の直前にアメリカン航空の株が売られたように。もし、ダウがNASDAQよりはるかに大幅に上がり続け、東京証券市場の上げが止まって下降に向かったら、トランプ政権のターゲットは中東のどこかではなく北朝鮮だということになる可能性が高いというのがご宣託です。
当たるも八卦ですが、真実味のある話です。
   (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ウォール街ではかなり真剣に囁かれているようです。小生も16日の正論の会での講演でも申し上げたばかりですが、中間選挙直前、九月あたりでしょうか。
 このままですと、トランプ与党の共和党は下院で大敗、上院でも惜敗の可能性が高く、与党劣勢を逆転させる秘策は、上記シナリオ、お手本はプーチンです。
トランプは勝負観の強い人ですから、やりかねませんね。



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(読者の声2)阿羅健一著『「南京事件」―日本人48人の証言』(小学館文庫)。その6―第二章 軍人の見た南京 1、陸軍(2)松井軍司令官付・岡田尚。第十軍参謀・谷田勇大佐。第十軍参謀・金子倫介大尉の紹介です。
 今回は第2章「軍人の見た南京」のうちの
1、陸軍(2) 上記3名の証言です。
 岡田尚氏の父・有民氏は明治から昭和にかけて中国革命を援助した志士の一人で、福建人民政府が樹立されたときに、当時の台湾軍司令官の松井大将とともにこの対策にかかわったこともあり非常に親しい関係にありました。松井大将は上海派遣軍司令官に親補されると、尚氏に嘱託として補佐してくれるよう求めました。尚氏は上海語ができ、多くの中国要人と知り合いだからです。
 尚氏は、南京占領時に戦争につきものの混乱はあったにしろ、虐殺などはなかった、それより、松井大将がせっかく降伏勧告状を出したのに、どうして司令官の唐生智がそれを受け入れなかったのか、それが不思議であり、残念であったことを強調しています。
 谷田大佐はいわゆる皇道派に属していました。同じ皇道派の柳川平助第十軍司令官が杭州湾に上陸すると、「山川草木すべて敵」と虐殺をほのめかすことをいったという批判に対して強く反論しています。皇道派はむしろ対中融和の考えを持っていた。それは皇道派の荒木陸軍大臣のときに、第一次上海事件で上海付近の中国軍を撃破するやただちに一兵も残さずに内地に引き上げていること、関内作戦のときに北京を指呼の間に望む地点まで進出したが、塘沽停戦協定によって関内に引き上げていることでも分かるはずだ、と説明しています。
 金子大尉は補給、警備などの後方担当でした。13日か14日に南京に入ったが、一人の死体も見ていないし、一発の銃声も聞かなかったそうです。転進業務があったので、一晩か二晩か泊まっただけのせいか南京の印象が薄い、ということは特別なにもなかったからだと思います、と言っています。戦後東京裁判で南京事件のことを聞いてびっくりしたということです。
  日本語原文:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/48-6.pdf
  英訳文:http://www.sdh-fact.com/CL/Ara-Nanjing-6.pdf
(「史実を世界に発信する会」会長代行 茂木弘道)
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