国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<インドはCPEC(中国パキスタン経済回廊)に風穴を開けた

2017/11/19

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月20日(月曜日)
        通巻第5511号  <前日発行>
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 インドはCPEC(中国パキスタン経済回廊)に風穴を開けた
  イランのチャーバハール港へアフガニスタン向け貨物輸送を開始
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 まさに国際情勢は奇妙奇天烈、複雑怪奇。昨日の友は今日の敵。
 トランプ大統領はアジアの安全保障をめぐって、「アジア太平洋」から「インド太平洋」と公式に発言をシフトしはじめ、11月5日からアジア歴訪を開始した。
訪日、訪韓、訪中のあとダナンのAPEC会議後、ちょうどハノイに入った日(11月11日)だった。ハノイはベトナム戦争において米国の正面の敵だった。

 インドが動いた。まさに「インド太平洋」と持ち上げられ、トランプ大統領がハノイでベトナム共産党幹部と面談した日にインドはグジャラート州の港から、パキスタンのカラチ沖合を通過して、イラン最東端のチャーバハール港に小麦15000トンを陸揚げし、それを内陸国家アフガニスタンのカブールへ届けた。パキスタン経由を避けたのだ。
最初の貨物は11000トンの小麦でインドからアフガニスタンへの援助物資である。

 地図を開いていただくと明瞭である。インドの北西部はグジャラート州。州都はアーメダバード、モディ首相の出身地であり、日本が大規模に肩入れしているインド新幹線の現場であり、2015年にモディは此の地に習近平訪問を迎え入れた。

 グジャラート州のカンドラ港を出航し、宿敵パキスタンのカラチ沖合をかすめて、イランの港への海洋ルートは、従来の貿易ルートでも細々としてしか物資の陸揚げ、出荷がなかった。このチャーバハール港からイランを北上すれば、西側はアフガニスタンである。

 アフガニスタンへ向かう物資は、これまで殆どがカラチへ陸揚げされ、中国が支援するCPEC(中国パキスタン経済回廊)を通じてイスラマバードあたりで分岐し、アフガニスタンへも運ばれていた。

 インドにとってパキスタンは宿敵、嘗ては東パキスタン(現在のバングラデシュ)をめぐって戦争を展開し、パキスタンからのバングラデシュ独立を支援した。
その後、パキスタンは米国が敵視するアフガニスタンのタリバンを密かに支援する一方で、米国の軍事支援と引き替えに、国内に米軍基地の使用を認めている。

 アフガニスタンで銅鉱山を開発するのは中国だけではない。
 インドも、じつはアフガニスタンへ投資し、鉱山をふたつ開発しているのだ。そのインドにとって敵国の商業港カラチへの物資陸揚げは、利敵行為ともなりかねず、かねてから代替ルートを確立するためにイランと交渉をかさねてきた。


 ▼日本が関知しない港湾も地政学上、枢要なルートだ

 そしてイラン最東端にあるチャーバハール港の増強、開発プロジェクトに投資し、四つのバースを完成させた。このチャーバハール港は440ヘクタール。これまでの年間取り扱い貨物は210万トン。インドが投じた開発投資は8500万ドル。此のチャーバハール港からイランを北上し、アフガニスタンのザランジへ物資を運ぶルートが完成した。これを「インドーイランーアフガン回廊」と云う。

 他方、米国はイランを制裁している。
そのイランと米国の同盟国でもあるインドが、経済的絆を強めることは、米インド関係に複雑な亀裂をいれるのではないのか。

 ところが米国は、アフガニスタン支援のためであり、同時に将来の軍事的脅威である中国とパキスタンの死活的なルートの代替となるわけだから、歓迎しているのである。
 リチャード・ロソウー(CSIS,米国インド研究センター主任)は、「これまで間接的なルートしかなかったから輸送費用、日数が高いモノについてきた。インドの商業行為は、米国が目指し、すでに30億ドルもの巨費を投じてきたアフガニスタンのインフラ建設に貢献するものであり、イランの核開発に結びついていない」

 ちなみにチャーバハール港に隣接する工業団地にインドは20億ドルを投資して鉄鋼プラント等をたちあげたほか、同港からイランを北上し、アフガニスタンまでの800キロの鉄道建設も担っており、この結果、チャーバハール港の陸揚げ能力は210万トンから年間850万トンに劇的な向上をみせている。

 この新ルート開発は、1973年にシャーパーレビが発案したが、ホメイニ革命で挫折し、長く放置されてきた。
 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今年も12月23日に恒例の「日台共栄の夕べ」【参加費:前金制】
 今年の台湾は、パナマとの国交を断絶されるなど中国からさまざまな圧力を受けながらも、着実に国内経済を伸展させています。
 米国は台湾との関係強化を目指して「台湾旅行法」「台湾安全法」「2018国防授権法」を制定しようとしています。日本もまた初めて総務副大臣を派遣するなど関係強化を進め、今年の姉妹都市提携は14件にのぼり、叙勲者も台湾出身者を加えると8人になり、日台の絆はますます深まっています。
 今年もこの1年を振り返りつつ、さらなる飛躍を期し、15回目となる本会恒例の「日台共栄の夕べ」を開催します。
 第1部の講師は、台湾独立建国聯盟日本本部委員長の王明理さんです。行政院長に就任した頼清徳氏が台南市長のとき、ご尊父の故王育徳先生の記念館と台湾独立建国聯盟主席だった故黄昭堂先生の記念公園の造成を決めたことやその進み具合などについて、台湾独立運動を第一線で進めてきた羅福全、許世楷、金美齢、林建良の各氏が日台双方で叙勲されたことと絡めてお話しいただきます。
 第2部は、台湾高級ホテル宿泊券、台湾食材を使った台鉄弁当、美味しい台湾果物、素敵な台湾グズなどが当たる大好評の「お楽しみ抽選会」を行う大忘年会です。
 今年から参加費は前金制となりますが、着座形式でゆったりとした雰囲気の中で行います。台湾にご縁のある方ならどなたでも大歓迎、ふるってご参加ください。
 
平成29年(2017年)11月吉日
                           日本李登輝友の会
             記
とき   12月23日(祝・土) 13時30分〜16時30分[受付開始:13時]
ところ  アルカディア市ヶ谷 3階 富士の間(東)
      http://www.arcadia-jp.org/access.htm
第1部:講 演 会 13:30〜14:20
    王明理先生「日台が受け入れた台湾独立運動─王育徳記念館と黄昭堂記念公園」
第2部:大忘年会 14:30〜16:30
参加費:会員:10,000円(学生会員:8,000円) 一般:12,000円
  参加費は前金制です。12月20日(水)までお振り込みのほどお願いします。
お振込先:郵便貯金 記号−番号:10180−95214171 日本李登輝友の会
       ゆうちょ銀行 店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
 日本李登輝友の会
お申込み:お申し込みフォーム、メール、FAXで日本李登輝友の会まで
      お申し込みフォーム:http://goo.gl/4LDSbD
      E-mail:info@ritouki.jp
      FAX:03-3868-2101
締切:12月20日(水) 定員(130人)に達し次第、締め切らせていただきます。
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第一節 粉飾の「バベルの塔経済」が崩壊する
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第二章 習近平がひた隠す「一帯一路」、じつは大失敗
第三章 国内開発プロジェクトも支離滅裂
第四章 権力闘争とは利権争奪戦でもある
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  • 名無しさん2017/11/19

     インドはCPEC(中国パキスタン経済回廊)に風穴を開けた

      イランのチャーバハール港へアフガニスタン向け貨物輸送を開始←宮崎先生、情報ありがとうございます。んで、新刊ですが、AIのほうを予約したいとおもいます。きりっ!