国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<嘗ての敵はきょうの友、米越関係は劇的に改善された

2017/11/11

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月11日(土曜日)
          通巻第5504号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 APEC会場のダナン、トランプ大統領演説は『アメリカンファースト』
   嘗ての敵はきょうの友、米越関係は劇的に改善された
****************************************

 高級リゾートが立ち並ぶダナンの海岸、南へ20分も車を飛ばすと隠れた避暑地といわれるホイアンに着く。長期滞在の外国人はダナンより、此のホイアンが好きである。瀟洒た小規模なブティック・ホテルが好きなようだ。

 ダナン空港は、ベトナム戦争中、米空軍の基地だった。大型輸送機、爆撃機、戦闘機がひっきりなしに発着し、この空港ではダイオキシンが混ぜ合わされて空中に散布された。この結果、およそ200万人が後遺症になやみ、癌の発生率が高く、近年になって米国はダナンの清浄作業を本格化させ、ようやく二年前に土壌から毒性がなくなった。

 また米国は数隻の沿岸警備艇をベトナムに寄付し、カムラン湾には空母が寄港し、最新鋭の武器供与も計画している。
 中国が掠め取った西砂諸島はベトナムの領海にあり、中国の軍事力を恐れないベトナムは、しかしながら兵器の旧石器時代化を嘆いている。

 ダナンは100万都市であり、古都のユエとは四時間のドライブで結ばれる。途中の山脈をくぐる長いトンネルは日本の無償援助で造られ、出入り口には翩翻と日本国旗が翻っている。

 このダナンにトランプ大統領は降りたって、大歓迎を受けた。あれほどの戦争をやった相手国であるにも関わらずベトナム国民の過半数は「トランプが好き」と答えるのである。驚くほかはないが、それが歳月の流れ、新世代の誕生ということであろうか。
 そのうえ、街辻では若者が「中国は法律に従え」「中国は侵略者」というプラカードを掲げての抗議行動が散発しており、当局はAPECの警備を理由に活動家百名を拘束した。
 
このダナンで展開された四大強国の貿易をめぐる方向性議論だから、不思議である。
APECの正式メンバーではないが、環太平洋諸国すべてが参加するようになって、ロシアからプーチンが、米国はトランプ、日本から安倍、中国から習近平もやってきた。

 ベトナムががっかりしたのはトランプがTPPを脱退すると決めたことだった。
 ダナンでトランプは講演をしたが「いかなる国も自国が大事であり、われわれのスタンスは『アメリカンファースト』である」と挑発的発言でTPPに真っ向から対決姿勢をしめした。

 つづく習近平はダボス会議と同じくグローバリスムを推賞し、米国と鋭角的対立の印象を作りだしたが、中国こそが不公平貿易に先兵であり、演説に迫力がなかった。
 ダナンAPECは貿易議論で火花が散ったという結果になりそうである。

        □◇□み△□◇や□▽◎ざ□◇□き◎□◇    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

【知道中国 1656回】                
――「即ち支那國は滅びても支那人は滅びぬ」――(佐藤3)
  佐藤善治郎『南清紀行』(良明堂書店 明治44年)

   ▽
香港留学時の1970年代前半、銀行や貴金属店の店頭には「丈の六尺もある」インド人の警備員が「昂然」と立っていた。
初めて目にした時には、目を合わせないようにして彼らの前を「身を縮めて通」ったもの。だが暫く目が慣れてくると、「體格はよいが、元氣が抜け、言動は慥かに亡國人」と思えるようになったから不思議だ。
たしかに佐藤の「亡国人」という指摘は肯ける。ことインド人に関するなら、佐藤の時代の上海の租界おける状況は1970年代の植民地香港に通じていたということなのか。

  佐藤に戻る。これから長江を遡っての内地旅行に備え両替した。そこで「支那にて通用する貨幣は、我國の如く價格の基礎になるのではなくて、品物の如く貨幣自身に相場の高低がある」だけではなく、「それが時々刻々に變化する」ことに驚く。なぜ、そんなことが起きるのか。
それは「自國政府の信用がないから」である。しかも「貨幣は各省で鑄造」し、それゆえに「省によつて貨幣が異るから、省より省に移るには兩替をせねばならぬ」。両替するごとに両替屋に手数料を支払うことになるから、「四五省も旅行すれば二三割は兩替屋に取られて仕舞ふ」。だから両替を重ねる毎に、手持ちの額は目減りするという寸法だ。

  やがて長江を遡る旅に立つ。
  乗り込んだ「小蒸気船は支那の勞働者を滿載して居る。(中略)過半は上體は裸で、脂が流れ惡臭鼻をつく。その體で相推し合つてベタベタと接するのであるからたまつたものではない」。そのうえ彼らは船内の廊下で「半裸體の儘犬の兒の樣に寝て居る」。だから「斯る風俗習慣の異れる支那人を取扱ふ事は、日本人ではとても出來ぬ」のである。

  南京の街を歩く。
 街中の処刑場に出くわす。「支那ではろくに裁判といふ事はしない。故に外人と面倒なる事を引起したる者や、多くの物を盗みし者(例へば主人の金を百二十兩以上を盗めは斬罪)を生存させて置くのは面倒だから、チヨキリとやつて仕舞ふ。誠に手輕な處置である。
群衆は平氣で之を見、饅頭を持ち行きてその血に濕し、藥とするといふ事である」。
まさに魯迅が『藥』で描き出した世界が、そのまま見られたわけだ。

  次いで喧嘩である。日本人の「男は街路に出て、支那人と痛く罵り合つて居つた。やがて横面をピシャンとや」って「躍りかかれば支那人の仲裁者が出來て之を遮る」。数百人が周りを取り巻く。
日本人は「仲裁者に組み附きながら『なんだチャンコロの二百匹や三百匹やつて來たつて日本男兒だぞ。腕には鋼がはいつて居るぞ』なんてやつて居る。支那人も罵つているが何だかわからない」。「本邦ならば袋叩きにされて仕舞ふべきを、本邦人は支那では斯る氣?でやつて居る」。
後にことの次第を事情通の日本人に尋ねると、「決して支那人は日本人に手向ひはせぬ。又利?のない事には手出しする樣な彌次馬はない。彼仲裁者も後には錢を貰ひに來る。日本人も斯る際には幾らか與へるから、喧嘩をしても結局はもうけられて仕舞ふ」と説明している。

  「決して日本人に手向ひはせぬ」「利?のない事には手出しする樣な彌次馬はない」「仲裁者も後には錢を貰ひに來る」。とどのつまりは「喧嘩をしても結局はもうけられて仕舞ふ」。かくて佐藤は「國民性の差は恐ろしいものである」と結んだ。

  たしかに「なんだチャンコロの二百匹や三百匹やつて來たつて日本男兒だぞ。腕には鋼がはいつて居るぞ」などと腕まくりしてイキがってみたところで、「喧嘩をしても結局はもうけられて仕舞ふ」わけだから、矢張り骨折り損の草臥れ儲けが関の山ということだ。

次いで訪れた漢口で深夜の街で「大聲を擧げて泣きつゝ物乞ひせる若者を見た」。敷石の上に坐し、「米を搗く樣に額をしたたか石に打ちつけて泣」いていたのである。
《QED》
       ▽□◎ひ▽□◎い□▽◎ず□◇◎み▽□◎  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)ラジオ日本からおしらせです。きたる11月24日(金曜日)午後1230からの番組「マット安川のずばり勝負」に宮崎正弘先生が生出演します。
 宮崎さんの出番は1252頃から1357まで、です。
 ご期待下さい。



  ♪
(読者の声2) 『「南京事件」―日本人48人の証言』(小学館文庫、阿羅健一著)。その4―第一章 ジャーナリストの見た南京」ほか。
 今回は第1章「ジャーナリストの見た南京」のうちの「5、その他(地方紙)の4人のジャーナリストの証言」です。
 いずれも虐殺など見てもいないし、聞いていないといっているのは、これまでの記者、カメラマンの証言と基本的に同じです。
 逆に、新愛知新聞の南正義記者は、中山門から城内に入っていくと街路樹のプラタナスの木に2,3体の日本兵が吊るされているのを見たということです。
 殺して吊るし下から火であぶってあったそうです。
一番印象に残っていて、戦後40年ほどたって南京に行ったときに確かめたところ、木は大きくなっていましたが、そのままのところにあったそうです。
 新聞などに虐殺が載らないのは、厳しい情報統制のせいではないかと思っている人もいるようですが、そもそも虐殺など見ていないし、聞いていないとみな戦後になっても言っているのです。
また検閲はありましたが、厳しかったのは場所、部隊名で、○○の二文字にしか書けなかったと福島民報の箭内正五郎記者が述べています。
これが実態であったようです。
 日本語原文:http://hassin.org/01/wp-content/uploads/48-4.pdf
英訳文:http://www.sdh-fact.com/CL/Ara-Nanjing-4.pdf
(「史実を世界に発信する会」会長代行 茂木弘道)

        □◇□△□◇□▽◎□◇□◎□◇     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 宮崎正弘の最新刊 宮崎正弘の最新刊  宮崎正弘の最新刊 宮崎正弘の最新刊   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
    ♪
<宮崎正弘新刊ラインアップ>
♪♪♪
『西郷隆盛 ――日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社、1620円) 
『金正恩の核ミサイル 暴発する北朝鮮に日本は必ず巻き込まれる』(育鵬社、1512円)
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず滅ぼされる』(徳間書店。1080円)
『日本が全体主義に陥る日  旧ソ連圏30ヵ国の真実』(ビジネス社、1728円)
『トランプノミクス』(海竜社、1080円) 
『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
『世界大乱で連鎖崩壊する中国、日米に迫る激変 』(徳間書店、1080円)  
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社、1512円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、1620円)

♪♪
<宮崎正弘の対談シリーズ> 
+++++++++++++
宮崎正弘 v 河添恵子『中国、中国人の品性』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 藤井厳喜『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社) 
宮崎正弘 v 福島香織『暴走する中国が世界を終わらせる』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 高山正之『日本に外交はなかった』(自由社、1080円)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円) 
宮崎正弘 v 室谷克実『赤化統一で消滅する韓国、連鎖制裁で瓦解する中国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上4つは1080円) 
宮崎正弘 v 石平 『いよいよ、トランプが習近平を退治する!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円) 
宮崎正弘 v 渡邉哲也『世界大地殻変動でどうなる日本経済』(ビジネス社、1404円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円) 

  ♪
<宮崎正弘の鼎談シリーズ> 
+++++++++++++
宮崎正弘 v 石平、福島香織『日本は再びアジアの盟主となる』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 石平、福島香織『中国バブル崩壊の全内幕』(宝島社、1296円)
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
            ◎◎◎◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 (休刊のお知らせ)11月13日から16日まで小誌は休刊となります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2017 ◎転送自由。転載の場合、出典明示
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。