国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <ロシアのハッカー部隊「ファンシー・ベア」が欧州の豪華ホテルに陣取って

2017/08/16

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)8月17日(木曜日)
        通巻第5395号  <前日発行>
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 ロシアのハッカー部隊「ファンシー・ベア」が欧州の豪華ホテルに陣取って
  ホテルのWIFIを使って宿泊客の情報を盗んでいる
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 北朝鮮のハッカー部隊が中国遼寧省の丹東と瀋陽のビジネスホテルに長期滞在して、世界にむけてハッカー行為を行ったり、他人の銀行口座から預金を横取りしていることは、知られている。
 先般の「ワナクライ」事件では世界100ヶ国近くに被害が出た。

 このハッカー集団は「ラザルス」と呼ばれ、世界の銀行を狙い、他人様の口座からカネを盗み出す。ロシアのセキュリティ専門企業カスペルスキーラボの調査で、このラザルスは北朝鮮だと確定されており、サイバー攻撃の技術は相当あがっているという。

 ところで、そのロシアだが、昨年の米国大統領選挙では民主党の選対本部にハッカー攻撃、選挙情報をたくさん盗み出した。米国の左翼メディアは、これはトランプ陣営を有利にするためだったなどと出鱈目な解説をしていたが、ロシアのハッカー集団は、共和党の選対本部にもハッカー攻撃を仕掛けていた。ところが選挙はトランプ陣営が仕切っており、共和党はやや冷淡、組織的な資金集め、票集めに力を入れていなかった。

 英紙ロンドンタイムズ(8月15日)に拠れば、ロシアのハッカー部隊「ファンシー・ベア」は欧州の豪華ホテルに陣取り、ホテルのWIFIを使って宿泊客の情報を盗んでいるという。
 欧米にチェーンを持つ豪華ホテルが撰ばれたのは宿泊する客の多くが大物政治家、外交官、企業幹部がだからである。
 判明しただけで欧州の七ケ国にまたがるホテルと中東1ヶ国のホテルでの暗躍が判明したという。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 通説に囚われず、従来の歴史家の視点を乗り越えて乱を振り返ると
  『応仁の乱』は無茶苦茶な戦乱ではあったが、基軸には別の要素が含まれていた

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呉座勇一『応仁の乱』(中公新書)
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 だらだらと続いた。華々しい英雄がまるで出てこないが、大乱だった。
 三国志演義的な波瀾万丈に乏しく、歴史作家も飛びつかない題材。大河ドラマでも一度、応仁の乱を舞台にしたことがあった。日野富子を三田佳子が演じていたっけ。
 四半世紀ほど前だったか、加瀬英明さんと飲んでいたとき、氏が面白い逸話を話してくれた。
 細川家の御当主(先代)と、例の宝物がある細川邸で加瀬さんが話し込んだおりの会話。
「素晴らしい歴史的な文物をたくさん保管されているのですね」
「いいや、たいしたことはない。大方は戦災で消失してしましたから」
「はぁ、先の大東亜戦争で?」
 「いいえ、応仁の乱です」。
 そうだ。応仁の乱は山名宗全と細川勝元の戦いが端緒だった。
 室町八代将軍・足利義政には男子がおらず、弟の義視を後継とした。直後、義政の正室、日野富子が男子を産んだ。乱の嚆矢である。
 実力者として台頭してきた山名、細川が、このお家騒動に介入した。
 「応仁の乱勃発当初は京都のみが戦場であったが、やがて戦乱は地方に波及し、全国各地で合戦が行われた。これだけ大規模で長期にわたる戦乱なのに、大名たちが何のために戦ったのか見えてこないというのは不思議である。劇的で華々しいところがまるでなく、ただただ不毛で不条理。これが応仁の乱の難解さ、ひいては不人気につながっている」と著者は乱の特徴を鷲づかみに纏める。
 さらにややこしいのは畠山家と斯波家の戦い、内訌、くわえてここに寺社勢力が加わるが、とくに興福寺である。当時は僧兵、重武装している。あまつさえ、これらの輻輳した要素に被さるのが南北朝問題だった。
 「応仁の乱はもともと幕府内の権力闘争であったが、南帝の擁立によって、新たな段階に進んだ。それは『北朝の軍隊』として『室町の平和』を守るという、室町幕府の役割が失われたことを意味した」(167p)からだ。
 だらだらと乱は継続され、途中で何度も厭戦気分が蔓延し、あろうことか山名宗全と細川勝元が途中で隠居するのである。戦争原因の大きな一つが消えた。
 
 「両軍の首脳が表舞台を去ったことで、諸将を束ねる存在が失われた。宗全と勝元が真になすべきだったのは、諸将を説得して正式な講和交渉を始めることだったが、彼らはおのおのの政権を投げ出す形で辞任してしまった」(187p)
 だから戦乱はさらにだらだらと目的が明確でないままに続いてしまう。
 さて評者がこの本に刮目したのは、従来の歴史観に囚われていない視点が新鮮だったからである。
 著者自身がいみじくも言うように「戦後歴史学が依拠した革命思想と反戦平和思想は矛盾することが多い。前近代社会において既得権打破の動きは、往々にして戦乱の形をとるからである」
 こうした戦後左翼史観を脱却し、著者は興福寺、そして他の寺社勢力とそれに結びついた地方の武将との絡みという視点から、応仁の乱を見直し、裁断し直した。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1615】               
  ――「獨乙・・・將來・・・無限の勢力を大陸に敷けるものと謂ふべきなり」(山川5)
   山川早水『巴蜀』(成文堂 明治42年)

   △ 
 当時、四川省の省都である成都は開港場ではなく、それゆえ外国商人は公然と営業することが出来ず、「諸店は、皆支那人の名義を借れり」といった状況だった。

  「成都の於ける外國商品は主として獨、佛、英及日本等より輸入せらる、而して其運搬は皆上海より宜昌まで滊船に由り」、以後は陸路と水路を経るが殊に水路が危険なため、上海の保険会社が取引を断っている。「運搬費の巨大なるか爲め、本邦に比し、平均三四割の貴きを見るは、止むを得ざるなり」。

  ところで、どんな商品が運ばれていたかをみると、「毛布、大小時計、靴、玻璃類、莫大小類、金屬器具、玩具、罐詰、酒烟、菓子、藥品、西洋食器、陶器、洋傘、洋紙、文具等」に他の雑貨を加えた日用品だった。これら「商品中最も聲價を搏せるは、獨乙品を以て巨擘と爲す」。つまりドイツ製品が最も人気もあり、なかでも「獨乙獨特の瀬戸引器具即ち洗面盤、藥鑵、手提割盒など」が売れ筋だった。山川は第一が品質が堅牢であり、第二が価格が低廉、第三が消費者の「嗜好習慣」を巧みに取り入れていると、ドイツ商品の優れた点を挙げる。

  山川は「獨乙が機敏の一端」、つまりドイツの巧みな販売戦略の一例として手提割盒を挙げて解説する。それによれば、従来から中国には「携帯用の數段に重ねたる竹製(中略)の割盒ありて、家居旅行共に闕く可からざる一要器に數へら」れていたが、竹製であるがゆえに長期使用には耐えられないばかりか、汁物を扱えないという欠点があった。この点に、ドイツは着目したというのだ。

 「獨乙は即ち此要求此欠陥とに乘じ、例の瀬戸引を以て、同式のものを供給せり」。当然、価格は従来からある中国の竹製よりは高い。だが、長期使用に耐える点を考えるなら、割安感は増す。そこで中国人は1つといわず、2つ3つと買いあげることとなる。

  なぜドイツ製品は中国の竹製に勝るのか。山川は、ドイツ商品の勝因を「第一は堅牢、第二は盛る所の食品に乾濕を擇ふを要せず、第三火に翳すを得、第四好看(中略)なり」と挙げる。「好看」については、彼ら中国人は「見懸によらず、體裁を喜ぶなり」と指摘するが、「好看」を好む中国人の消費性向を見抜くドイツ商人の“慧眼”には改めて驚かされる。おそらく日本人のように《中国人はこういうものだ》という一知半解な知識に煩わされることがないのだろう。考えれば中国とドイツの間には、日中関係に象徴される一衣帯水も、同文同種も、子々孫々の友好などといった夾雑物は微塵もない。一切、あり得ない。あるのは「双贏(ウイン・ウイン)関係」だけだろう。これは現在でも同じだ。

  こうしてドイツ商品は「如何んぞ彼等(中国人)の喝采を搏せざるべき、果して彼らは舊を棄てゝ新を取ること、水の卑きに就くが如」きであり、「今や獨乙輸出品中の主要を占め、又外國商品中の要品と推さるゝに至れり」というのだ。いわば中国人の趣味嗜好と消費動向を十二分に計算しているがゆえにドイツの販売戦略は成功している、ということだろう。

  また山川は、もう一つの成功例としてヤカンを挙げる。中国では「湯沸としては、殆ど錫銅の二種に限られ(中略)、其蓋は墜落するを防ぐか爲、必ず紐を以て把手に繫げり」。この点にドイツは目を着けた。すぐ切れてしまうような紐に換えて堅牢な「金屬の小鎖を以てせり」。かくて消費者から「少からざる賞讃を搏」したのである。

  ドイツの巧みな販売戦略はまだ続く。たとえば「ランプのホヤに製造所の名號を記するに、英字と漢字とを以てせることなり」。ドイツ語音に近い音の漢字で記すが、「自國の文字」が普及していないゆえに、敢えて「英字を以て之に代へ」ていたというのだ。
《QED》
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 ▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS ●読者之声
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(読者の声1)グアム沖合にミサイルを撃ち込むと北朝鮮は米国を脅し、トランプはそれでもじっと耐えている。
やはり米国は北朝鮮の核施設への先制攻撃はなさそうですね。
先生の『金正恩の核ミサイル』(育鵬社)や藤井厳喜さんとの対談『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)を緻密に拝読した限りでも、攻撃はなさそう、やはり最大の問題というか懸念は『ソウルが火の海』になる事態への怖れですか?
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)ご指摘の拙著でも指摘しておりますが、1994年危機のとき、クリントンは攻撃寸前の段階まで突き進みましたが、土壇場でカーター元大統領を訪朝させています。
ペンタゴンが、攻撃するとソウルでおよそ60万の犠牲が出ると報告したからです。こんどは、或るシミュレーションでは100万の犠牲が出るとされています。
 危機を回避するには、オバマか、クリントンの特使派遣ということになるかも知れません。



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(読者の声2) 最近の貴誌、内容が凄いですね。毎日毎日、面白い・・・。一般メディアに読むべきものが無くなってきた今、一夫の清涼剤です。
   (西村幸祐)



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(読者の声3)貴誌に書評のあった門田隆将『奇跡の歌 戦争と望郷とペギー葉山』(小学館)で気がついたのですが、(まだ門田氏の著作は読んでいませんが)高知の鯨部隊を兵団とも連隊とも表記されていますが鯨部隊は歩兵236連隊の通称号です。
帝国陸軍では戦時においてはこのような通称号を使用し、軍や方面軍は「集団」、師団や旅団は「兵団」、連隊は「部隊」と呼びました。
従って鯨部隊を兵団と呼ぶのは間違いです。宮崎先生の郷里の金沢にあった第九師団は日露戦争以来の武勲に輝く名門師団でしたが、大戦中の通称号は「武(たけ)兵団」で沖縄防衛の基幹兵団と期待されていましたが、米軍上陸以前に台湾に抽出されてしまいました。
その結果、民間から根こそぎ動員で鉄血勤皇隊などの悲劇を生みました。
     (武蔵国杉並住人)



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(読者の声4) 「中国ガン・台湾人医師の処方箋」(林 建良著)
中国の本質を知る最高の解剖学とその処方箋が本書に掲載されています。
その1
 中国ガンを退治しなければ、真っ先に飲み込まれるのは日本と台湾である。中国人の深い怨念を考えると、台湾よりも日本の方が深刻になりそうだ。日本が本気に中国ガンを退治しようとするなら、台湾と連携しなければならない。中国は台湾を「核心的利益」としている限り、台湾は中国ガンの核心に挿し込む鋭い刃物となるからだ。

●「核心的利益」発言は「色z試ァ内荏」の現し

論語陽貨篇に「色z試ァ内荏」とう言葉がある。本当は軟弱なのに、強い態度に出るとの意味だ。「強がり」に近い意味だが、その論語の続きの言葉は「譬諸小人、其猶穿&#31404;之盗也與」のだから、「強がり」以上の軽蔑の意味が含まれている。肝玉もないのに人を恐喝したりする盗賊のような人間を指している。これは中国の態度そのものだ。
 中国の恐喝の常套手段は「核心的利益」と勝手に決めつけながら、戦争を仄めかすことである。これはチンピラと同じ、「手を出したら刺すぞ」と虚勢を張る態度なのだ。しかしその強硬な態度とは裏腹に、中国には内心では「核心的利益」に絡む争いを恐れていると理解すべきだ。台湾に絡む事態を恐れていなければ、その「色z試ァ内荏」の言葉を使う必要もない。「北京は中国の核心的利益だ」と言う必要もないように。
 「核心的利益」という言葉は対外的には「手を出すな」という恐喝の効果と、対内的には「強い態度で臨んでいる」というアリバイ作りの狙いがあると同時に台湾に対して「独立するな」との警告も含めている。

●台湾の法理的独立は中国分裂の起爆剤になる。

実際、中国が一番恐れているのは台湾の「事実上独立」(de facto)から「法理上独立」(de jure)に移行するのであろう。なぜなら、台湾の法理的独立が中国の分裂を促す最大の起爆剤になるからだ。
 台湾の法理的独立に対して、中国は必ず武力を使って阻止すると宣言してきた。だから台湾の法理的独立は戦争を意味する。当然その瞬間、中国の経済は崩壊してしまう。ところが中国が台湾に武力侵攻をしなければ、張子の虎であることを宣言することに等しく、中国内部の分離勢力は必ず刃向ってくる。その時、政権内部の批判も噴出しやがて分裂につながる熾烈な権力闘争に発展するのであろう。
 分り易く言えば、台湾の法理的独立宣言について、中国は恫喝以外に有効な手立てを持っていないのだ。台湾が捨て身になる覚悟さえあれば、中国を崩壊させる力を持っている。重要なのは、中国もそのことをよく知っていることだ。その中国と台湾とのチキンレースは今でも展開している。

●現実味のある中国民主化運動支援

 しかし中国がもっと恐れなければいけないのは台湾の独立宣言ではなく、台湾が中国の民主化運動を積極的に支援することだろう。
 台湾が民主主義をもって中国に圧力をかければ、独立宣言と同様な破壊力を持つ。なぜなら、中国人も現在の共産党独裁体制に不満を抱き、言論の自由、民主化と人権尊重を求めているからである。
 中国人のほとんどが台湾は中国の一部と信じ込んでいる。台湾が独立宣言をすれば、中国人のほとんどが中国政府を支持して台湾を叩くのであろう。つまり、台湾が法理的独立する際、中国人民とも戦わなければならない。
 しかし台湾が中国の民主化運動を積極的に支援して中国の変化を促す場合は、共産党政権を敵に回すが、中国人民を敵に回すことはない。結果として中国人民と共同戦線を張り、共産党政権と戦うことになるのだ。これが恐らく中国政府にとって一番嫌なシナリオではなかろうか。

●民主化運動を支援する実績のある国民党

台湾は蒋介石の時代から、国民党と共産党の内戦の延長として、中国の民主化運動を支援してきた実績がある。台湾に逃げ込んだ蒋介石政権が「自由中国」を名乗っているが、共産党と同様な独裁政権だった。民主化運動支援とは共産党政権を転覆させる手段だけであり、中国を本気に民主化させるつもりなどなかった。蒋介石の捕らぬ狸の皮算用は当然中国人に信用されず、何の効果もなかった。

2000年、国民党政権に代わって民進党政権になると、独立派であるはずの陳水扁が早々と独立色を封印し、中国に媚びるようになった。その後の8年間の政権の下、中国への善意の印として民主化運動支援をもトーンダウンさせ、李登輝政権以来、アメリカに拠点を置く中国民主化運動団体「北京の春」への資金援助も打ち切った。情けないとしか言いようがないのだ。
 その後の馬英九政権が中国一辺倒の政策をとり、中国に迎合しているため、民主化運動への支援もついに完全に有名無実化となった。
こうして台湾政府も日本政府も中国の嫌がることをせず、中国に媚びる姿勢を徹しているからこそ、中国ガンを助長しているのであろう。

●中国人が傾倒する台湾の民主と自由

しかし、それでも台湾は中国に絶大な影響力を発揮している。2008年5月に就任した馬英九は、すぐさま中国人観光客の台湾旅行を開放した。それから、台湾の至るところに中国人を目にしない日がない。

中国人観光客が興味を持っているのは台湾の景色よりは、台湾の民主自由の社会なのである。台湾の名勝地に行った中国人たちがよく口にするのは、中国の風景はもっと良かったなど偏狭な言葉である。これも中国人の嫌らしいところだが、一つだけ、狭量な中国人も認めざるを得ないところがある。それは台湾社会の自由な雰囲気と台湾人の善良さである。彼らの大半が台湾の民主主義に傾倒し、台湾の自由の空気を魅力的に感じているようだ。
 台湾に旅行した中国の有名作家韓寒は自分のブログで台湾人の善良さと民主自由の雰囲気を伝えた。彼は台湾の民度の高さを賞賛している一方、こうした暖かい社会の形成は民主的制度の下である故だとも強調している。

●中国人は台湾を知れば知るほど、共産党独裁政権に疑問を持つ

 台湾人は中国人と接触する機会が増えれば増えるほど、自分は中国人ではなく、台湾人なのである台湾人意識が強まるが、中国人は台湾人と接触すればするほど、「同じ中国人」なのに、何故台湾人にできて、自分にはできないのかと疑問が深まる。その疑問は何れ、中国共産党にぶつける奔流になり、独裁体制をなぎ倒す力になろう。

●中国人観光客の目を引く反中国的部分

もう一つ中国人観光客が興味を示すのは、台湾の反中国的部分である。様々な中国批判や共産党批判の書物、毛沢東の宿敵である蒋介石の記念堂、あちこちに出会う法輪功の反共産党宣伝ビラなど、中国で見ることのできない政治思想や歴史記述が彼らの目を引いている。

このような発見は、単に一外国での新鮮な見聞だけではなく、そこにあるのは自分に関係する歴史の真実である。共産党も国民党も嘘つきな中国人体質だが、相手の悪口の部分なら信じられる。台湾旅行がこのようなところで中国人たちにインパクトを与えていることは恐らく中国の当局も予想しなかったのであろう。
似たようなインパクトは私も経験している。戒厳令が敷かれていた1987年に日本に留学してきた私が絶大の関心を持っていたのは、台湾で触れることのできない台湾の真実であった。台湾で禁止されていたいろんな書物を読み進むにつれ、長年自分を騙してきた国民党政権への憎悪もさらに深まり、それが私の台湾独立建国運動への参加につながった。台湾で中国共産党に関する文献や書物に触れる中国人も恐らく同様な気持ちではなかろうか。
 こうして台湾は、中国政府の思わぬところで中国の変化を促している。中国にとって台湾は美味しい獲物から扱いにくい厄介者に変身しつつあるのだ。
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