国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <GPS(衛星測位システム)を持たない北朝鮮がミサイルの命中精度をあげた?

2017/05/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)5月26日(金曜日)
      通算第5305号   <前日発行>
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 GPS(衛星測位システム)を持たない北朝鮮がミサイルの命中精度をあげた?
   背後に中国の衛星ガイドシステムの支援があるのではないのか?
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 北朝鮮のミサイルの脅威が論じられているなかで、一つ重要な要素が話題になっていない。つまりミサイルの命中精度向上は、いかなる技術によるものなのか、である。
 北が連続的に打ち上げているミサイルは標的にほぼ正確に命中させたとされる。この成功には宇宙に浮かぶ衛星の誘導が必要である。

 北朝鮮はそうしたシステムを持っていない。
 2014年に北朝鮮から中国に派遣された専門エンジニアは、宇宙衛星による測位と、誘導技術をいかに応用し、ミサイルに利用するかの訓練を受けている。
中国が独自に開発した誘導システムは「北斗1」と「北斗2」(コンパス)といわれる。

 米国とEU、ならびにロシアのシステムは一般的に「GLONASS」と呼ばれ、北朝鮮がこのシステムに悪のりしている可能性は捨てきれないものの、消去法で考察すれば、やはり中国のシステムへの依拠であると専門家はみている(アジアタイムズ、2017年5月24日)

 ロシアは北朝鮮の核実験以来、核とミサイル関連のシステムや部品、技術の輸出を禁止してきた。けれどもロシアの開発したGLONASSの関連装置、部品まで制裁の対象となっているかは不明である。

 4月に米国はトマホーク・ミサイルをシリアへ撃ったが、これらはトマホークが内蔵する誘導装置と、宇宙に浮かぶGPSが地中海の洋上にあった駆逐艦からのミサイルを正確に標的に導いた。

 さて中国は欧米ならびにロシアの測位システムとは異なった、独自開発の「北斗」シリーズを構築するため、これまでに20個の衛星を打ち上げており、2020年に合計35個の衛星を宇宙に浮かべると全地球をカバーできることになる。

 「北斗1」は四個(うち一回は失敗)、すべては静止衛星で、長征ロケットによる打ち上げだった。
 「北斗2」は現在までに16個(一回は失敗)、やはり長征ロケットによる打ち上げだが、静止衛星、中軌道のほか傾斜対地同期軌道のものがある。
 北斗は商業用と軍事用に仕様が別れており、現在6億から8億の中国人が使っているスマホは、この北斗のGPSを利用できる。


 ▼西側の衛星誘導システムは、北斗の追い上げに直面

 一方、GLONASSは、米国、ロシア、EUのGPSシステムの総称として使われるが、厳密に言えば、ロシアが開発したのがGLONASS(Global Navigation Satellite Systemの略)で、米国のそれはGPS(Global Positionning System)、EUはガレリオ計画という。

 現在、ロシアはインド政府との協力を得て、24個の衛星、米国は35,EUは4個の衛星が軌道上にある。
 しかし天体の電波障害によって、GLONASSは2014年4月1日に11時間、機能不全に陥り、世界中のユーザーに影響が出たこともある。

 中国の北斗システムは、既存のGPSシステムとは隔たった独自の開発によるもので、軍の仕様はまったく明らかになっていない。しかし、その応用技術を北朝鮮に教えたことはほぼ確実であろう。
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 本気で理想郷を描き、造った日本の満洲建国。無惨に潰えたが
  満洲は近代国家日本のフロンティアであり、実験場でもあった

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喜田由浩『満洲文化物語  ユートピアを目指した日本人』(集広舎)
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 国家の意思として、巨大な投資をなして人類史上稀な理想郷が半ばできかけていた。首都の新京(いまの長春)には皇帝溥儀の壮大華麗なる御所が建築されていた。仮御所は、現在の吉林大学建築学部の建物として立派に残っている。仮御所の規模だけをみても、凄まじいほどに巨大だった。
 ほかにも日本が新京に建てた夥しい建築物は、現在中国共産党委員会や地方政府、大学、医院、そして行政の機関のビルとして活用されている。
いまとなっては、この立派なビル群が、日本が建ててくれたものであることを知っている中国人は稀にしかいない。
 ハルビンの繁華街も日本が整備した。その名残はハルビンを歩けば随所に残る。そのハルビンの駅舎一等車貴賓室からでて、プラットフォームに立った伊藤博文は朝鮮のテロリストの凶弾に斃れた。
 満鉄は大連から奉天(現在の瀋陽)、新京(長春)、そしてハルピンへと至り、その「アジア号」の特急列車ばかりか、駅もホテルも、世界一の豪華さを誇った。大和ホテルは、いまも大連、瀋陽、長春、ハルビンに残り、ときに映画のロケにも使われている。その繁栄に度肝を抜かれて、夥しい朝鮮人と中国人(とくに山東人)が這入り込み、教育、福祉制度の恩恵に預かり、唐突に日本が敗戦国となると、その富をもぎとり、搾取し、元の曠野に戻った。
 日ソ不可侵条約を破り、侵攻してきたソ連は、日本の工業、生産施設をごっそりと持ち去った。日本人兵も60万人以上連れ去って強制労働にこき使い、6万から7万の日本人がシベリアの凍土に消えた。
満州といえば、したがって悲劇、惨劇の舞台であるのだが、他方で強烈なノスタルジーを誘うユートピア幻想が浮かび上がる。
本書はとくに後者に焦点をあてて、あの時代の面影を、活躍した人物を基軸にしつつ全体像を追求し、豊富な逸話でまとめ上げた。労作である。
その取材にかけてエネルギーも行間からあふれ出ている。
大流行歌手の東海林太郎は満鉄職員だったこと。映画俳優の森繁久弥や加藤登紀子が、満洲生まれであることは知っていたが、三船敏郎の父親が大連で写真館を経営していたことは知らなかった。戦後、三船は一度だけ大連に行き、その写真館の前に立って涙した。
満映と言えば、花形スターの李香蘭こと山口淑子、諜報員を養成したハルビン外国語学院。『赤い月』を書いたなかにし礼も黒竜江省は牡丹江育ちである。
 
さて、新幹線の『のぞみ』と『ひかり』は満鉄時代の特急の愛称である。釜山からハルビンまで一日半で、キップは当時のカネで60円(いまの平均的サラリーマンの月給)だった。加藤登紀子の母親がかいた文章にその記録を著者の喜田氏は探し当てる。
このルートとは別に敦賀港からウラジオストックに船で渡り、与謝野晶子が鉄幹を追ってロンドンへ言った折にも、こおnウラジオーーハルビン路線が利用された。脱線だが、ウラジオストクに与謝野晶子の歌碑があるが、彼女が満鉄の旅の途中で立ち寄ったからだ。その孫にあたる与謝野馨氏も旅立たれた。
もう一つの路線が下関から大連へ船でいき、満鉄に乗り換えるルートだった。三つのルートが平行していた。
本書には最後の大連駅長だった富さんへのインタビューがあり、貴重は証言となっている。
ともかく明治後期、すでに東京、神戸から釜山、ハルビンを経て、パリ、倫敦までの鉄道が一枚の切符で繋がっていた。こんにち北京と倫敦がようやく鉄道で繋がって『陸のシルクロード』と大騒ぎしている中国は、すでにその百年も前に日本が成し遂げていた快挙を知らないのかもしれない。
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 ▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS ●読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号でフィリピンのミンダナオ島に戒厳令が敷かれたと速報があり、翌日から日本のメディアも伝えていますが、あるいはフィリピン全島に拡大適用され、戒厳令は一年続くという観測があります。
 フィリピンに進出した日本企業はかなりあり、みんが、いま影響を受けています。見通しは如何でしょうか?
   (UH生、在マニラ)


(宮崎正弘のコメント)べつに戒厳令がでようとでまいとフィリピンはマニラでも治安が悪く、事実上の戒厳令下。
 テロはまたジャカルタに飛び火しました。もはや欧米に限らず、テロは世界的規模です。
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宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
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