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宮崎正弘の国際ニュース・早読み  <ロシアのマフィア、FSBと中国の銀行がグルになり、200億ドルを資金洗浄

発行日:3/23

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)3月23日(木曜日)
        通算第5232号   
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 英紙ガーディアンがすっぱ抜いたロシア、中国のマネーロンダリングの手口
  ロシアのマフィア、FSBと中国の銀行がグルになり、200億ドルを資金洗浄
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 中国の国有銀行の殆どが不正な資金洗浄に絡んでいた。
 世界的なマネーロンダリングの犯罪ルートが一部解明されたのだが、でてくる、でてくる。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行という四大国有銀行ばかりか、交通銀行に加えてHSBCの香港支店。。。。。

 ロシアの不正資金の洗浄は欧州の銀行ばかりか、中国の銀行群がマネーロンダリングに手を貸していた。
もちろん、中国だけではなく、英国に本店をおくHSBC、クレディスイス、さらにはドイツ銀行もからみ、巨額の資金洗浄に手を貸した関係者はおよそ500名。発端は例の「パナマ文書」である。

 ガーディアン(2017年3月21日)に拠れば、まずやり玉に挙げられたのはドイツ銀行で、バルト三国のラトビアを舞台にロシアの犯罪組織が絡んだ資金洗浄に協力し、およそ3億ドルが謎の企業「グローバル・ランドロマット(Global Laundaromat)」を通過した。ここにはKGBの後身「FSB」も絡んでいるという。
この資金洗浄は2010年から2014年に行われた。

 ロシアのマフィアが架空のローンを互いにでっちあげて資金移動を行っていた。
ロシアの資金洗浄はキプロスやモルドバが舞台だったが、キプロスで不動産バブルが破裂し、モルドバではいくつかの銀行が倒産した。
その後、ロシア資金は旧ユーロスラビア諸国や、ラトビアなどバルト三国に拠点を移動させていたらしい。

 米国系銀行は、同じ期間にバルト三国から撤退した。
このロシア絡みに資金洗浄に手を貸すと、米国司法省から課せられる罰金は、銀行経営を逼迫するほどの巨額になる。
明らかに犯罪が絡んだ資金の取り扱いに慎重になったからだ。JPモルガン銀行などが撤退後、バルト三国に進出したのがドイツ銀行、コメルツ銀行(独第3位)だった。

 ラトビア当局は、金融犯罪の捜査を進め、「ロシアの不法資金が欧州金融市場へ流れ込む中継の役目をしている」としてドイツ銀行に警告を発し、ドイツ銀行はスタッフの入れ替えを行った。

 この犯罪スキームに中国の富豪たちの海外不法送金が絡んだ。
 アジアタイムズ(同日)に拠ると、ロシアの「グローバル・ランドロマット」に関連した不正送金は、最低に見積もっても200億ドルに達するという。

 資金洗浄の犯罪組織や協力した銀行は合計96ヶ国におよび、このうち中国に流れこんだカネは9億1500万ドル、香港に流れ込んだのが9億2700万ドルという。

 ロンドンが本店のHSBCは、トータルで5億4500万ドル。パナマ文書に拠れば、中国共産党政治局常務委員会の全員が関与する面妖な企業やファンドが、濃密に資金洗浄に絡んでいることが判明しており、今後、全容の解明は国際的な捜査協力体制が構築されるか、どうかにかかっている。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 西欧の社会主義政党はとうの昔に共産主義と訣別している
  ところが、日本では珍妙な主張がまかりとおり、共産党が残存している

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福富健一『共産主義の誤謬』(中欧公論新社)
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 日本共産党というのは世界の自由主義先進国においては存在すること自体が珍しい政党である。ところが、2017年3月18日時点で、日本共産党は衆議院で21議席を占めている。
 コミンテルンの日本支部として生まれ、数々の武装闘争、火焔瓶、戦後はGHQの保護を受けて暗躍し続け、凶暴な事件を引き起こしたが、路線を転換するや平和護憲運動とかの珍妙な論理をでっちあげて、左翼労働組合、教員組合、マスコミ、そして司法界に浸透した。
 昨今の『安保法制』、『共謀罪』反対運動も、表立たないが、運動の中核にいるのは彼らだ。
 なぜ、こんなことになったのか。戦後政治のトータルな誤謬の結果だが、憲政上、合法的に存在している以上、このフランケンシュタイン的組織は危険である。しかし、なにが彼らの思想の根底にあるのかを、ここで改めて見極めておく必要があるだろう。
 本書はオルテガの箴言から始まる。
 「自分の観念の分限を守るようおのれを訓練することができないならば、人間は自分のわがまま勝ってに身をまかし、自分を喪失していくであろう(中略)。自分だけで存在していると信じているとすれば、(中略)自分である以前に、妖怪じみた、幻影的な、想像上の存在物になってしまうであろう」(ホセ・オルデガ・イ・ガセット著、井上正訳『体系としての歴史』、白水社)。

 マルクスは人間の歴史が封建社会から資本主義社会を経て、プロレタリア革命がおこり、共産主義社会に最終的に移行するなどとノストラダムスのような予言をした。
 「ところが日本では、天皇制という封建社会が残っている。よって共産党は、天皇制を転覆するブルジョア革命を行い、その後、社会主義革命によってプロレタリアートと農民の独裁を実現する」とした二段階革命論が論壇の一翼をしめ、共産党も主張した。
 講座派の『日本資本主義発達史講座』(岩波書店)には次のような文言が並んでいる。
 「明治維新は、直ちにブルジョア革命――有産者団の政権掌握――を意味し得はしなかった。だが、それはその本質において旧封建的生産関係に対して、資本家的生産関係の支配的展開への、したがってまた、旧封建的支配者に対して、資本家および『資本家的』地主の支配権確立への端緒を形成したところの、画期的社会変革であった」

 この文章は大江健三郎より下手な作文で、よほど頭の悪い人が書いたのだろう、自分で何を言っているのか咀嚼さえされておらず、しかし、この程度の作文でカクメイに走った一群の人たちがいたことは悲哀である。
安保条約の条文も読まないで60年安保反対を言っていた若者たちの時代的熱狂に通底する心情はほのかに感じられるにせよ、消化不良をおこしそうだ。誰が書いたのか、調べると羽仁五郎だった。さもありなん。

 さて、日本共産党は西側先進国において存在することさえ奇妙とされる。
 ドイツでは共産党は憲法違反として存在が認められていない。たとえ合法的存在としてあっても、フランスや米国のように、誰も注目しないミニ政党だからである。自由主義諸国には結社の自由が認められているから、台湾にも「共産党」がある。むろん、支持者は僅少、議席はない。
 イタリア共産党は社会民主主義政党に変質したが、ソ連崩壊後に消滅した。英国では政治から排除され、フランス共産党は衰亡の危機にある。 
 なぜ欧米で共産党は消滅したのか、福富氏は言う。
 「日本と違い共産主義政党が消滅した」(中略)大きな原因は「欧米の社会主義政党は『フランクフルト宣言』や『オスロ宣言』で明確に共産主義を拒否したからである」
 日本のメディアが熱心には伝えなかった『フランクフルト宣言』(1951年)には、
「共産主義は、一党の独裁制を確立するだけの目的」しかなく、また「国際共産主義は軍国的官僚制と恐怖警察制度に基盤をおいている」と明言しているのである。
 また社会主義インターの「オスロ宣言」(1962年)は、
 「共産主義は単なる社会的、政治的、また経済的制度ではなく、自己の唱えるところが絶対的に正しいと主張し、かつ全世界に拡大せんと懸命になっている一種の教義である」と断言し、「共産主義諸国はもっとも激烈な反植民地主義のことばを使っているが、数千万の人々を奴隷としてきている」とソ連、中国を非難しているのである。

 とどのつまり、福富氏が結論することは、「西欧の社会主義政党は、共産主義の『思想』そのものを『教義』であり人間の『自由を否定』し」ているのであって、「人類社会と矛盾する思想を排除しようとしている点が日本と異なっている」とする。
 政治思想史の再学習となるので有益な書物である。

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宮崎正弘新刊 緊急書き下ろし
『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店)
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 定価1080円(税込み)。 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)『東京オリンピックに「台湾」の名称で参加を!(再録)
 明日です!
 2020 東京五輪「台湾正名」推進協議会 設立記念大会』ご案内

 中国の政治圧力に屈したIOCのため、「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)の名でしかオリンピックに参加できない「台湾」。しかし、こうした差別を許していい訳がありません。
 そこで2020東京オリンピック・パラリンピックを台湾侮辱の舞台とさせないため、台湾選手団を「台湾」の名で迎えようと訴える 2020 東京五輪「台湾正名」推進協議会がこのほど発足し、すでに東京都議会に対する請願署名活動を日台両国で推進中です。ついてはその発足記念大会を下記の要領で開催しますので、万障お繰り合わせの上、ご参加ください。
 台湾は、東日本大震災当時、被災地に多大なる支援の手を差し伸べてくれたなど、我が国には掛け替えのない隣国である、我が国で開催される2020東京オリンピックでは、何としても正しく「台湾」の名で参加してもらいたい・・・。
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【東京オリンピックに「台湾」の名称で参加を!
     2020 東京五輪「台湾正名」推進協議会 設立記念大会】
日時:平成29年3月24日(金)18時00分 開会 (17時30分 開場)
場所:星陵会館
http://www.seiryokai.org/kaikan/map.html
(永田町駅 6番出口 徒歩3分)

登壇者:許世楷(元駐日大使。ビデオ出演)、陳奕齊(基進党主席)
趙文俊(民進党屏東県本部青年発展協会会長)、山田宏(参議院議員)
小礒明(東京都議会議員)、本橋弘隆(東京都豊島区議会議員)
三井田孝欧(新潟県柏崎市議会議員)、黄文雄(作家・評論家)、
ペマ・ギャルポ(桐蔭横浜大学教授)、澁谷司(拓殖大学海外事情研究所教授)
西村幸祐(批評家・ジャーナリスト)。水間政憲(近現代史研究家・ジャーナリスト)
三浦小太郎(評論家)、イリハムマハムティ(日本ウイグル協会会長)
土屋たかゆき(元東京都議会議員)、荒木田修(弁護士)
佐波優子(戦後ジャーナリスト)、謝惠芝(ジャーナリスト)
鍜冶俊樹(軍事ジャーナリスト・頑張れ日本!全国行動委員会常任幹事)
三輪和雄(日本世論の会会長・頑張れ日本!全国行動委員会常任幹事)
永山英樹(2020東京五輪「台湾正名」推進協議会幹事長・台湾研究フォーラム会長)
水島総(2020東京五輪「台湾正名」推進協議会会長・頑張れ日本!全国行動委員会幹事長)
主催:2020 東京五輪「台湾正名」推進協議会
TEL 03-5468-9222(頑張れ日本!全国行動委員会 内)
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【特番】 日台の民間防衛勢力が始動!台湾正名運動3月24日に決起![桜H29/3/20]
 https://youtu.be/YW2WJe9jotU
『東京オリンピックに「台湾」の名で参加を!2020東京五輪
「台湾正名」請願署名活動(3月4日 JR新宿駅西口前)』の模様
 https://youtu.be/dUe2aqvtj94
 (TC 04:25〜15:35)
 2020東京五輪「台湾正名」推進の請願署名用紙ダウンロード
 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
(頑張れ日本!全国行動委員会・本部事務局)



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(読者の声2)とびっきりの講演会のお知らせ

?演題 「産業革命4.0がもたらす革命」
?講師 早稲田大学大学院公共経営研究科名誉教授・元三重県知事 北川 正恭 先生
?日時 平成29年4月27日(木)PM6:00〜
?定員 先着90名(要予約)
?会場 神奈川県民サポートセンター3F 304号会議室(JR横浜駅西口徒歩3分ヨドバシカメラ裏手)
?問い合わせ先 045−263−0055

     ▽△◎読□◇▽者□◎○之◎□○声○□◇
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  ■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
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 軍艦行進曲、瓦解、侠気
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 2月11日の建国記念の日に、鹿児島県霧島市が主催する祝賀市民大会に招かれて、記念講演を行った。
 毎年、建国記念の日に各地をまわってきたが、霧島市は天孫降臨の地であるから、身心ともに引き締まる思いがした。
 前日から、粉雪が舞っていた。当日は、例年市内に駐屯する陸上自衛隊の音楽隊が先頭に立って、市民が目抜き通りを日の丸の小旗を手に奉祝行進するが、高齢者が転倒するおそれから中止されて、屋内で挙行された。
 はじめに、音楽隊が明治以来の軍楽である『君が代行進曲』『抜刀隊』『軍艦行進曲』を、つぎつぎと吹奏した。軍艦マーチとして親しまれているが、日清戦争の前に鹿児島県出身の瀬戸口藤吉によって作曲された。
 市内の国分駐屯地は、海軍航空隊基地だったが、大戦末期に沖縄の空へ向けて特攻機が飛び立っていった。 音楽隊が演奏を終えるたびに、会場を埋める市民から、盛んな拍手が送られた。

 それなのに、NHKをはじめ大手テレビが自粛して、軍歌を放映することがない。いったいシンガポールから、ガダルカナル、ペリリュー、サイパン、沖縄までの戦場において先人たちが戦ったことが、そんなに恥しいことなのだろうか。
 私は中曽根内閣で首相の顧問として、対米折衝を手伝った。中曽根総理が昭和58年に訪米した時に、レーガン政権が首相が大戦中に海軍将校であったことを知って、ホワイトハウスで軍楽隊が晴々しく『軍艦行進曲』を演奏して、歓迎した。外国政府が日本の軍歌を公けの場で演奏するのに、どうして日本ではできないのだろうか。
 昨年は、夏目漱石の没後百年に当たった。漱石は明治39年に『坊っちゃん』を発表しているが、幼い漱石を溺愛した女中が清という名で、登場する。「もと由緒あるものだったそうだが、瓦解のときに零落して、つい奉公する様になった」と、書いている。
 「瓦解」は、当時の人々によって徳川幕府が倒れて、封建制度が崩壊したのを意味する言葉として、ひろく用いられていた。
 私たちも72年前の敗戦によって、同じように瓦解を体験したが、時とともに国の芯が溶解してしまった。明治の先人たちが見たら、私たちは腑甲斐無い民となった。
 私は昨年末に、客観的な年齢によって80歳になったが、20代から働き盛りが続いている。筆耕と講演に忙しい。
 昨年、私は7冊の本を世に送ったが、書き下ろしが1冊、半分ずつ書いた共著が2冊、対談本が2冊、著作選集の第2巻目と、20代で新潮社からでた本を、祥伝社が復刻してくれた。
 本誌の前号に、中島兄哥(あにい)の同人の花田紀凱さんが寄稿していた。花田さんは、私にとっても古い仲間だ。今年に入って、花田さんの月刊『HANADA』に、2回寄稿した。私は20代から雑文を書いてきたが、『HANADA』4月号で当時を回想した。あのころは活字の全盛期だった。
 よく銀座で飲んだものだった。溜り場のようなクラブをどこか覗けば、新潮社、文芸春秋、講談社の編集者や、物書き仲間が来ていた。私のような駆け出しの筆者や、出版社の若い担当者でも、銀座の一流クラブで飲めた。作家や、マスコミの“学割”値段があったし、勘定の取り立ても厳しくなかった。
 ジャーナリストの生活は酒と締め切りに、ちょっとだけ正義感を混ぜ合わせると、できあがった。それに筆記用具、電話や、人によって嵩(かさ)が違う資料に、ちょっぴり自惚れ(うぬぼれ)を隠し味として、まぶせばよかった。
 銀座の酒肆(しゅし)では、自民党、民社党、日本社会党、総評、創価学会の幹部たちとよく行き合った。酒泉では誰も平等だった。こんな時には、階級闘争も、宗教的な抗争も忘れて、和気藹々(あいあい)として憂さを晴らした。
 そのころでは、まだ陰と陽の世界の区別がはっきりとしていたから、クラブの女性たちは、みなどこかで見えない苦労を背負っていた。もっとも、全国民が「人生は苦の連続だ」という雰囲気を引きずっていたから、酒の味も今よりほろ苦かった。
 今ではクラブの娘たちは、人生が楽の連続だと決めている。陰陽の区別がなくなって、OLや、シロウトがそのまま座っているようになっている。『熟年ニュース』の表紙の客車の真っ直ぐに立った、木製の座席の背が懐かしい。
 あの時代の男たちには、誰もが中島兄者のように侠気があった。酒肆のマダムたちは、気立てがよかった。
 いまでは、憂さといわずに、ストレスという。まるでロボットの部品が壊れたようだ。
 このごろのクラブの娘は、平気で本名を名乗る。気味悪い。源氏名(げんじな)という言葉も、理解しない。シロウトの娘もフェイスブックを使っているから、同じことだ。

「この丘に菜摘(なつ)ます児(こ) 家告(の)らせ名告(の)らさね」と、万葉集の巻頭に雄略天皇の有名な御製がのっているが、女性が相手に名を明かしたら、求愛に応じたことになった。『源氏物語』に登場する女性も一人として本名はない。

 近頃の女性は放縦で、露骨で、はじらうことがない。男女の違いがなくなった。いつのまにか「男港」「女港」「男坂」「女坂」といった言葉も、死語になってしまった。
 一事が万事だ。私たちの日本から、減(め)り張(は)りがなくなってしまった。グローバリゼーションとか、国際化といった締りがない言葉が、日本も外国も区別がない、のっぺらぼー――目鼻のない化け物のような、掴みどころがない社会をつくってしまった。
 制定されてから71年たつ、日本の独立を奪う「平和“無抵抗”憲法」のせいだろうか。
 私たちの手に日本を取り戻すために、中島兄哥に先棒(さきぼう)を振ってもらわねばなるまい。
   (註 中島繁治氏は日大OB誌『熟年ニュース』主催者) 
 (かせひであき氏は外交評論家)
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<宮崎正弘の対談・鼎談シリーズ> 
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宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
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  宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2017 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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  1. 英紙ガーディアンがすっぱ抜いたロシア、中国のマネーロンダリングの手口 ロシアのマフィア、FSBと中国の銀行がグルになり、200億ドルを資金洗浄←シナ、いや、シナ人そのものが悪の化身という理解でよろしいですね。それと、加瀬英明先生の論説すごくよかったです。感謝です。

     2017/3/24

  2. 教育勅語と寄付は全く問題無し。もし問題が有るならばキリスト教など宗教系学校は全て閉鎖。唯一の問題は公有地の払い下げ優遇だが、そのパンドラの箱を開ければ、朝日新聞、共同通信、NHK、朝鮮学校、は全て問題に晒される事になる。

    さて、安倍首相のアーリントン訪問の次はトランプ大統領との靖国神社訪問
    &#128170;&#128170;&#128170;&#128170;&#128170;&#128170;

     2017/3/23

  3. 日本では珍妙な主張がまかりとおり、共産党が残存している.
    そう全く共産党的なものは排除し日本から消すべきだが、地方に行けば民生とかが一種の揉め事に絡んでくる。それも目立たないように企業とかに。
    人権、民主主義は虚構だと言いたい。
    以上

     2017/3/23


  4. 「森友問題証人喚問前に 菅野完」動画 
    http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/749.html

    <森友学園疑惑> 取得等要望書が財務省から出た。凄まじい全黒塗り。これこそ、行政に不正があった証拠ではないか!?
    http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/746.html

    <アホかこいつ>自民党国対幹部「(籠池氏は)国家に対してケンカを売るのがどれだけ大変なのかわかっていない」
    http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/738.html

    <アベ友疑獄> 地元議員、市民が財務局を刑事告発 やる気ない検察は名刺も出さず(田中龍作ジャーナル)
    http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/745.html

    籠池で「検察は官邸と握っている」と衝撃発言! 
    http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/712.html

     2017/3/23

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

過去の発行記事