国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み <AIがもたらず大量の失業へ如何なる対応策があるのか

2017/01/11

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)1月11日(水曜日)弐
       通算第5161号   
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 AIがもたらず大量の失業へ如何なる対応策があるのか
  銀行員削減、しかしネット上の架空銀行は膨張する勢い
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労働人口過剰、しかもホワイトカラーさえ就職難の中国が、もっとも深刻な近未来の難題とは「AI社会」と、不況に喘ぐ大量の低賃金労働者とのバランスをいかに解決できるかにある。

ボストン・コンサルティングと「Aliリサーチ」(阿里研究院、アリババ系シンクタンク)の共同研究によれば、中国は2035年にAI革命によって4億1500万人に雇用の機会が増え、AI関連だけでGDPの48%を占めることになろうとバラ色のシナリオを提示した。
薔薇色もここまでくると甚だしく面妖なレトリックとしか映らない。

この想定モデルの基礎データはドイツのケースを引き合いにしており、ドイツでは61万の労働人口の職種移動があったが、2025年までに76万人の新雇用が産まれるというもの。ドイツモデルを中国に援用すること自体、無理ではないのか。

IMF・世銀はこうした立場を取らず、中国では低所得者層の55%−77%には職場の移動はないと予測している。
 阿里研究員独自の発表ではAI革命の結果、平均労働時間が8時間から4時間となり、80%の労働者は自由に求職活動をしている時代が来ると予測した。

 職場の移動とは新技術に対応して得られる職場へ、簡単に移動できるか、どうか、という問題だ。
日本の三菱総合研究所のシミュレーションでは、2030年になると240万人の失業が日本国内で出現するが、一方でGDPは50兆円増えるという。

 現実の中国経済をみると一目瞭然、国有企業の再編、効率化が進んでいない実態がある。
国有企業16万社、共産党幹部が経営するため赤字企業が夥しい。

民間でも不動産や製造業の不況で巷に失業が溢れ、大学新卒組にも適切は就労が難しい。
 いま不動産価格が急騰しているのは溢れたカネが、不動産投機を最後の稼ぎ場と見ているからで、裏では共産党高官らと見せかけの取引もあるという。

 中国の国有企業でもっとも非効率のチャンピオンは銀行である。先ごろ、十大国有銀行で36000人の人員削減が発表されたが、一方ではオンラインの発展により、新形態の銀行を許可し、庶民の預金をかき集める。


 ▼P2Pバンキングを本格化させる中国の基底にある発想とは?

 「百信銀行」というオンライン銀行が中国銀行監査委員会から営業許可となった。支点なし、店舗なし、オンラインだけで業務が行われる。許可された百信銀行は、まさしくP2Pバンキングの典型で、中信(チャイナCITIC)が70%出資し、検索エンジンの百度が30%、資本金は2億9000万ドル。
 百度のCEO李彦宏と中信の李慶坪は、記者会見でひろく庶民のニーズにこたえるネット時代の新型銀行だとした。

 すでにP2Pバンキングは世界的に普及しており、ネット上で借り手の要求に貸し手が応じる仕組み。窓口で顔を合わせる必要さえなく、しかも迅速な融資が決定するので米国ではベンチャー・キャピタルに迫る勢いをみせている。
世界的にもP2Pバンキングが次世代金融革命の主流なるとして既存の銀行は戦々恐々だ。

 中国でも、P2Pは、政府の規制を受けないネット上の架空のバンキングがネット空間で大規模な貸金ビジネスを商い、銀行の許可も要らないから、「講」の伝統が根強く残る中国では猛烈な勢いで普及した。
 すでに中国のP2Pバンキングの取引高は24兆円にも及ぶマンモスと化けた。しかも詐欺が横行し、巨額の被害者が続出した。16年までに808社が閉鎖されている。

中国に於けるP2Pの大手は「伯伯貸」。同社は投資家から11・5%bの高金利を謳って金を集め、借り手には月利僅か0・83%と謳っている。

これは「逆ざや」だが、手数料など金利とは別の収入、斡旋手数用などを得ているらしい。百信銀行は、P2Pバンキングの合法化された初めてのオンライン銀行となる。

 こうして中国では取り残される大量の人々を放置する一方で、着々とAI社会化が進んでいるようである。2極分化は、あの国ではスケールも甚大である。 

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1514回】      
――「其民は頑冥不靈を以て世界到る處に拒絶せられんとす」(教学7)
  教學參議部『清國巡遊誌』(佛?圖書出版 明治三十三年)

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「支那内地旅行の如何に困難なるかは、實際旅行せしものにあらざれば以て語るべからず」と書き出され、「其不便なること言語に絶たり」「凡そ旅行者として受くべき總ての辛苦は、支那内地旅行に於て一として具備せざるなし」などの感想を読むにつけ、漢口から北京への旅はよほど困難を極めたと見える。本願寺門主という立場も清国、ことに都市を離れたら通用するわけがないからこそ、日本では考えられないような数多くの困難を体験したはずだ。とはいえ、その困難は、これまで読んだ多くの紀行でも言及されている。そこで「道路の儉惡」とか、旅館の「不備不潔」「臭穢紛々」とかいった“常識的指摘”は省き、『清國巡遊誌』でしかみられないような記述を拾ってみたい。

 ■「交通機關の發達が、少なくも社會文明の一材料たるを得べくんば、單に此點のみに於て觀るも、支那は終に未開野蠻の域を脱すること能はざるなり」

 ■「此年内地不作の爲め人氣甚惡しく、亂民相集りて群を爲し、草賊處々に徘徊して往々劫掠を擅にするものありと聞く」

 ■「(道路は)曾て修理を加へし事無ければ頽破甚敷、泥濘?々馬脚を没して進行最難む,すべて此邊は所謂千里の?原しして緑草空に連り地卑濕にして沼澤多し、聞く夏秋の候霖雨一度至れば、一帶の平地忽ち變じて一大湖となり茫々際無しと」

 ■「近傍の村民婦女童幼群り來りて觀るもの堵の如く、拂へども去らず其煩耐へ難し」

 ■「(某地で橋を渡り終わり)人夫橋錢を渡さんとする際、一人の土民傍より出で車上の食品を窃み去らんとするものなり。(また某地では)更に荷物の一箱を奪ひ去らんとせり、此の如く 此邊の土民人氣甚だ惡」い。土地の保甲(おかっぴき)に事情を訴えると、彼は丁重に謝罪する一方、逮捕した犯人を差し出してきた。そこで「懲らしめの爲め荷車の先曳を命ぜしに、惡漢唯々として命に服」した。

 ■「(寂しい田舎道で)偶々二人の洋人相携へて來るに遇ふ、一行を見て喜色あり、互いに禮を施す、此の洋人は瑞典の宣教師にして、久敷河南に在りて宣教に從事しけるが、今度都合により漢口に赴くものなりと」

 ■「(ある旅館でコソ泥が馬夫のカネを盗み逃げようとしたところで捕まり)馬夫等賊を?して保甲に訴へ、更に科料として保甲より若干金を強取せりと、諺に賊を得て己れ却て賊を爲すの類のみ」

 ■「(某地は)此地方に於ての一都會なれども、城内空屋多く風物荒涼の觀あり。總て此邊從來外人の通行するもの極めて稀なるを以て、一行の城内に入りて旅舎に投ずるや多數尾行し來り、戸外に群集して喧囂甚しく、中には大聲を發して罵詈嘲笑するものあり」「情況甚だ不隱なるに因り、店主は急ぎ戸を閉ぢたるに、彼等は頻りに外より打叩きて開けよと迫り、果は木石を投ずるに至る」

 ■「茫々たる平野麥隴遠く連なりて際限無く、車馬其間を行く、隴畝の上處々餓?の?はるを見る。蓋し清國内地此年兇歉相次ぎ、米價騰貴して細民食を得るに道無く、老幼は溝壑に轉じ壮者は散じて四方に行き、往々相嘯集して盗を爲す、概して此地方人氣の惡しきは之が爲めなりと云ふ」

 ■「(某地で廟に詣でると)遠近相傳へて來り集り、(たちまちにして群集に囲まれ身動きが取れなくなってしまった。そこで)止むを得ず佇立して彼等が觀るに任す、忽ち集中一人の老翁あり、前んで問うて曰く、貴客等は何國の人なりやと、我即ち日本國人なる故を語り聞すに、翁を初め其他毫も解せざる者の如く、翁復曰く日本とは如何なる國なりや、中國の外朝鮮あるを聞くも其他に國あるを聞かずと」・・・さて、どう返答したのか。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)正月休みに読もうとして購入していたのですが、貴著新刊『日本が全体主義に陥る日〜旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実』(ビジネス社)を、やっと読了しました。深い感銘を受けました。
 とくに老生はポーランドに滞在した経験があるので、現在のワルシャワの変貌ぶりがよくわかりました。東欧諸国はこの四半世紀の間に、これほどの経済発展がありながら、ハンガリーやブルガリアあたりでは専制政治に近いところへ戻りつつあること。日本のメディアがまるで報じないモルドバの現状も了解できました。
まさに足で歩き、足で稼いだ旧ソ連崩壊後の「あちら側」の現実、この本がなぜメディアの書評欄に出ないのか不思議でなりません。
   (HA生、茨城)



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(読者の声2)貴誌前号読者の声と貴コメントについて。蔡英文台湾総統がエバエアーで外遊したという話です。
李輝登の力添えが張栄発の長栄海運の北米進出成功の背景にあり。そんな関係からだと思いますが、張がエバ航空を創業した後、総統時代の李登輝は外国訪問の際には国民党系の中華航空ではなくエバ航空だったはず。
1997年、大陸側の国宝である媽祖像が台湾を巡行した際も、往復はエバ航空。当時の新聞記事を読むと、媽祖像にはファースト・クラスが用意され、おしぼりやら茶菓のサービスを受けたとか。
もっとも当時は台湾海峡上空を横断して往復したわけではなく、マカオ経由でしたが。。。
(KH生、埼玉県所沢)



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(読者の声3)貴誌前号で紹介のあった、あるいは昨夜の桜チャンネルでもホスト役の福島香織さんがとりあげていた貴論文「台湾が米国と復縁する日」(『ボイス』2月号)を拝読しました。
 産経新聞でもお目にかかれない斬新な切り口、台湾の現実問題を納得することが出来ました。ちなみにボイスの今月号のほかの論文も力作揃いでしたね。
  (HI生、横浜市)

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 ――アベノミクスとトランプノミクスの両輪で世界経済を牽引できるか
 ――トランプラリーはいつまで続くか?
 ――トランプ外交の対中敵視政策は本物か、すると、どうなる日中関係?
 ――中国とEUは、これで沈没してしまうのか?
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『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円) 
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社、1512円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
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宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店) 
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、以上三つは1080円)
宮崎正弘 v 宮脇淳子『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
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宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版) 
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