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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(米軍のアフガニスタン撤退後、中国が軍隊を駐留させる)

発行日:6/7

★本誌愛読者18850名! 
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成24(2012)年6月7日(木曜日)
         通巻第3675号 
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<速報>
 欧米軍部隊の撤兵後、アフガニスタンに中国軍が駐留へ
  胡錦涛、北京の上海協力機構主要会議で爆弾発言、プーチンもびっくり
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 6月6日、北京で開催されている「上海協力会議」には中国、ロシアのほかに中央アジア五ヶ国、インド、イラン、パキスタン、そしてアフガニスタンからオブザーバーが参加した。
 冒頭、基調報告にたった胡錦涛は、「欧米の軍隊がアフガニスタンから撤収した後、わが上海協力機構が地域の平和と安定のために『平和維持部隊』を派遣する用意がある」とした。

 事実上、米軍にかわって中国軍がアフガニスタンの安定治安維持の任務に当たっても良いぞと宣言しているのである。小誌が以前から指摘してきたように、上海協力機構(SCO)は中央アジアのNATO化する。
 詳細は追って。
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 「六四再評価はしない」と言いながら実態は再評価の最中ではないか
   江沢民は恩人トウ小平を貶められず、しかし楊尚昆も李鵬も陳希同も反旗
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 「六四」(89年6月4日の天安門事件)における学生ら自由活動家らの大虐殺は、共産党の「正史」には記載されておらず(「事件はなかった」と言っている。だから30歳以下の世代は知らない)、体制側の知識人は「共産党史の汚点」と言い、そして党は「反革命暴乱」という位置づけを変えない。

 ところが、先にも触れたように陳希同(当時北京市長)の回想録(『陳希同親述』)では「あやまった判断、愚かな行為。わたしは傀儡だった」と総括しているのだ。


▼香港マスコミによれば、回想録出版を阻止できなかった


香港の主力メディアなどよれば、北京中央は回想録出版を阻止できなかった。香港の言論の自由は守られ、6月4日に開催された天安門事件23周年記念デモには20万人が集合した。

三年前、2010年に香港で出版直前に絶版・回収されたまぼろしの『李鵬回想録』でも「天安門事件は間違いだったが、武力弾圧はわたしが命じたのではない」と当時、国務院総理で責任者のひとりだった李鵬は逃げた。

 鎮圧の先頭にたって軍を指揮した楊兄弟、なかでも楊尚昆が、「あれは間違いだった」と痛切に反省したという後世の作り話もネットに流れ出した。もっとも楊兄弟も、天安門事件の弾圧では「首謀者」に祭り上げられ、やがて足下をすくわれて二人とも事実上失脚した。
つまりはトウ小平に巧妙に舞台で踊らされていたのであり、楊尚昆も陳希同も「わたしは傀儡」と言うのは正しい。

陳希同は05年の陳良宇事件に関しても「最高権力の政敵が始末されただけ、中国ではよくあること」と論評し、薄煕来の失脚も同様な解釈をしているという。

 李鵬のことに戻ると、 香港で趙紫陽回想録を出した出版社から出る予定だった『李鵬日記』は、胡耀邦急逝の1989年4月15日から、趙紫陽解任が正式に決まった6月24日までの71日間を記録したもの。李鵬のように、弾圧した「勝者」側から見た個人的記録は嘘ばかりだろうが、興味がある。
 ただし、ネットでは彼の日誌が閲覧できた。

 ともかく李鵬は評判の悪い男だった。
 ソ連留学、義父(周恩来)の七光りを背にして、共産党の権威を振りかざし、天安門事件では血の弾圧を主張した張本人として民主派の敵、国民の怨嗟の的とされ、海外ではいまも評判は低い。

それゆえ対照的に趙紫陽の評判が実力以上にたかくみられ、温家宝はその恩恵にあずかって評判がすこぶる良い。李鵬を反面教師として、庶民派のイメージを腐植するコツを温家宝は体得したからだろう。

 あまつさえ李鵬は三峡ダムの推進者として電力利権を牛耳ることでもしられ、軍の評判も悪かった(人民解放軍が三峡ダム建設に反対したのはインドが攻撃した場合、脆弱で下流全域が洪水となるためだ)。
しかし中国の電力利権をにぎる李鵬にとっては死活的プロジェクトだった。


 ▼「李鵬のあたまは亀の卵」

天安門事件前後に、ときの首相=李鵬に対して、ジミー・ライがこう言ったのを思い出した。『李鵬の頭は亀の卵だ』(なにも考えていないという軽蔑の形容)。ジミーは香港で「りんご日報」を出し、ファッションのジョルダーノ(中国版ユニクロ)を経営、中国でもいくつかのチェーン店を展開していた。
ジョルダーノは放火され、けっきょくジミーは、ジョルダーノを売却せざるを得なかった。

学生運動の主役だったウアルカイシは言った。「李鵬がもっとも学生運動に理解がなかった」。

さて李鵬の回想録『六四回想録』が見送られたのは発売日に息子の李小鵬が山西省の副省長から常務副省長への昇進が伝わったからだと推定された。
李小鵬は成都生まれで、米国留学。ビジネスに通じ、観光業にも意欲を示すが、国民の評判は悪い。現在53歳。だから李鵬回想録の出版中止は、この人事との取引とする観測があがっていた。

それにしても旧幹部たちが天安門事件の責任逃れと重ね、歴史の評価から逃れようとしている事実に留意しておきたい。
胡錦涛は、結局、六四再評価をさけてしまった。これを武器に江沢民の院政という桎梏を打破し、権力を濃厚に固めようと思えば、それが出来た。

腐敗や汚職の元凶『上海派』から一気に権力を簒奪することが可能だったが、かれは修羅場を血路で切り開く蛮勇に欠けたのである。
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 読者の声 どくしゃのこえ READER‘S OPINIONS 読者之声 
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(読者の声1)貴誌前号「読者の声2」にでた平櫛田中のことですが、
http://www.city.kodaira.tokyo.jp/bijyutsu/002/002347.html
私の住んでいる処に、記念館があります。是非お出掛けください。東京の上高地というわれ玉川用水の辺です。
(FF子、小平)



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(読者の声2) 貴誌前号の貴見「『シナジー効果』(相乗効果)というより『シナ効果』。性欲、金銭欲、食欲のすべてが原色で表現されるので、じつに分かりやすい国でもあります」
この先生のコメントに、「座布団 10枚!」。
そして「分かりやすい国」には、実は「対策も立て易い」はずであります。
(KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)「対策」が対処療法、パッチワークで基本の戦略が日本には不在なので、逆に対策も立てられないという愚妹な境遇に陥落したのが戦後レジーム下の日本ではありますまいか。
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(C)有)宮崎正弘事務所 2012 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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