国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国の人口移動の実態)

2012/02/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成24(2012)年 2月27日(月曜日)
      通巻第3574号 
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 驚くべき人口動態の統計がアメリカ人学者によって作成され、
  中国の過疎村の実態と人口流入に悲鳴をあげる沿岸部の対比が描かれた
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 公式的な中国政府の統計は杜撰なもので、大まかな傾向が述べられても数字は機密扱いをうける場合が往々にしてある。国勢調査の発表とて地方政府の段階で「不都合な数字」は改竄されるため、曖昧な表現でおわることが多い。

 それにしても、中国経済の近代化によって、いったい、どれほどの人々が農村を捨て、都会へ流入したのか。
そして、あとどれほどの農民が都会での就労機会を狙っているのか?

 米国ワシントン大学の人口学専門家、カムウィン・チャン(陳金永)教授がまとめた『中国における人口移動 1990――2005』では統計数字が明らかとなった当該十五年間に8000万人が故郷を離れ、都会部、沿岸部に就労したことが明らかとなった。
 http://www.washington.edu/discover/sustainability/nextcity/faculty/kam-wing-chan

ただし中国国内の人口移動は2006年以降もっと激しくなっており、おそらく2億人の移動があるが、最新統計は後年に待たなければならないだろう。

 さて、以下の一覧は(A)が流失した人口の多い自治体別。(B)は逆に流入したところである。(単位は百万人)
 
A 人口が流失により減少した地域
 四川省(重慶を含め)   750万人以上
 河南省、安徽省、湖南省  500-750万人
 広西、江西、河北省    250−500
貴州、山西、甘粛、山東、吉林、黒龍江、青海、内蒙古、陝西省など250以下

B 人口流入が激しい地域
広東省          2300万人が流入した
浙江省、上海市       500−750万人
 江蘇省、北京、       250−500
 福建、天津、遼寧、山西、寧夏、海南、雲南 250万人以下
 なおチベット、ウィグルも250万以下で人口が増えている。(数字は英誌エコノミスト、12年2月25日号)

 この人口移動の激甚な変化は、その後も明らかに加速されており、2012年春節以後、職場に戻らない季節労働者らのために、各職場、メーカー、工場は地方にトラックを派遣して労働者を掻き集め、給与の上昇、待遇改善、社会保障の整備などが急速に進んでいる。

 他方、沿岸部ではもはや労働者の流入によるコスト上昇より、地方へ工場を移転させて、安い労賃を確保する方が得策との判断から、急速な工場移転ブームが進んでいる。
地方都市によっては工業団地が整備され、以前より雇用の確保が容易となった。逆に労働者確保が難しくなった広東省では、産業構造の変質が迫られ政治課題となった。
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 (休刊のお知らせ)地方講演旅行のため小誌は明日28日―29日が休刊となります。
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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 717回】        
   ――彼の呟きに静かに耳を傾けようではないか  
     『周作人伝 ある知日派文人の精神史』(劉岸偉 ミネルヴァ書房 2011年) 



 巻末に付された「周作人略年譜」によれば、生まれは福沢諭吉が「脱亜論」を世に問うた1885年で、日清戦争に先立つ9年前に当る。4歳年長の兄が中国近現代の文学・思想の世界に大きな足跡を印した周樹人こと魯迅。3歳下の弟が中華人民共和国全国人民代表大会副委員長を務めることになる植物学者の周建人。

兄を頼って東京に学び、日本女性と結ばれ、日本語を練磨し、江戸情緒を愛で、日本の文人墨客と終生の交友を結び、帰国しては兄と絶交し、日本軍治下の北京で教育行政に当り、日本敗戦後は国民党政権下で漢奸として獄舎に繋がれ、共産党政権成立後は「売文生活」を続け、文革が起こった1966年8月には自宅に乱入した紅衛兵から暴行を受け自宅を追い出され、67年5月に「北京八道湾自宅の台所の小屋で没。最期を看取る者がいなかった。享年八十二歳」。号は知堂、苦雨翁など。

この本は周作人が歩んだ全生涯を、分かち難く複雑極まりなく交錯した20世紀の日中両国の歴史を舞台に描き出す。その点からいうなら、本の帯封に記された「日本と中国 近代百年の縮図」という表現は当っているだろう。

上下2段組で500頁近い浩瀚な著作だが、周作人などに興味のない向きには退屈至極で面白くもおかしくもない内容だと思える。だが、著者が丹念に拾い集めた周作人の文章は、改めて中国と中国人を考える縁となることだろう。
周作人は綴っている。

■中国人の宿痾は見かけ倒しで、うわべは格好をつけるが、内心では自信がない。いかなる時にも恐怖心を抱きながら、他人の一挙一動を見ては、自分への悪口か、あるいは自分に危害を及ぼすのではないかと疑うのである。それに度量が狭く、排他的というが、その実、精神が不健全であるが故である。

■中国では今日切実に必要とするところのものは、一種の新しい自由と節制とである。
■中国民族はどうやら殺戮を嗜む性質をもっているらしい。
■私が思うには、中国人の感情と思想は「鬼」に終結し、日本の場合は「神」に集中する。故に中国のことを理解しようとすれば、礼俗を研究しなければならず、日本のことを理解しようと思えば、宗教を研究しなければならない。

■中国人民の生活の要求はしごく単純なものであるが、それだけに切実でもある。彼は生存を望むが、その生存道徳は他人を損ねて己を利しようとは思わないが、聖人のごとく己を損じてまで他人を利すようなことはできない。(中略)彼は神や道のために犠牲になろうとは思わないが、しかし時に水火も辞さないことはある。(中略)中国のもっとも恐ろしいことは乱であると感じた。しかもこの乱はすべて人民が生存を求める意思の反動である。それは別に何とか主義や理論に導かれたものではなく、すなわち人民の欲望が阻まれ、あるいは満たされないためにそうなったのである。

■『詩経』の中にも恋の詩がある。(だが)「死の勝利」の恋歌はなかなか聴けない。その良し悪しは別として、とにかくこれは中日両国のかなり違うところの一つである。
周作人の人生を追いながら著者は「日本人への腹いせの罵倒や侮蔑は一時の喝采を博するかも知れないが、結局武断曖昧な思想を助長し、自らの国民の品格を落としてしまうことになる」と溜め息を漏らす。
知堂、文革に死す。「享年八十二歳」。以って瞑すべし。
《QED》

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 読者の声 どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)貴誌、「読者の声」で戦争論が多く見受けられます。戦争をするからには勝たねばならぬ、というのは当然ですが、言うは易しで、将軍連は一昔もふた昔も前の戦争しか知らない。
ナポレオンの軍隊に敗れたプロイセン、百数十名の将軍のおよそ半数が60歳以上。対するフランス軍はナポレオンを筆頭に20〜30代の将軍が暴れまわる。臨機応変の戦術もさることながら士気がまったく違う。
敗れたプロイセン、その後、鉄鋼業が盛んになりクルップ社は最新の鋼鉄銃や鋼鉄砲を陸軍に売り込むが見向きもされない。
そこでプロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世に鋼鉄砲を献上すると王宮に陳列され、後にヴィルヘルム1世はクルップへ300門もの大砲を発注。ビスマルクは武器の近代化に注力し普仏戦争では圧勝する。
軍隊というのは常に保守的なのですね。プロイセンはパリを包囲するも凱旋門への砲撃は禁止(日本軍も紫禁城を守りました)。ところがフランス敗北後のパリ・コミューンでは反政府側が凱旋門の上に砲を置き、臨時政府側と撃ち合いになり、凱旋門には砲弾が撃ち込まれる。

プロイセンに敗北したフランスは軍制も改革し、バラックの兵舎で臥薪嘗胆の毎日。「米欧回覧実記」ではイギリスの労働者は肉を食べているのにフランスではジャガイモばかり食べている、とあります。当時の風刺画では太ったジョンブルとマッチ棒のように痩せたフランス人が定番だったとか。
プロイセンの挑発に乗って戦争に敗れたナポレオン3世はイギリスに亡命しますが、中流以下のフランス人には亡命後も敬愛されていたといいます。
その後の経緯は第一次世界大戦で勝利したフランスが過大な賠償を請求し、ナチス・ドイツの勃興を招くのは周知の通り。満洲国国務総理の張景恵は「日本人は負け方を知らない」と言ったといいますが、第二次世界大戦の英米は「勝ち方を知らない」と言ってもいいかもしれません。それまでの戦争のルールを無視し「無条件降伏」という徹底抗戦せざるを得ない条件を押し付け戦争を長引かせ、事後法によるリンチ裁判までしている。
ドイツでナチス戦犯はいかに裁かれたか。
「デーニッツとその随員は船を立ち去ったが、そのあとイギリス兵たちは会談の始まるはずの外務省の会議ホールに殺到した。すべてのドイツ人は真っ裸に引きむかれ、屈辱に満ちた身体検査を耐え忍ばなければならなかった。それは同時に一つ一つの部屋で、将校や秘書孃に対してさえも行われた。
イギリス兵は俘虜たちから時計、指輪、その他金目のものを盗みとり、一同は両手をあげたまま中庭につれ出された。そこでは二、三〇人の新聞記者が、この「大興行」を待ち受けていて、ズボンもはいていない将官や大臣の写真をとった。「第三帝国は今日死んだ」と、一九四五年五月二十四日の『ニューヨーク・タイムズ』紙は、この下品な見世物にコメントをつけた」
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-15.html
日本では当時の皇太子殿下(現天皇陛下)の誕生日にあわせて「いわゆるA級戦犯」の処刑を行なっている。
日独とも敗戦国としての屈辱に長年耐えてきた。ドイツは早期に再軍備し現在は欧州の中心となったのに対し、日本はいつまで無益な憲法論争を続けるつもりなのでしょうね。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ドイツの英米への復讐がユーロによる米ドル凌駕という通貨戦略だった筈ですが、ギリシアとか、アイスランドとか経済劣等生まで抱え込んでしまって、ドルvsユーロ戦争、またも米ドルに負けるかもしれませんね。



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(読者の声2)「河村発言」支持・「南京虐殺」の虚構を撃つ緊急国民集会
 河村たかし名古屋市長が中国・南京市委員会の表敬訪問を受けた際、「南京事件はなかったのではないか」と発言した。これに対し、中国や日本国内の一部から、連日、猛反発をあびている。
「南京大虐殺」が虚構であることは、多くの史料や学術研究からすでに明白である。にもかかわらず、その誤りを改めようとしない中国及び日本の政府。一体どこまで、この国を貶めるつもりなのか。
しかしこれは歴史認識問題に決着をつける一つのチャンスでもある。国民は今こそ河村市長が投げかけた問題提起をしっかり受け止め、誤った歴史認識の克服に立ち向かう時である。
 緊急開催です。是非、多くの方のご参加をお待ちしております!
  記 
日時 平成24年3月6日(火)19時開会(18時半開場)
場所 東京・文京シビック小ホール
  〒112-0003 東京都文京区春日1−16−21(電話03-5803-1100)
入場料 1000円(会場費、資料代等)
講師ほか;この問題に長く取組まれている識者・活動家・政治家に登壇いただき、リレー トーク形式で進行します。(登壇者は近日決定し、HPでお知らせします)

主催 新しい歴史教科書をつくる会
問い合わせ つくる会本部事務局 (電話)03−6912−0047



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(読者の声3)貴誌前号にでた大東亜戦争の責任論で多田彰矢様の意見ですが、全くそのとおりだと思います。
53歳の私は、学校の先生やマスコミや書物からしか情報は得られませんでした。しかも先生とマスコミは、完全に洗脳された情報ですから話になりません。
今日のようにインターネット時代になり、その当時の多くの個人が感じた時代の雰囲気等や実際に戦争を体験した方々の生の話が聞けるようになりました(多田さんに対してもいろいろな見方はあると思いますが)。
少なくとも私は、自身が得た書物や大勢の意見を総合した結果、多田さんの意見に賛同しています。
東條英機氏については、「敗戦の責任は私にあるが、戦争責任はない」という 宣誓供述書には満腔の赤心を感じていますが、いかがでしょうか?
当時、戦争をあおったマスコミ、逃げ回った共産党員、責任転嫁した政治家・軍人や現在の政治家(民主党)よりも尊敬できます。
  (FA生)


(宮崎正弘のコメント)東条英機に責任をかぶせ、頬被りして逃げた軍人も多いなか、かれはあっぱれに責任を取ったと思います。東条さんが巣鴨プリゾンにあって差し入れの書物の行間やページの隙間にぎっしりと書き込んだ、遺書代わりが見つかったのは二十五年ほど前のことでした。これらを元に人間東条に迫った多くの書物が現れました。佐藤早苗さん、福富健一さんらの諸作です。



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(読者の声4)アメリカの戦争のやり方を見ると、謀略・挑発で戦争に持ち込むパターンが多々見受けられます。
メキシコとはアラモ砦、キューバでのメイン号事件、真珠湾はもちろん、ベトナムではトンキン湾交戦事件から北爆へ、湾岸戦争も同様です。南北戦争後の米英の間にもあわや戦争かという危機がありました。
南北戦争中イギリスは中立の立場に反し南軍にアラバマ号という軍艦を売却、北軍に打撃を与え、戦後このことが問題になり米英関係は冷却化します。
直接被害分のみの賠償を主張する英国と、それに加え貿易の損害、戦争が長期化したことに対する賠償をも求める米国との間で交渉は数年に及び、1872年に駐英米国大使が賠償金が払えぬならカナダを割譲せよと仄めかすにいたり、英国議会では開戦もやむなしとの声が高まった。
米国大使の発言は本国の訓令を無視したものとされていますが、英国を挑発して戦争に持ち込むためのものだったかもしれません。
欧州諸国が仲裁に入り、当初の英国の主張通りの賠償額で決着しましたが、誇り高いジョンブルが開戦も止むを得ないと決意するほどですから、米国の挑発がよほど腹に据えかねたのでしょう。
当時の米国の国力の伸張ぶりには凄まじいものがあります。
カリフォルニアのゴールド・ラッシュ、完成したばかりの大陸横断鉄道には寝台車まで連結されている。シカゴの商品取引所での穀物相場は蜘蛛の巣のように張られた電信線で直ちに世界中に伝えられる。
農業の機械化も進んでおり(刈取機の発明は1834年)、南北戦争で多くの農民が軍隊に取られながら農業生産高は落ちなかったという。都市部には高架鉄道や馬車鉄道が走りアスファルト舗装まで実用化されている。英国では蒸気消防馬車の時代なのにアメリカではすでに化学消火器が実用化され少量の水で効率のよい消火作業を行なっている。
英国同様に機械でできることはなんでも機械にやらせるというアメリカ的な発想は数多くの特許を生み出し、次々に新しい機械が生産される。

自由貿易を主張する南部を破った北部州は高率の関税で自国産業を保護する重商主義政策を推進し鉱工業生産も急増、当時の花形産業である繊維製品は国産化するもののアメリカ製では売れず、いったん英仏へ輸出され英仏製のタグを付け再輸入される。
カリフォルニアのワインもボトルはフランスから輸入しフランスワインを偽装しなければ売れない。
アメリカ人がアメリカ製を信用していないアメリカ製のブランド価値がまだ確立していない時代(今の中国同様)です。
その後の展開はハワイ・中国へと航路(&領土的野心)を伸ばし、ついには日米対決となります。
21世紀の現在、GDPで日本を抜いたと意気上がる中国、東シナ海〜南シナ海への野心はもとより太平洋への進出を目論んでいますが、19世紀のアメリカの姿とダブって見えますね。
 (PB生、千葉)


(宮?正弘のコメント)「戦争は発明の母」という箴言もあります。



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(読者の声5)貴誌通巻第3573号(読者の声1)で「 フーバーとはいうまでのなくFBI長官として戦後米国政治の背後に君臨した大人物。なにせ歴代大統領の秘密を全部知っていたんですから、アイクもJFKも、彼の首はとばせなかった」
とコメントにかかれましたが、これはJ. Edgar Hoover 氏のことです。ジョージ・ナッシュ著「Freedom Betrayed」で言及されているHoover はHerbert Hoover 元大統領です。
ただし J. Edgar Hoover 氏も左翼に対する危険を感じていた人ではありました。
一週間ほど前に米軍アジア放送(AFN)で、今年の3月に出版予定の Redemption Day の著者 Steve O'Brien 氏のインタビューをやっていました。最近公開された資料をもとにフーバー元FBI長官について書かれているとのことです。あわせてお読みになられると良いと考えます。
(當田晋也)


(宮崎正弘のコメント)貴重なご指摘、有り難う御座います。まだ映画も見ていないので混乱しました。当該書籍と併せ読みたいとおもいます。



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(読者の声6)多田彰矢氏の「大東亜戦争を考える」への感想として東海子様の声があり、その中 で「結果論で先人の奮闘を非難するのはいかがなものか」とありますが、いささか見当外れではないでしょうか。
多田氏の主張の論点は先の日本の戦争(大東亜戦争/太平洋戦争)を日本人自身が枝葉末節の議論ではなく、もっと大きな視点から主体的に総括すべきであるという点にあり、小生もこの論点には全く同感である。
日本史を世界史的な時間的・空間的パースペクティブの中で再評価すべきという西尾幹二氏の主張にも通ずる論点である。
西尾氏の最新刊である「天皇と原爆」については宮崎先生の力のこもった書評を拝読し、小生も読了したばかりですがその感想を述べたい。

1.陸軍悪玉、海軍善玉論への疑問:東京裁判において7人の絞首刑関係者の1人の文官を除く6人全員が陸軍関係者であり、海軍からは1人出ていないことへの疑問を先に  投稿し、米軍側の何らかの配慮がなければ考えられないと主張しましたが、客観的証拠を持っている訳ではないので研究者の今後の研究に待ちたい。

2.日本の海軍は無分別に太平洋の島嶼郡へ戦線拡大し、その戦線へ陸軍将兵多数を船で運び、島嶼戦に慣れない上武器弾薬や食料の補給もないまま置き去りにし戦闘死ではなく餓死による犠牲を強いた責任は海軍にある。
奥宮正武という海軍参謀が戦後に書いた本の中で陸軍を馬鹿にしたようなことを言っている。陸軍の三式戦闘機27機がトラックからラバウルに向けて発進したが無事着陸できたのは14機にすぎず他は途中行方不明になったという。陸軍機は陸上戦闘を目的としており洋上はるばる飛ぶ訓練など受けていないであろうから当然ではないか。
これも海軍が自ら招いた島嶼戦での航空機の消耗を陸軍機で補おうと要請した結果であり海軍の陸軍への無理強いが招いた悲劇であろう。

3.天皇の戦争責任論:誰も正面きって論じないこの問題を西尾氏は『天皇と原爆』のなかで明確に述べており、これだけでも一読の価値がある。
「天皇は平和主義者であり、悪いのは陸軍だ、軍人だ、天皇も国民も悪くない」という言説を西尾氏はおかしいと言い、むしろ昭和天皇を侮辱するものだと言う。確かに開戦の詔勅は天皇御璽のもとに発しており責任は免れない。昭和天皇自身もその責任から逃げていないし大東亜戦争そのものを否定されたこともなかった。
だからこそ敗戦後のマッカーサーとの会見で「すべての責任は私にある」とおっしゃったのだ。
西尾氏は天皇の戦争責任を認めると同時に、戦争を含む過去の歴史をトータルとして日本人自身が肯定すべきであり、過去をことごとく肯定する強靭な精神を日本人は回復すべきだと述べる。
何故なら天皇はあの時代において日本そのものであり、天皇の戦争責任を否定することは国民が自分を否定することと同じことになってしまう。西尾氏の結論は「自分たちの歴史を肯定し、決して悪びれない」日本人としての意志である。小生もそれこそが正に「正気」であろうと思う。
(ちゅん)。
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『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
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『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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  • 名無しさん2012/02/27

    シナ人は日本へは人口移動しないでほしい。

  • 名無しさん2012/02/27

    『周作人伝 ある知日派文人の精神史』評がよかったです。