国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(書評特集)

2011/11/14

 ◎(新聞休刊日につき今号は、書評と読み物特集です)
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23(2011)年 11月14日(月曜日)貳
       通巻第3482号 
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(新聞休刊日につき今号は、書評と読み物特集です)
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◆BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ◇ブックレビュー ★
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 読み出したら止まらない、寝る時間が惜しかった
  久しぶりに歴史が躍動するストーリィ・テラーの風情も豊かに

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渡辺惣樹『日米衝突の根源 1858−1908』(草思社)
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 講演旅行の鞄に詰め込んだ。講演が終わって宿で読み始めたら酒が進まない。ほかの用事も忘れる。とまらない。二時間ほど仮眠して、また読み続け、帰りの新幹線で弁当も食べずに読んで、それでも終わらず、所用を済ませるために外出。けっきょく、翌日の朝までかかった。576ページの浩瀚、三日で通読できたが、これを書き上げるには数年の歳月が必要だろう、と著者の取材、文献収集とその熟読によるデータつくりの苦労を思った。
 それほど面白いのである。
 歴史書を面白いなどと比喩するのは、書きながらどうかとも思うが、維新前夜からの日米接触、維新政府の欧米視察団、万博の参加などと表に現れて誰もが知っている通史より、裏面で何が進んでいたかを、時系列に論理的に整理してゆくと、ある推論が成り立つ。
 
本書で著差の渡辺惣樹氏は従来の近代史を別の視点に置き換えた。
つまり米国の政策担当者と、その周辺にいた有象無象、国務長官やら海軍省、そのロビィ企業、山師、荒くれ男らが繰り広げたドラムは、おりからのゴールドラッシュに酔ってカリフォルニア開発、鉄道利権の争奪戦という躍動的ドラマのなかから対日政策がおぼろげに浮かんできた時代があった。
 幕末に日本にやってきてつぶさに日本を観察し、その旅行記を書いた男は、米国で売れっ子の講師となって全米を駆けめぐる。日本は想像の世界ですでにアメリカ人の思考回路のなかにしっかりと組み込まれた。
 ゴールドに沸き立つカリフォルニアに忽ちにして一攫千金を夢見る荒くれ山賊、山師的たぐいが蝟集するが、金鉱探査よりも、その労働者へモノを売ることで商売を培化した、目端のきく商人等もいた。シナとのクーリー貿易でしこたま財をなして政治家になったのがルーズベルト一族だった。
 
その阿漕なやりかたを「フロンティア物語」に仕立てあげて、勝手に美化してきたのが米国だが、これぞまさしくアメリカ版『水滸伝』じゃないのか。
フロンティアが消えてしまった米国にとって、パナマ運河の開墾、ハワイ王室をだました、まるで詐欺師のごときアメリカ外交は、まんまとハワイ併合。パナマにしても独立運動なるものをでっち上げて、コロンビアからパナマ地域をだまし取った米国、その凄まじい外交裏面史を、戦後の日本のアメリカ研究者は閑却した。
その先はスペインを騙して戦争を仕掛け、フィリピン領有、そしてシナとの交易の利権を得るために、日本との戦争は避けられないという情勢になった。
セオドル・ルーズベルトは未来の日米戦争を、歴史の教訓から鮮明に自覚的に、その予兆をひしひしと感得していた。もとより学業優秀、論文をいくつもモノにして著作も二冊ほど著していたセオドル・ルーズベルトは基本的に歴史家だった。

 全体の流れは、読んでいただくしかない。そもそも本書をまっさきに推薦したのは西尾幹二氏で、評者(宮崎)は、渡辺さんの前作(『日本開国』)も論じたことがあるので、きっと西尾さんが瞠目するほどの内容だろうという想像はついた。
 http://mshks1318.iza.ne.jp/blog/entry/1397059/


▲TTPのごり押しアメリカとイメージが重複する

 読み方のひとつは本書を現在の日米関係、とくにTPP問題と重ねてイメージするのが有益ではないかと思う。
従来の史観と異なって米英戦争による独立を達成したアメリカは『奴隷解放』をめぐっての南北戦争を始めたが、じつに戦死者70万余。こうなると南北戦争という「内戦」は、奴隷解放のための南北戦争ではなかった(日本の蛤御門から函館戦争までの「内戦」<戊辰戦争>の死者は二万人以下)。
やがて西へ西へのアメリカはサンフランシスコを拠点に無法者が集結し、インディアンを虐殺し、メキシコから広大な領土を巻き上げた。これを「西部開拓」という。アラスカをロシアから購入したのも、この前後だった。
1902年の「日英同盟」への反発とロシアとの急接近などは、自由貿易vs保護主義の枠組みをこえて、マニフェスト・デスティニィを提唱したアメリカ人の心意気、その侵略主義、その前衛意識が納得できるうえ、さらにアングロ・サクソンにとって民族優位性という潜在する差別が、どのように生成し、アメリカ的プリズムのなかで、拡大し歪曲したか。
 米国民の主流アングロ・サクソンの、その主流であるドイツ系移民らは、まずケルト(アイルランドのカソリック)を露骨に差別し、インディアン原住民をバッファロウもろともに絶滅させ、黒人を奴隷として輸入し、ロシア革命前夜のポグラム(ロシアにおけるユダヤ虐殺)から逃げてきたユダヤ人たちを徹底して侮辱し、そしてシナ人を「不衛生、不潔」として徹底的に嫌った。
 アイルランド系は差別されて重労働の現場に投入されたが、その低賃金よりも安い賃料と長時間労働をいとわずに、黒人にかわって苦力(クーリー)として輸入された奴隷並みが、シナ人だった。
アイルランド系労働者らが、新たにイナゴの大群のことく上陸してきたシナ人労働者を脅威視して、「おれたちの職場が奪われる」と騒ぎだし、シナ人を「コメッツ」(別の惑星からきた不思議な人たち)と言っておそれた。
地域によっては暴動がおこった。シナ人排斥は大きな政治運動となる。
この文脈が、後の日系移民排斥へと短絡してゆくのだ。

 さて幕末における日本人との接触はアメリカ人にとって最初から一種の脅威だった。映画「ラストサムライ」はハリウッドで、俄にできた日本人武士道への賞賛ではない。
すでにペリー以前に冒険家らが日本にきて、その独自の文明の崇高さ、清潔さ、美しさ、倫理性の高さと教養、インフラ整備、武士の教養の高さと師をも恐れぬ勇気に、まったく別世界、シナ人とこうも日本人は異なるということを知っていた。

 渡辺氏は次のように書いている。
 「多くの(アメリカの)白人にとって支那からやってきた男達は異様なものに映っていました。カリフォルニアにやってくるのは若い男達ばかり。女性は殆ど見かけません。みなさっさと稼いで故郷に戻り家族に再会することを望む者ばかりでした。ですから無駄遣いは殆どしません。身にまとうものにもまったく頓着しません。彼の食事は白人たちとはまったく違います。仲間の料理人が好物の豚肉をたっぷり使って作る広東料理です。余暇は仲間内のギャンブルとたまに吸引するアヘンでした。彼らはひどく特異な集団生活を送っていたのです。こうしてカリフォルニアには白人社会から遊離して生活空間、チャイナタウンが形成されていきました。数少ない女性たちはほとんどが売春婦でした」

 アメリカ人における日本への知識は、その情報がかなり正確であった故に、高かった。日本人の軍事力向上をひしひしと脅威視してゆくのがハワイを併合するあたりからのアメリカ人政治家、ジャーナリストらの認識となっていた。
 シナはあくまでもアメリカにとって将来の市場だった。

 やがて日米友好の外交段階は吹き飛び、衝突の火ぶたは切って落とされた。
 日露戦争直後に表面化するが、おもてだっては日米友好ムードは変わらなかった。
 ムードの大転換は軍事行動に突出した。
 それが副題のしめす「1908」である。
この年、米国は十六隻からなる戦艦を「白い艦隊」として日本に派遣する。スペインとの海戦で、狭い湾内にスペイン艦隊を閉じこめた米海軍は、無敵スペイン艦隊を殲滅した。駐在武官として秋山真之は、現場でこれを見ていた。
サンチェゴ湾閉鎖作戦は、そのご、日本の旅順港閉塞作戦で活用された。廣瀬中佐の戦死、「杉野はいずこ」の軍歌、「坂の上の雲」の舞台!

 
 ▲米国は1908年、十六隻の戦艦を日本に派遣してきた

十六隻の米国艦隊は江戸湾深くに入った。
もしアメリカがスペイン艦隊になしたように、これを封じ込めれば、1908年に日本は(日露戦争でバルチック艦隊を殲滅した日本海軍!)、米国の海軍力を殲滅し得た。
それを米国は明確に恐れていたが、いやはや日本は朝野をあげて歓迎する有様だった。直前までポーツマス条約を仲介した米国に不満をならして、その米国の不実を糾してきた日本が、米国を歓待したのだった。

 「白い艦隊は仮想敵国日本との戦いの予行演習を無事終えました。同時にその敵国であるはずの日本では気味が悪いほどの歓迎を受けました。ポーツマス条約後に吹き荒れた反米の嵐、カリフォルニアの日本人差別に対する反感、そうした感情はどこに消えてしまったのか。この不思議な、アンビバレントな感覚を最も敏感に感じ取ったのは艦隊を率いたスペリー推将以下の海軍将官だったに違い有りません。彼らも東京湾で海戦が勃発する可能性に一抹の危惧を抱いていた」

 渡辺氏はセオドル・ルーズベルトが展開した、平和を装いつつ日米和平を表で薦め、他方では軍備が整うまで耐えるという米国の対日戦略を『ガラス細工』にたとえてこう続けている。

 「ルーズベルトが築き上げた日本との危うい親睦は、政治家ルーズベルトがおよそ八年の任期で完成させたガラス細工の傑作でした。艦隊旗艦の二週間後、この見事なそして悲しいほどに脆い作品は次期大統領」
へとバトンタッチされた。
 そして三十年後、日米は本格的戦争に突入したが、これは避けられない宿命だった。

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 日本の景気をどん底に落とし込んだ元凶は財務省ではないのか?
  赤字国債の数字にはトリックがあり、実際の日本の財政は健全である

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植草一秀『日本再生』(青志社)
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 正論を述べると日本ではマスコミから疎外される。
 戦後レジームにあぐらを掻く朝日新聞に対抗すると、たとえ正論であれ何であれ、朝日系列のメディアに出番がなくなるばかりか、他のメディアへの出演、出稿がそれとなく妨害される。
 財務省は、官界とマスコミの主流で有り、同時にわが国を駄目にした元凶だが、この財務省に逆らって堂々と正論をのべた著者が、小泉政権のときからどのように扱われているか、説明するまでもないだろう。
 それでも植草さんは訴え続けるのである。救国の正論をひとりでも多くが理解することに一縷の日本再生の望みを託して、ひたすら訴え続けるのである。

 本書の要点を次に抜き書きする。
 「過去の歴史的事実をひも解くと、財政収支改善のために、超緊縮財政運営を行った場合、その後、三〜四年間の時間内に、財政収支が改善ではなく大幅に悪化する」(66p)。

 「財政赤字を削減しようとする場合、すなわち緊縮財政の政策は常に経済を悪化させる経済効果を持つ。経済が悪化すると、一般的に、連動して税収が減少する。税収の減少は財政赤字を縮小させる原因ではなく、財政赤字を拡大させる原因になる」(中略)「現実に1996年以降の橋本政権財政、2000年から2003年に欠けての森政権、小泉政権の緊縮財政運営は、いずれも財政赤字を減少させるどころか、逆に拡大させた」(77p)。
 
 財務省発表の数字のトリックに関しては、小生も、最近は三橋貴明氏らも明言するように対GDP比較の数字は無意味である。
 植草さんもこう言う。

 (日本の所謂赤字に関して説明後、純粋な赤字は391兆円に過ぎないとしたうえで)「391兆円のGDP比は82・5%であり、米国の81・5%とほぼ同水準。イギリスの66・0%よりも若干高いといった程度であり、危険の様相は、まったく」ないのである(84p)。

 だから筆者は「景気回復初期の性急すぎる超緊縮財政の実行が日本経済を破壊する」と警告を繰り返し、植草氏自身が小泉首相にレクチャーもした。首相は聞く耳がなかった(評者に言わしめれば「理解する能力がなかった」だけのことだが)

日本経済を駄目にした元凶の財務省のロジックとは何か。
「何よりも(彼らにとって)重要なことは、自らが所属する省や庁の利害損失なのである。この利害損失を検討する際に、国の浮沈、国民生活の影響などが考慮の断片にも含まれることはない」(104p)

嘗ては大蔵官僚エリートだった植草さんの実感的体験からしぼりでてきた言葉だ。
かくして財務寮が声高に宣伝する日本の赤字の巨額などという情報は操作されており、真っ赤な嘘である。
「政府債務894兆円は明らかに過大な表現であり、政府債務として問題とすべきものは特例国債残高391兆円にすぎない。政府は他方で2010年度末に647兆円の資産を(海外などに)保有しており、この資産と赤字国債残高361兆円とを比較すれば、日本財政は危機からはほど遠い状態にある」(141p)。
 
最終章で植草氏は金(ゴールド)準備に言及して次のように言われる。
 (外貨準備の肥大化は為替差損を生んだが、これは51・2兆円に達しており、つまり、これぞ「米国への上納金」と上品に植草さんは比喩するが、評者にいわしめると「暴力団へのみかじめ料金」である)。
 外貨準備の日本円換算損失は過去一年間でも二回、合計8兆円から10兆円が投じられ、それでも効果は一ドルが75円から79円台へもどったにすぎず、四日後には77円台へもどった。為替損益を計算しての損失は70兆円を超えているだろう。
 もし、これを「金準備」に使っていたら?
 植草氏の計算では「外貨準備一・二兆ドルをすべて金の延べ棒に変え、その後四年間で、外資に投入した30兆円をすべて金購入に振り向けていたとすれば、現在の時価総額は(金価格を一グラム4800円で算定)、233兆円になる。なんとドル国債で保存したままの状態に比べて、140兆円も違う(中略)。日本の財政を根本から、完全に立ち直らせることもできたはずである」(257p)
 
この正論的な経済とくに財政改革の政策試論、もっと広く国民に読まれてしかるべきであろう。
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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム
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 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 669回】                 
  ――諸悪の根源は儒教です・・・ハイ、孟子わけありませんでした
  『孔家店二老板 孟軻』(蘆湾区工宣弁《孟軻》編写組編 上海人民出版社 1974年)
 

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古来、孔子を「至聖」、孟子(孟軻)を「亜聖(二番目の聖人)」と呼んで崇め奉ってきた民族である。
にもかかわらず孟子を「孔家店(儒教屋)」の「二老板(二代目おやじ)」とあざけり茶化す。ならば孔子は「頭老板(初代おやじ)」。儒教の聖人を2人してかくも蔑んでおきながら、21世紀初頭の現在、孔子学院のカンバンを掲げ、なにやら“遠大な計画のようなもの”に基づくソフト・パワーとかで世界各国を震撼させようと企てるばかりか、冗談を通り越しての孔子平和賞だ。
歌丸師匠ならずとも、「山田クーン、座布団10枚」。

40年ほどの昔をキレイさっぱりと忘れたのか。それとも昔は昔、今は今なのか。いったい、この民族の頭の構造はどうなっているのか。いくら考えても判らない。判らないから興味は尽きない。
興味は尽きないから面白い。面白いから探ってみたくなる。

だが、いくら探ってみたところで、「孔子のバカタレが死んでから百年近く。孟軻はヤツの衣鉢を受け継いで奴隷制を復辟しようという反革命活動を継続した」という「前言」の書き出しの一節を読めば、この本は読み終わったも同じ。
だが、そういったら身も蓋もない。そこで無理に我慢を重ね合わせて読み進み、想像を逞しくしてみるが、やはり結論が変わるわけではない。

やはり「孔子のバカタレが死んでから百年近く。孟軻はヤツの衣鉢を受け継いで奴隷制を復辟しようという反革命活動を継続した」という結論に行き着いてしまう。堂々巡りというわけで、どこを読んでも面白くない。ともかくも徹頭徹尾に面白くない記述が続くが、敢えてクスッと嗤えそうなのが、孟子が死に臨んだシーンだろうか。

畢生の大著である『孟子』を書き終えると、孟子の人生に残された時間はなかった。
「ある日の黄昏。孟子は病床でどうにか身を起こし、弟子を呼ぶ。息も絶え絶えに、『周の時代の聖人である文王の治世から遅れること500年ほどの時代を生きた孔子(せんせい)は文王の徳治政治を受け継いだ。克己復礼は、万古不易である。先生と左ほど違わない時代を生き、故郷も近い。ワシは直伝の弟子じゃ。先生の事業を引き継ぐのが道理というものだ。だが復礼の大業は未完成のまま。これでは死んでも死にきれん』。ゴホッと咳をし、最後の残った気力を振り絞るかのように続ける。『幸いにして、この『孟子』がある。先生の大業を後世に伝えるうえで、少しばかりのお役には立てよう。ワシが死んだ後、お前たちは、この書物に書き記して置いた“仁政”や“王道”を引き続き宣揚し、先生が求められた復礼という大業を、きっと、きっと完成させるのじゃ。必ず、かならず。頼んだゾ』」
まるで見てきたようななんとやらだが、この部分の解説がケッサクだ。

「この奴隷制復辟を企てた死にソコナイは死に臨んでもなお反革命輿論のデッチあげを忘れず、死んだ後になっても崩れ去ってしまった奴隷制を呼び戻そうと、進歩勢力に対して反抗しようなどと妄動する。だが、ヤツの願いとは裏腹に歴史は未来に向かって滔々と流れ、70、80年後には、秦の始皇帝が歴史発展の潮流に応じ、商鞅による変法を基礎に、法治主義による革新路線を堅持・発展させ、中国を統一し、地主階級による中央集権の専制国家を打ち立てた。孟子一派による奴隷制復辟の儚い夢は徹底的に破産した」という。

こうまで大口を叩いておきながら、臆面もなく孔子学院に孔子平和賞だ。巧言令色というか厚顔無恥というか、どうしようも孔子ようもなく処置なし。
だが、沈黙は禁だ。
《QED》
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(宮崎正弘のコメント)ダジャレの連発にも座布団十枚!
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きたる11月25日は没後41年、三島由紀夫追悼「憂国忌」です
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 ことしの「憂国忌」の概要が決まりました
 とき      11月25日(金) 午後六時半(六時開場)
 ところ     星陵会館二階ホール
         http://www.sfseminar.org/arc2004/map.html

会場分担金   おひとり2000円(賛助会員のかたはご招待)
 プログラム
   1830  開会、黙祷
         開会の辞 松本徹(三島文学館館長、文藝評論家)
   1840  記念講演 新保祐司(文藝評論家)「三島由紀夫と崇高」
   1950  発言 石平ほか
   2010  閉会の辞 「海ゆかば」合唱。閉会

 ご参加の皆さんには記念小冊子を謹呈します。どなたでも予約なく参加できます
 主催  憂国忌実行委員会(090)3201―1740(担当佐々木)
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宮崎正弘の新刊
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