国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(連休明け特大号)

2011/05/07

★小誌愛読者17910名! メルマガ総合ランキング五年連続第一位!
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23年(2011)5月7日(土曜日)
     通巻第3320号  連休明け特大号
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 (本号はニュース解説がありません)

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   ★読者の声  どくしゃのこえ  ドクシャノコエ  読者の声★
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(読者の声1)日本が東北大震災の渦中で苦闘している最中に、その日本企業をターゲットにして、米国人と思われるハッカーがソニーのプレステをハッキングし、大量の個人情報を漏えいし、同社を窮地に陥れている。
これはトヨタ自動車に続く日本企業をターゲットにした同盟国・アメリカの個人、或いは、団体のハイテク・テロ攻撃であると謂わざるを得ない。トヨタの場合も同様の手法で欠陥の濡れ衣を着せ、議会でトヨタの社長に謝罪させ、法外な賠償金まで払わせ、その後に”トヨタ車に欠陥はなかった”と米国議会が認めているが、あのトルネードの様な捏造に近い集中口撃は一体なんだ。”トヨタ車に欠陥はなかった”と認めるだけで済まされるのだろうか?
トヨタ社攻撃は、フォード社を救済するための禁じ手であったと考えるが、今回のソニー・プレステもマックスのライバルとして復活したソニーを挫折させんがための禁じ手であることは間違いないだろう。これが、米国の本質的なインデアン討伐精神の表れ、同盟国・アメリカの典型的な米国流・民主主義・人道主義の精神である。
同盟国・アメリカには正義はないのか。こんな不正義が許されていいのか。
このままアメリカがやり放題の不正義を続けるなら、自国の成立ちを死角にしたままアフガンやイラク・イランを非難する資格はない。米国の“ともだち作戦”のごまかしに乗せられてはいけない。日本人も考え直す時が来たと言える。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110501/biz11050117260011-n1.htm
(一読者)


(宮崎正弘のコメント)ちょうど北京のホテルでNHKをみると、ソニーの記者会見をやっていました。映像だけなので、深刻度は伝わらず、帰国後、了解しました。しかし、ソニーはいまや日本企業でしょうか?
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◎毎日一行● 浜岡原発稼働中止要請? 菅直人首相は日本破壊工作の先兵らしい
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(読者の声2)注目すべき動きがふたつあります。
ひとつは菅首相への政治資金規正法違反での告発状が東京地方検察庁に提出されたことです。菅首相罷免への動きはいくつかありますがいずれも決め手に欠きます。しかし、これが実現すれば決定的な効果を持ちます。
検察庁が同扱うか不明ですが、首相が検察庁へ圧力をかけるのを民主党の一部が阻止すれば実現への道が開かれる可能性があります。これ以外で有効性がある唯一の方策は、2年3ヶ月待つことです。
いまひとつは、福島第一原子力発電所第三号炉の爆発は核連鎖反応が原因ではないかという説を核エネルギーの専門家でいっている人がいます。
http://www.youtube.com/watch?v=_1DjDc6FnhM
もしその仮説が正しければ、爆発直後クセノンが検出されたはずであるということです。米軍機が爆発直後上空を飛んでいたのはクセノンが出たか確認するためだったのかも知れません。この仮説が正しければ、高濃度かつ大量のウラン235ないしプルトニウムがなくても核爆発を起こしうるということになります。この状況を意図的人工的に引き起こすことも不可能ではありません。ただし以前に私が書いた方法とは多少異なります。
(ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)しかしかえすがえずも空前絶後の馬鹿の典型を首相にしたものですね。愚民による衆愚政治の結果です。




(読者の声3)過日、貴誌への投稿で「静岡読者」の方から下記が寄せられました。
(引用開始)「茂木弘道さんが投稿されていることは、下記サイトで書かれていることと違っておりますが。http://gendai.net/articles/view/syakai/129864
米国は1950年から広島や長崎の被爆者9万人(近距離被爆者5万人、遠距離被爆者4万人)と非被爆者3万人を対象に寿命調査をしていますが、1980年代に入り、低線量被曝であってもがんになる確率が高くなることが分かったからです。しかも05年に英国の有力医学雑誌に掲載された15カ国の原発労働者40万人を追跡調査したリポートでは、50mSv以下の被曝線量であっても発がんリスクが高まると報告されたのです」
(引用止め)。
しかし、これまでに、どう考えても年間100ミリシーベルトの被ばくでは済まない宇宙飛行士が何故平気でいられるのか、というより初期のころは1−2週間だったのが、今では半年くらい滞在するようになったのが何故なのか、という事にまともに答えた人はいません。勿論、ラッキー博士のようにNASAから帰還宇宙士の健康チェックを依頼されて10年以上のデータを取ったかたは、むしろ健康数値がよくなっているという事実を指摘し、低線量い有益説を唱えているのですが、これに対してまともな反論もできずに徒に危険論を言い続けているというのが実態かと思います。
  (茂木弘道)



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(読者の声4)以下のご意見に感想です。
(引用)「貴誌前号の「読者の声3」で「東海子氏」が、「ゾルゲ事件を公開すればソ連から譲歩が得られたという意見には疑問です」と書かれましたが、これは全くその通りです。事実、一部情報を公開しましたが、全く動ぜずに否定しました。しかし、「この背信行為は日ソ平和条約廃棄に値する」と一言添えれば、状況は全く違います。東シベリアのソ連軍を西部戦線に動かせなくなり、対ドイツ戦で敗戦が必至だからです。当時のソ連側の状況に関してソ連崩壊後公開された資料を解析して、三宅正樹氏が平凡社新書で「スターリンの対日情報工作」で書かれています。また昭和29年に東京で駐日米国大使館の助けを得て亡命したソ連の情報将校ラスボロフ中佐の所謂ラスボロフ事件で明らかになった日本人情報提供者にエコノミストというコードネームで呼ばれていたものがいました。この「エコノミスト」は、その後、実刑判決受けて刑に服しています。三宅氏はこのエコノミストが戦前日本の機密情報をソ連に提供したエコノミストと同一人物であろうと推定しています。もしその説が正しいのなら、東海子氏が書かれた「なお、当時の日本政府内にはゾルゲ系統のほかにもコード名『エコノミスト』というスパイがおり、スターリンの手文庫から彼の真珠湾攻撃計画の通報が見つかっています。この人物は摘発されずに戦後世界に滑り込んでいます」とはいえなくなります。ただし同一人物であると断定できてはいません」
(引用止め)。

1.ソ連スパイコード名「エコノミスト」とは:この人物は商工大臣と昼食をとるような社会的に高位の人物でした。ソ連問題の専門家の間では、元老の血筋につながるS.Kではないかと言われています。英国留学中にスパイに誘い込まれた可能性があります。彼はスパイとして摘発されていません。資料、「東京新聞 2005年8月13日記事」
2.1941.4の日ソ不可侵条約の意味:これは、米国ルーズベルトの敵視圧力に対抗するための日本の必死の努力の結果でした。他方、スターリンは独ソ戦(1941.6.22)が間近に迫っていたので、東部国境が安全になるこの条約を大歓迎し、松岡洋右をモスクワ駅頭に見送りに来たことはよく知られています。当時スターリンは姿を見せない神秘の指導者を演出していたので、世界的な大きなニュースになりました。資料:加瀬俊一著「戦争と外交」上巻
 
米国の厳しい圧迫下にあった日本が、対米戦争直前(1941.12.8)にこの条約を破棄することなど戦略的にあり得ませんでした。戦前の国際関係は重大な国家的対立が複数、それも同時並行的に進んでいたことを忘れてはなりません。

3.ソ連極東軍のモスクワ戦投入の背景は次のようです。
(1)ゾルゲ功績の誤解:一般にゾルゲの功績として、彼が日本の南下方針を通報したので、スターリンが極東軍をモスクワ防衛に回すことができたと言われています。しかし疑問です。なぜなら、当時の戦況は西部戦線崩壊、モスクワ占領の危機的状況にあり、スターリンに、あえて極東を守る理由がないからです。
 ソ連は大陸国家であり、日本軍の北上、すなわち東西挟撃の危険性をもっとも恐れていました。そのためスターリンはすでに1937年には蒋介石に支那事変を起こさせて日本を泥沼に引き込み、さらに1939年にはノモンハン事件を起こして日本を威嚇し、その上米国の満洲狙いをそそのかして、1941年にはハルノート原案を作って対日戦争を始めさせようとしていたのです。このため日本はすでに支那事変4年目に加えてABCD包囲網で経済封鎖され、息の根を止められようとしていました。
 (2)ソ連の対日威嚇:こうした日本の苦境は、日本政府内部の複数のスパイ系統から逐一スターリンに報告されていたので、日本軍に北上の意図も軍事的能力もないことは全部スターリンには分かっていました。ゾルゲは日本の軍事力は旧式でソ連にとって脅威ではない、と報告しています。当時欧米軍事筋では日本の軍事情報に一番通じているのは、ソ連であると言われていました。今になれば納得です。スパイで日本はズブズブの状態だったのです。
(3)甘い日本の反諜報体制:日本の憲兵隊も特別高等警察も、防諜には大甘でした。よく左翼が拷問された、とか騒ぎますが、竹刀で殴るくらいで、ソ連KGBの血の凍るような尋問と比べると幼稚園レベルでした。ちなみに、ゾルゲは日本を評して、カニのようだ、と述べています。外は堅いが中は柔らかい。諜報防衛に向いていない民族という意味です。日本は、戦後65年、未だに最重要なスパイ防止法が無いのに平気です。国際常識を知らない大馬鹿間抜けです。
(4)独ソ戦:ドイツは1941年6月22日にソ連攻撃を開始しましたが、冬装備をしていませんでした。ヒトラーは3カ月でソ連を征服できると思っていたからです。しかしロシア奥地に攻め入ったドイツ軍は、11月には補給が絶えた上未曾有の厳冬に見舞われ、モスクワ近郊で力尽きました。優秀な戦車、大砲、兵器も潤滑油が凍りつき、機能しなくなりました。食糧もなくなりました。そこに完全装備のソ連極東軍24万が投入されたので、欧州戦以来歴戦の独軍最精鋭部隊は大損害を出し、ここにドイツ軍不敗の神話は消滅しました。
スターリンはもともとドイツ軍をロシアの奥深く誘い込み、厳冬をまって反撃する予定でした。だからこそ極東軍を温存していたのです。日本が北上する可能性は全くありませんでした。この誘い込み作戦は、ナポレオン戦争のクツゾフ将軍の戦略にならうものです。そして冬将軍の到来をまっていたのです。その通りの展開となりました。

4.スターリンの大芝居:1941.11、ドイツ軍が迫るモスクワは、スターリンの邸宅は爆破され、政府機関のボルガ河畔クイビシェフへの移転が終わりました。スターリンの娘スベトラーナは新しい身分証明書を受け取りました。混乱した市内では暴徒の放火、略奪が始まっていました。
するとスターリンは突然、モスクワを死守すると宣言、略奪犯は逮捕即刻銃殺され、政府機関はモスクワに戻りました。この宣言は前線のソ連軍将兵の意気を大いに高めました。しかしその裏では、極東軍を呼び戻すスターリンの用意周到な戦略が進んでいたのです。スターリンの側近フルシチョフは、スターリンはいつも事務室に地球儀をおいて戦略を練っていたと記しています。ただその内容を知っていたのはスターリンただ一人でした。
日本人は、大東亜戦争の多くがソ連による独ソ戦に備えた東部国境工作であったことを知っておく必要があります。
  (東海子)



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(読者の声5)あまりに悲惨な福島原発立ち入り禁止区域の状況に激怒の毎日。避難なさった方々の残してこられた家畜、ペットの救済を各方面へ働きかけたり、被災した友人への物資発送などで日が過ぎていきます。日本にも行けず、歯がゆく思います。
西村慎悟さまがコラムにおっしゃる通りで、今頃になってなぜ、強制避難地域に人を入れて家畜の殺処分をするのか、全く納得がいきません。だったらもっと早い段階で、「殺す」ためにではなく、「救う」ために人が入れたはずです。これまでの6週間以上、命をかけて現地へ入り、動物に餌や水を与え、また、救いだしているのは、皆、ヴォランティアの人々です。避難所で一緒に暮らせない方々のペットを無料で預かる組織を作っているのもヴォランティア。政府や政治家は、全く介入していません。
多くの動物を餓死に追いやった挙句、下手な嘘で固めた記者会見。「衰弱している家畜のみを安楽死」、ウソ。安楽死ではない。口蹄疫の時にも政府もマスコミも隠し続けたけれど、今はネットで専門家からの本当の情報を聞くことができる。「野生化した家畜は危険だから畜舎に戻す」に至っては、もう、何をかいわんや。畜舎に戻して、そして繋いで、餓死させるわけ? お金かからないし。
オランダの都会から10分も電車で行けば、どこも牛、馬、羊・・・放牧されています。これは、家畜の住環境改善運動が近年実を結んでいる証拠で、豚は泥の中で転げまわって楽しみ、鶏も放し飼いが着々と進んでいます。それのどこが「野生化した家畜は危険」なのか。動物は自然の中で生きるもの。それをこの決定をした人たちは、忘れてしまっている、いえ、もともと無知。放牧されていない、狭い畜舎に閉じ込められている家畜は、ストレスで凶暴になる。豚は殺し合いにまでなるので、狭い畜舎で飼われる雄は、生まれて間もなく全て去勢されるんです。
また、家畜の飼い主が希望すれば、健康体でも殺処分ありというのも、巧みな嘘。要は、「危険だから放棄せよ」と脅迫するのでしょ。最初から安楽死も、救命する姿勢もないのは見え見え。どこまで人を小馬鹿にすれば済むのかと思います。福島の避難所の方々に申しあげたい。遠慮せず、怒りを爆発させてください、と。
どなたかが「もう、私たちが皆で力を合わせて動いているんだから、お願いだから政治家の方々、邪魔だけはしないでください」というようなことをおっしゃったと聞きました。まったく同感です。夫が区議会議員だった時も、時間の7割方は内部の政権争い。最近菅おろしが盛んですが、それに伴って産経新聞の記事は以前のようなシャープさを失い、まるで重箱の隅をつつくような下らない記事で埋められるようになっているのにもうんざり。小澤、鳩山、公明党・・・また元の黙阿弥ではありませんか。仙谷さんも、外野で偉そうに無責任言っているけど、じゃあ、あなた、1日総理大臣に代わってお仕事してみたら、と言いたい。今回ほど、我々の多くが政府を見限って、自分たちで動き出していることは、今までなかったのでは? 
ちなみに、オランダには被災時の動物救助マニュアルが出来ており、避難の際に連れて行けなかった場合には、ドアに「動物が残されています」とステッカーを張っておくと、家の中の動物は、鳥であろうが金魚であろうか、ウサギ、犬、猫、何でも、あとで警察が家に入り、助け出して動物避難所へ連れて行ってくれます。そこに飼い主が行って、引き取るわけです。大きな家畜の場合には、トラックで、或いは警察の先導で、歩いて安全地帯まで移動させます。道が確保できなければ、歩いてでも人が餌を与えに行きます。

被曝している動物の救出法、救命法は、世界にもマニュアルがなく、例も少ないので、5月2日、3日に世界的に大きな動物救援団体IFAWが東京で世界サミットを開き、世界で指針となるマニュアル作成に向かうようです。「殺す」ためのマニュアルではありません。このサミットにはUSA,UKはじめ世界中の関係者が集まり、日本からは環境庁が出席すると聞いています。サミット開催発表と、「殺処分、4月中に終えたい」(いざ現場に入って、それは無理とわかったらしく、6月中と今は言っている)の記者会見があった時が重なるので、私は勘ぐっています。あ、そう、世界に恥をさらしたくないから、急遽み〜んな殺して隠しちゃおうってわけ、って。日本政府お得意の「くさいものには蓋」。でも、ネット世代には下手な嘘はばればれよ。
話は変わりますが、北海道出身の友人に「中国が最初にチャーター機で運び出したのが、留学生とその家族だって。なんで家族?」と言ったら「あ、北海道の大学の中国人留学生、皆、家族連れで来てます。入学あとは大学に来ないで、日本中に散らばって働いています」と。ふ〜ん、なるほど。学生じゃなかったんだ、最初っから。
チャーター機まで出して家族ごと国外へ急遽連れ出さねばならない理由も、なにかあったのね。
(Hana 在オランダ) 
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 564回】                 
      ――青年・毛沢東、中国と中国人を語る
        『毛沢東初期詞文集 中国はどこへ行くのか』(岩波現代文庫 2000年)
  

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 1912年から20年までの毛沢東の文章や詞が納められ、「《毛沢東》になる以前の毛沢東がここにいる」との惹句がついたこの本には、窮迫し混迷一途の社会情況に苛立ち、政治や時代に対する遣り場のない不満をバネに世の中をデングリ返してやれとの野心を沸々と燃え滾らせていた若き日の毛沢東がいた。
同時に、革命の道に一歩足を進めるに到る初志が秘められている。だが、その志が野放図で稀有壮大ながら純朴であればあるほどに、後に共産党を率い革命を成就させ結果として人民を権力闘争の荒波に翻弄させることになる《毛沢東》を思い浮かべながら読み進めると、なんとも不思議な思いに駆られてしまう。

 若い勢いに任せて「中国四千年といっても空っぽの屋台骨だった」だけで、「諸悪の根源は『中国』というこの二文字にある」と切り出し、「現在の中国はきわめて危険である」と危機感を募らせる。しかもそれは「全国人民の思想界が空虚で腐敗し、腐敗が十二分まで達している危険」だ。じつは「中国の四億人のうち、だいたい三億九千万人が迷信家であ」り、「鬼神を迷信し、物象を迷信し、運命を迷信し、強権を迷信している。個人が存在するを認めず、自己が存在するを認めず、真理が存在するを認めない。これは科学思想が未発達な結果である」そうな。だからこそ、「中国には科学的なアタマがない」と言い放つ。
 
次いで中国人については、「わが国の人間はおのがじし、いちばん割の合わない、いちばんろくでもない、私利の追求しか眼中にな」いから、「大規模で組織的な事業には、わが国の人間はまったく手がだせない」。「もともと中華民族は、何億人が何千年にもわたって、奴隷の生活をおくってきた」。そして「多くの中国人は虚栄心が強くて、でっかい帽子をかぶるのが好きだ。なにかが起きれば眼をひらいて前方をみるが、おおざっぱに遠くから眺めて、それでおしまいだ」。ここでいう「でっかい帽子」とは、その人間に相応しくない肩書きや地位を指すわけだが、いうならば見栄っ張りでお調子者とでもいおうか。

さらに中国人が持つ「かならずや上をみて下をみず、虚[表面的なこと]には努力して実[実際的なこと]には努力しないという悪い癖」を挙げ、これが「大々的に発作をおこし」て、社会は大混乱に陥ってしまうと指摘する。また「道理をかえりみない連中は、千百年の悪劣な社会によって鋳型にはめられ、自分ではままにならない。・・・連中が朝から晩まで思いなやむことといえば、死にたくないとか、金儲けしたいとか、世間の評判はどうだろうとか、こういうことだけです」と、ズバッと切り捨てた。
 
要するに青年・毛沢東の目に映った中国と中国人は、なによりもダメということだ。だが、そのダメな中国人を鍛えあげ、ダメな中国をでんぐり返してやれと思い立ったわけだから、毛沢東は相当に苛立ったに違いない。そこで「不快なことにでくわすと、それに刺激され、制止しがたいほど心神が動揺するものだ。こんなときははげしい運動をやってみよう。たちまち自分をしばっていた観念はどこかへ消え、頭脳は新鮮さをとりもどす。効果は、てきめんにあらわれる」ということになる。
 
革命闘争の渦中で、毛沢東はダメな中国人にイラついたはず。そこで「はげしい運動をやってみ」た。文革なんぞは、その典型だろう。だが「頭脳は新鮮さをとりもどす」わけもなかった。なんせ相手は「何千年にもわたって、奴隷の生活をおくってきた」「中華民族」ではないか。毛沢東が死んだら、いつしか「私利の追求しか眼中にな」い中国人に戻ってしまった。嗚呼、毛沢東も中国人にゃ敵わない・・・可笑しくも哀れで酷な話だネェ。
《QED》
 
(ひいずみかつお氏は愛知大学教授)。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 565回】                 
      ――周恩来、アンタはホントにリッパすぎます
『緬懐周総理対文物考古工作的親切関懐』(国家文物管理局理論組 文物出版社 1977年)
  

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 この本は「偉大なるプロレタリア階級の革命家、全国人民が衷心より尊崇し愛護する周恩来総理が我われの許を去ってから1周年」を記念し、「周総理生涯の偉大なる功績を心から懐」って出版された。「周総理生涯の偉大なる功績」とは、「周総理が毛主席の『古為今用(イニシエを今に用いよ)』との偉大な教えに基づき、文物考古工作に関し系統的で原則的な指示と具体的な指導を行い、文物考古工作に明確な方針を示した」こと。
つまり飽くまでも毛沢東のいうがままに動き、その指示に従って歴史遺産を守った。これを些か底意地悪く表現するなら、周恩来は毛沢東の従順な僕であり、執事だったということだろう。

 1951年12月、稀代の書家で知られた王献之や王珣の筆の名残を現代に伝えるといわれる「中秋帖」「伯遠帖」が香港で競売に掛けられようとし、「帝国主義者が分不相応にも欲しがっていた」。「その事情を知った周総理は、直ちに指示して買い戻し、外国人が持ち去ることを断固として阻止した」という。
以来、周恩来は北京の都市再開発によって解体寸前の歴史的建造物や全国各地の古跡の数々を守り、時に「文物管理保護条例」の制定に努め、時に共産党革命にとって重要な蜂起拠点などの保存に積極的な役割を果たした。とはいえ、飽くまでも自分を殺し、毛沢東を立てる。終始一貫・篤実従順ですかねえ。
 
61年のことだ。ある武装蜂起地点に建てられた記念館を訪れた際、武装蜂起における自らの働きに就いての話を望まれた際、「当時、農村での革命根拠地の重要性を提示していたのは、毛主席たったお一人だったと語った。周総理のこのようなプロレタリア革命家としての崇高で気高い品と徳は、我われにとって喩えようもなく深い意義を持つ教育となった」そうだが、続いて「だが、あのブルジョワ階級の野心家、陰謀家、叛徒、売国奴はこの上なくのぼせあがり、我を忘れた己惚れ野郎であり、到るところに己を讃える碑を建て自らを顕彰したものだ。

劉少奇、林彪がこうであり、四人組もそうだった。四人組の王・張・江・姚ヤロー共は『ニセ革命の反革命』を掲げ、なんと厚顔無恥にも自らを『正しい路線』としてそっくり返っていた。一貫して自己批判の真似事さえしたことがなく、どこへ行っても自分をひけらかしていた。大野心家、陰謀家の江青は大塞でチッポケな坑を掘っただけなのに、人々を動員して保存させ、あまつさえ記念に保存させようとしたのだ。

これはとは明らかに対照的なのが周総理だ。この上なく高尚な品格と徳行が人民の愛戴と崇敬をえないわけがない。四人組の根性の、なんとも野卑で穢れてネジ曲がっていることか。人類のツラ汚しだ」といった文章を読まされると、鼻白む思いがしないでもない。

なお、大塞とは毛沢東路線を学び自力更生で増産を達成した農村として文革期に大いに持て囃された農村のこと。当時、同じく自力更生によって労働者の手で開発されたとされる大慶油田とともに全国に知られ、「農業学大塞、工業学大慶」のスローガンは全国を席捲したものだ。後に、どちらもインチキであることが、当然のように暴露されてしまった。   

それはさておき、ここまで讃えられるほどに周恩来はリッパだったのか。あの猜疑心と権力欲が凝縮したような毛沢東に仕え、激越で冷酷非情な権力闘争を生き残った周恩来である。「この上なく高尚な品格と徳行」の下になにが隠されていたのか判ったものではない。
 
にもかかわらず、ここまで褒めちぎるのだから、この本は周恩来に対する“誉める殺し”とも思える。
彼らが狂奔する権力闘争の底の、底の、底の・・・底は余りにも冥く深い。
《QED》
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●○ 編集後記 ●○
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(某月某日)先月の28日に成田から瀋陽へ向かい、そのまま瀋陽北駅から寝台列車で牡丹江へ。満州の荒野に沈む夕湯を観ながら、食堂車で車掌らと懇談。「日本から?被害に遭わなかったのか」と、日本は全体が被災したような印象を持っていることがわかった。
中国はおりしも労働節(メーデー)で三日間の連休前、列車も駅も超満員の阿鼻叫喚。
牡丹江から佳木斯(ジャムス)。そして鶴岡、富錦、同江を経て、旧満州最北東端の町、撫遠(対岸がハバロフスク)、黒竜江、松花江、ウスリー河が合流する地点には中国軍の見張り台。数十人ほど観光客もきているが、中国人ばかり。凜烈な寒さ、セーターにマフラー、帽子に革ジャンといういでたちで。
この最北東端の撫遠という町、人口わずか四万なのに帝都サンクト・ペテスブルグのミニチュア版の趣あり、ロシア人が少ないのも、やっとシーズンが始まったばかりだったから。戦争末期、日本軍の守備隊30名。在留邦人全員190名中、わずか七名が生還したという激戦の地だった。
撫遠では中国各地からあつまった労働者が午前四時ごろからビルの建設現場で重労働をしていた。
ともかく黒竜江省の各地で満州開拓団、関東軍陣地、激戦地の址をたずね、犠牲者に合掌。その後、佳木斯へもどり飛行機で二時間半、一路北京へでて建国門の国際ホテル。天壇公園付近の名物レストランで食事後、なじみのスナックへ行くと、驚き桃の木。「地震以後、日本人客ぴたりとこなくなって休店」していた。
翌朝、北京まで一週間の旅程を終えて、同行した高山正之氏らは帰国。小生は延泊し、北京南駅から新幹線に乗って三時間半。山東省の省都・済南へでて一泊、駅前の簡易ビジネスホテルで交渉すると、「外国人は宿泊できません」。仕方なく、高層ビルの明珠ホテルにチェックインし、翌日早朝にまた新幹線で北京へもどり、記者らと懇談。ちょうど鳩山前首相が北京に来ていました。
北京はあいかわらずタクシーを拾うのが難しく、地下鉄にのってすし詰め満員を連日経験。また丹羽大使の評判が最悪に近いことも確認しつつ、所用を終えて、北京から帰国した。成田空港がすいていた。帰りのスカイライナーも半分以下の乗客。
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<宮崎正弘の新刊 絶賛発売中>
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<宮崎正弘の新刊予告>
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『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)

<宮崎正弘 全著作リスト>
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◇◆み◇◆や◇◆ざ◇◆き◇◆ 宮崎正弘 ◆◇ま◆◇さ◆◇ひ◆◇ろ◇◆
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
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  • 名無しさん2011/05/07

    戦災により命・財産を失った人たちの悲惨な生活を想起してください。

     菅総理はマスコミの騒ぐような低レベルの能力のひとでしょうか?

     国策としての原発を推進してきた、責任は一体誰が、どのようにとるのでしょうか?   鵜 徳 生

  • 名無しさん2011/05/07

    有り難う! 菅直人首相 (≧∀≦)

    http://shadow-city.blogzine.jp/net/2011/05/post_d137.html#more



    哀哭チンドン屋は原発なきゃ死んじゃうらしい