国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(福島原発とチェルノブイリを同一視するな)

2011/03/15


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
       平成23年(2011)3月15日(火曜日)
      通巻第3262号  <臨時増刊号>
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 被災地の皆様、被災者関係各位殿
   衷心よりお見舞いを申し上げます。
                       宮崎正弘事務所
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緊急寄稿

 福島原発事故とチェルノブイリを同一視するな
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                      川口マーン恵美(在独作家)

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原発の話です。
ドイツでは、福島原発の事故について、日本全体がまもなくチェルノブイリになるかのような、エキセントリックな報道をしています。
SPDと緑の党が、30年来の原発賛否論に決着を付けられると思い、福島の事故を利用しているのはわかりますが、なぜ、すべてのマスコミが、それに乗ってしまうのか。ドラマティックな話は、人々をひきつけるのでしょうか。
ドイツは、今年、大きな州選挙を三つも抱えているので、それに原発が利用されているのは、大変遺憾です。ちなみに、原発容認派(CDUなど)は、原発がベストだといっているわけではありません。ただ、いっぺんに廃止することは現実として無理なので、代替エネルギーの供給と価格が現実的になるための努力をしながら、段階的に廃止していくべきだといっているのです。いっぺんに原発を廃止したらどうなるかは、東京の住民が、今、身に染みて感じているところです。

中国でも、一昨日の日曜日、福島の原発事故についての対策を練るため議会を開き、テレビは一日中、自分たちが大いなる危険に晒されているということを報道していたそうですね。
常日頃、黄砂に乗せて、有害物質を送り込んでいるというのに、今では、政府は、国民の健康が、日本によって損なわれることを深く憂慮しているのです。出演していたコメンテーターの中国人学者が、かつて日本の大学に留学していたということで、東北の惨状を見て泣き出すという感動的なシーンもあったそうです。

それを聞いて、昔読んだ、文化大革命の光景を思い出しました。いずれにしても、今の状況では、福島から放射性物質が何千キロも飛んで、隣国の国民の健康に悪影響を及ぼす可能性のないことは、物理学者なら、誰でもわかるはずです。一般市民は騙されますが。

私の知り合いのご主人が、 日本の原子力の父ともいえる人物で、その人の話では、福島で起こっていることが、チェルノブイリになる可能性はないとのこと。チェルノブイリのとき、放射性物質が遠くまで飛んだのは、大火災があったからで、福島は、最悪のシナリオでも火災はない。だから、局地汚染は起こりうるが、それでも20キロも離れれば、被爆はないそうです。日本政府が発表していることに、嘘はないということです。ドイツや中国が報道していることは、嘘ではないが、起こる可能性としては非常に小さいので、政府がそれを発表しなくても当然だというのが、彼の意見です。

なお、水素の爆発で放出される放射能は、微量で、今のところ一切問題がないということです。
服についた少々のチリも、あまりにも性能のよい検査器が見つけてしまい、その人は被爆とされてしまうらしい。ただ、テレビには、宇宙服のような装備の隊員が、動かなくなった被爆者を担架で運んでいるようなショッキングな映像がでますから、それを見た人は、日本は大変なことになっていると思うわけです。
日本にいるドイツ人たちはパニックになって、怒涛のごとく、日本を逃げ出しました。私の元にも、ドイツの友人たちから、すぐに帰って来いというメールがひっきりなしです。今、飛行機のチケットは、すべて向こう7日ぐらい、売り切れています。今日、残っていたのは、カタール経由の南回りだけでした。

今朝の報道では、フジテレビのコメンテーターで、初めて、「海外では、日本全体が放射線に汚染されたような報道がなされている。官房長官は、海外に向かって、真実を発表すべきだ」と述べた人がいました。まったく同感です。
いずれにしても、ドイツの40年来の原発論議にも、これで終止符が打たれる模様。地震の翌日の土曜日には、わが州バーデン・ヴュルテンベルク州の州都シュトュットガルトから、ネッカー川のほとりの原発までの24キロを、原発反対派の人たちが手に手を取って、人間チェーンを作ったのです。SPDの党首ガブリエルは、しめしめと思っているのでしょうが、「この悲惨な事故を、今、政治の論議にするのはやめたい」などと、余裕の発言をしています。

前述の知り合いの原子力の父は、自分たちが築き上げた、日本の原子力発電所の世界一の技術を誇りに思っていた人で、今回のことでは、ショックを受けています。なぜかというと、耐震技術というのは、非常に高度で、お金も掛かる。そして、それは完璧だった。ところが、今回の事故は、揺れによるものではなく、単に、注水に関わる部分に、たくさん海水が被ってしまったことによって起こったものだった。要は、まさか5m以上の津波が来ることを考えていなかったというだけのことなのです。これを防ぐことなど、たいした技術もいらず、お金も掛からなかったはずです。

でも、これで原発の未来はなくなるだろうし、では、自分が一生熱中してやってきたことは何だったのだろうと思うと、とにかく無念だということです。
長くなって、申し訳ありませんでしたが、ドイツ人が全員、逃げ出す様子を目の当たりにしたので、先生に、このドイツの報道の横暴さをお伝えしたくて。チケットが買えなかったドイツ人は、九州や関西に逃げています。
 
(川口マーン恵美女史はたまたま来日中でした)
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  読者の声 どくしゃのこえ ドクシャノコエ DOKUSHANOKOE
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(読者の声1)ボランテイアでも、正規軍でもリビア内戦に外国軍は手を出せないと思う。
米国は手がいっぱい。財政再建が優先。米軍介入は米国議会の承認が必要。州政府も、連邦政府も、支出緊縮が討論されている時に、もうひとつの戦争は不可能です。チャイナは公定利息をまだまだ上げる。温家宝が、"消費者中心に内需を興す。一方で企業を活性化する”と二律背反することを堂々と言っている。
いくら願望があっても、財政がゆるさない。当面、米国はリビア資産の凍結だけですね。反政府派に闇金も出せない。アル・ジャジーラがすっぱ抜くから。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)そしてカダフィ政府軍、傭兵と近代兵器でたちまち反政府拠点を奪回したようです。
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◎毎日一行●東日本大地震、戦争勃発の場合の日本の対応ぶりが試されている。菅は能なし、民に活力あり。
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(読者の声2)貴誌通巻第3261号 読者の声1 東海子さんの投稿に関連し、丁度タイミング良く3月7日「産経新聞」朝刊の「正論」コラムに、志方俊之(帝京大教授)氏が「核は「持てるが持たぬ」が賢明だ」と論説しておられますが、小生はこの志方氏の論に、現実対処論としてほぼ全面的に賛成です。
日本がNPT体制離脱、IAEA脱退に踏み切れば、「ウラン輸入は停止され、原油が食料の輸入も、日本関連船舶の国際海峡の通過も制約されるなど、地球規模の制約を覚悟せねばならない」という志方氏の指摘は傾聴すべきと思います。
なお、「核兵器 の抑止力」については、あまり語られませんが、「核の抑止力は、広島・長崎への実際の原爆投下の大惨禍の事実直視」から発生していることを認識すべきです。
しかしながら、広島・長崎以降、この地球上で核爆弾は実戦使用されたことは一度もなく、「人類の核爆弾不使用の実績」は65年を経過しています。 この事実は、見事に核爆弾の「抑止力の威力」が立証されているものだ、と私は認識しています。
 またこの間、幾多の大小の戦争があったにかかわらず、特に米国、旧ソ連の歴代指導者達が、「一度も核兵器 を使用しなかった。使用を自己抑制した」ことは、超大国指導者達の「人類の英知」を示すものとして、彼らに「ノーベル平和賞」を与えてしかるべき、と私は考えます。
このような認識が広島・長崎での原水爆禁止反対運動には、いままでのところ全く欠落しているのは残念に思っています。
原子エネルギーの解放は人類の英知です、が「核爆弾不使用(不所持ではない)65年+α」も人類の英知と思うのですが、あまり自説への賛同者はおらず、宮崎先生のご意見を拝聴いたし度く。
(KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)小生の海外取材出発前にいただきました。ちょっと福島原発以後、状況が激変したかと想いますのでコメントを控えます。



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(読者の声3)産経新聞の報道で、福島瑞穂氏が未帰化人である事を知りました。つまり、前原議員へ献金をして問題となった、焼き肉屋のオバサンと同じ未帰化人です。
 献金が禁止された未帰化人である福島瑞穂氏が日本の国会議員であり、大臣まで努めた事が疑問です。
 前原さんの献金問題なんてどうでも良いくらいに大問題だと思うのですが。
 一体、日本はどうなるのでしょうか?
  (T.H生)


(宮崎正弘のコメント)菅首相への献金も大津波にのみこまれてうやむやですね。
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 樋泉克夫のコラム 二本掲載  樋泉克夫のコラム 二本掲載 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 538回】                    
    ――凡ての子供の脳みそに打ち込まれた虚偽のクサビ
   『原始人怎様戦天闘地』(《原始人怎様戦天闘地》編写組 上海人民出版社 1975年)


 △  
 この本は毛沢東の死のちょうど1年前に当たる75年9月に出版されている。おそらく当時は猖獗を極めた文革にも人民は嫌気がさし、一種の厭戦気分が横溢していたに違いない。そこで四人組は、この本で子供たちに悪知恵を授け、ヒト暴れさせようとしたとも思える。

 当然のように、巻頭を飾る『毛主席語録』だが、この本では「人類の歴史は、つまり必然の王国から自由の王国へと不断に進む歴史である。この歴史は完結することはない。階級の存在する社会においては、階級闘争は決して完結はしない。階級の存在しない社会では新と旧、正しさと誤りの間の戦いは永遠に完結するわけはない。生産闘争と科学実験の場においては、とどのつまり人類は絶え間なく発展し、自然界もまた発展し、ある水準に留まり続けることはない。それゆえ、人類というものは経験を絶え間なく総括することで、発見があり、発明があり、創造があり、前進があるわけだ」が置かれている。

 編者の説明によれば、この本は「社会発展史常識・少年読物」シリーズとしては『人是従那裡来的』に次ぐ2冊目で、「原始社会はどのような社会か」「原始人はなぜ狩猟をしたのか」「原始社会での分配は、なぜ平等でなければならなかったのか」「交換という行為はなぜ出現したのか」「私有制はなぜ生まれたのか」などの項目を立て、「社会の発展は主に社会内部の矛盾の発展に起因する」ことを分かり易く解説しようとしたもの・・・らしい。

 原始社会においては、誰もが社会の一員として社会を構成する人々と協力し、一定の生産関係を形作り、生産活動に取り組み、人類にとっての物質生活に関する問題の解決に当たってきた。だが「原始人が手にした必需品は自然界からの無償の贈り物などというのは、バカバカしい童話だ。こんな黄金時代は、有史以来、あったことなどなかった。生存や自然との闘いの困難は、原始人にとっては十分すぎるほどの重圧だった」(レーニン)。そこで人びとは力を合わせることとなる。かくて「このような原始類型の合作、あるいは集団による生産活動が生まれたのは、明らかに個人の力が極めて限られていた結果であり、生産活動を支える原料や道具の共有の結果ではありえない」(マルクス)そうだ。

 原始氏族社会では、「一貫して暴力で人びとを脅迫したり服従させたりするような暴力装置はありえず、我々が知ることの出来る当時の統治は、族長の持つ権威による」(レーニン)。ところが、である。「矛盾なきところに世界は存在しない」(毛沢東)。やがて長閑な原始士族社会は終わりを告げ、原始社会の後期になると氏族間で大規模な戦争が展開されるようになる。戦争こそは私有制度が生み出したものだ、という理屈が生まれる。
 
「戦争とは私有財産と階級が生まれてすぐに始まり、階級と階級、民族と民族、国家と国家、政治集団と政治集団の間で一定段階に達した矛盾を解決する最高の闘争形式なのだ」(毛沢東)。人の認識というものは「主に物質的生産活動に由来するものであり、自然界の現象・性質・規律性、人と自然界の関係を徐々に理解するようになった」(毛沢東)とか。
 
このように「偉大な革命の導き手」たちの“珠玉の理論”を散りばめながら詳細な解説が続き、「階級は本来的には存在してはいけないもの」だという思想を、子供たちの脳裏に刷り込もうとしたというわけだが、この本出版から30数年。中国では貧富の階級格差は拡大するばかり。ならば貧しき階級に属さざるをえず、現状に矛盾を感じている皆さん、毛沢東の至言に従って「矛盾を解決する最高の闘争形式」でも盛大にやらかしますか。
《QED》
 

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もう一本!


【知道中国 539回】              
    ――いやはや何とも・・・曰くいい難いなァ           
        『禁毒教育通俗読本』(劉咸岳主編 広西教育出版社 1996年)


 △
中国の書籍の奥付が日本のそれと違うのは著者、出版社、出版年などに加え、使用した文字数、さらに出版した冊数までもが記されている点だろう。この本には「53千字」の文字が使われ、初版は1966年6月で、1年後の76年6月に6刷。短時日のうちに版を重ねたものだと感心するが、驚くべきは650万冊という印刷数。超ベストセラーだ。単純に考えれば、それほどまでに膨大な読者から迎えられたということだろうが、メディアが共産党によって徹底して統制されている情況から考えれば、この本を多くの人民に読ませ広範な「禁毒教育」を進めようという当局の意図こそが650万冊を社会に送り出した違いない。

ところで古来、中国では「吃(食べ)」「喝(飲み)」「嫖(買い)」「賭(賭ける)」に加え、「去聴戯(しばい)」と「抽大烟(アヘン)」が人生最高の愉悦とされていた。もちろん、どれもが財産を湯水の如く注ぎ込んでも、その道は極め難い。だから、なにもかも忘れてのめり込んでしまう。その代表が「嫖」「賭」と「抽大烟」で、かりに“奥義“を極めたとしても、財布はスッカラカン。体はボロボロで、ほとんど廃人。「文明社会のゴミに堕し」(「序」)、人生を台無しにすることは必定。

だから「新中国が誕生するや、人民政府は全力で社会の汚濁を洗浄した。かつて我われは満天下に向け胸を張って『中国は麻薬、賭博、売春を廃絶した』と宣言したが、改革開放に踏み切り外国に向かって開かれ、経済建設と外国との交流が進むに従い、瞬く間に麻薬、賭博、売春が息を吹き返し、ある地区では勢いを復活し蔓延するようになった。我われは麻薬、賭博、黄禍(ばいしゅん)の猖獗を極める挑戦に、真正面から向き合わなければならない。一瞬の猶予もなく、その災禍を防ぐべきなのだ」(「序」)と、高らかに宣言することになる。

ここでいう「ある地区」こそ、ヴェトナムやラオスと国境を接する広西チワン族自治区。ここは昔から、隣の雲南省と共にアヘンの巨大な生産地であり消費地だった。

この「序」では、「瞬く間に麻薬、賭博、売春が息を吹き返し」た要因を「経済建設と外国との交流」に求めているが、それは詭弁というもの。「人民政府は全力で社会の汚濁を洗浄した」と宣言したが、毛沢東の時代でも、それは密かに続いていたに違いない。一度染まった悪癖は簡単に忘れられない。「経済建設と外国との交流」によってカネ周りがよくなり外国からの“ブツ”が手に入り易くなったからこそ、広い範囲で爆発的に広がった。つまり毛沢東時代にはウラの社会でひっそりと行われていた「麻薬、賭博、黄禍」が、経済大国への過程でオモテの社会で大手を振って歩き始めたというのが、実態に近いはずだ。

かくして「差し迫った現実に基づき、中共広西チワン族自治区委員会宣伝部、自治区人民政府弁公庁、公安庁、広西禁毒委員会、広西教育出版社などの組織が協力し」て、この本に加え『禁黄教育通俗読本』『禁賭教育通俗読本』の「三禁叢書」を出版したのだが・・・。

麻薬の吸引は廃人化の第一歩であり、売買は社会の経済体系を破壊する犯罪だと、数限りない実例を挙げて説明・説得に努めているが、「嫖」「賭」「抽大烟」を必ずしも罪悪視しない伝統的民族性を根源的に改めない限り、「三禁」は徒労に終わる運命にあるだろう。
「3つの禍を取り除かねば、国家に寧日なし」(「序」)の宣言が空々しい限りだ。
《QED》

(ひいずみかつお氏は愛知県立大学教授。華僑、京劇研究の第一人者)。
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(編集後記)というわけで、日程を切り上げて帰国しました。昨日、上海でANA搭乗前のチェックイン・カウンターでの会話。「予定通り飛びますか?」「はい」「それは奇跡的ですね」「ただし東京到着後の交通事情はわかりません」。
  機内では疲労で殆ど寝ていました。羽田着は定刻より20分も早く、モノレールは通常運転ですが、むしろガラ空き。問題は浜松町からでした。改札制限。かなり並んで乗車後のJRは異外に空いていて、地下鉄も通常より少ないと感じたほど。予想したより二時間も早く帰宅して風呂へ入れ、なんという強運だったか、と神に感謝しました。
  さて中国でも地震ニュースは二十四時間報道、肝心の全人代そっちのけでした。詳しくは後日。
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宮崎正弘独演会「ウィキリークスと中東大混乱と中国」
    記
とき   3月26日(土) 16:00 
場所:  早稲田奉仕園 スコットホール http://www.hoshien.or.jp/map/map.html
主催:  特定非営利法人 修学院           http://shugakuin.jp/
会費 : 1000円 
連絡先:07064709513 FAX 0448729028
e-mail : info@shugakuin.jp
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◇◆み◇◆や◇◆ざ◇◆き◇◆ 宮崎正弘 ◆◇ま◆◇さ◆◇ひ◆◇ろ◇◆
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絶賛発売中 !  
 宮崎正弘『ウィキリークスでここまで分かった世界の裏情勢』(並木書房、1470円)
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宮崎正弘『オレ様国家 中国の常識』(新潮社、1470円)
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談、海竜社、1575円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(同じく石平氏との対談。ワック、933円)
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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◇◆み◇◆や◇◆ざ◇◆き◇◆ 宮崎正弘 ◆◇ま◆◇さ◆◇ひ◆◇ろ◇◆
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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著作権マーク(C)(有限会社)宮崎正弘事務所 2001−2011 ◎転送自由。ただし転載は出典を明示してください。
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  • ホホホイ2011/03/19

    >保守的

    についてですが、これは思想の保守主義という意味とは全然違うと

    思いますよ。私は会計をちょびっとかじったことがありますが、会計に

    おける保守主義とは 費用を過大に見積もって収益を過小に見積もるという

    ことです。簡単に言うと慎重な見積もりをするということです。

    枝野さんはそういう意味で「保守的」という言葉を使ったと思います。

    今回の事故については 費用=悪い事態が怒りうる範囲 を想像で

    きうる限り大きく、大きく見積もったということだと思います。



    企業の決算予想でも、「保守的」という言葉はよく聞きますよ。業績

    が悪化する不確定要素を折り込んでもこれくらいの決算は出る

    だろうという数値を出すのです。

  • ホホホイ2011/03/19

    事故原発は“欠陥品”? 設計担当ら35年ぶり仰天告白

    http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110318/dms1103181534014-n1.htm

    出てきましたね。耐震対波設計に問題がありとの意見が

    出たが、そのことは捨て置かれた、と。日米の技術者が告白。

    事実なら、企業の論理=利潤を優先しすぎた事と官僚的な縦社会組

    織により下の意見が上手く反映されなかったこと、この二つが

    引き起こした事件のように思えます。

    技術者だったのは事実であるわけですし、ことの重要性も考え

    あわせ、嘘と決め付けず慎重な検証をして欲しいと思います。

    マーン氏の論文に出てきた原発の父とは純科学者で論理的な支柱に

    なった人なのではないでしょうか?理論的に完璧と思っても、その

    理論自体が間違っているかもしれないし、現場の設計、組立の部分で

    まったく理論上と同じになるとは限りません。

    耐震設備も圧力容器の強度も全て完璧だった、本当にそうなんでしょうか?

    その人は設計図を見て、設計図通り立てられるのを見たの?



    別のところで、日本は原発があるから自衛戦争はムリと上の技術者は

    言っているようだが、なるほどと思いました。原発反対派からは

    賛同を得られないでしょうが、原発持つ前に核兵器持つのが先

    じゃないでしょうか。そうすれば原発を攻撃されることもまず

    ない。(アルカイダのような組織なら分かりません。ってか日本の

    原発の警備ってどうなってんだろ。皇居で重火器を持った自衛隊が

    警備する、という話を想像するだけで発狂する人(例、野中)がいる国です。原発の警備ってどうなっているんだろう?これも不安ですね。2002年

    ワールドカップまでは機械警備のみだったそうな。。。)

  • 心配性の者2011/03/18

    川口マーン恵美さんが、どんな人かは知らないが、日本の原発がどんなものか知ってるのでしょうか。

    下記のサイトに現場で働いた方が詳しく書かれてます。

    http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html#about

  • まほ2011/03/17

    無責任なマッチポンプなのは、何も日本のメディアだけではないのですね。

    日本のメディアは、それに加えて『反国家』(『反権力』ではなく)であるという点で、より悪質ではありますけれども。



    川口マーン恵美さんの貴重な欧州情報に感謝です。

  • 名無しさん2011/03/16

    現在フランスに住んでいますが、フランスでも同じ様な報道がなされています。東京にいるフランス人は皆国外か地方に脱出するように言われていて、どんどんフランスに帰ってきています。私の家族は東京にいるので、フランスの友人からは、なぜ東京にいられるのかわからない、一刻も早く脱出するべきだと言われています。家族から聞く話とはかけ離れたフランスのテレビの報道を見ながら今回の記事を読みました。同感しています。

  • 無学な者 再投稿2011/03/16

    川口マーン恵美さんが、どんな人かは知らないが、こんな無責任な意見は見たことがない。



    >服についた少々のチリも、

    >あまりにも性能のよい検査器が見つけてしまい、

    >その人は被爆とされてしまうらしい。



    まず、被爆は被曝でしょ。それに、「あまりにも性能の良い検査器が見つけてしま」うとして、どうしてそれを日本で使っているのかの理由を理解していない。



    そもそも日本の原子力の父とはどなたか。そんなネームバリューのある人が、公式にではなく非公式に、それも伝聞の形をとってコメントをするであろうか。そんな発言にそもそも、どんな説得力があるというのか。



    >自分たちが築き上げた、

    >日本の原子力発電所の世界一の技術を誇りに

    >思っていた人で、

    >今回のことでは、ショックを受けています。



    >でも、これで原発の未来はなくなるだろうし、では、自分が一生

    >熱中してやってきたことは何だったのだろうと思うと、とにかく

    >無念だということです。



    そんな個人的な感傷を持ち込まれたって困ります。それだけの被害を今回はもたらしています。その世界一の技術が、今、相馬市をはじめとした被災地の救援活動の妨げになっている。屋内待避しか認められず、ライフラインの復旧さえままならない避難所の人たちは、どうやって生きていけば良いか途方に暮れている。助けに行くにも屋内待避が邪魔をする。件の「日本の原子力の父」が実在の人物だったとして、ショックを受けるのは当然だろう。



    >ところが、今回の事故は、揺れによるものではなく、単に、注水

    >に関わる部分に、たくさん海水が被ってしまったことによって起

    >こったものだった。要は、まさか 5m以上の津波が来ることを考

    >えていなかったというだけのことなのです。これを防ぐことな

    >ど、たいした技術もいらず、お金も掛からなかったはずです。



    今度は失敗しないから大丈夫と言いたげなお話だが、反論させて頂ければ、原子炉は停止させるのにも莫大なエネルギーと時間を必要とします。緊急停止ボタンを押したとしても、その後、完全に停止させるまでの間には、莫大なエネルギーと時間を要する。つまり、今回の地震で“安全に”、そして“機器の損傷を招くことなく”停止させるには、数ヶ月間のスパンで全ての障害を克服し停止させるための注水を行い続けなければならないと言うことである。



    使用済みの核燃料さえ、貯蔵プールで3年〜5年を要して冷却しなければならず、その過程の途中で冷却水の循環がたたれてしまえば、4号炉のようなことになってしまうと言うこと。



    元々4号炉は運転すらしていない炉だが、その中にあった使用済み核燃料さえ貯蔵プールの循環が止まったり、水位が低下するだけで建屋を破壊し、使用済み核燃料そのものが露出している状態だ。もはや施設内では、防護服を着用してもなお作業員の安全が確保できない状態で、手立てを失っている可能性が少なくない。



    今回の災害は、未曾有のものであり、各種の想定を超えていたものであったことは、衆人の認めるところだろう。でも、だからこそ、この未曾有の事態に至ってもなお、「何とかして原子炉を再使用できるように停止させたい」という思いを最初に捨てるべきだったのだ。だが「最初から海水を注入してでも止める」という決意が誰にもできなかった。



    その理由は簡単。海水を入れた原子炉は廃棄するしかなくなるからだ。原子炉の価格は一基4000億円とも言われる。これをドブに捨てる決定をそう簡単にできる人がいるだろうか?



    更にもう一つ理由がある。



    >ただ、いっぺんに廃止することは現実として無理なので、

    >代替エネルギーの供給と価格が現実的になるための努力を

    >しながら、段階的に廃止していくべきだといっているのです。

    >いっぺんに原発を廃止したらどうなるかは、東京の住民が、

    >今、身に染みて感じているところです。



    とあるが、その通りで、東京電力の管轄地域が深刻な電力不足に陥るからだ。世論の動向を見ていれば、計画停電も被災地支援の一環だという思いがあるようだが、それは勘違いで、この福島の原発などが被害を受けて電気を自給できなくなっているからだ。逆に言えば、何処かに代わりの原発を建てない限り東京の電力不足は永続的に続くと言うこと。こんな事件の後、どこに原発を建てられるか想像してみたらいい。だからこそ、今回の事件は「安全に終了した」という筋書きが欲しくなる。



    どうして、今回のような状況に様子を見ながら少しずつ、追い込まれていったのかを考えながら時系列を追って見ると、「原子炉を安全に」…というのは復旧して再び使えるようにと言うことを意図していたことが読み取れる。そして、やむを得ず廃棄するにしてもなるべく少ない数で済むように一基ずつ様子を見るようにして行った結果だ。



    東京を中心とする首都圏機能の喪失と、一基約4千億円とも言われる原子炉を無駄にしたくないという心理が今でもなお働いているようにしか思われない…いやむしろ、六基合わせて2兆4千億円以上の発電施設(更に福島第二原子力発電所も合わせれば5兆円を超える数字となる)と、首都圏の機能をドブに捨てたくないと思うのが常人の考えであろう。そして、5号炉、6号炉の状況もそういう中で推移していると思われる。



    だからこそ、こんな文章が出てくる。 名前を出しもしない「知り合いのご主人」である「日本の原子力の父」に「安全だ、問題ない、日本の技術は世界一だ」と言わせてまで、 つまり、「心配はいらない。だから、福島の原発は今後も使えるようにしたいし、そう理解して頂きたい。なぜなら、失敗は繰り返さないから…。」と言いたいわけだ。無責任さに呆れてしまう。



    不安を煽るつもりはない。しかし、嘘を吐いて安心させることは、不安を煽るのと同等かそれ以上の罪である。

  • 無学な者2011/03/16

    川口マーン恵美さんが、どんな人かは知らないが、こんな無責任な意見は見たことがない。



    >服についた少々のチリも、

    >あまりにも性能のよい検査器が見つけてしまい、

    >その人は被爆とされてしまうらしい。



    まず、被爆は被曝でしょ。それに、「あまりにも性能の良い検査器が見つけてしま」うとして、どうしてそれを日本で使っているのかの理由を理解していない。



    そもそも日本の原子力の父とはどなたか。そんなネームバリューのある人が、公式にではなく非公式に、それも伝聞の形をとってコメントをするであろうか。そんな発言にそもそも、どんな説得力があるというのか。



    >自分たちが築き上げた、

    >日本の原子力発電所の世界一の技術を誇りに

    >思っていた人で、

    >今回のことでは、ショックを受けています。



    >でも、これで原発の未来はなくなるだろうし、では、自分が一生

    >熱中してやってきたことは何だったのだろうと思うと、とにかく

    >無念だということです。



    そんな個人的な感傷を持ち込まれたって困ります。それだけの被害を今回はもたらしています。その世界一の技術が、今、相馬市をはじめとした被災地の救援活動の妨げになっている。屋内待避しか認められず、ライフラインの復旧さえままならない避難所の人たちは、どうやって生きていけば良いか途方に暮れている。助けに行くにも屋内待避が邪魔をする。件の「日本の原子力の父」が実在の人物だったとして、ショックを受けるのは当然だろう。



    >ところが、今回の事故は、揺れによるものではなく、単に、注水

    >に関わる部分に、たくさん海水が被ってしまったことによって起

    >こったものだった。要は、まさか 5m以上の津波が来ることを考

    >えていなかったというだけのことなのです。これを防ぐことな

    >ど、たいした技術もいらず、お金も掛からなかったはずです。



    今度は失敗しないから大丈夫と言いたげなお話だが、反論させて頂ければ、原子炉は停止させるのにも莫大なエネルギーと時間を必要とします。緊急停止ボタンを押したとしても、その後、完全に停止させるまでの間には、莫大なエネルギーと時間を要する。つまり、今回の地震で“安全に”、そして“機器の損傷を招くことなく”停止させるには、数ヶ月間のスパンで全ての障害を克服し停止させるための注水を行い続けなければならないと言うことである。



    使用済みの核燃料さえ、貯蔵プールで3年〜5年を要して冷却しなければならず、その過程の途中で冷却水の循環がたたれてしまえば、4号炉のようなことになってしまうと言うこと。



    元々4号炉は運転すらしていない炉だが、その中にあった使用済み核燃料さえ貯蔵プールの循環が止まったり、水位が低下するだけで建屋を破壊し、使用済み核燃料そのものが露出している状態だ。もはや施設内では、防護服を着用してもなお作業員の安全が確保できない状態で、手立てを失っている可能性が少なくない。



    今回の災害は、未曾有のものであり、各種の想定を超えていたものであったことは、衆人の認めるところだろう。でも、だからこそ、この未曾有の事態に至ってもなお、「何とかして原子炉を再使用できるように停止させたい」という思いを最初に捨てるべきだったのだ。だが「最初から海水を注入してでも止める」という決意が誰にもできなかった。



    その理由は簡単。海水を入れた原子炉は廃棄するしかなくなるからだ。原子炉の価格は一基4000億円とも言われる。これをドブに捨てる決定をそう簡単にできる人がいるだろうか?



    更にもう一つ理由がある。



    >ただ、いっぺんに廃止することは現実として無理なので、

    >代替エネルギーの供給と価格が現実的になるための努力を

    >しながら、段階的に廃止していくべきだといっているのです。

    >いっぺんに原発を廃止したらどうなるかは、東京の住民が、

    >今、身に染みて感じているところです。



    とあるが、その通りで、東京電力の管轄地域が深刻な電力不足に陥るからだ。世論の動向を見ていれば、計画停電も被災地支援の一環だという思いがあるようだが、それは勘違いで、この福島の原発などが被害を受けて電気を自給できなくなっているからだ。逆に言えば、何処かに代わりの原発を建てない限り東京の電力不足は永続的に続くと言うこと。こんな事件の後、どこに原発を建てられるか想像してみたらいい。だからこそ、今回の事件は「安全に終了した」という筋書きが欲しくなる。



    どうして、今回のような状況に様子を見ながら少しずつ、追い込まれていったのかを考えながら時系列を追って見ると、「原子炉を安全に」…というのは復旧して再び使えるようにと言うことを意図していたことが読み取れる。そして、やむを得ず廃棄するにしてもなるべく少ない数で済むように一基ずつ様子を見るようにして行った結果だ。



    東京を中心とする首都圏機能の喪失と、一基約4千億円とも言われる原子炉を無駄にしたくないという心理が今でもなお働いているようにしか思われない…いやむしろ、六基合わせて2兆4千億円以上の発電施設(更に福島第二原子力発電所も合わせれば5兆円を超える数字となる)と、首都圏の機能をドブに捨てたくないと思うのが常人の考えであろう。そして、5号炉、6号炉の状況もそういう中で推移していると思われる。



    だからこそ、こんな文章が出てくる。 名前を出しもしない「知り合いのご主人」である「日本の原子力の父」に「安全だ、問題ない、日本の技術は世界一だ」と言わせてまで、 つまり、「心配はいらない。だから、福島の原発は今後も使えるようにしたいし、そう理解して頂きたい。なぜなら、失敗は繰り返さないから…。」と言いたいわけだ。無責任さに呆れてしまう。



    不安を煽るつもりはない。しかし、嘘を吐いて安心させることは、不安を煽るのと同等かそれ以上の罪である。



    まず、被爆は被曝でしょ。それに、「あまりにも性能の良い検査器が見つけてしま」うとして、どうしてそれを日本で使っているのかの理由を理解していない。



    そもそも日本の原子力の父とはどなたか。そんなネームバリューのある人が、公式にではなく非公式に、それも伝聞の形をとってコメントをするであろうか。そんな発言にそもそも、どんな説得力があるか。



    >自分たちが築き上げた、

    >日本の原子力発電所の世界一の技術を誇りに

    >思っていた人で、

    >今回のことでは、ショックを受けています。



    >でも、これで原発の未来はなくなるだろうし、では、自分が一生

    >熱中してやってきたことは何だったのだろうと思うと、とにかく

    >無念だということです。



    そんな個人的な感傷を持ち込まれたって困ります。それだけの被害を今回はもたらしています。その世界一の技術が、今、相馬市をはじめとした被災地の救援活動の妨げになっている。屋内待避しか認められず、ライフラインの復旧さえままならない避難所の人たちは、どうやって生きていけば良いか途方に暮れている。助けに行くにも屋内待避が邪魔をする。



    件の「日本の原子力の父」が実在の人物だったとして、ショックを受けるのは当然だろう。



    >ところが、今回の事故は、揺れによるものではなく、単に、注水

    >に関わる部分に、たくさん海水が被ってしまったことによって起

    >こったものだった。要は、まさか 5m以上の津波が来ることを考

    >えていなかったというだけのことなのです。これを防ぐことな

    >ど、たいした技術もいらず、お金も掛からなかったはずです。



    今度は失敗しないから大丈夫と言いたげなお話だが、反論させて頂ければ、原子炉は停止させるのにも莫大なエネルギーと時間を必要とします。緊急停止ボタンを押したとしても、その後、完全に停止させるまでの間には、莫大なエネルギーと時間を要するのです。



    つまり、今回の地震で“安全に”、そして“機器の損傷を招くことなく”停止させるには、数ヶ月間のスパンで全ての障害を克服し停止させるための注水を行い続けなければならないと言うことである。



    そもそも、なぜ、こんな体たらくに陥ったかと言えば、「原子炉を安全に」…というのは復旧して再び使えるようにと言うことを意図していたからで、そして、やむを得ず廃棄するにしてもなるべく少ない数で済むように一基ずつ様子を見るようにして行った結果なのです。

    使用済みの核燃料さえ、貯蔵プールで3年〜5年を要して冷却しなければならず、その過程の途中で冷却水の循環がたたれてしまえば、4号炉のようなことになってしまうと言うこと。



    元々4号炉は運転すらしていない炉ですが、その中にあった使用済み核燃料さえ貯蔵プールの循環が止まったり、水位が低下するだけで建屋を破壊し、使用済み核燃料そのものが露出している状態です。もはや施設内では、防護服を着用してもなお作業員の安全が確保できない状態で、手立てを失っている可能性が少なくありません。



    5号炉、6号炉の状況もそういう中で推移していると思われます。そもそも、東京を中心とする首都圏機能の喪失と、一基約4千億円

    とも言われる原子炉を無駄にしたくないという心理が今でもなお働いているようにしか思われない。





    今回の災害は、未曾有のものであり、各種の想定を超えていたものであったことは、衆人の認めるところです。



    でも、だからこそ、この未曾有の事態に至ってもなお、「何とかして原子炉を再使用できるように停止させたい」という思いを最初に捨てるべきでありました。つまり、最初から海水を注入してで求める」という決意が誰にもできなかったこと。



    その理由は簡単。東京電力の管轄地域が深刻な電力不足に陥るからです。世論の動向を見ていれば、計画停電も被災地支援の一環だという思いがあるようですが、それは勘違いで、この福島の原発などが被害を受けて電気を自給できなくなっているからです。逆に言えば、何処かに代わりの原発を建てない限り東京の電力不足は永続的に続くと言うことです。



    だからこそ、こんな文章が出てくる。つまり、



  • ホホホイ2011/03/15

    私も 「だけのことなのです」の件に唖然としました。それこそ

    まさに重要ではないですか。(正直、だけのこと、なのかどうも疑念が

    ありますが。明るみになる事実は刻一刻と変わってますから。)

    科学者の自惚れた無謬主義者こそが被害を起こしたと言えませんか。

    怒りすら感じます。私は思想のことはよく分かりませんが、戦艦大和の

    悲劇に通じるものを感じますね。

    そして事態は時々刻々と移っており、「火事など絶対に起きない」

    とか「放射線は問題ない」という主張が既に覆されていることが分かり

    ます。テレビでも専門家がスリーマイルより下 とか 高浜原発では即死

    だったが現在はレントゲンレベルの被曝量である、とか、問題をなるべく

    過小評価しようという呼びかけがさかんに繰り返されていました。結果は

    どうでしょうか。冷静さは必要ですが、適度の危機意識と恐怖感は必要で

    す。 原発への冷静さ、安心感は原発の恐怖に目を瞑っていることかもしれず、これは「左翼は中国の核の脅威を見ないことで無いことにしている」、という状態となんら変わらないような気もします。

  • 名無しさん2011/03/15

    所詮、5mの津波も想定できない頭で作ったのが、この原発だということ。

    さもありなん。

  • 名無しさん2011/03/15

     いつも有用な情報をありがとうございます。

     今回の,川口マーン恵美さんの記事に関して一言申し上げます。

     私は,日本の原発の技術をとても信頼していた者です。それだけに,今回の事態は残念です。文中に,「まさか5m以上の津波が来ることを考えていなかったというだけのことなのです」とありますが,原発は海の目の前にあります。地震とともに洪水がくることをどうして予測できなかったのか?また,津波が来たときの対応策が甘かったのではないか?ということが,今回の報道を見ていて,とても気になりました。

    宮崎さんのお考えを聞かせてください。

  • とおりすがり2011/03/15

    海のそばに原発をつくる場合、地震で津波がくることことは周知の事実である。万が一のことを想定してつくることが求められているのに、「まさか5m以上の津波が来ることを考えていなかった」というのはお粗末すぎる。しかも今回の場合、注水の関係で高台に設置されてなかった。素人でもわかりそうなことではないでしょうか?このような緊急寄稿は疑問です。

  • 名無しさん2011/03/15

    日本はIEAEや米国に原子力発電所の対応に技術援助を要請した。これは日本の原子力発電技術が後れていると言うことか? 大場