国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(人民元の急速な国際化の背景)

2010/12/25


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月25日(土曜日)
       通巻3173号 
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 急速に国際化した人民元、2015年に通貨市場を開放?
  オフショア市場で人民元の需要が急増した背景と北京の思惑、その誤算
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 十数年前、筆者はバンコックに滞在した。繁華街の伊勢丹で驟雨の雨宿り、ふと見ると大きな免税店があるので、冷やかしに入って驚いた。中国人のツアーが店内にあふれかえり、買い物に熱中していた。
 驚きはその人混みではなかった。人民元が通用したのだ。

 97年、返還前の香港では人民元の交換ができる両替商は限られていた。誰も人民元をハード・カレンシーとは認定しておらず、香港ドルが主流で、ドル、ポンド、円の時代。その僅か4年前の1993年に、外貨兌換券を廃止し、つまり二重通貨制をやめて、人民元に一元化、国際的に通用できるカレンシーを目指した。(それまでは外国人は普通の人民元で買い物ができず外国人だけがつかえる「兌換券」をあてがわれた。交換レートは強制レート、だからあの時代の中国の物価は意外と高かった)。

それがいまや人民元が香港ドルより強く、通貨価値が逆転している。香港ドル110に対して、人民元が100.返還直後でも、香港ドル100に対して両替商のレートは人民元88程度だったから隔世の感がある。
ちなみにHKMA(香港通貨当局)が発表した人民元需要は2010年10月が2170億人民元。11月末の速報で2800億人民元。

 さて異変は二年前からだ。
 リーマンショック以後、人民元の対ドルレートは20%ほどの切り上げとなっている。 2010年7月以降も、2・8%の切り上げ、香港での人民元需要は強い。

 この間、中国は外貨準備を2兆6500億ドルに増やし、大半を米ドルに替えて国債、それも米国債権に投資してきたことは周知の通り。一方でブラジルなどと人民元スワップを締結し、ロシアとも貿易決済の一部を人民元とルーブルで行い、さらにはIMFへの発言力を肥大化させてSDR債権を500億ドル購入し、2013年をメドにSDRバスケットに「人民元を加え、シェアを3%とする」という目標を公言し始めた。


▼中国人民銀行は人民元の国際化にまだ慎重な理由とは?

 市場が変わった。国際的に人民元の需要が顕在化したのだ。
 ちなみに2010年九月のオフショア市場での人民元需要の速報がBISから発表された(中国は、この数字を公開していない)。

 オフショア市場での人民元取引は392億ドル(ドル換算)。
 内訳はー
 香港     107億ドル
 中国大陸    97
 シンガポール  74
 英国      68
 米国      30
 そのほか    16
 (数字はいずれもウォールストリート・ジャーナル、12月24日)

 ちなみに同期間のオフショア市場で、ブラジル・レアルは286億ドルだった。南ア・ランドが326億ドル、インド・ルピーが417億ドル。

 凄い伸張ぶりだが、専門家の分析に従うと「予想ほど人民元の需要が少ない。相対比較でインドのほうが強いのも、中国人民銀行が急激に人民元の国際化をすると、フリーマーケットに為替相場の主導権が移行し、人民元が投機の対象となりかねないことを怖れているからだ」という。人民元建ての中国債権が取引されているのは、いまのところ香港と英国シティのみ。
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  ◎書評 ブックレビュー しょひょう BOOKREVIEW 書評◎
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伊藤玲子『沖縄県平和記念資料館 その真実』(展転社)
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 これは“中国の”反日記念館なのか?
 とんでもない。我が国の領内で国家解体をもくろむデタラメな歴史観の展示が、堂々となされているのである。それが沖縄にある『平和記念資料館』なるびっくり仰天のお化け屋敷である。
著者の伊藤怜子さんは、元鎌倉市議、左翼教育の凄まじさに立ち上がり、全国を走り回って日教組教育を批判してきた。現在82歳、ますます元気。
 本書をまとめるにあたり伊藤さんは毎月平均二回、一年をかけて沖縄へ飛んで、このお化け屋敷の左翼自虐史観の偏向展示の実態を調べ上げた。
 読めば読むほどに憤りと情けなさ、政治の貧困、マスゴミのおごりと偏向、いったい、日本はどこまで堕落してゆくのかを考える。
 


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小山常実『公民教育が抱える大問題』(自由社)
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 いま左翼の陰謀めいた蠢動は民主党政権の迷走によって、表の報道からは消えたが裏面では狡猾に進捗している。すなわち外国人参政権、男女共同参画に新条項、生活保護の外国人への大幅な適用緩和、これらの動きは国家を消滅させ、家族を消滅させ、社会をさらに悪化させる。
根本原因は戦後の公民教科書にあり、日本壊滅をねらうものだとする本質論である。
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 読者の声 DOKUSHA―NO―KOE ドクシャノコエ どくしゃのこえ
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(読者の声1)平成22年の憂国忌での西尾先生のご発言で謎が解けました。非常に信頼できる方から聴いたことではありましたがなぜか腹の底に落ちない、どこか違うという思いが頭から放れませんでした。
衝撃的な話ではありますが、話の主は誠実無比、頭脳明晰な方です。直接の関係者がすべてなくなった今、その意味することを残った我々が真摯に探究できるのでしょう。否、結論をださざるを得ない時がすぐそこにきています。
宮中では長年の習わしで、どんな方でも80歳を超えるとお勤めをやめることになっています。その例外として、真崎秀樹氏は昭和天皇の通訳を80歳を超えてからも、陛下のたってのご希望でお勤めになられていました。
ある日、部屋に陛下と真崎氏のみがいたとき、陛下は窓の方をみながら、「私がおまえをその歳になっても使っているのは、真崎大将の長男だからだ。私は今までに二つ間違ったことをした」とおっしゃられました。
私がその話を聴いたのは、真崎氏と親しい仲であり、その方自身陛下から非常に信頼された方からです。昭和40年ころ宮内庁の職員組合が宮中祭祀は公務ではないので手伝わないという決定をしたとき、民間人で手伝う人を選定することを委嘱された方です。どの程度、陛下がご信頼なさっていた方かわかると思います。
その方は、「二つの間違いの内の一つは、二・二六事件での処置である事は、陛下のお言葉から明らかである。もう一つは確かにはわからない。私はポツダム宣言を受け入れたことであると思う」といわれました。
私は、「大東亜戦争を開戦したことではありませんか」と言ったところ、「あの時は政府が既に開戦することを決めていた。政府が決めて了解を求めてきたら陛下は承認するしかなかった」とのお考えでした。
陛下を私などとは比べ物にならないほどご存知の方のいわれたことなので、ひとかけらの疑念はありましたが、そうなのであろうと思っていました。
しかし、西尾氏の発言でそうではないことに気づきました。
それは日本陸軍が研究していた原子爆弾の開発を禁止したことです。
結局、原子爆弾の惨禍にあったのは日本人だけだ。相互抑止が働いて、日本が爆撃されただけでそれ以降は使われなかった。それなら、日本が先に開発して実験だけすれば、だけも傷付かずに、あれほどの惨禍を日本人にもたらさずに終戦に持ち込めたはずだ。その想いが陛下をさいなみ続けていたのでしょう。
昭和19年の夏か秋ごろ、参謀総長が参内して陛下に「原子爆弾開発の目処がつきました」とご報告したところ、「お前たちはまだそんなものをやっていたのか」ときつくお叱りになり、開発中止となったという話が巷間にも伝わっています。
しかし一般にはそれは旧陸軍の人たちが自虐的に心の慰めのために作った嘘話であると信じられています。あの当時の日本の工業力では高純度のウラン235やプルトニウムを充分な量確保することは不可能であった、起爆装置の開発も無理だった、それに、開発した痕跡が残っていないというのが一般の認識です。
しかし私は、あの時点で日本の原爆開発は完成間近まで行っていたと確信いたしております。一つには、当時陸軍の参謀で陸軍大学優等卒業の方から以前、「昭和19年の夏に参謀長から新型爆弾が完成したので、これで戦争に勝てると聴いたが、12月にあれは陛下が使うなとおっしゃられたので使えなくなってしまった」と聴いたからです。
陸軍内のエリート人脈に属したその人には極秘情報が通常のチャネル以外から入ってくる。しかもその人は妄想や嘘話とは対極にある冷静かつ論理的な方です。
もう一つは、現在知られている2タイプの原子爆弾とは全く違うデザインの原子爆弾を作ることが可能であると私は考えています。そのデザイン自体は口外できませんが、当時の日本の工業水準でも十分開発可能であり、遥かに少ない量の純度のそれほど高くないウラン235を使って超小型の原子爆弾を作ることが可能なはずです。大規模な設備は不要なので、昭和19年の12月に開発中止になったのなら設備の痕跡を消すことは簡単であったことでしょう。
その方は、現行のウラン型原子爆弾を前提としてドイツから原子爆弾開発に十分な量のウラン235の提供を受けていたはずであると言われましたが、私は別のデザインのものであった可能性のほうが高いと考えます。
西尾さんもご指摘になられたように昭和39年の中国の原子爆弾実験後、日本政府の中でも原子爆弾開発の動きがあり、ドイツとの共同開発の協議があったことが明らかになっています。
私は、佐藤内閣の非核三原則は米国政府から強要されたものであると考えます。特に「持込ませない」は、米国政府からの、ドイツに提供するような核兵器を現実に配備しての防衛体制は日本に対してはとらないという、「防衛無責任体制」の宣言であり、米国政府から日本政府、日本国民への負の宣告です。
原潜等に積み込まないなどという幼稚な約束ではありません。そんなことはそもそも日本政府に検証不可能だからです。
佐藤総理はその意味を正確に理解していたからこそノーベル平和賞受賞演説の中で米国政府の反対を押切って「全世界の核廃絶」訴えたのでしょう。三島由紀夫もそのことを理解していた。そして佐藤首相は三島ならわかっていると知っていたからこそ、三島の自決を聞いて、「狂ったか」と叫んだのだと確信します。
昭和天皇、三島由紀夫、佐藤栄作、この三人は核拡散防止条約の持つ危険性を理解し、おそらく、この三人だけは理解していることをお互いに感じ取っていたのでしょう。当時表立って話すことのできないこのことを。
陛下は、昭和19年に開発を禁じたことを間違いであったとおもわれたのでしょうが、戦後にあるいは現時点で再度解発することを望まれていたとは私は言いません。しかし、この「昭和遺言」を知った以上なすべきことがあります。
それは昭和19年の時点でそれを使えば戦争に勝てる可能性が高いにもかかわらず、使わなければどのような惨禍が待ち受けていたかを知った上で敢えて核兵器開発を禁じたお方がいられたということです。
そしてそのお言葉を慫慂として受け入れた軍人がいたということです。日本がこれから軍備をどのようにしていくにしても、このことを核兵器を既に持っている国の国民と指導者、現在、開発中の国の国民と指導者、そして誰よりも日本国民自体が知り、心に刻み込まねばなりません。
それができない人間に平和を語る資格はありません。
  (ST生、千葉) 


(宮崎正弘のコメント)驚き桃の木のお話でした。真実であるとすれば、有力雑誌のトップ記事ではありませんか。
さて今月の『WILL』の西尾幹二さんの論文は「三島由紀夫と核武装」です。これは憂国忌での西尾さんの発言をもとに大幅に加筆されたものです。
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 ◎毎日一行◎ 駐ロシア大使を更迭。え? 更迭すべきは民主党そのものだろ。
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(読者の声2)貴誌前号の「毎日一行」にある「ウィキリークスとかけて『おやつ』と解く」そのココロは?「あ、三時」」とはいかなる意味でしょう?
 ちょっと翔んでいてわかりかねます。
   (SY生、三鷹)


(宮崎正弘のコメント)ウィキリークスの主宰はジュリアン・アサンジ。ですから「あ、三時(アサンジ)」。ま、日本でしか通じないダジャレですが(苦笑)。
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
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『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(同じく石平氏との対談。ワック、933円)

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『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
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『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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  • 名無しさん2010/12/25

    コミンテルンな思想を持った人が蠢いている。今では表立って。しかし許容してるのは90%の愚民。これらの啓蒙を急ぐべし。しかし反日日教組の教育を受けた愚民脳味噌完全にいかれている。

    (タイ在住)

    以上

  • 名無しさん2010/12/25

    歴史教育の最大の障壁は宮沢首相が作り出した「近隣諸国条項」が破棄されない限り日本の歴史教育の正常化は有り得ません。

    完全に内政干渉の、基本に成る最たるものを作って仕舞った政治が是正すべき問題です。

    相手の言い放題の歴史は、日本を壊して仕舞います。