国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(金買いに群がる中国の庶民)

2010/12/24


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月24日(金曜日)貳
       通巻3172号 
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 中国経済の深い闇が庶民の投資行動によって明るみに出つつある
   庶民は路地裏でいったい何をしているか? 金買いと闇での外貨交換
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 日本に中国から古物商が群れをなしてやってきて中国古美術のオークションに参加している。掛け軸、陶器、壺の類い。テレビがその情景を『バブル紳士』のように描き、さすが中国は金持ちだ、と囃している。株、不動産投資にあきて古美術骨董への投機だと解説している。

 だが、考えてもみてほしい。日本の中国古美術オークションで最高落札価格は二千万円ていどである。
日本がバブルのおり、ゴッホやセザンヌの絵をいくらで競り落としたか? 八十億円とか。しかもバブル紳士はほざいた。棺と一緒に燃やせ、と。

 中国の経済は異常な景気の良さ、ついに2010年推計速報では直接投資が1000億ドルを超えて、GDP成長は10・3%とか豪語した。11年も9%台を確保できる、と。でも李克強副首相は言った。「中国の経済数字は人為的、だれも信用していない」(ウィキリークス)。
 
この間、庶民はますます生活に困窮した。工場では賃上げストが頻発した。
 高級幹部は子弟を海外留学から海外移住させ、つまりは合法的亡命に準備に余念がない。
 金持ちはますます肥り、海外にマンションを買い、人民元が信用できないのでドル、円で預金するなり、香港の銀行に預けるなりしている。
 直接投資と同額が中国から流失している。
 
 ならばおこぼれにも預かれない庶民は、どういう投資行動をとっているか。
 各地での暴動ばかりではない。


 ▼だれも住まない住宅が2000万戸という歴史開闢以来の異常事態が発生

 不動産投資は『投機』となり、ついに2000万戸もの『誰も住んでいない住居』を建設した。日本の駅前シャッター通りの比じゃないって! だれも住んでいないゴーストタウンが地方都市のそこかしこに出現している。

投資権限を与えられた地方政府がそうやって土地を切り売りし、デベロッパーと組んで『人為的成長』をでっち上げた結果である。
 中央政府がいまさら金利を上げ預金準備率をあげても遅い、って。銀行から流れ出た不動産投機のための資金はおそらく200兆円を越えるだろう。
 米国のサブプライム破綻で『誰も住んでいない住宅』は一千万戸だった。中国はその二倍。
だからリーマンショックを凌駕するショックが中国から次にやってくる。

 中国株は6000ポイントの絶頂から転がり落ち、回復は絶望的である(ちなみに2010年12月23日の上海終値は2855ポイント)。
 不動産も投機行為ゆえに株のバブルとおなじく、はじけると半値以下に暴落するのは火を見るより明らかである。

 だから庶民は何をしている?
 路地裏を歩けばすぐにわかる。鎖のかかったシャッターをおろしたまま、路地裏の商店、群がる人々は宝飾品を買う。金、銀、プラチナが含有された首飾り、宝石、イヤリング、なんでもいい。手当たり次第の売り手市場。金のインゴットは偽物を避けるため、ちゃんとした店に行列(数年前から中国では個人も金が買える。いま、世界一の産金国中国は同時に世界一の金消費国である。

 そしてついに中国は銀行でも金をかえるように法律を変えた。預金の列が金購入の列に変わった。人民元の未来を信じていないからである。
 路地裏の地下銀行はおろか、街の両替商でも外貨への交換がさかん、聞くところに拠れば風俗嬢も人民元での支払いより米ドル・日本円・ユーロをほしがるそうな。

 こんな国がまだ成長するという神話も、近未来には木っ端微塵に破壊されるだろう。
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
『オレ様国家 中国の常識』(来年1月18日発売決定、新潮社。定価1470円)

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 読者の声 DOKUSHA―NO―KOE ドクシャノコエ どくしゃのこえ
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(読者の声1)貴誌前号の【知道中国 500回】(周恩来は誠心誠意の人・・・そりゃあ買い被りってもんです)への感想です。
周恩来は欧米人から歓迎されました。見た目がハンサムで態度が温厚、応答がシャープだったからです。しかしいろいろな情報があります。
1.生き延びることにたけていた:起き上がり小法師=信念がない人間。
2.毛沢東の前では家来であり膝まづいていた:毛沢東の医師の話。
3.テロリストだった:反党分子の報復に、家族を皆殺しにして埋めた。
4.周の妻:公安で周恩来の監視をしていた。周恩来が女を作ると、家に呼ぶように周恩来に勧めた。女が来るとすぐに処置(殺害)してしまったという。
5.末期:毛沢東の医師に語った周恩来の言葉」「助からないのだな」。複数の原発性のガン発症。
6.毛沢東の方針:ガンならどうせ治らないのだからと、周に手術を許さず目いっぱい使ったという。やっと手術した時は当然手遅れ。
7.死後:墓を作らないように。大量殺人の恨みで国民に墓を暴かれ辱められることを恐れた。
8.スターリンの通訳ベレズロフの挿話:(1)ボロディン(有名なソ連の対支工作員)の評:周恩来は有能な政治家。頑健で精力的である。(2)ベレズロフの周恩来との会見:戦後北京に行き、周恩来との会見を申し込む。返事はない。京劇見物に行く。隣の席が空いていた。劇が始まると誰かが座った。横顔が周に似ている。隣の通訳が「周です」という。劇が終わった。しかし誰一人立つ者はいない。周は英語で「どちらから見えましたか」と聞く。皆知っているはずだが。会話の中で周は「ところでボロディンの身の上は?}と尋ねた。そこである日姿を消した(極北でスパイとして処刑)というと周は残念がった。その後、第二幕が終わっても観客は席を立たない。そして第三幕が終わっても立たたない。 周は私と握手を交わし、旅の無事を祈る言葉を述べて劇場を去った。すると観客は我に返ったように帰って行った。それで私はすべてを理解した。観客は何もかも承知だったのだ。(「私はスターリンの通訳だった」 ワレンチン・M・ベレズロフ著 同朋者出版から抜粋)

注:西安事件のソ連関係者はスターリンに皆んな、殺された。周恩来はボロディンが秘密を知っているので心配していたが、処刑されたと知り安心したのではないか。
  (東海子)


(宮崎正弘のコメント)神田駿河台下の「漢陽楼」は周恩来が留学時代に毎日のように通っていた中華料理屋。いまも盛業中。このあと数ヶ月、周恩来は京都に滞在していたが何をしていたかは謎である。だから拙著にもたびたび書いたが「周恩来は毛沢東の茶坊主」だった。だから生き延びた。かれへの過大評価はそろそろ終わりにしてほしい。
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 ◎毎日一行◎「ウィキリークスとかけて『おやつ』と解く」そのココロは?「あ、三時」
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(読者の声2)宮崎正弘先生の近刊予告を拝見しました。正月あけての発売が楽しみです。『オレ様国家 中国の常識』(新潮社)の中味は、ところで?
   (UI生、京都)


(宮崎正弘のコメント)尖閣諸島沖合衝突ではからずも日本人は中国の本質に触れたのですが、毒いり餃子事件も、SARSも、毒ガス化学兵器遺棄も、南京大虐殺の嘘も、すべては中国人のDNA、その生き延びる体質からきている。その本質を論じた書き下ろしです。ですから、時局論ではなく中国及び中国人を論じた本です。
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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム 
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 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 501回】                         
    ――あの頃は絵本までが“実事求是”を語っていた・・・のに
      『“没興趣”游“無算術国”』(嵆鴻 少年児童出版社 1978年)

 
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!)小平の強力な指導の下で共産党政権が政治最優先の毛沢東路線を清算し、経済第一の開放路線にコペルニクス的大転換を果たした78年末から数えて半年前の同年6月に出版されたこの本は、表題となった「“没興趣”游“無算術国”」を含め8つの科学童話を納めている。

毛沢東時代の児童書とは異なり、『毛主席語録』からの引用もなければ、大人顔負けの為人民服務ぶりを発揮する気持ちの悪い“大人子供”も登場しない。ただ只管に事実を以って事実を学ばせようとする姿勢に貫かれている。
これこそが、!)小平が強く主張した実事求是(=事実に基づいて真理を求める)というやつだろう。
 
没興趣(興味なし)クンにだって本名はあるものの、彼は興味のないこと、面白くないこと、嫌なことには一切関心がない。

そこで、こんな渾名で呼ばれるようになったわけだが、「好きなことだけすればいい」「嫌いなことはしなくてもいい」などと育てられた“ゆとり世代”の日本の若者に共通するものがあるようだ。
 
算数を勉強しなければならないのに、九九を覚えるのは面倒だから嫌い。そこで「算数の勉強なんて煩わしいだけ。勉強したって何の役にも立たないや。勉強しなくたって、どうってことないや」である。
ところがある時、彼は「無算術国(算数のない国)」に迷い込んでしまった。「なになに、算数がない国。こりゃラッキー」
 
この国をブラブラと歩いていると、遠くの方から人の争う声が聞こえる。髭のおじさんが「昨日、お前は87個取って、俺は59個。だから、お前の方が多い」。すると背の小さい方が、「今日はアンタが81個で俺が53個だから、アンタの方が多い」。

顔を真っ赤に口角泡を飛ばしての言い争いは延々と続く。やおら2人に近寄った没興趣クンは「なにを喧嘩してるの。どっちが多いかって、足し算してみればいいだけジャン」。流石に無算術国である。

2人は声を揃えて、「算数ってなんだい」。落ちている枝を手に没興趣クンは地面に「髭オジサン:81個+59個=140個。小さいオジサン:53個+87個=140個」と書いて、「2日間を足し算すれば、2人とも同じだよ。喧嘩なんかバカバカしいジャン」。すると2人は「そうだったのか。キミが来なければ明日の朝まで喧嘩を続けるところだった」
 
次いで「おおい、そこの小学生。こっちに来て助けてくれ」との声がする。
行ってみると、デブとヤセのオジサンが2人。デブが捕った魚をヤセが受け取って桶に入れる。40匹捕ったところで桶を覗くと、泳いでいるのは32匹。そこでデブが9匹、ヤセが4匹と逃がした魚の数について言い争っている。没興趣クンは「オジサンたちって引き算を知らないの」。
「なんだい、その引き算っていうやつは」。そこでまたまた地面に「40匹−32匹=8匹」と式を書き、「争うことなんてないじゃん。逃げた魚は8匹だもん」
 
没興趣クンが操る算数の評判を聞いて、次から次への争いごとの調停が持ち込まれる。「そうか。無算術国では計算ができないから、朝から晩までこうなんだ。困った困った。こんな国にいたっていいことないや」とばかりに、みんなが争っている隙に彼は家に逃げ帰った。それから没興趣クンは算数の勉強を頑張った・・・とさ。

めでたしメデタシ。
 無算術国だった毛沢東時代の中国から脱し30年余。当時の没興趣クン世代も大人になったが、いまや金儲け以外は没興趣。
かくて中国は新しい無算術国と化したわけデス。
《QED》
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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  • 一応軍事通です2010/12/25

    いつも貴重な情報拝見させていただいています。ところで、あまり報道されてませんが、現政権は、財政難を理由に、陸自の戦車約200両も廃止の予定だそうです。もちろん戦車は、陸戦の主力兵器で、上実現されたら、本土防衛がより弱体化し陸自歩兵をより危険にさらすことになります。また、昨年春の、北朝鮮の2度目の東北地方横断した弾道ミサイルに対して、前自公政権が決定していた、対弾道ミサイルのパック3ミサイル増加を、現政権は、中止しています。