国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(ハッカーがテロリストになるとき)

2010/12/23


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月24日(金曜日)
       通巻3171号 
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「テロリストはハッカーにもなりうるが、ハッカーがテロリストになると恐ろしい」
ウィキリークス事件は2011年の国際的な地政学を大きく変貌させうる
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 もしジャーナリストが機密にする情報源をあかしたら、その日から彼、あるいは彼女は情報源を失い失業するだろう。
しかしウィキリークスで公電を暴かれた米国外交官は、なんだか称賛の声が強い。なぜって、ユーモアのセンスがあり、修飾語の使い方がうまく、しかも外交官としてセンスが抜群ではないか、という感想を抱くからだ。ただしウィキリークスがこれまでに暴露した公電の範囲内での話ではあるのだが。。。

 NYタイムズがウィキリークスからの機密情報の連載を突如打ち切ったのは、首謀者ジュリアン・アサンジが逮捕されたからだ。
しかし逮捕に到るまでに米国はスェーデンと英国に圧力をかけ、オバマ政権の存続と民主党の勝利を願っているNYタイムズが、オバマ政権から「米国に不利益になる」との圧力には妥協するのも当然だろう、と考えられる。

 これがもし共和党政権下でおきた機密漏洩ならディープスロートも、エルスバーグのペンタゴンペーパーも、NYタイムズは言論の自由、国民の知る権利といって掲載を中断しなかったように(ディープスロートはワシントンポストだったが)、掲載を続行したのではないのか。

 反対のケースがバレリエ・プイィム事件だ。
 これはバレリエがCIA高官であり、美人であり、その夫ジョセフ・ウィルソン(国務省高官で民主党支持者だった)が核物質をイラクへ輸出した疑惑の調査にニジェールへ行ってウラニウム輸出の証拠無しとしたこととリンクさせて、ついには妻の名前をCIA高官と公表し、バレリエを議会証言させるという機密を暴いたのは誰だったのか。ブッシュ政権ではないか。


▼機密が全て公開されることになれば国家は機能しなくなる

 「イラン攻撃を米国が行うとすれば中東諸国は反対しないだろうという衝撃的な米国公電やサルコジが国王のようにふるまう権威主義者という公電がショックというのであれば、いやそれらは既知の事実の範ちゅうにはいり、イランの大統領選挙は与党の不正投票の結果だという公電も、自由世界では殆どの読者が関知していることであり、これらにニュースバリューがあるという認識がアサンジにあったとすればかれは国際政治にナイーブである」(ロジャー・コーヘン)。

 機密の暴露は米国外交を低下させ、あるいは停滞させ、国家安全におおきな、見えない損害を運び、名前のでた個人の生命を危険にさらしたという意味でウィクリークスは巨大な、新しいテロである。
 世界的規模で外交の進捗を阻害したからだ。

 「外交や政治に機密はつきものであり、外交の前提であり、これがすべて公開されることになれば国家は機能しなくなる」(バルガス・リョサ元国際ペン会長、今年度ノーベル文学賞受賞作家)。

 「テロリストがハッカーにもなりうるが、ハッカーがテロリストになるときが恐るべき事態となりうる。そういう意味でウィキリークス事件は2011年の国際的な地政学を大きく変貌させるだろう」(イアン・ブレマー&パラグ・カンナ両氏のヘラルドトリビューンへの寄稿。12月23日) 
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<< 今月の拙論と予定 >>
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(1)「中国人の交渉の奥義」(拓殖大学『新日本学』冬号、24日発売。展転社)
(2)「世界は中国への不満で満たされている」(『月刊日本』12月22日発売)
(3)「尖閣を忘れるな」(西部邁、富岡幸一郎、木村三浩、西田昌司、水島総氏らとのシンポジウム記録。『表現者』、34号、発売中)
(4)「中国知識人とノーベル賞」(『正論』正月号、猿紅氷氏との対談。24日まで発売)
(5)「三島由紀夫と戦後」(『歴史スペシャル』12月号、世界文化社、発売中)
(6)「反日デモは最初から最後までやらせ」(『撃論ムック』、発売中)
(7)「ウィキリークスのトンデモ中国情報」(『共同ウィークリー』、1月11日号)
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 読者の声
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(読者の声1)ウイッキーリークスに関する議論が喧しい今日この頃です。
私が、興味深く思うことは、米国政府とくにオバマ政権にとって漏れてくれてよかったと内心ほくそえむような情報がおおいということです。
といって陰謀論と結びつける気はありません。何事にも偶然と言うことがあります。9・11事件の直前にアメリカン航空の株が大量に空売りされましたが、密かに知って密かに自己利益に繋げるよううまく振舞う人間は何時の世にもいるものです。
一つ、この点に関して、感触をつかむ良い指標があります。イスラエル関係の情報がでてくるか、また出てきたらどういったものかという点です。しかしこれも、靴とは言いませんが、足袋の上から足の裏の水虫を欠くような指標です。
Time誌アジア版12月20日号の52頁に「The Best Books of 2010」という記事のノンフィクション分野のリストがあります。その第一位は、Laura Hillenbrand氏著、「Unbroken」です。主人公は第二次大戦中に日本軍の捕虜となりぶたれ、絶食させられたが終戦まで生き延びたそうです。絶食させられて終戦まで生き延びたのですからよほど終戦真近に捕虜となったのでしょう(これは皮肉です。)
書評を読んでいて、約30年前にThe Economistで読んだ読者の投書を思い出しました。その前の号に載った日本軍の英国人捕虜に対する虐待に関する記事に対する反論です。書いた人は元英国軍将校です。日本軍の捕虜となり11箇所の捕虜収容所に収容されたが不当と思う扱いをされたと感じたのは一箇所だけであった。概して日本軍の捕虜に対する扱いは良好であったという内容です。
日本軍がジュネーブ条約をバカ正直に守って捕虜を扱ったことは、知る人ぞ知る事実です。米国軍をはじめ連合軍が投降した日本軍兵士に対して行なった虐待も知る人ぞ知る事実です。
勿論、例外はあります。そして、Unbrokenの主人公も偶然そのような例外的人物であったのか、乏しい資材の中で精一杯捕虜のために日本軍兵士が提供した処遇を素直に受け止めるだけの「人間的温かみのある感受性のない」例外的人物であったのかもしれません。
現時点で、2010年のノンフィクション第一位にこのような本を択ぶのも作為ではなく偶然なのでしょう。
偶然とは非常に怖い概念です。最近読んで寒心(感心ではない)した本があります。本郷和人氏著、新潮新書「天皇はなぜ生き残ったか」があります。豊富な例証と怜悧な論理で中世末期に天皇は権力だけではなく権威もはぎとられていたことを論証していきます。そして、天皇が存続し続けたのは偶然に過ぎないと結論付けています。そして、偶然に存続し続けたのだから正統性はないというのがそこからでてくる著者の考えです。
結論に至る途中で使われている分析に著者が批判している今谷明氏のものが引用としてではなく自分の考え、あるいは自分の独創であるように書かれている不躾さはさておき、私が寒心せざるを得ないのは、偶然をどう捉えるかと言うことです。
宮中で12月に野外でお神楽を真夜中に行うことが千年以上続いています。事前にその日は決められているのですが、いまだ嘗て一度も雨が降ったことがないそうです。天気予報が頼れたわけではなく、全くの偶然です。
私はその偶然に人間の力を超えたものを感じます。私も天皇が存在し続けてきたことは結局は偶然と言わざるを得ないと思います。しかし、大和魂を持った人間なら誰でもその偶然の前に敬虔になり、おがむ外ないと私は信じます。
偶然をも支配するその力こそ御稜威と言うほかないと感じます。それが、草莽の心でしょう。
  (ST生、千葉)
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 499回】                  
      ――天に代わって成敗してみたものの・・・
        『罪悪的収租院』(上海人民出版社 1971年)
  

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 この本が出版された71年3月の時点では、毛沢東と林彪という当時の共産党を率いていたツー・トップの亀裂は決定的段階を迎えていたはず。
にもかかわらず両者の関係は、表向きには「偉大なる毛主席」と「親密なる戦友」。なればこそ、この本の劈頭を「階級闘争とは、ある階級がある階級を消滅させることである。

これこそが歴史であり、数千年の文明史である」との『毛主席語録』の一節が飾り、次頁に「階級闘争のなんたるか。搾取のなんたるかが判らないということは、革命が判らないということだ。
過去の苦しみを身に沁みて感じていないということは現在の幸運を知らないということであり、ましてや今日の喜びを苦しみと誤解してしまうということだ」という林彪のことばが置かれているのだ。

 当時の両者の関係、その後の林彪に対する公式的な取り扱いから考えれば、掛け合い漫才風ながら、両者のことば実に意味深といえるだろう。だが、それはさておき、この本は文革中に大評判になった収租院という一群の塑像作品に関する記録映画の解説版である。

 国民党時代、「天府の国」の別名で呼ばれる実り豊かな四川省に地主でありながら軍閥・官僚・土匪でもあった極悪非道の劉文彩がいた。コイツは四川西南部に位置する10数県で覇を唱え、支配下の農民の生殺与奪の権を握っていた。
塗炭の苦しみに喘ぐ農民を尻目に贅沢三昧限りなし。コイツが1年間に吸うアヘンの代金で、3千人以上の農民が1年間腹いっぱい食べられるほどの米が買えた。豪壮な屋敷の豪華な仏間の後ろには水牢まで備えてあり、年貢を払えない農民を散々に痛めつけ殺しまくっていた・・・そうだ。

 コイツの屋敷の一角に収租院と呼ばれる建物がある。虐げられた農民にとっては「地獄の門」にも等しい門を潜ると、その先には“この世の地獄”が待っている。毎年秋の収穫が終わる頃、農民に対し年貢を納めにやってくるよう告示を貼り出す。
すると、老いさらばえ、やせ衰えた農民が肩に担ぎ、背負い、あるいは手押し車で年貢を納めにやってくる。

獰猛な犬を従え、劉文彩の私兵たちが鞭や銃を手にして農民を厳しく監視する。のろのろ歩く農民には犬を嗾け、米1粒でも足りない農民には巨漢の手下が無慈悲にも鞭を振った。
「後生ですから、お助けを」と哀願しようが容赦はしない。年貢の足りない農民は殴り飛ばし、水牢にぶち込む。年頃の娘は借金のかたに売り飛ばされる。

 だが、こんな無理無体がいつまでも続くわけがない。虐げられ動物以下の生活を強いられてきた農民の怒りが爆発したのだ。「マルクス主義の道理は言い尽くせるものではないが、とどのつまりは『造反有理』に尽きる」との毛沢東の教えにしたがって、「苦労を嘗め尽くした農民が、偉大なる毛主席と中国共産党の指導の下に造反に決起した」のだ。「春雷が鳴り響き、労働人民の救いの星である毛主席が指導する軍隊が村にやってきた。この瞬間から、金色の陽光が農民の家々に差し込んだ」んだってサ。

 命乞いする劉文彩に向かって、怒れる農民たちは「階級の敵に鉄槌を」と叫ぶ。
 文革当時、収租院跡を舞台に社会主義クソ・リアリズムの手法で造られた農民たちの塑像を展示し往時の地獄絵巻を再現し、「過去の苦しみを忘れるな」と実物教育を行った。

かくて誰もが階級の敵を知り、怒りに燃え「地球上の一切の搾取制度を消滅させ、すべての人類が解放されるまで闘いを止めはしないと誓った」・・・そんな昔もありました。
《QED》

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 ◎ 毎日一行 ◎ 海上保安官処分? センゴク処分の間違いではないのか
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樋泉克夫のコラム(その2)
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【知道中国 500回】               
    ――周恩来は誠心誠意の人・・・そりゃあ買い被りってもんです
           『周恩来総理の思い出』(外文出版社 1978年)


 ▽
表紙を開くと、先ずに目に飛び込んでくるのが、超高級生地を使って最高に仕立てられたであろう人民服をピシッと着こなした端正な顔立ちの周恩来の上半身写真である。
写真の下には「中国人民の偉大なプロレタリア革命家、傑出した共産主義戦士周恩来」と。

確かに湖南の田舎オヤジそのもので歯を磨くことも顔を洗うことも嫌ったといわれる毛沢東、ドン臭い好々爺然とした朱徳、匪賊そのものの賀龍、チビの!)小平などの田舎臭紛々の他の指導者に較べれば、周恩来が醸し出す都会的雰囲気は際立ってステキだったろう。
だが、なぜ、彼が内外から過度ともいえるような「敬愛」をもって迎えられているのか。それが全く判らない。
だから、その理由が知りたくて、この本を広げてみた。

冒頭に掲げられた「周恩来総理は永遠にわたしたちのもとを去った。だが、周総理は片時もわたしたちから離れてはいないのだ。/広々とした中国の大地で、周総理はいまなお大衆とともに呼吸し、心を通わせている。周総理の輝かしい形象は、永遠に八億人民の心のなかに生きつづける。・・・ここに収録した文章は、周総理の逝去一周年を記念して中国の新聞・雑誌に発表されたもののごく一部にすぎない」との「出版者のことば」によれば、この本は76年初頭に亡くなった周恩来を記念して出版されたことになる。

周恩来の活動拠点であった国務院弁公室グループの「敬愛する周恩来総理の逝去一周年を記念して」を筆頭に全部で22編の思い出や追悼が収められているが、なかでも興味深いのが「周総理をしのぶ西蔵(チベット)人民」(中国共産党西蔵自治区委員会)だろう。

「われわれは、西蔵人民にたいする周恩来総理の配慮を永遠に忘れることができない」。それというのも周恩来は「毛主席の革命路線と民族主義政策を忠実につらぬき」、「自らチベット問題の解決に関する毛主席の教えを身をもって実行し、一連の重大な問題を解決した」。「周総理は自ら電話の側を離れず、万里の高原の勝利のニュースをまち受け、毛主席の戦略的配置を伝えた」からである。

ここでいう「一連の重要な問題」とはチベットに対する武力制圧を指すが、中共西蔵自治区委員会は「平和的解放から反乱平定、民主改革へ、民主主義革命から社会主義革命へ」と詭弁を弄し現実を糊塗しようとする。

さらに「わたしたちは、チベットの平和的解放、祖国大陸の統一および漢族、チベット族間の団結促進のうえで、周総理がなしとげた歴史的功績を永遠に忘れることはできない」と続けるが、いいかえるなら周恩来は漢族を大量にチベットに移住させチベットの漢族化を推進し、漢族が溢れ返りチベット族が逼塞して暮らさざるをえないような現在のチベットの悲惨な姿を招いた張本人ということになる。

この追悼文は、「敬愛する総理よ! あなたは中国革命と世界革命のために赤誠をこめて、力のあらん限り尽くしたすえ、疲労がかさなり病気になって入院し、頑強に病魔とたたかってきました。深夜の十二時に、病床に横たわりながら、なおわたしたちのことを思い、わたしたちに心をくばってくれました。あなたはほんとうに、全国各族人民のよき総理です」と結ばれている。

だが、チベットの惨状から考えれば、周恩来が「病床に横たわりながら」「思い」、「心をくばって」いたのは、漢族に拠るチベット完全制圧だったに違いない。

周恩来絶賛は途絶えることはない。
だが、彼の両手もまたチベット民衆の血に塗れていたことを深く記憶に留めておくべきだ。人間、「見た目」だけではありません・・・よ。
《QED》
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 書評 BOOKREVIEW しょひょう 
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家村和幸『真実の「日本戦史」』(宝島社)
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家村氏は、自衛隊に高校を卒業して自衛隊に二等陸士(二等兵)として入隊し、防衛大学入学のため陸士長(兵長)で退役し、防衛大学卒業後、自衛隊で将校として指揮を執り、情報将校、教官として勤められ、平成22年10月に退官、現在は執筆活動、講演等をなされています。
つまり兵士と指揮官という両面で自衛隊を経験し、さらに軍事・軍事史を研究、教育され、軍事と言うものを漏れなく複眼的かつ統一的に観ることの出来る稀有の方です。そのことは、氏の前著で遺憾なく発揮されました。
今回は監修者として名伯楽として、各章を執筆された方々の文章を絶妙にバランスさせていられます。
戦国時代に武将は綺羅星のごとく多くいて、九州から東北北海道と戦いの行なわれた地域に広がりがあり、かつ、約百年にも亘るかなり長い期間です。それを戦略、戦術と言う観点からの串刺しで観ていくと言う大胆な試みを文庫本254ページで試みられ、見事に成功しています。
5人の戦国大名の名前と戦国島津家、真田三代と題した7章の構成です。それぞれの章で、戦闘を起きた順に、背景、実際の戦闘、結果が淡々と図版を使って述べられています。読むうちに自然とこれら7章の対象とならなかった武将までも主人公との関係でその歴史的役割が浮かび上がってくるから不思議です。
しかも兵法に関してはプロの眼から見た薀蓄が簡潔に素人の腹に落ちるように書かれています。
これぞ正に家村節、それを自分が書かないところまでやりとげているところがすごいといわざるを得ません。これで、457円と消費税。東京から千葉までの鈍行運賃で青森まで新幹線グリーン車で行った気にさせられます。まさにお勧めの快著です。
            (評 素行會評議員・當田晋也)
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
『オレ様国家 中国の常識』(来年1月18日発売決定、新潮社。定価1470円)
 (明年1月11日からアマゾンで予約開始。上製。224p。都内主要書店には15日に並びます)

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< 宮崎正弘の最新刊 >
『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
 http://www.amazon.co.jp/dp/486029341X/
 (↑ アマゾンからも入手できます!)

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<宮崎正弘 vs 石平 対談シリーズ >
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『絶望の大国 中国の真実』(同じく石平氏との対談。ワック、933円)

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< 宮崎正弘のロングセラーズ >
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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